平成 26 年度山形県・山形市への要望事項 [回答書] 中小企業経営の安定と活力のある地域社会の実現に向けて 安倍政権発足以来、一体的な経済政策や本格化しはじめた震災復興、2020 年東京オリンピッ ク・パラリンピック開催決定などを要因に、我が国経済は長引く景気低迷から明るさを取り戻 してきました。国内・外の経済・社会情勢が大きくかつ急速に変化する中、ようやく見えてき た明るい兆しを確かなものにするために、国の多岐にわたる振興策を積極的に活用した経営力 向上や中心市街地活性化などへの取り組みが求められております。 また、国全体の人口減少に加え、都市部への人口流出という二重の人口減少に直面する地方 の創生は、待ったなしの危機的状況にあります。国の「地方創生」への施策の充実とともに、 国、地方行政、民間企業・団体、住民が危機的意識を共有し、知恵と工夫による効果的な政策・ 対策の具体化、そして実行が急務となっています。 一方、地域経済の中心的役割を担う中小企業は、競争激化による売上の不振、電力料金をは じめとした原材料価格の高騰や後継者問題、情報化の立ち遅れなど、さまざまな課題にも直面 しており、経営環境は依然として大変厳しい状況にあります。 こうしたなか、商工会議所では豊かで活力のある持続的な経済社会の実現に向けた取り組み について、地域唯一の総合経済団体として、日本商工会議所を通じ要望活動を展開しておりま すが、地域経済を支える中小企業の持続的で多様な成長及び発展と活力ある地域経済の活性化 のため、山形県・山形市・関係機関におかれましても積極的な施策の展開と下記事項の実現に ついて、特段のご高配を賜りますようお願い申し上げます。 Ⅰ 鉄道・道路・交通体系の整備促進について 1. 山形新幹線の高速化について【継続】 2. 自転車専用道路(山形市中心部国道 112 号)のマナー向上について【新規】 3. 公共交通事業の拡充について【継続】 Ⅱ 公共施設等の整備について 4. 公的施設の機能強化と公共用地の有効活用について【継続・新規】 5. 大型工業団地の開発促進について【新規】 6. 最先端の重粒子線がん治療施設の誘致について【継続】 Ⅲ 地域中小企業に対する雇用対策について 7. 少子化対策と雇用拡大支援について【継続・新規】 8. 介護による離職防止への取り組みについて【新規】 1 Ⅳ 地域中小企業に対する経営支援について 9. 中小企業税制について【新規】 10. 中小企業へ対する支援策の充実と融資制度の拡充について【継続】 11. 中小企業振興条例について【新規】 Ⅴ 観光推進と中心市街地活性化の促進について 12. 山形デスティネーションキャンペーン終了後の観光振興とインフォメーション強化について【継続・新規】 13. 14. 15. 16. 東北六魂祭の継続開催への支援について【新規】 日台観光サミットの支援について【新規】 観光客の誘客と利便性向上のための無料公共通信環境の整備について【新規】 蔵(土蔵)保存による景観形成と街づくりについて【新規】 17. 伝統芸能(山形芸妓・やまがた舞子) 後継者育成のための支援について【継続】 18. 御殿堰の整備延伸について【新規】 19. 旧ビブレ跡地を含めた山形駅東口地区の整備促進について【継続・新規】 Ⅵ 行政の諸手続きの改善について 20. 実勢価格に基づく発注予定価格の設定について【継続】 21. 公共工事の発注時期の平準化と早期化について【新規】 22. 都市と地方、被災 3 県との設計労務単価格差の是正について【新規】 23. 公共工事発注前の諸条件および万全な環境整備について【継続】 24. 25. 26. 27. 工事工程の延期について【新規】 現場発生土の取り扱いについて【新規】 建設発生土の残土処分について【新規】 施工歩掛の統一について【新規】 28. 山形県の発注について【新規】 ○山形県からの回答日 ○山形市からの回答日 【継続】 平成 27 年 2 月 17 日 平成 27 年 2 月 23 日 7件 【継続・新規】 4 件 【新規】 17 件 2 Ⅰ 鉄道・道路・交通体系の整備促進について 1.山形新幹線の高速化について [山形県・山形市] 全国的に新幹線の高速化が進む中で、太平洋側の東北新幹線の全線開通等により、太平洋側 の都市と本県との間で首都圏との時間・距離の格差がさらに拡大することが懸念されます。 奥羽新幹線の整備は、昭和 48 年政府の基本計画に位置付けられたフル規格新幹線の路線で あり、大幅なスピードアップや高い安全性・安定輸送の向上のみならず、交流人口の拡大や観 光振興、企業の誘致など新たな観光・ビジネスチャンス拡大にもつながることから、完全複線 化、フル規格新幹線の整備を目指す等、高速化・所要時間短縮への取り組みを引き続きお願い いたします。 また、仙台経由の山形への直通の新幹線など既存のルートに拘ることのない新たな路線など についてもご検討いただき、早期に結論を出し課題解決をお願いいたします。 【回 答】 ◆山形県 [担当:企画振興部] 整備新幹線の着実な進展や東日本大震災を受けての国全体のリスク分散やリダンダンシー 確保の必要性を踏まえれば、これからの山形県の発展のためには、フル規格新幹線の整備促進 が不可欠であると認識しております。 県では、鉄道分野、国土政策分野、県内経済・産業事情の専門家からなる「奥羽・羽越新幹 線整備推進に向けたワーキングチーム」を平成27年1月に設置いたしました。この中で、フル 規格新幹線の整備にあたり検討すべき課題の洗い出し、分析・検討を進めてまいります。 なお、仙台~山形を通る新幹線等については、現在のところ政府の基本計画に位置づけられ ておらず、奥羽新幹線の整備構想を進めていくべきであると考えております。 また、山形新幹線の複線化については、山形新幹線機能強化調査報告書(平成18年3月)に おいて、事業費170億円(米沢~高畠70億円、山形~天童100億円)で3~5分の短縮との試算結 果があり、実現は難しいものとされております。一方、平成24年に全ての「つばさ」の最高速 度が275km/hに向上し、山形~東京間は最短で2時間26分に短縮されております。また、平成 26年3月のダイヤ改正において、東京~山形間の平均所要時間が上下線とも1分短縮され、2時 間44分となりました。 引き続き「奥羽本線全線複線化早期完成期成同盟会」及び「山形県鉄道利用整備強化促進期 成同盟会」と連携してJR東日本及び政府に対して働きかけを行ってまいります。 ◆山形市 [担当:企画調整課] 山形市では、山形新幹線の高速化は重要な課題と捉え、国に対する重要事業要望の中で、山 形新幹線を含めた「奥羽本線の高速化等の機能強化」を要望しております。また、県において、 JR東日本に対し、複線化や東北新幹線区間の停車駅見直し、及び高速車両導入等による山形 新幹線の速達性向上を要望しております。しかしながら、JRからは様々な課題があり速達性 3 向上は困難であると回答されております。 山形市としては、引き続き県などと連携し、関係機関に対して利用者の利便性向上に向けた 働きかけを行ってまいります。 また、山形県において奥羽新幹線整備へ向けた取組みを実施していることから、山形市とし ても、今後実現について情報収集に努めながら、必要に応じて県と連携した取組みを行ってま いりたいと考えます。新幹線のルートについては、現在福島から山形を経由して秋田へ向かう 奥羽新幹線が国の基本計画に位置づけられていることから、このルートを最優先に検討すべき ものと考えます。 2.自転車専用道路(山形市中心部国道 112 号)のマナー向上について [山形県・山形市] 山形市中心部国道 112 号自転車専用道路について、ラバーポールなどの設置により自転車と 歩行者の分離による安全性は確保されたものの、いまだに危険な運転の自転車利用者もいるこ とから、自転車利用者へのルールの周知徹底やマナー向上に向けた交通安全啓発活動の取り組 みをお願いいたします。 【回 答】 ◆山形県 [担当:環境エネルギー部 危機管理、くらし安心局] 県においては、各関係機関・団体と連携し、各季の交通安全県民運動や、雪解けが進み自転 車の利用が活発になる 3 月の「歩行者保護・自転車利用マナーアップキャンペーン」等におい て、自転車安全利用五則(①自転車は、車道が減速、歩道は例外、②車道は左側を通行、③歩 道は歩行者優先で、車道寄りを徐行、④安全ルールを守る、⑤子どもはヘルメットを着用)の 周知徹底をはじめとした広報啓発、街頭指導等を行い、自転車の安全運転を推進しております。 今後も、広報啓発や街頭指導活動を強化していくとともに、年齢に応じた自転車安全教育、 高校生生徒指導運動と連携した自転車利用のマナーアップ、道路交通法等改正内容の周知等を 強化し、自転車も、あくまで(軽)車両であることの周知徹底を図ってまいります。 ◆山形市 [担当:市民課] 国道 112 号の十日町交差点から七日町交差点までの一方通行区間(通称:ほっとなる通り) では、平成 24 年 12 月から現在の一方通行の両側自転車道が設置されておりますが、自転車利 用者の中には、自転車道を逆走する自転車や歩道内を通行する自転車、また、スクランブル交 差点で信号無視する自転車など、いまだに自転車の通行違反が見受けられます。 山形市では、自転車利用者へのルールの周知やマナー向上のため独自のチラシを作成し、街 頭で利用者に直接配布して安全利用を呼びかける活動のほか、市のホームページに「自転車安 全利用五則」や「ほっとなる通りの通行方法」を紹介する記事を掲載し、広く市民に対して自 転車利用のマナーアップを図っているところであります。 また本年も、児童生徒に対する自転車の交通安全教室と合わせ、警察や関係機関と連携しな 4 がら、自転車利用者に対する交通安全啓発活動を継続し、自転車のマナーアップと交通事故の 防止を図っていきたいと考えております。 3.公共交通事業の拡充について [山形市] 人口減少、人口の都市集中が加速度的に進展することにより、地方においては、中心市街地 活性化事業等コンパクトシティへの取り組みが一層重要となってきております。中心市街地の 充実とそれを取り巻く「小さな拠点」を相互にネットワーク化する「コンパクト+ネットワー ク」の実践が今後の課題といわれております。 既存の 100 円循環バスやコミュニティバスなどの充実とともに、中心市街地と郊外との連携 を強化した地域公共交通事業の一層の拡充をお願いいたします。 また、 「コンパクト+ネットワーク」の実施は、高齢者の車両事故が増加している中、高齢 者などの事故を未然に防ぐとともに、高齢者を含めた誰もが気軽に出かけることができるなど、 子育て・高齢化に対応した豊かな生活環境の創出にもつながることから、是非ともお願いいた します。 【回 答】 ◆山形市 [担当:企画調整課、商工課] 山形市では、平成 18 年度に策定した第7次総合計画の第 1 期経営計画において、中心市街 地等と郊外・集落との連携を強化し、それぞれの魅力の相乗効果により、 「山形らしさを活か したコンパクトなまちづくり」を進めることを経営方針の 1 つに掲げ、中心市街地の活性化や 交通体系の整備などの施策に取組んでまいりました。 また、公共交通の活性化につきましては、平成 22 年度に策定した山形市地域公共交通総合 連携計画の中で、利用者のニーズに合わせた路線バスの活性化を図ることにしております。市 域の公共交通ネットワークは、第一義的にはバス事業者による路線バスが中心となるため、こ の維持と利便性の向上が重要であります。市においても、市民の生活の足を確保するため、路 線バスが廃止になった地域や路線バスの利用が不便な地域において、コミュニティバス西部循 環線等の運行を行っております。 今後路線の更なる拡大につきましては、現路線の利用動向を見ながらコミュニティバス東部 循環線の運行を検討してまいります。 なお、100 円循環バスの充実については、中心市街地の活性化及び賑わい創出のため重要な 役割を担っていることから、事業主体である貴所や中心商店街等と今後とも密接に連携を図り、 協議検討してまいります。 5 Ⅱ 公共施設等の整備について 4.公的施設の機能強化と公共用地の有効活用について [山形県・山形市] 中心市街地における公的施設は、本市中心市街地における街づくりと活性化を図る上で極め て重要な役割を果たしてきております。県都の賑わいづくりを推進するためにも、公共用地の 有効活用そして、県・市等の公共施設再配置等について、総合的なグランドデザインが求めら れております。 つきましては、下記の事項についてご検討をお願いいたします。 ① 県立病院跡地・山形駅西県有地等の利用について 県立病院跡地の利用について、霞城公園および山形美術館などの施設と関連付けた歴史施 設や集客性の高い文化施設あるいは行政機能施設などを設けることにより、歴史・文化ゾー ンとしての相乗効果が高まり交流人口の増加も期待されることから有効活用に向け、引き続 きご検討をお願いいたします。また、山形駅西県有地、霞城セントラルビル等を含む駅西地 域については、現在、新県民文化施設の建築等が検討されておりますが、さまざまな経済波 及効果や中心市街地における活性化・賑わい創出が期待されることから、県庁舎などの行政 機能の再配置等も含めご検討をお願いいたします。 ② やまぎんホール(山形県民会館)の機能強化について 山形県では文化を核とする拠点施設の整備として、山形駅西地区に新県民文化施設の建築 が検討され、現在のやまぎんホール(山形県民会館)については、必要に応じてその都度改 修を行っているものの、音響や座席設備の老朽化など多くの課題を抱えており、年間 30 万 人を集めるといわれる本施設の今後の利活用が大変危惧されます。 つきましては、中心街における街づくりの上で重要な機能を備えた本施設の一層の機能強 化をお願いいたします。 ① 県立病院跡地・山形駅西県有地等の利用について 【回 答】 ◆山形県 [担当:企画振興部] 山形駅西口の県有地においては、2,000席の大ホールを有する文化施設を中核に、山形の魅 力を発信する施設や防災機能等を併せ持つ複合型の文化施設を建設することとしており、今年 度から設計業務に着手し、平成31年度の開館に向けて整備を進めております。 多くの人が集う新たな拠点施設を整備することによって、地域活性化の引き金となり、周囲 の事業者との相乗効果により連鎖的・波及的に賑わいが創出されることを目指し、着実に事業 を進めてまいります。 ◆山形市 [担当:企画調整課] 現在、県立病院跡地については、暫定的に県民ふれあい広場として県が整備し、そのうち一 6 部を県民ふれあい広場駐車場として、大型観光バスの駐車場として活用してきております。中 心部には大型バスの駐車場がないことから、花笠まつりなどのイベント開催時には、観光客の 集客や利便性向上に大きく寄与していると考えておりますが、霞城公園に隣接していることか ら、更なる活用が望まれる土地でもあると考えておりますので、その利活用について、県に要 望してまいります。 また、山形駅西県有地においては、新県民文化施設の建設が進められる事となりましたので、 山形県が主催する「山形駅西口拠点施設整備に係る県市等連絡調整会議」等において、駅西地 区が持つさまざまな経済波及効果や中心市街地における活性化・賑わい創出が期待されること などを踏まえた有効活用について県と意見交換してまいります。 ② やまぎんホール(山形県民会館)の機能強化について 【回 答】 ◆山形県 [担当:企画振興部] 県民会館は、平成17年に耐震工事を実施し、躯体については平成37年までの性能保持を得た ところでありますが、設備関係の老朽化により、維持修繕費が多額になってきております。 これまでも催事に影響が出ないよう、計画的に所要の修繕を実施してまいりましたが、今後 も指定管理者と連携を密にし、適切な管理運営及びサービスの向上に努めてまいります。 なお、現県民会館のある場所は、文翔館や遊学館などとも連携した文化ゾーンであり、中心 市街地の賑わいの点でも大切な場所であるとの認識のもと、その在り様については、関係者の 意見を十分伺いながら今後丁寧に検討してまいります。 ◆山形市 [担当:企画調整課] 山形県において、現県民会館を今後どうするかについてはまだ示しておりませんが、中心市 街地にとっては重要な場所でありますので、山形県が主催する「山形駅西口拠点施設整備に係 る県市等連絡調整会議」等において情報を得ながら、現県民会館の機能維持と今後の有効活用 策について県と意見交換してまいります。 7 5.大型工業団地の開発促進について [山形市] 現在、山形市においては、椹沢地区に山形中央インター産業団地の開発および企業誘致に取 り組みいただき、産業の活性化や雇用の創出が期待されているところではありますが、県内に おける山形市の工業出荷額は決して大きなものではなく、更なる大型工業団地の造成開発が望 まれます。また、企業誘致においては、女性が活躍できる風土を持つ知識集約型産業や、原発 事故を契機に事業機運の高まりを見せる環境・エネルギー関連産業について、県内のみならず 首都圏等県外より誘致を図ることで、地域活性化はもとより、若者の雇用定着・人口流出の抑 制にも効果が期待されます。 つきましては、大型工業団地の開発について農業振興地域など土地利用計画等の見直しを含 めたご検討、知識集約型産業および環境・エネルギー関連産業の積極的な企業誘致への取り組 みについてお願いいたします。 