Page 1 Page 2 を行っ たー試験は ー992年7 月 ー5 日~8 月 ー8 日の

ヤクシカおよびヒツジに給与したイネ科主体ロールベール乾草
および、アルフアルファヘイキューブの消化 性と窒素利用性
d
増子孝義・鶴田直美・石島芳郎
東京農業大学生物産業学部,網走市 0
99-24
(
1
9
9
4
.2
. 7 受理)
キーワード:ヤクシカ,飲水量,排尿量,消化性.窒素利用性
ロールを検討しているが,有効な手段が見つからず,
要 約
射殺による駆除数を増加させている.一方,一部の
ヤクシカおよびヒツジにイネ科主体ロールベール
地域ではシカを袋角や肉の生産を目的に飼育するよ
乾草とアルフアルファへイキューブを給与し,消化
うになり,農業と共存できるようなシカの活用が検
試験および窒素出納試験を行った.ヤクシカの飼料
討されている. しかし,シカの飼育に関する研究は
O
7
5)はいずれの飼料においても,
.
乾物摂取量 (g/kgW
少なく,飼料の利用性,適正な栄養管理については
ヒツジとの差が少なかった.ヤクシカの飲水量,排
ほとんど知られていない.
尿量 (
g
/
k
g
W
O
.
7
5
)は両飼料ともにヒツジよりも多く,
シカは一般に,牧草,木の葉,樹皮,ササおよび、
それぞれ約1.5倍
, 2
.
2倍であった.ロールベール乾
9
8
1
)
根菜類等を採食しており,食性の幅が広い(梶;1
草を給与した場合には,ヤクシカとヒツジの消化率
ため,牧草や飼料作物で飼育しているヒツジ,ヤギ
に違いが見られ,特にヤクシカの NDFの消化率はヒ
等の反第家畜と同様な粗飼料飼育が可能と考えられ
ツジよりも低かった.へイキューブを給与じた場合
る.
には,ヤクシカとヒツジの消化率に著しい違いが見
そこで,今回の試験ではシカの粗飼料飼育に関す
られなかった.ヤクシカにロールベール乾草とへイ
る研究の一環として,イネ科玉体ロールベール乾草
キューブのいずれを給与しても養分含量と養分摂取
およびアルフアルファへイキューブをヤクシカ (
C
e
r
v
u
s
量は,ヒツジとの聞に大きな差がなかった.ヤクシ
n
i
P
戸ony
a
k
u
s
h
i
m
a
e
)に給与し,それらの消化性と窒
カの窒素利用性は,いずれの飼料を給与した場合に
素利用性を調べた.
も尿中窒素排世量 (
g
/
k
g
W
O
.
7
5
/日)が多いため, ヒツ
材料と方法
ジよりもイ民かった.
緒
消化試験および窒素出納試験
Eヨ
本学生物産業学部動物資源学研究室で飼育してい
わが国には,気候風土に適応したニホンジカ (
C
e
r
v
u
s
るヤクシカ成雄 2頭 (
4歳:体重 3
0kg
,2歳:体重
れらは貴重な野生動物であるが,近年の個体数の増
2
5k
g
) とヒツジ(交雑種)成雄 2頭(ともに 2歳 .
4kg,4
1k
g
) に,オーチヤードグラス主体ロ
体重 4
加は著ししそれに伴って農作物や樹木の食害が増
ールベール乾草(以下,ロールベール乾草という)
加している(大泰司ら;1
9
9
0
)
. ニホンジカによる食
およびアルフアルファへイキューブ(以下,へイキ
害の被害を少しでも減少させようと個体数のコンート
ューブという)を給与し,消化試験と窒素出納試験
9
9
0
)
.こ
n
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P
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o
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)6亜種が生息している(石島ら;1
D
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g
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h
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9
9
2
4
)
北畜会報, 3
6
:6
7
7
0
- 67-
1
9
9
4
増子孝義・鶴田直美・石島芳郎
を行った.試験は 1
9
9
2年 7月 1
5日-8月 1
8日の 3
5
はロールベール乾草,へイキューブ給与時のいずれ
日間,供試動物を糞尿分離可能な代謝ケージに入れ
においても,ヤクシカの方がヒツジよりも約1.5倍
0
て全糞尿採取法により行い, 1試験期間は予備期 1
多かった.排尿量も飲水量の場合と同様の傾向が認
日間,本試験 5日間とした.なお,飼料給与量はヤ
められ,いずれの飼料の給与時においてもヤクシカ
クシカ,
ヒツジともに体重当たりの乾物摂取量とし
7
5/日)がヒツジよりも約 2
の排尿量 (
g/kgWO
.
