弁体収納式地下式消火栓 「CAMEL」

既設弁栓類について
我々メーカーは、時代背景・技術革新・お客様からの要求などを反映させ
ながら、その時代に応じた製品を提供してきました。
また、それらの製品が基となり規格の制定・改訂を繰り返してきました。
しかしながら、規格品として十分満足すると考えられてきた材料が強度的
に不十分であったり、経年劣化や腐食などにより強度が低下した結果、本
体のわれやボルト・ナット破損などの予期せぬ事故が発生してきました。
また、規格制定当時に使用が認められていた塗装(黒ワニス)は防食性・
浸出性の観点から現在では使用できないようになっています。
このような状況のため、20年以上経過した既設弁栓類の点検や更新が急
務となっています。
そこで、既設の空気弁・消火栓・補修弁の問題点を次にまとめてみました。
既設空気弁の問題点
●鉄製ボルト・ナットの腐食による破損
●外面塗装の劣化による腐食(黒ワニス)
●内面腐食(錆)による赤水の発生や作動不良(黒ワニス)
●凍結によるふた(ねずみ鋳鉄)の割れやボールコックの破損
外面の腐食
ボルト腐食
内面の腐食
ボールコック破損
既設消火栓の問題点
外面の腐食
●鉄製ボルト・ナットの腐食による破損
●外面塗装の劣化による腐食(黒ワニス)
ナット腐食
●内面腐食による赤水の発生や作動不良(黒ワニス)
●凍結などによるふたの割れ(ねずみ鋳鉄)
●高負荷によるキャップ(ねずみ鋳鉄)、弁棒(真鍮)
口金フランジ(青銅鋳物)の破損
内面の腐食
弁棒折れ
口金破損
ふたの割れ
既設補修弁の問題点
●鉄製ボルト・ナットの腐食による破損
ハンドル
の折れ
●鉄製レバーハンドルの腐食による折れ
●外面塗装の劣化による腐食(黒ワニス)
●内面腐食による赤水の発生や弁棒固着による
作動不良(黒ワニス)
●樹脂製弁体の傷による漏水
ボルト・ナット腐食
外面の腐食
内面の腐食
弁体の傷
現在のJWWA規格品について
●空気弁・消火栓では鉄製ボルト・ナットが認められている。
●内面は防食性・浸出性に優れたエポキシ樹脂粉体塗装が定められて
いるが、外面は合成樹脂塗装(黒)が標準仕様となっている。
●鉛が含まれている銅合金の使用が認められている。
平成25年締付
ボルト・ナットは
ステンレス指定
本体材料は
FCでも可
空気弁
消火栓
補修弁
現在の規格品で定められている材料と塗装
弁栓類
本体材料
ボルト類材料
塗 装
FC200
FCD450
鉄
ステンレス
内面
外面
空気弁
○
○
ー
ー
粉体
合成樹脂
消火栓
×
○
ー
△
粉体
合成樹脂
補修弁
×
○
ー
△
粉体
合成樹脂
ソフトシール弁
(参考)
×
○
×
○
粉体
粉体
○:使用可能 ×:使用不可 △:一部使用が定められている -:規定なし
上の表のとおり規格の最低スペックでは十分安心だとは言えないと我々は
考えています・・・。
当社の標準製品設計コンセプト
そこで、当社では弁栓類を長期間安心して使用していただくため、基本的な設計コンセプト
を以下のとおりとし製品開発を進めています。
・塗装の標準仕様を可能な限り、内外面ともエポキシ樹脂粉体塗装とする。
・腐食による破損の恐れがあるボルト類をステンレス製とする。
・規格でステンレス材料の使用が認められている部品については可能な限り採用する。
・ステンレス材料が適さない部品ついては、鉛レス銅合金を採用し、『鉛レス対応』を目指す。
・錆の発生をなくすために、接水部にねじ部を設けない。
・凍結による破損を防止する対策を設ける。
以上のことを踏まえて、当社が提供している各弁栓類を次に紹介させていただきます。
当社が提供する急速空気弁(JWWA規格品)
内外面粉体塗装・ステンレス化・鉛レス対応
オプション
ボルト類は
ステンレス製
内外面とも
エポキシ樹脂
粉体塗装
ボールコック
ステンレス製
鉛レス対応
ロングレバー
圧力開放弁
凍結破損防止
ボールコック
保護カバー
空気弁の進化
ボールコックに強度的にも防食性にも優れたステンレスを採用することで、長期間安心して
使用していただけます。さらに、ボールコック部分に凍結破損防止機能を設けています。
また、鉛を含む銅合金を一切使用していないため、鉛レス対応品となっています。
当社が提供する地下式消火栓(JWWA準拠品)
内外面粉体塗装・ステンレス化
ステンレス製
キャップ・グランド
ボルト類は
ステンレス製
内外面とも
エポキシ樹脂
粉体塗装
オプション
ステンレス製
弁棒
凍結防止用
ステンレス製水抜き栓
ステンレス製空気弁付
ステンレス製
口金フランジ
弁体に耐塩素
性ゴムを採用
ステンレス製排気弁付
消火栓の進化
規格と弁体部分の構造が異なりますが規格の形式試験をクリアしたオリジナル消火栓です。
コンパクト設計ですが放水量は規格品と同等以上です。
キャップをステンレスにすることで繰り返し操作時の塗装の割れ・欠けの心配がありません。