【回 答】 ◆山形市 [担当:商工課] 山形市では、地域産業の活性化と魅力ある雇用機会の創出を図るため、現在、椹沢地区にお いて山形中央インター産業団地の造成工事を進めております。 当産業団地は、面積が 12.4 ヘクタールと産業団地としては比較的小さい規模ではあります が、事業用地が市有地であったため、用地の買収や農振除外等の手続も必要なくスピーディー な開発が可能でありました。 当面は、平成 27 年 12 月の団地完成にあわせて、誘致を目指す対象業種としている自動車関 連分野、環境分野、医療・健康分野、食品関連分野の 4 業種及び、特に研究開発部門の関連企 業の誘致を目指し、取り組み活動に力を入れてまいります。 また、今後の新たな産業団地開発につきましては、社会情勢や立地企業の動向などを考慮し ながら、企業誘致に優位となる立地場所の選定や必要な用地規模について検討してまいります。 6.最先端の重粒子線がん治療施設の誘致について [山形県・山形市] 山形大学が設置を目指す重粒子線がん治療施設は、東北・北海道地区では初の施設として最 先端医療の提供をはじめ、新産業の育成や地域振興など様々な分野で期待がもたれております。 政府の新成長戦略のなかにおいても、「医療・介護・健康関連産業」を日本の成長を牽引す る産業とすることが位置づけられております。日本が世界をリードしている最先端のがん治療 施設実現により、東北エリアの診療ネットワークが構築されるとともに、次世代システム開発 を目指すことにより新産業の育成も図られます。 また、遠隔地からの患者が訪れ長期滞在することにより、地元の温泉地等観光の活性化にも 寄与するものと思われます。 つきましては、現在参加いただいている「山形大学重粒子線がん治療施設設置推進協議会」 を通じ一体となって、引き続き誘致に向けたご支援をお願いいたします。 8 【回 答】 ◆山形県 [担当:健康福祉部] 重粒子線がん治療施設が、東北で初めて本県に整備されることは、県民の医療と福祉の向上 に大きく寄与するとともに、地域経済の活性化にも効果が期待できることから、県や市町村、 経済界など地域として支援することが望ましいと考え、県としては、山形大学に対して15億円 の支援を行うことといたしました。 市町村でも15億円の支援を行う方針と伺っており、地域で一体となって支援するため経済界 からも御協力いただきますようお願いいたします。 ◆山形市 [担当:健康課] 山形大学医学部では、平成 27 年度から 30 年度にかけて、次世代型重粒子線がん治療施設 を整備し、平成 31 年度より治療開始を行う計画を推進しております。 山形市としても、市民へのがん治療の貢献や地元経済波及効果の期待から、地元自治体とし て平成 27 年度から 31 年度の間に 5 億円の財政支援を行い、計画の実現に向けて協力してま いります。 9 Ⅲ 地域中小企業に対する雇用対策について 7.少子化対策と雇用拡大支援について [山形県・山形市] 急速な少子化の進行とそれに伴う人口減少は、地域コミュニティ機能の弱体化など社会経済 全般にわたり、さまざまな影響を及ぼすことが想定され、山形県でも人口減少を食い止める対 策がこれまで以上に必要であると思われます。 山形県では少子化の要因となっている晩婚化、未婚化の進行を踏まえ、やまがた結婚サポー トセンター事業やワーク・ライフ・バランス事業などを通じてご支援いただいておりますが、 子育て応援のための児童育成手当や奨学金制度など支援施策のより一層の拡充をお願いいた します。 また、若年者などの地元への定着や県外流出防止と雇用拡大を図るために、U・Iターン就 職者を雇用する企業に対する助成制度の創設などによる支援をお願いいたします。 【回 答】 ◆山形県 [担当:総務部、子育て推進部、商工労働観光部、教育庁] 県では、子育て世代等の経済的負担を軽減するため、これまで県単独事業により、外来診療 については「就学前児童まで」を「小学3年生まで」に拡大するなど、子育て支援医療制度の 拡充を図っております。 また、幼稚園や認可外保育施設の多子世帯における保育料の軽減を図るとともに、電子メー ル等を活用した子育てに係る相談など、子育ての不安感を解消するための取組みを進めており ます。 今後とも、本県における子育て世帯の不安感、負担感を解消できるよう取り組んでまいりま す。 奨学金制度について、県では、平成15年度より高等学校等生徒を対象とした奨学金事業を開 始しており、大学生・専修学校生に対しては、日本学生支援機構の奨学金制度があります。 その他、就学支援金制度、奨学のための給付金、県単の私立高校授業料軽減により、高等学 校等生徒に対する修学への支援はより一層充実してきております。 今後ともこれらの施策等の実施により、修学支援の充実に取り組んでまいります。 また、若年者などの雇用拡大については、進学や就職のために県外へ転出する若者が多く、 県内の産業・企業の魅力について理解してもらえるような情報を手軽に入手できるような環境 の整備や、県内企業を対象とした就職活動に対する助成等により、若者の地元定着・回帰に向 けた取組みを一層強化してまいります。 ◆山形市 [担当:企画調整課] 山形市においても人口減少対策を検討するために、庁内に人口減少ワーキングを設置するな ど、課題を検討してまいりました。その結果を踏まえて、これまで行ってきた子育て支援、企 業誘致、中心市街地活性化や観光振興による交流人口の拡大などの施策に加え、今後新たに取 10 り組むべき施策として、結婚や出産を支援する少子化対策、地元産業の活性化対策、人材の定 着対策に取り組むこととしているところであり、可能なものについては平成 27 年度予算に反 映させたいと考えております。 また、子育て応援のための児童手当や奨学金制度などの支援策について、現在のところ拡充 の予定はありませんが、少子化対策としては、例えば、平成 27 年度から山形県が中心となっ て全県的な結婚支援体制として設立される「やまがた出会いサポートセンター」に山形市も参 画し、全県一体となって結婚支援の一層の充実・強化を図ってまいります。 なお、若年者などの地元への定着に向けては、新産業団地の開発や企業誘致などの、これま での取組みに加え、若年者の U ターン就職に向けた情報の提供や創業支援の充実の形で進め てまいります。 8.介護による離職防止への取り組みについて [山形市] 高齢化社会となり、今後益々介護を必要とする高齢者が急増する中、家族を介護する働き盛 りの 40~50 代の急増が懸念されております。40~50 代と言えば、企業にとっては管理職とい う重要な人材であることが多く、この人々がある日突然介護に直面しても、安心して働ける環 境づくりが重要であると思われます。また、女性の社会進出が進んでも、介護を担うのはどう しても女性が多いということから、途中で介護の為に休職或いは退職となっては、企業にとっ ても大変な損失となります。 このような中、平成 27 年度から「介護保険制度」が大きく変わろうとしており、例えば、 要支援 1・2 の対象者については、介護保険本体の給付から「訪問介護」 「通所介護」が外され、 地域での支援事業の対象となるなど、市など地方自治体の役割が拡大する介護保険制度となり ます。企業側も介護との両立支援の仕組みを考えていかなければなりませんが、山形市として も今後の介護による離職防止への取り組みと高齢者対策について、是非充分な「地域支援の方 策」のご検討をお願いいたします。 【回 答】 ◆山形市 [担当:長寿支援課、商工課] 職場の理解を深め、家族の介護を行う労働者が働きやすい職場環境となるよう、国をはじめ とする関係機関と連携を図りながら、育児・介護休業法に定める介護休業制度の規定整備促進 や雇用保険による介護休業給付金などの広報に取り組んでまいります。 今回の介護保険法の改正では、要支援者に提供されているサービス給付のうち、 「訪問介護」 「通所介護」が同じ介護保険制度の「介護予防・日常生活支援総合事業」に移行されることと なっております。 対象者の心身状況に応じて、専門職による介護予防サービスが必要な方々にはこれまで通り 必要なサービスが提供されます。 ゴミ出し等軽微な生活支援により在宅生活が維持できる方には、ボランテイアをはじめとす 11 る地域の社会資源を活用したサービスの提供が図られるようにしてまいります。 介護予防・日常生活支援総合事業の様々なサービスを充実させ、介護予防を強化し健康寿命 を延ばすことにより、要介護状態にならないようにすることで、家族介護者の負担の軽減を図 りながら住み慣れた地域で自立した生活を継続できるよう、専門職によるサービスや地域各種 関係者による支え合いの仕組みづくりの構築等地域支援の方策について検討しております。 