.
2倍 多
てへイキューブでは 3.0%程度,ロールベール乾草
かった.動物の飲水量は気温,摂取飼料の水分含量
では 2.5%程度になるようにした.飼料は日量を 1日
等によって影響され,気温が高いほど,飼料の水分
2固に分けて,朝 8時 3
0分とタ 1
6時 3
0分に給与し
た.飲水は自由摂取とし, 1日 2回飲水量を測定した.
含量が少ないほど多くなる.この傾向はニホンジカ
9
9
0
)
. 今回の試
においても認められている(斉藤;1
分析方法
験ではヤクシカとヒツジをほぽ同ーの条件で実施し,
飼料および糞の一般成分は常法により行った .NDF
,
近似した乾物含量の飼料を給与しているので,両者
ADFおよびへミセルロースは畜産試験場の方法(農
の飲水量が異なったのは気温等の環境や摂取飼料の
林水産省畜産試験場;1
9
8
8
) によった.熱量は自動
水分含量の違いが原因とは考えられず,動物が有す
熱量計(島津燃研式 CA-2型)を用いて測定した.
る固有の特性が影響している可能性があり,今後の
尿の窒素はケルダール法により測定した.
検討が必要と思われる.排尿量は飲水量と密接に関
係し,飲水量に比例して増加することが知られてお
結果および考察
9
8
8
),この傾向は本試験においても認め
り(津田;1
供試した飼料の成分組成を表 1に示した.ロール
ベール乾草とへイキューブの粗蛋白質含量は,それ
られた.
ヤクシカおよび、ヒツジにおける飼料の消化率を表
ぞれ 14%,19%,NDF含量は,それぞれ 71%,41%
3に示した.ヤクシカのロールベール乾草の乾物,有
であった.両飼料の総エネルギー含量には,著しい
機物,組蛋白質, NFE
,ADFおよびエネルギーの消
違いがなかった.
化率は,ヒツジとの差が少なく,粗脂肪, NDFおよ
ヤクシカおよびヒツジの飼料摂取量,飲水量,排
ぴへミセルロースの消化率はヒツジよりも低かった.
糞量および排尿量を表 2に示した.ヤクシカのロー
ヤタシカのへイキューブの乾物,有機物,粗蛋白質,
ルベール乾草およびへイキューブの乾物摂取量は,
,
粗繊維の消化率は,ヒツジとの差が少なく, ADF
それぞれ 6
1
.1
,7
5
.
8g
/
k
g
W
O
.
7
5
/日であり,ヒツジの
NDF
,へミセルロースおよび、エネルギーの消化率は
g
/
k
g
W
O
.
7
5
/日)
乾物摂取量と差がなかった.飲水量 (
ヒツジよりもわずかに高く,粗脂肪および NFEの消
表 1.飼料の成分組成*
表 2. ヤクシカおよびヒツジにおける飼料の
摂取量,飲水量,排糞量および排尿量
目
項
イネ科主体ロール アルファ/レファ
ベール乾草
へイキューブ
項
目
物
8
5
.
9
8
7
.
3
有機物
8
6
.
9
乾物摂取量 (
g
/日)
組蛋白質
9
0
.
9
1
3
.
6
1
9
.
3
乾物摂取量 (
g
/
k
g
W
O
.
7
5
/日)
粗脂肪
1
.6
1
.7
飲水量 (
g
/
k
g
W
O
.
7
5
/日)
N FE
4
0
.
3
3
9
.
4
乾物排糞量 (
g
/
k
g
W
O
.
7
5
/日)
排尿量 (
g
/
k
g
W
O
.