また、弁棒・口金フランジにステンレス材料を採用することで破損しにくくなります。
当社が提供する補修弁(JWWA規格品)
内外面粉体塗装・ステンレス化・鉛レス対応
ステンレス製
グランド・ストッパー
オプション
ステンレス製
レバーハンドル
・ステンレス製ボール弁体
・GF溝加工
・キャップ式(減速機付)
ステンレス製弁棒
軸部3本Oリング
内外面とも
エポキシ樹脂
粉体塗装
鉛レス対応
補修弁の変化
弁棒、グランド、ストッパー、レバーハンドルにステンレスを採用することで、破損しにくく、錆の
発生を抑えるため長期間安心して使用していただけます。
また、鉛を含む銅合金を一切使用していないため、鉛レス対応品となっています。
“将来を見据えた”
オールステンレス製品の設計コンセプト
鋳造技術や加工技術の進歩もあり、防食性・浸出性・強度・汎用性などの観点から、現在
弁栓類の材料に最も適した素材がステンレスだと我々は考えてきました。
そこで、以下の設計コンセプトでオールステンレス製品の開発を進めています。
・主要部品(弁箱など)にステンレス材料を採用することはコストアップにつながりますが、
徹底した軽量化などにより、お客様に受け入れられるコストを追求する。 (価格設定)
・オールステンレス化することでお客様が定期的に実施されている塗装などの保全作業
による手間を省いていたき、なお長期間美観に優れた状態を維持できる。
・接水部分にも可能な限りステンレス材料を使用することで劣化や腐食による作動不良
をなくし、長期間メンテナンスレスで安心して使用していただく。
・ステンレス材料を採用することで従来材料で錆の発生がしやすいねじ部を有効に利用
したさまざまなオプションを提供する。
次に紹介させていただきますオールステンレス化された製品により、多くのメリットを知って
いただきたいと思っています。
φ25エアライト急速空気弁
オールステンレス化・小形軽量化・鉛レス対応
オプション
・ロングレバー
・保護カバー
・配管取付用ふた
ステンレス製
のため無塗装
ステンレス製
ボルト類
薄肉が可能
のため軽量化
鉛レス対応
凍結破損防止RS-3形
凍結破損防止
ボールコック
その他のメリット
本体部品に耐候性にも優れたステンレス鋳鋼を使用することで、屋外設置の粉体塗装品で
発生するチョーク現象がないので多くの場所に設置が可能です。
また、伸びや低温脆性が優れているので凍結しても破損しにくい材料です。
Φ75、100エアライト急速空気弁
オールステンレス化・小形軽量化・鉛レス対応
ステンレス製
ボルト類
ステンレス製
のため無塗装
オプション
配管取付用
ふたが標準
・保護カバー
・応急町野口金(65A)
鉛レス対応
薄肉が可能
のため軽量化
その他のメリット
ふたに配管取付用のテーパねじを標準装備していますので、場内などで水の飛散を防止した
い時にすぐに対応可能です。
また、オプションの応急町野口金を使用することで非常時に簡易的な給水が可能になります。
サステック消火栓
オールステンレス化・小形軽量化
ステンレス製
ボルト類
ステンレス製
のため無塗装
オプション
ステンレス製
キャップ・グランド・弁棒
ステンレス製
口金フランジ
ステンレス製
急速空気弁付
ステンレス製
水抜き栓
薄肉が可能
のため軽量化
ステンレス製
口金ふた・チェーン
ステンレス製
排気弁付
その他のメリット
キャップをステンレスにすることで繰り返し操作時の塗装の割れ・欠けの心配がありません。
また、消火栓は使用頻度が比較的多いのですが、開栓器をぶつけることによる塗装剥がれ
の心配もありません。
サストップ補修弁
オールステンレス化・小形軽量化・鉛レス対応
ステンレス製
弁棒・グランド・ス
トッパー、レバー
ステンレス製
ボール弁体
オプション
・GF溝加工
薄肉が可能
のため軽量化
ステンレス製
ボルト類
ステンレス製
のため無塗装
面間寸法100mm
鉛レス対応
面間寸法200mm
その他のメリット
補修弁はボックス内の下方に設置されていることから周辺環境が苛酷な場合が多く最も腐食し
易い状況にあるバルブだと言えます。
補修弁にもしものことがあると断水などの大きな問題につながるため、故障が許されませんので
オールステンレス化にするメリットが最大限に生かされると考えています。
当社ステンレス製品群
ステンレス製品の充実
当社はステンレス製バルブの製造販売をはじめて40年
以上の実績がありますが、その間本体の腐食による重大
な破損事故はありませんでした。※異種金属腐食含む
このことはステンレス材料の高品質性を物語っていると
考えていますので、この機会に広く知っていただけると
幸いです。
我々は、今後も新たにステンレス製品を充実させ、水道
業界に貢献していきたいと考えておりますので、将来を
見据えて、是非ステンレス製バルブをご採用願います。