12 Ⅳ 地域中小企業に対する経営支援について 9.中小企業税制について [山形県・山形市] 昨今の燃料価格の高騰はあらゆる産業へ影響を及ぼし企業経営を圧迫している中、来年 3 月に期限が切れる免税軽油制度の継続と地域の雇用を支える中小企業に甚大な影響を与える 外形標準課税についての中小企業への適用除外や、累積欠損金の繰越控除制度の継続など税制 の検討についても、地域の意見を吸い上げ、地方行政からも国への提言をお願いいたします。 【回 答】 ◆山形県 [担当:総務部] 平成27年度税制改正の大綱が閣議決定され、軽油引取税の課税免除については適用期限が3 年延長されることとなります。 また、外形標準課税の対象については、現行どおり、資本金1億円超の普通法人のみで、中 小法人への適用は除外されており、欠損金の繰越控除制度についても、中小法人等については、 現行の控除限度額が存置されることとなります。 県税は県民への公的サービスの対価であり、社会の会費という考え方もありますことから、 今後とも、県税に対して御理解いただきますようお願い申し上げます。 ◆山形市 [担当:商工課] 平成 27 年度税制改正における累積欠損金の繰越控除制度や法人事業税の見直しにおいては、 中小企業への外形標準課税の適用が見送られたところではありますが、各企業の運営に大きな 影響を与える税制に関しては、今後も、山形市中小企業連盟や各団地・協同組合、商店街など の関係団体を通す等の方法により、中小企業者の意見を積極的に取り入れ、市内中小企業者の 振興発展と産業経済の活性化のために、国に対して必要な提言を行っていきたいと考えており ます。 また、現在、燃料価格については低い価格で推移していることに加え、免税軽油制度の 3 年間延長もほぼ全ての分野において決まったところではありますが、本制度の存否につきまし ては、対象業種の事業運営に大きな影響があることから、今後とも引き続き、制度の推移に注 視していきたいと考えております。 13 10.中小企業へ対する支援策の充実と融資制度の拡充について [山形県・山形市] 中小企業・小規模事業者は、行政、経営支援団体、金融機関等の支援を受けながら、企業活 動に取り組んでおります。今後、地域経済を支える中小企業・小規模事業者の支援強化を図る 上でも、次の事項についてお願いいたします。 ① 新制度融資の創設について 景気回復基調にある中で、売上高は前年比増加している企業が増えているものの、原材 料など高騰により依然厳しい状況にあります。このような中で、山形県では小規模事業者 を対象に運転資金でも利用可能な小規模企業資金(県特・特別小口)により資金調達支援を いただいおりますが、中小企業向けの運転資金調達支援は設備投資に伴うものや大幅な業 績悪化に限定されており、企業の成長に伴う前向き資金 (増加運転資金)に対応する新た な制度の創設をお願いいたします。 【回 答】 ◆山形県 [担当:商工労働観光部] 商工業振興資金融資制度については、県内企業の競争力の強化のために必要な資金を融資し、 本県商工業の振興と地域経済の活性化に資することを目的としていることから、単なる増産や 増加運転資金には対応しておりません。 なお、現状においても、試験研究や新商品の開発を行う場合(産業活性化支援資金)や新分 野への進出を行う場合(地域産業振興特別資金)など、一定の要件に該当すれば運転資金のみ の借り入れも可能となっております。 ◆山形市 [担当:商工課] 山形市においては、市内の小規模事業者に対する金融支援策として様々な融資制度を用意し ております。そのうち、売上が低下している場合に利用できる融資としては、借り換えにも利 用可能な「経営支援資金」があり、前向き資金としての運転資金については、 「産業振興資金」 を用意しております。また、企業の成長に伴い、市内の産業団地・工業団地に立地移転する場 合に利用できる「産業立地促進資金」は、設備資金のほか運転資金にも利用可能です。 さらに、県制度である「小規模企業資金(県特) 」の利用者に対しては、保証料補給を行う などの支援を行っております。 今後ともこれら制度融資の利用促進に努めるとともに、より利用しやすい制度となるよう企 業経営者、金融機関等の意見を取り入れながら、支援制度の充実を図ってまいります。 14 11.中小企業振興条例について [山形市] 意欲ある中小企業が新たな展望を切り拓けるよう、中小企業政策の基本的考え方と方針を明 らかにした「中小企業憲章」が 2010 年に閣議決定され、それに伴い 2012 年山形県では、中小 企業の振興を県政の最重要課題(責務)のひとつと位置付け、中小企業の振興についての基本 理念と方向性を定めた「山形県中小企業振興条例」が制定されました。 また、本年 6 月には、小規模企業の振興に関する施策について、国・地方公共団体・支援機 関等が一丸となって戦略的に実施するための連携及び協力の責務等を規定した、 「小規模企業 振興基本法」及び「小規模支援法」が制定されました。 山形市におかれましては、1984 年より「山形市中小企業振興条例」を制定いただいており ますが、中小企業を取り巻く経済的、社会的変化等を踏まえ、中小企業の振興を重要施策とし て位置づけるとともに、市や中小企業者などそれぞれの役割や責務を明確にするなど、地域経 済の活性化を一体となって推進していくための見直し・改定の検討をお願いいたします。 【回 答】 ◆山形市 [担当:商工課] 山形市で制定している「山形市中小企業振興条例」は、市内中小企業者に対する市の支援に 関して、支援の種類、その手続き等を定めており、これまでも本条例に基づき、それぞれの中 小企業の立場に沿った具体的支援策を定め、各施策を推進してまいりました。 中小企業の振興発展を図るためには、常に中小企業者の声に耳を傾け、中小企業を取り巻く 経済的、社会的変化等を踏まえたうえで、変動する社会経済状況に素早く対応し、適宜必要な 施策を検討、実施することが重要であることから、山形市におきましては、これまでも、山形 市中小企業連盟や各団地・協同組合、商店街などの関係団体からの意見を積極的に取り入れ、 さらに年に数回実施しております景況調査や市内金融機関への訪問調査などを通じ、市内中小 企業の経営状況や要望などを直接聞きながら、具体的な支援策に反映させ、施策を推進してま いりました。 今後とも引き続き、中小企業者の意見を積極的に取り入れながら、いかに有効で実効性のあ る具体的施策を実施できるかを最優先に考え、市内中小企業者の振興発展と産業経済の活性化 に努めてまいります。 15 Ⅴ 観光推進と中心市街地活性化の促進について 12.山形デスティネーションキャンペーン終了後の観光振興とインフォメーション強化について [山形県・山形市] 山形市には、蔵王や山寺をはじめとした自然や温泉、山形花笠まつりをはじめとした伝統的 な祭、イベント、市街地には霞城公園や大正・昭和初期ロマンの歴史的建造物が存在しており ます。 本年は「山形デスティネーションキャンペーン」や「東北六魂祭」などに国内外の広域から 多くの観光客が訪れ、かつてない熱い盛り上がりのうちに終了することができました。 国内外の観光客の誘客は、地域経済の活性化には必要不可欠なものであり、 「観光立県山形」 を積極的にアピールしていくことが必要と思われます。 つきましては、山形デスティネーションキャンペーン終了後も引き続き、国内外の広域から の観光客の誘客促進と中心市街地活性化のため、次の事項について特段のご配慮を賜りたくお 願いいたします。 ① 山形デスティネーションキャンペーンのポストDCとして、国内外の広域からの誘客 促進と近県DC組織との連携による継続した広報活動の推進 ② 台湾、韓国、中国、東南アジア等海外への誘客・広報活動の推進 ③ 外国人観光客受け入れ体制の強化のための通訳案内士の育成と多言語表記化による 案内サイン標識の推進 ④ 市民や観光客から親しまれ、初めて来た方にも迷わず通り名で道案内できるような道 路愛称(通り名)の命名と通り名マップや通り名標識の設置の取り組み ① 山形デスティネーションキャンペーンのポストDCとして、国内外の広域からの誘客促進 と近県DC組織との連携による継続した広報活動の推進 【回 答】 ◆山形県 [担当:商工労働観光部、観光経済交流局] ポストDCに向けた観光誘客では、地域の受入企画やイベント等の集約を実施いたしました。 それら旅行企画等については、 平成 26 年 10月8日(水)にはJR東日本主催の旅行商品説明会、 平成 26 年 10 月 20 日(月)には山形DC推進協議会主催による説明会において、首都圏旅行会 社向けに旅行企画の説明及び提案を実施しました。 