7
5
/日)
乾
ヤクシカ
イネ科主体ロールベール乾草
粗繊維
3
5
.
5
2
6
.
6
A D F
4
2
.
1
3
2
.
5
N D F
7
0
.
7
2
8
.
6
4
0
.
8
7
.
7
乾物摂取量 (
g
/
k
g
W
O
.
7
5
/日)
粗灰分
9
.
1
1
3
.
1
飲水量 (
g
/
k
g
W
札7
5
/日)
総エネルギー (
M
c
a
1
/k
g
)
4
.
4
3
へミセルロース
ヒツジ
1
.0
3
8
.
0
6
0
.
5
1
3
0
.
4
2
4
.
3
5
6
.
2
7
3
3
.
5
61
.1
2
0
4
.
3
2
5
.
5
1
2
1
.
4
ー---“ー司ー『帽ーー胴ーーーーーー・ーーーー・・ーーーーーーーーーーーーーーーー・』“ーー『ーー『・ーーーーーーーーー・ーーーー・・』
アルフアルファへイキューフ、、
乾物摂取量 (
g
/日)
4
.
3
3
乾物排糞量 (
g
/
k
g
W
O
.
7
5
/日)
O
5
7
排尿量 (
g
/
k
g
W
.
/
日
)
*乾物中%
- 68-
1,
3
0
9
.
1
7
6
.
3
2
0
4
.
2
3
3
.
4
8
7
.
2
9
1
3
.
7
7
5
.
8
2
8
8
.
5
3
2
.
4
1
9
7
.
7
ヤクシカの消化性と窒素利用性
表3
. ヤクシカおよびヒツジにおける飼料の消化率(%)
イネ科主体ロールベール乾草
ヒツジ
車
ち
アルフアルファへイキューフや
目
項
物
有機物
粗蛋白質
粗脂肪
N FE
組繊維
A D F
N D F
へミセルロース
エネルギー
ヤクシカ
5
9
.
2
5
9
.
9
6
3
.
7
3
6
.
9
5
5
.
9
6
4
.
3
5
8
.
7
6
6
.
3
6
9
.
0
5
6
.
2
ヒツジ
5
7
.
7
5
8
.
5
(
:
)
3
.
1
5
6
.
3
5
9
.
2
7
4
.
8
4
2
.
6
7
2
.
0
3
0
.
0
3
5
.
1
3
2
.
7
2
2
.
4
5
5
.
9
3
2
.
3
5
3
.
7
6
2
.
5
5
8
.
3
6
0
.
8
6
4
.
4
5
5
.
7
ヤクシカ
5
7
.
2
5
9
.
6
7
4
.
4
3
9
.
4
6
8
.
5
3
0
.
9
3
6
.
4
3
4
.
2
2
4
.
7
5
7
.
1
化率はヒツジよりも低かった.ニホンジカとヒツジ
態的特徴から分類すると,ニホンジカはヒツジより
の消化性を比較した報告は少ない.小田島ら (
1
9
9
0
)
も繊維消化能力の低いタイプに属する可能性が高い
はアルフアルファへイキューブを体重当たり 2.0%給
と考えられている(小田島ら;1
9
9
0
)
. このような形
与した消化試験を実施し,ニホンジカにおける有機
態的特徴が繊維含量の高い材料を摂取した場合に消
物と ADFの消化率は夏期 (
7月)にはヒツジとの間
化性の違いとなって現れたことも考えられるが,今
に有意差がなかったが,冬期 (
2月)には有機物, ADF
回供試頭数も少ないことから今後頭数増加,あるい
および NDFの消化率がヒツジよりも有意に低かった
は反復試験等を通じてより詳細な検討が必要と思わ
ことを報告している.アルフアルファへイキュ;ーブ
を給与した本試験では,有機物と ADFの消化率につ
表 4. ヤクシカおよびヒツジにおける飼料の
いて両動物聞に著しい差が認められず,小田島ら
養分含量および養分摂取量
(
1
9
9
0
)の夏期における消化率の結果と同様で戸あ勺た.