隣県等と連携による宣伝・広報では、ガイドブックで隣県の観光キャンペーン等の情報を相 互に掲載出来るよう、各県と調整を行っていきます。 ポストDCガイドブックはJR東日本主要駅に設置するほか、平成 27 年 7 月には全国JR 主要駅に 5 連ポスターの掲出を行う等、積極的に観光情報を発信してまいります。 海外からの誘客については、本県インバウンドの最大市場である台湾からの誘客を引き続き 推進するとともに、成長著しいアセアン地域を新たな市場として誘客拡大の取組みを進めてま 16 いります。 ◆山形市 [担当:観光物産課] 昨年の 6 月 14 日から 9 月 13 日まで開催された山形デスティネーションキャンペーン(山 形DC)は、地域資源の発掘や磨き上げ、県民総参加・全産業参加によるもてなしの態勢づく り、広域連携による取組みなどにより、東日本大震災以降落ち込んだ観光客の回復と拡大の契 機になったものと感じております。 「山形日和。 」観光キャンペーン(ポストDC)が今年の 6 月 13 日から 9 月 12 日まで開 催されますが、山形DCの取組みが一過性のものとならないように、山形県を中心として広域 的な連携をより一層図りながら、国内外からの誘客を促進するとともに継続的な広報活動を推 進してまいります。 ② 台湾、韓国、中国、東南アジア等海外への誘客・広報活動の推進 【回 答】 ◆山形県 [担当:商工労働観光部、観光経済交流局] 台湾、韓国、中国、東南アジア(タイ、シンガポール、マレーシア)については、台湾、韓 国、中国の現地コーディネーターや県海外事務所(韓国ソウル、中国ハルビン) 、シンガポー ル駐在員が日常的に誘客・広報活動を展開しております。また、台湾、韓国、タイ向けにSN Sによる情報発信を行っているほか、東北観光推進機構等と連携した旅行博の出展や旅行会社 等の招請などを実施しており、今後も引き続き誘客拡大に向けて取り組んでまいります。 ◆山形市 [担当:観光物産課] 山形を訪れる外国人旅行者は東日本大震災以後著しく減少し、依然厳しい状況でありますが、 全体的に回復傾向にあり、タイなど東南アジアについては大きく伸びてきております。 山形市では、台湾やタイの旅行エージェントに対するモニターツアーの実施などにより、山 形の魅力と観光情報の発信を行っております。また、山形市が加入する各種協議会等において、 関係機関・団体等が連携して海外からの誘客推進事業を展開しております。 今後も、山形県や近隣自治体、関係機関・団体等と連携し、現地の旅行エージェントやマス コミの招聘事業など積極的に外国人旅行者の誘客・広報活動を推進してまいります。 ③ 外国人観光客受け入れ体制の強化のための通訳案内士の育成と多言語表記化による案内 サイン標識の推進 【回 答】 ◆山形県 [担当:商工労働観光部、観光経済交流局] 通訳案内士のあり方については、増大する訪日外国人旅行者に対応するため、国でも見直し を検討しているところであり、県としても国の動きを見据えながら、通訳案内士の登録に向け 17 て働きかけてまいります。 また、県内での多言語表記による案内サイン標識の一層の充実に向け、市町村や民間事業者 と連携し、整備促進に努めてまいります。 ◆山形市 [担当:観光物産課] 外国人観光客につきましては、2014 年の訪日外国人旅行者が初めて 1300 万人を越え、国 では東京オリンピック・パラリンピックが開催される 2020 年には 2000 万人の目標を掲げて おり、今後、外国人観光客の受入態勢の強化を図っていく必要があると認識しております。 通訳案内士につきましては、語学力のみならず、日本の地理や歴史、産業、経済、政治、文 化といった分野における幅広い知識、教養が必要となり、観光庁長官が実施する通訳案内士試 験に合格して都道府県に登録する必要があります。 通訳案内士制度の他に、登録が比較的容易な制度として、日本政府観光局で普及運動を推進 している「善意通訳(グッドウィルガイド) 」というボランティアガイドの登録制度もありま すので、今後、外国人観光客の受入態勢の強化を図るため、両制度の普及・活用に関して国や 県、関係機関と連携して対応してまいりたいと考えております。 観光地誘導案内標識の多言語表記については、既に「街なか観光」に係る歩行者用観光地案 内看板を 4 ヶ国(日本、英、中国、韓国)語表記で整備しており、平成 21 年より継続して文 字サイズをより大きく見易いものに改修しております。 また、山形市における 2 大観光地である蔵王や山寺への案内標識については、山形市内や隣 接市町の国道や主要道路には既に設置されていると認識しておりますが、市内の整備状況を検 証していくとともに、広域観光の視点に立ち、多言語表記化と併せ、さらに広範囲での案内標 識となるよう、主要道路の管理者である国・県等へ要望してまいります。 ④ 市民や観光客から親しまれ、初めて来た方にも迷わず通り名で道案内できるような道路愛 称(通り名)の命名と通り名マップや通り名標識の設置の取り組み 【回 答】 ◆山形県 [担当:商工労働観光部、観光経済交流局] 初めてお越しいただいた観光客の方にも分かりやすい道路愛称(通り名)であるためには、 その名称が地域の人々にあまねく認知され、使われ続けていることが肝要であり、そうした環 境が整ってこそ、通り名マップや標識の作成が観光誘客にとって有効に機能するものでありま す。 通り名が人々に親しまれ、地域に根差したものとなるには、地域に住む方々が自ら命名し、 日々の生活で使用していくなど、地域の自発的な取組みの積み重ねが重要であると考えており ます。 通り名を活用した観光PR等につきましては、地域及び所在市町村の取組みを踏まえ、必要 18 な対応を行ってまいります。 ◆山形市 [担当:観光物産課] 道路愛称が市民や観光客から親しまれ広く使用されていくためには、その通りに係る住民や 事業者が自らの活動の中で使用し、広く発信していくことが重要と思っており、命名について もその活動の一環として取り組んでいくことが望ましいと考えております。 道路の愛称が決まった際には、山形市で作成している観光パンフレットや観光案内看板等で 使用して参りたいと思います。 13.東北六魂祭の継続開催への支援について [山形県・山形市] 本年 5 月 24 日・25 日の両日に開催された東北六魂祭山形開催は、2 日間で 26 万人の来場者 をお迎えし、みごとな大会運営のもと県内全域に感動を巻き起こし成功裏に終わりました。県、 市、ほかご協賛・ご協力をいただいたすべての皆様方のご努力の賜物と深く敬意を表するもの ですが、震災復興もいまだ道半ばの東北において、東北地方全体の震災復興のシンボル・イベ ントとして大きな活力と元気を与えるイベントとして継続していかなければなりません。 つきましては、東北六魂祭の継続開催に繋げるためにも、次年度開催市へのご支援・ご協力 をお願いいたします。 【回 答】 ◆山形県 [担当:商工労働観光部、観光経済交流局] 本県で開催された東北六魂祭は、晴天にも恵まれ、ブルーインパルスの見事な展示飛行に始 まり、各祭り団体の熱気あるパレードが沿道の大観衆を魅了しました。そして、市中心部の各 イベント会場もにぎわいを見せ、2 日間で県内外から 26 万人が来場しました。 東北六魂祭は、東北 6 県が心を一つに復興に向かって取り組んでいくことを確認しあう機会 であり、全国に対して、東北が頑張っているということ、東北を応援しようという気持ちにな っていただける有意義なイベントであると改めて認識しております。 来年度は秋田市で開催されることが決定しております。県としても、山形市と連携し情報収 集を行いながら、積極的にPRするなど協力してまいります。 ◆山形市 [担当:観光物産課] 今年の東北六魂祭につきましては、東北県庁所在地 6 都市と各祭団体が一体となり、 「東北 の心はひとつ、さらに前へ。 」をキャッチフレーズに、5 月 30 日・31 日の 2 日間、秋田市で 開催することが既に決定しております。 山形市といたしましても、山形開催のノウハウを踏まえ、秋田開催の成功と継続開催に向け、 できる限りの支援と協力をして参りたいと思います。 19 14.日台観光サミットの支援について [山形県・山形市] 日本と台湾の観光交流拡大をめざす「日台観光サミット」が、東北初となる、2015 年に山 形県内で開催されることが決定いたしております。 インバウンド観光に力を入れている本県はもとより、東北全体を視野に東日本大震災からの 復興に向けて、観光面から強力に後押しする大きなチャンスと期待されます。 つきましては、本県の魅力と東北地方が力強く復興した姿を多くの台湾の方々へ発信し、誘 客に結び付けるべく、県内各自治体はもとより東北全体と連携したご支援、ご協力をお願いい たします。 【回 答】 ◆山形県 [担当:商工労働観光部、観光経済交流局] 日台観光サミットは、旅行会社、航空会社など観光業界のトップが多数集まり、台湾メディ アでも報道されるため、台湾における山形県の認知度が大きく向上するものと捉えております。 また、台湾旅行会社はトップダウンが一般的であることから、観光業界のトップに県内の観光 資源を実際に視察いただくことで、旅行商品造成が大いに進むものと期待されます。さらに、 サミット開催により構築された台湾政府や関係者とのネットワークを活用し、台湾との相互交 流につなげることができると考えております。以上のことから、本県における台湾からの誘客 を回復、拡大するための絶好の機会であります。 日台観光サミットでは、晩餐会や県内視察において、伝統芸能や食など、本県の観光資源の 魅力を大いに体験いただき、誘客促進を図ってまいります。また、5 月下旬に開催されること から、本県の名産であるさくらんぼを味わっていただき、県産品のPRにもつなげてまいりま す。 海外の方は広域で周遊することから、外国人観光客の誘客に当たっては、東北観光推進機構 や他県と連携し、広域で取り組んでいるところです。日台観光サミットにおいても、東北のP Rを行うなど、東北全体の知名度向上を図ってまいります。 ◆山形市 [担当:観光物産課] 山形県の外国人旅行者の受入実績では、台湾からの旅行者が一番多い状況であり、山形市で はこれまで、台湾の旅行エージェントに対する、蔵王・山寺・街なか観光などの山形の魅力を 伝えるモニターツアーの実施や、市内産農産物のトップセールスを行ってまいりました。 このたび山形県で開催される「日台観光サミット」を契機として、台湾との交流強化及び台 湾からの観光誘客を図ってまいりたいと考えておりますので、山形県をはじめとした広域的な 連携を図りながら、サミット成功に向けて協力して取り組んでまいります。 20 15.観光客の誘客と利便性向上のための無料公共通信環境の整備について [山形県・山形市] 最近の観光地においては、来訪者に対する利便性向上のために Wi-Fi(公衆無線 LAN)に代 表される通信環境がしっかりと整備されております。 若者や外国人観光客にとっては、スマホやタブレット等をその地域の旅行ガイドや特産・名 産・名所等の情報収集手段として利用するケースが極めて多くなっております。 従って、当地においても迅速な通信環境の整備(多くの無料 Wi-Fi ポイントの設置)を図り、 訪れた観光客に快適な通信インフラを提供すべきと思われ、これらの整備により、来訪者が 「YouTube」等動画共有サイトやSNSを通じ、彼らの知人等に訪問地の様々な感想や情報を それぞれが発信し、国内のみならず全世界に向けて当地観光情報が多くの人々に広くアピール される効果への期待も大きいものです。 当地では一部コンビニやホテル・旅館に整備されてはいるものの、まだまだ普及しておらず、 公共施設や観光スポット、商店街等積極的に誰でも利用できる無料アクセスポイントの整備を 行政の補助も含めて早急にお願いいたします。 【回 答】 ◆山形県 [担当:商工労働観光部、観光経済交流局] 無料公衆無線LAN整備については、外国人旅行者からの要望が強く、県としても必要性 について認識しているところです。 特に来年度は日台観光サミットが本県で開催され、台湾から多くの方が来県される見込み であるため、外国人旅行者が快適に観光情報を入手できるようにするとともに、外国人旅行 者による情報発信の環境を整えて山形県のPR及び誘客拡大につなげるため、無料公衆無線 LANの整備を図ってまいります。 ◆山形市 [担当:観光物産課] WiFi に代表される無線LAN環境の整備については、観光客、特に海外からの来形者が多 く見込まれるイベントが開催される施設のうち山形駅の市観光案内センター、霞城セントラル、 国際交流プラザ、山形テルサ、市民会館、中央公民館の 6 ヶ所にこれまで整備し、利用されて いるところです。 なお、民間におきましては山形駅から文翔館にかけた中心部や蔵王温泉地区等において、接 続ポイントが多数設置されるなど、接続のためのインフラ基盤の整備は進んでおりますが、契 約している携帯事業者の接続ポイントでないと無料で利用できないなど、接続環境としまして は、利用しづらい面もあるところです。 全国的にこのような状況であることから、国においては,平成 26 年 8 月に無料公衆無線LA N整備促進協議会を設立し、利用手続きの簡素化等、円滑な利用にむけた検討を始めておりま す。 山形市としましては、国の検討状況や、観光誘客推進や市民の利便性向上、災害時の利活用 等の観点も踏まえながら、接続ポイントの増設等について検討してまいります。 21 16.蔵(土蔵)保存による景観形成と街づくりについて [山形県・山形市] 山形市周辺には、日本の風土が生んだ蔵(土蔵)がまだ数多く残っています。しかし、近 年、道路拡張などに伴い解体される蔵(土蔵)も少なくありません。 山形市中心街には文翔館をはじめ、紅の蔵、御殿堰の蔵、まなび館など街なか観光の拠点 として施設が整備されておりますが、八日町、十日町、本町、七日町などの景観形成に重要 な役割を果たしている蔵(土蔵)を歴史的・文化的建築物として「景観重要建造物」に指定 する制度を創設し、貴重な蔵(土蔵)資源を軸にした街づくりの取り組みをお願いいたしま す。 【回 答】 ◆山形県 [担当:県土整備部] 山形市中心部には、100を超える蔵が現存すると言われております。 蔵などその地域にある財産を見つけ、磨き、活用していくことは、まちづくりの推進や観光 振興にあたり重要であります。 景観法及び山形県景観条例に基づいた「景観重要建造物」は、景観行政団体の長が景観審議 会や市長の意見を聴いて指定するもので、要件を満たせば指定が可能であります。 (山形市内 の建造物である場合、知事が指定。 ) 景観形成やまちづくりは市町村が主体となって推進していくべきものであり、今後とも、山 形市や関係団体等と連携を図りながら支援してまいります。 ◆山形市 [担当:商工課、都市政策課] 第 1 期中心市街地活性化基本計画で整備した紅の蔵、御殿堰の蔵、山形まなび館の「三つの 新名所」は、多くの市民や観光客が訪れており賑わいを見せております。 その他にも、市内には八日町や十日町をはじめとした旧街道沿いに多くの蔵(土蔵)が点在 し、文翔館やまなび館などの洋風建築物も、数多く残されております。 山形市では、魅力ある中心市街地を形成するため、街並み景観を大切にしていく方針であり、 山形市中心市街地景観ガイドプランにおいても、蔵(土蔵)や洋風建築物などの歴史的・文化 的建造物をできるだけ残して、まちづくりに活かしてくこととしております。 今後とも、昨年策定した中心市街地活性化基本計画の事業を着実に推進しながら、街なかに ある蔵や洋館等の魅力ある歴史的文化資源を活かし、中心市街地の賑わい創出と活性化を図り、 まちなか観光の拠点とし、利活用を進めていきます。また、山形市景観条例に基づく、景観形 成重要建築物等の指定の取り組みについて、所有者の方々の理解や協力を得ながら、地域住民 が主体となって策定するまちなみデザイン協定と、一体的に検討を進めてまいります。 22 17.伝統芸能(山形芸妓・やまがた舞子) 後継者育成のための支援について [山形県・山形市] 山形芸妓は、当地を代表する伝統的な芸能を保持し、その優れた技芸は高く評価されており ますが、深刻な後継者不足から、平成 8 年、山形芸妓の伝統芸能を保存・伝承する後継者とし て、やまがた舞子が誕生いたしました。 やまがた舞子は山形独自の観光資源として県内外のさまざまな観光イベントやコンベンシ ョンに出演し本県の観光振興に多大な貢献をしておりますが、25 歳前後での退職者が多く山 形芸妓の高齢化と相俟って、山形芸妓の後継者育成は喫緊の課題であります。 山形商工会議所では、平成 26 年度、山形県、山形市の財政的なご支援のもと「山形芸妓育 成支援協議会」を設立し、伝統芸能後継者育成のため舞子から芸妓までの一貫した技芸研修を スタートさせるとともに、習得した技芸発表会の開催、観光関連イベントへの派遣、福祉施設 等の慰問や市民・県民へのPRなどの事業を実施してまいりました。 つきましては、昨年に引き続き「山形芸妓育成支援協議会」の事業運営に対しまして特段の ご支援をお願いいたします。 【回 答】 ◆山形県 [担当:商工労働観光部] 山形芸妓・やまがた舞子は、山形を代表する伝統的な芸能の一つで、観光誘客の面でも重要 な観光資源であると認識しております。 