項
1
9
9
0
) はニホンジカとヒツジの消化率の
小田島ら (
違いを飼料の消化管内通過速度と関連づけて考え,
目
ヒツジ
ヤクシカ
イネ科主体ロールベール乾草
養分含量(乾物中)
特に冬期の消化試験で怯ニホンジカの消化管内通過
DCP (
%
)
TDN (
%
)
M
c
al
/k
g
)
D E(
速度がヒツジよりも速しこのことが冬期において
ニホンジカの消化率が低下する原因であると指摘し
ている.
8
.
7
5
5
.
3
2
.
4
9
8
.
6
5
3
.
5
2
.
4
7
5
.
3
3
3
.
0
0
.
1
5
5
.
2
3
2
.
2
0
.
1
5
養分摂取量(乾物中)
粗繊維, ADF
,NDF
,へミセルロースの消化率は
DCP (
g
/
k
g
W
O7
5
/日)
TDN (
g
/
k
g
W
O7
5
/日)
O
5
7
M
c
a
l
/k
g
W
.
/
日
)
D E(
・
両動物ともロールベール乾草よりもへイキューブで
・
低下している.一般に,飼料片の消化管内通過速度
は切断長の長い乾草よりもへイキューブの方が速い
と考えられており(増子ら;1
9
7
7
),このことがへイ
ーーー・・--・』・・ーー---------ーーーー・ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー・ーーーーーーーーーーーーーー----ー・ーー
アルフアルファへイキューブ
キューブの繊維成分の消化率を低下させた要因では
養分含量(乾物中)
粗繊維, NDF
,へミセルロースの消化率がヒツジに
DCP (
%
)
TDN (
%
)
M
c
al
/k
g
)
D E(
比べ,ヤクシカの方が低い傾向がうかがえる.今回
養分摂取量(乾物中)
ないかと推察される.一方,ロールベール乾草では
供試したローノレペール乾草の ADFおよび NDF含量
は 42%,71%で,へイキューブに比べ繊維含量の高
い材料であった.ニホンジカとヒツジを消化管の形
- 69-
O
DCP (
g
/
k
g
W
7
5
/日)
TDN (
g
/
k
g
W
O
.
7
5
/日)
O
M
c
a
l
/
k
g
W
.
7
5
/日)
D E(
・
1
4
.
4
5
2
.
4
2
.
4
2
1
4
.
3
.0
51
2
.
4
7
1
1
.
0
4
0
.
0
0
.
1
8
1
0
.
9
3
8
.
6
0
.
1
9
増子孝義・鶴田直美・石島芳郎
の関連を水分代謝の観点から検討する必要がある.
7
5/日)
.
これらの排池窒素量から窒素蓄積量 (g/kgWO
. ヤクシカおよびヒツジにおける飼料の
表5
窒素利用性
と窒素蓄積率(%)を求めると,ヤクシカの値は両
目
項
イネ科主体ロールベール乾草
g
/
k
g
W
O7
5
/日
)
摂取窒素量 (
田
糞中窒素量 (
g
/
k
g
W
O7
5
/日
)
田
尿中窒素量 (
g
/
k
g
W
O
.
7
5
/日
)
可消化窒素量 (
g
/
k
g
W
O
.
7
5
/日
)
蓄積窒素量 (
g
/
k
g
W
叩/日)
対摂取窒素量(%)
対可消化窒素量(%)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー・・『・同園田・
F
ヒツジ
ヤクシカ
今回の試験では,ヤクシカとヒツジにロールベー
1
.3
2
0
.
4
9
0
.
4
7
0
.
8
3
0
.
3
6
2
7
.
0
4
2
.
8
ル乾草およびへイキューブを給与したところ,両動
1
.3
3
0
.
4
7
0
.
7
5
0
.
8
6
0
.
1
1
8
.
5
1
2
.
8
物間で給与飼料による消化率において異なる傾向が
認められた.今後はこれらの原因の究明を,消化率
に影響を及ぽす季節の問題も含めて詳細に検討を加
える必要があろう.