このため、地域が行う後継者の育成や伝承の取組みについても、伝統芸能に関する情報発 信やそれを活用した新たな観光誘客の取組みの面で協力してまいりたいと考えております。 ◆山形市 [担当:観光物産課] 伝統芸能(山形芸妓・やまがた舞子)の支援につきましては、山形芸妓を観光戦略として活 用し、広域的な観光誘客推進を図るために、舞子から芸妓までの一貫研修による山形芸妓伝統 芸能の持続的な継承を目的として、平成 26 年度より設立された「山形芸妓育成支援協議会」 へ継続して支援してまいります。 18.御殿堰の整備延伸について [山形市] 山形市の中心市街地活性化基本計画の戦略として、七日町御殿堰整備事業が行われましたが、 この「御殿堰」を開渠化し、歴史的景観に配慮した親水空間として整備いただきましたことは、 街なか回遊の拠点として観光交流人口の増加にとって大変有意義な事業でありました。 しかし、「御殿堰」の開渠は現在の事業区域の範囲内で行き止まりとなっております。市民 や観光客の街なか回遊をより促すため、東側は長源寺通り、西側は御殿堰中央親水広場、そし て将来は霞城公園までの「開渠化」が必要と思われることから、その整備推進についてお願い いたします。 23 【回 答】 ◆山形市 [担当:都市政策課] 街なか回遊という導線面の観点からみると「御殿堰」の「開渠化」につきましては、東側は、 長源寺通り、西側は、御殿堰中央親水広場まで、ひいては霞城公園までの整備が望ましく、今 後のまちづくりの課題であると認識しております。 「御殿堰」の「開渠化」整備を進めていくにあたっては、景観面、安全面から、周辺隣接地 との連携や隣地地権者等との協力が不可欠であると考えますので、隣地地権者等の開発等の面 的整備が実施される際には協議を行うなど、まちの活性化に向け取り組んでまいりたいと考え ております。 19.旧ビブレ跡地を含めた山形駅東口地区の整備促進について [山形市] 県都山形市の顔であり玄関口である山形駅前の旧ビブレ跡の空き地は、久しく開発や整備が 進まず、長年にわたりその跡地は更地の状態が続いており、来訪する県外客に対しても好印象 を与えられないと考えられます。 第 2 期「山形市中心市街地活性化基本計画(案) 」の核事業の一つとして計画されておりま すが、景観等も含めた地区環境整備の上からも、更地の公園化や緑化、物産品の販売や観光案 内所など観光客に対するサービス施設の誘致など、地権者の合意形成が非常に困難とも思われ ますが、行政が先導役となり一日も早く山形駅東口地区の整備促進をお願いいたします。 【回 答】 ◆山形市 [担当:商工課、都市政策課] 駅前のビブレ跡地周辺地区につきましては、山形市としましてもまちの顔となる地区である と認識しており、それにふさわしい活用が望ましいと考えております。 また、ご要望にある、旧ビブレ跡地の開発につきましては第 2 期中心市街地活性化基本計画 の核事業として掲載しておりますが、当該地区は、複数の地権者が所有する民有地であり、開 発等には地権者の合意形成が不可欠となります。活用方法や開発につきましても、地権者の 方々それぞれの考えがあると思われますので、地権者の方々が検討を進めていく際に、まちの 活性化につながるよう山形市も支援してまいりたいと考えております。 24 Ⅵ 行政の諸手続きの改善について 20.実勢価格に基づく発注予定価格の設定について [山形県・山形市] アベノミクス効果も相俟って、労務・資材・エネルギー(電力、燃料)の価格は以前に比べ 大幅な高騰、変動となっております。中には 1 年前と比較し 2 割もしくはそれ以上高騰してい るものもあります。 このような中、計画段階もしくは設計段階時に盛り込まれた設計価格と発注時の予定価格に は大きな乖離が発生している状況が多いため、発注価格の設定には、実勢価格をきめ細かく調 査し、柔軟性を持って対処していただきますようお願いいたします。 【回 答】 ◆山形県 [担当:県土整備部] 設計労務単価については、 「公共事業労務費調査」に基づき国が設定しており、県としては、 「政府の施策等に対する提案」において、適正な公共工事設計労務単価が設定されるよう提案 を行っております。 資材価格については、実勢価格を反映した年4回の単価改定を実施しておりますが、その他、 毎月の資材価格動向を調査し、価格変動の大きい資材の価格改定は柔軟に対応することとして おります。また、契約締結後であっても急激な物価変動が生じた場合、建設工事請負契約約款 第26条の要件に該当する場合は請負代金を変更することが可能となっております。 工事発注に際しては、施工条件を十分に把握し、積算基準に則った工事価格の算定に努めて まいります。 なお、工事費の積算においては、発注時点における最新の単価を採用して積算しているた め、計画段階や設計段階の設計価格を採用することはありません。 ◆山形市 [担当:都市政策課] 山形市発注の工事費の積算につきましては、山形県が実態調査を行い、その結果を反映し決 定した「土木設計積算単価」及び、刊行物等の実勢価格を参考としており、実態に見合った市 場における最新の取引価格になっているものと考えております。 25 21.公共工事の発注時期の平準化と早期化について [山形県・山形市] 公共工事における主たる案件の発注は、毎年 6 月下旬~8 月中旬にかけて行われる場合が一 般的で集中するケースがありますが、その場合、特に就労者の確保が集中し、最近の人手不足 の中では労働者の奪い合いやコストアップ等の無理が重なる傾向が大きくなります。加えて、 降雪地で雪国の当地にとっては、発注時期の遅れは工期の設定如何によってはかなり無理な環 境の中での建設作業を余儀なくされかねません。即ち日増しに日没時間や寒さも進行するとと もに除雪や排雪等付帯作業も加わり、工程やコスト等に大きな影響が出てくる場合が多く、こ のことは納期に間に合わせるために就労者にとっては残業・休日出勤の増大等厳しい作業を余 儀なくされる結果にもつながります。 行政当局の年度事業予算の執行基準や議会との関連そして、主々の制約により止むを得ない 事情も承知いたしておりますが、各発注当局同士が事前の調整を密に行い集中の回避につなげ る方策を検討いただき、工事の発注量も少なくなる 3 月~5 月の天候も安定し作業環境が極め て良好な時期に前倒しで事前発注がなされる早期発注や年度を通じた発注の平準化を期待い たします。最終的には、降雪地域や雪国においては現在の 4 月~翌年 3 月の国の会計年度にと らわれず、暦年での財政・事業執行年度をお願いいたします。 【回 答】 ◆山形県 [担当:県土整備部] 工事発注の平準化については、特に年度当初において明許繰越の活用を図っております。本 県では、2年連続の豪雨災害の発生を踏まえ、12月定例会において早期に繰越を決定し、無理 のない事業執行に努めてまいりました。 円滑な工事施工のためには、一層の発注平準化が必要と認識しており、年度を跨ぐ繰越工事 について早期の入札公告を行ったり、新年度当初に発注する工事の準備を前年度から計画的に 進めるといった取組みを推進しております。 ◆山形市 [担当:都市政策課] 山形市の主な工事は、国からの補助事業により実施しており、交付決定日が遅く年度当初の 発注は事務手続き上難しい状況にありますが、国が経済対策として補正予算を編成した場合に は、可能な限り積極的に対応し、現場条件が合えば年度当初に発注できるよう努めてまいりま す。 また、市の単独で行う道路側溝の維持補修工事や舗装道補修工事については、補正予算や債 務負担行為を活用し、継続的な発注を行い今後も平準化に努めてまいります。 なお、他の工事についても、公共工事品質確保法の改正に伴う国、県の動向を参考に、発注・ 施工時期の平準化が図れるよう検討してまいります。 26 22.都市と地方、被災 3 県との設計労務単価格差の是正について [山形県・山形市] 公共工事設計労務単価は、職種毎に都道府県を単位の基本として設定されておりますが、建 設労働者の就労範囲としては、周辺の都道府県等の現場での就労の実態もあります。平成 26 年 2 月適用の公共工事設計労務単価において、特に不足している 4 職種(鉄筋工、型わく工、 大工、左官)は、山形県と宮城県を比較いたしますと、山形県の単価は宮城県に比べ約 79% (約 5,000 円/日減)となっており、被災県との格差はさらに拡がりつつあります。 都市と地方、被災 3 県との格差が是正されなければ、山形県内の建設就労者は今後益々都市 および被災 3 県に流出していく状況が考えられることから、山形県の公共工事設計労務単価の 格差是正をお願いいたします。 