謝 辞
句ー----_.圃』ーーー』・・ーーーーーーーーーーーーーーー・ーーーーー・ーー・・
アルフアルファへイキュー 7"
摂取窒素量 (
g
/
k
g
W
O
.
7
5
/日
)
O
5
7/
糞中窒素量 (
g
/
k
g
W
.
日
)
飼料ともにヒツジよりも低かった.
本試験において,熱量測定に御協力頂いた帯広畜
産大学高橋潤一助教授に感謝いたします。
2
.
3
5
2
.
3
4
0
.
5
9
1
.0
6
0
.
6
0
1
.3
2
文 献
1
.7
6
1
.7
4
石島芳郎・横 j
賓道成・増子孝義・亀山祐一, (
1
9
9
0
)
0
.
4
2
資源動物としてのわが国のシカ.畜産の研究, 4
4:
対摂取窒素量(%)
0
.
7
0
2
9
.
7
対可消化窒素量(%)
3
9
.
7
5
7/日
尿中窒素量 (
g
/
k
g
W
O
.
)
O
7
5
可消化窒素量 (
g
/
k
g
W./日
)
O
7
5
窒素蓄積量 (
g
/
k
g
W
.
/日
)
1
2
6
1
1
2
6
5
.
1
8
.
4
2
4
.
8
梶光一, (
1
9
8
1
)根室標津におけるエゾシカの土地
2
6
2
3
6
.
利用.晴乳動雑, 8:2
小田島守・梶田泰史・南基津・李相洛・千家
れる.
ヤクシカおよびヒツジにおける飼料の養分含量お
弘行・加藤和男・庄司芳男・大田
実・佐々木康
よび養分摂取量を表 4に示した.ロールベール乾草
1
9
9
0
)制限給餌下のニホンジカおよびヒツジ
之
, (
DCP,TDNおよび、 DE含量をヤ
における飼料片の消化管内通過速度および消化率
とへイキューブの
クシカとヒツジにおける消化率からそれぞれ求めた
値を比較すると,いずれの飼料においてもヤクシカ
における
DCP,TDNおよび DE含量はヒツジとの
差が少なかった.両動物ともにロールベール乾草の
TDN含量はへイキューブよりもわずかに高かったが,
ロールベール乾草の D
CP含量は低かった.
g
/
ヤクシカの摂取窒素量および、糞中窒素量 (
2:3
0
8
3
1
3
.
の季節変動. 日畜会報, 6
大泰司紀之・梶光一・間野勉,
(
1
9
9
0
) 世界のシ
カ・クマ保護管理の現状と北海道の将来方向.シ
9
9
0報告書.第 1版.
カ・クマフォーラム北海道 1
2
4
. 野生動物情報センター.札幌.
増子孝義・松永光弘・松岡
栄・藤田
裕・橋爪徳
1
9
7
7
)成型乾草の調製過程における飼料特性
三
, (
7
5/日)は,ロールベール乾草とへイキューブの
kgWO
.
0:6
9
7
7
1
6
.
の変化に関する研究.帯大研報, 1
いずれにおいてもヒツジとの聞に差が見られなかっ
農林水産省畜産試験場, (
1
9
8
8
)新しい飼料分析法と
た.ヤクシカの尿中窒素量 (
g
/
k
g
W
O
.
7
5
/日)は両飼料
ともにヒツジよりも多く,ロールベール乾草では約
その応用.畜産試験場研究資料.第 2号. 2
3
2
5
.
斉藤孝夫(研究者代表), (
1
9
9
0
) 新食肉資源として
1
.6倍,へイキューブでは約1.2倍高かった.これは
のニホンジカの集約的飼育管理技術と鹿肉の利用
ヤクシカの尿中窒素濃度は低かったが,排尿量が著
性の開発.平成元年度科学研究費補助金試験研究
しく多かったため排池された総尿中窒素量が高くな
(
1
) 研究成果報告書. 7
6
8
4
.
ったことによる.排尿量は飲水量と密接な関係があ
ることは前述したが,ヤクシカの飲水量と排尿量と
津田恒之,
(
1
9
8
8
) 家畜生理学.第 7版. 1
7
7
1
7
9
.
養賢堂.東京.
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