【回 答】 ◆山形県 [担当:県土整備部] 設計労務単価は、 「公共事業労務費調査」に基づき国が設定しております。労務費調査は、 調査対象地域で実際に建設工事作業に従事した方の賃金を調査し決定されることから、建設工 事を受注する企業に対して、適切な賃金の支払いをお願いしております。 また「政府の施策等に対する提案」において、建設労働者の確保を図るため、設計労務単価 の適正な設定や隣接県との賃金格差是正について、提案を行っているところであり、引き続き 政府へ提案してまいります。 ◆山形市 [担当:都市政策課] 国が公共工事に従事する職種別労働者の「公共事業労務費調査」を行い、各県毎の「公共工 事設計労務単価」を公表しております。山形市発注工事の労務単価につきましては、国の結果 を反映し決定した山形県の「土木設計積算単価」を参考にしておりますので、このような要望 があったことを県に伝え、今後とも国及び県の基準や動向を参考にしてまいります。 23.公共工事発注前の諸条件および万全な環境整備について [山形県・山形市] 往々にして受注後すぐ工事に着手できず、しばらくの間待機しなくてはならない場合があり ます。この原因としては、近隣住民への説明未了・同調工事(下水・水道・ガス等の移設工事) ・ 建築確認許可手続きの遅れや未了、電柱(NTT・電力)等障害物の撤去や移設および協議未 了等があげられます。現在は労働力調達や資機材の価格変動、そしてエネルギー価格の高騰等、 日々価格の変動がコストに大きく影響してきております。その結果、収益や工期そして労働条 件を一層悪化させることにつながるため、発注前にこれらの状態を完結し、受注後速やかに工 事着手できるような環境整備をお願いいたします。 【回 答】 ◆山形県 [担当:県土整備部] 27 発注者は、円滑な工事着手・進捗が図られるよう、工事発注前に必要な関係機関との協議、 隣接工事との工程調整及び地元調整等を十分に実施すべきと考えます。 そのため、発注の担当者である監督職員を対象とした研修において、工事の施工に支障が生 じないように関係機関との事前調整等をスピード感を持って努めるよう指導・徹底してまいり ます。 ◆山形市 [担当:都市政策課] 山形市発注工事の時期につきましては、今後とも地元説明会や他関係機関との調整を事前に 行い、受注後速やかに工事着手できるよう配慮してまいります。 24.工事工程の延期について [山形県・山形市] 建設工事において、工事受注後に地元説明会等の未開催や現地調査不足により、現場着手で きない等、発注者に起因する問題発生があります。 大幅に工期を延期されることで、手配していた作業員や重機の手持ち、現場に着手できない まま現場代理人が拘束され、現場経費も嵩んでいくことがあります。 契約後には直ちに現場着手できるよう、工事発注前には地元説明会等を終了し、事前に近隣 住民の同意を得て工事を発注していただけるようお願いいたします。 【回 答】 ◆山形県 [担当:県土整備部] 発注者は、円滑な工事着手・進捗が図られるよう、工事発注前に必要な地元との協議、現地 調査等を十分に実施すべきと考えます。そのため、発注の担当者である監督職員を対象とした 研修において、工事の施工に支障が生じないように地元との事前調整や現地調査にスピード感 を持って努めるように指導・徹底してまいります。 また、施工の実態に応じて必要な工期の変更についても、受注者と十分協議を行い、考慮し たいと考えております。 ◆山形市 [担当:都市政策課] 山形市発注工事の時期につきましては、今後とも地元説明会や他関係機関との調整を事前に 行い、受注後速やかに工事着手できるよう配慮してまいります。 28 25.現場発生土の取り扱いについて [山形県・山形市] 建設工事において、掘削作業により発生する土砂等を現場内に仮置きできれば問題ありませ んが、特に市街地工事では現場に仮置きすることが不可能な施工場所があります。その場合、 工事受注者が確保した仮置場まで運搬して、埋め戻す場合には再び仮置場から現場に運ばなけ ればなりません。このような場合の運搬費、借地料について、工事に必要な経費として計上で きるようお願いいたします。 【回 答】 ◆山形県 [担当:県土整備部] 当初現場発生土を現場内に仮置きすることとして発注した工事において、現場状況を精査し たところ、現場内に仮置きができず、土砂の仮置き場まで運搬することが必要となった場合、 現場発生土の仮置き場までの運搬費及び仮置き場の借地料を工事費として計上することがで きることから、現場発生土の処理方法(どこに仮置きするのか、仮置きのための費用をどうす るのか等)について、受発注者間で十分に協議する必要があると考えております。 今後とも、工事の担当者に対して、適切な積算を実施するよう指導してまいります。 ◆山形市 [担当:都市政策課] 山形市発注工事で発生した土砂については、現場内流用の促進により搬出の抑制に努めてお ります。現場内に仮置きできる場合や即日発生土を埋め戻す場合等を除いては、仮置場が別途 必要となりますが、運搬費、借地料の経費計上については各課ごとに取扱いが異なっていたた め、今後、取扱いについて統一化を図り、現場条件や工事の実態に合せ適正に計上してまいり ます。 26.建設発生土の残土処分について [山形市] 山形市発注工事の残土処分においては、工事発注者での自由処分となっております。現在、 工事発注者は残土を捨てる場所を探すのに大変苦労しており、見つかった場合でも捨土料金を 徴収され、特に残土量が多い場合には、全体工事費に対する割合が多くなり、圧迫されます。 他発注機関(国、県)は捨土場所が指定されており、山形市発注工事でも捨場を指定するか、 捨土料金について、工事に必要な経費として計上できるようお願いいたします。 【回 答】 ◆山形市 [担当:都市政策課] 山形市発注工事で発生した土砂については、他発注機関(国、県、市町村)と情報を共有し、 工事間流用、現場内流用とした指定処理を原則としております。しかしながら、再利用が困難 な土質や、受入できる工事が無かった場合等は、受注者側の任意処理としております。 山形市では、平成 25 年度より捨土運搬費の算定にあたり、運搬距離を 4 ㎞から 10 ㎞へ延 29 長し対応してまいりましたが、今後とも、なお一層他発注機関との調整を事前に行い、出来る 限り工事間流用ができるよう配慮していくとともに、ご要望の内容につきましては、実態を見 極めながら検討していきたいと考えております。 27.施工歩掛の統一について [山形県] 建設工事の同種工事施工歩掛において、国、県、市と発注機関の違いにより、採用する施工 歩掛の違いがみられます。 特に市街地の歩道に敷設する自然石・タイル舗装において、山形県で採用する施工歩掛が他 発注機関と異なっており、各発注機関で統一した施工歩掛を採用していただきますようお願い いたします。 【回 答】 ◆山形県 [担当:県土整備部] 工事費の積算に用いる施工歩掛は、各発注機関に決定の裁量が委ねられておりますが、実際 には、ほとんどの発注機関において国が制定している標準歩掛に準拠していることから、発注 機関ごとに異なる事例は、多くはないものと考えております。 異なる事例があるとすれば、国の標準歩掛にない工種の施工歩掛と思われますが、そのよう な施工歩掛については、各発注機関が独自に調査等を実施し決定しているため、全てを統一す ることは困難であると考えております。 なお、国の標準歩掛がなく、国、県、市共通に使用する頻度の高い工種の施工歩掛について は、標準歩掛を制定し共通化が図られるよう政府に要望してまいります。 28.山形県の発注について [山形県] 山形県では一定金額以下の物品等については「山形県電子物品調達システム」を採用し、見 積金額については、消費税及び地方消費税を含んだ金額で入札するなど、発注額の大小等によ り、内税・外税が混在しております。今後更なる消費税の増税が予定される中、発注額の大小 に関わらず、一律、「外税」での見積発注をお願いいたします。 【回 答】 ◆山形県 [担当:会計局] 当面、物品電子調達システムでの調達については総額表示(内税方式)の運用を継続してま いりたいと考えており、システムの利用にあたっては、内税(税込み)方式での見積合せであ ることを業者へ改めて周知徹底してまいります。 なお、消費税率については、今後10%への引上げが予定されており、品目による軽減税率 の導入も検討されております。そうした動きを見据えた上で、関係業界の意見なども丁寧にお 伺いしながら対応してまいります。 30
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