明和産業株式会社 2015年(平成27年)3月期概況

2015年 6月26日
明和産業株式会社
2015年(平成27年)3月期概況
1. 2015年(平成27年)3月期決算概況
2. 中期経営計画(2014-2016年度)進捗状況
本資料で記述されている業績予想並びに将来予測は、現時点で入手可能な情報に基づき当社が判断した予想であり、
潜在的なリスクや不確実性が含まれています。そのため、様々な要因の変化により、実際の業績は記述されている将来
見通しとは大きく異なる結果となる可能性があることをご承知おき下さい。
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1-1. 2014年度連結決算サマリー
(単位:百万円)
2013年度
2014年度
増減
増減率
+ 5,123
+ 3.7%
10,168
△
105
△ 1.0%
2,757
2,019
△
738
△26.8%
経常利益
3,600
3,665
+
65
+ 1.8%
当期純利益
2,433
2,526
+
93
+ 3.8%
58円28銭
60円50銭
+ 2円22銭
+ 3.8%
売上高
139,551
144,674
総利益
10,273
営業利益
1株当り純利益
‹ 2014年度の売上高は、中国での潤滑油販売及びその関連商品や希土類などの取引
が堅調に推移し、前年度比 51億円の増収となった。
‹ 販売管理費の増加により営業利益は減少したものの、石油製品関連の投資先からの
受取配当金の増加等により、経常利益は前年度比 0.7億円増の36.7億円となった。
‹ 当期純利益は25.3億円と、前年度比 0.9億円増加し、過去最高益となった。
1
1
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1-2. セグメント別業績概況
売上高
セグメント利益
(=営業利益+利息尻)
30
1,600
1,400
25
1,200
522
24
525
1,000
2
25
7
20
800
107
132
合成樹脂・建材
機能材料
600
化学品・石油製品
400
741
765
2013年度
2014年度
4
15
10
18
13
5
200
0
3
0.1
その他
0
2013年度
2014年度
-0.2
(5)
売上高 (前年度比 金額、伸び率)
765億円 (+24億円、+ 3.2%)
セグメント利益 (前年度比 金額、伸び率)
13.3億円 (△4.4億円、△24.7%)
化学品・石油製品 潤滑油などの石油製品は中国・日本国内ともに堅調に推移。化学品は輸入取引が円安の影響を受け
たことに加え、後半は原油値下り傾向の中、買い控えも見られ、低調。
132億円 (+25億円、+23.2%)
機能材料
レアアースは需要が持ち直し、数量増。難燃剤は家電関連需要が回復せず。電池関連部材は若干の
減少。
(注) 当セグメントは現在の収益貢献は少ないものの将来の注力分野として昨年から括り出した
525億円 (+ 3億円、 + 0.6%)
合成樹脂・建材
2
△0.2億円 (△0.3億円)
4.2億円 (△2.8億円、△40.3%)
合成樹脂は前年度並みに推移。建材は消費税増税による住宅関連需要の低迷により低調。
金属製品はタービンローター等の輸出取引が回復した。
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1-3. 2015年度計画サマリー
(単位:百万円)
売上高
2015 年度
2014年度
増減
増減率
144,674
150,000
5,326
3.7%
営業利益
2,019
2,300
281
13.9%
経常利益
3,665
2,900
△ 765
△20.9%
当期純利益
2,526
1,950
△ 576
△22.8%
60円50銭
46円69銭
△13円81銭
△22.8%
1株当り純利益
‹ 2015年度は、円安による輸出取引や国内景気の回復により、総じて堅調に推移する
ものと見込んでいるが、潤滑油類の販売は中国経済の減速により厳しい状況が続く
見通し。
‹ 前年度の石油製品関連の投資先からの受取配当金の反動減も影響し、経常利益お
よび当期純利益は減少を予想。
‹ 中国経済を始めとする世界経済の動向によっては計画に影響が発生する可能性が
ある。
3
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2-1. 経営理念・中長期ヴィジョン
社是: 明光和親
事を処するに公正明朗
全社員が和を旨としてお互いに協調し
真に暖かみのある事業体をつくると共に
事業を通じて広く社会に貢献する
2020年の目標イメージ
今回の中期経営計画(2016年度目標)
ビジョン:
ビジョン:
国内外に、安定した収益基盤を持ち、且つ機能
が高く成長力のある事業ポートフォリオを有する
定量目標:
定量目標:
連結売上高
連結経常利益
自らの機能の強化と成長への挑戦によって、
顧客により高い価値を提供する
連結売上高
2,400~2,600億円
50 ~ 60億円
連結経常利益
1,900億円
40億円
配当性向:
財務の健全性と継続的な配当を前提に
連結配当性向15~20%を目途とする
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2-2.
中長期ビジョン(中期経営計画期間 2014-2016年度の目標)
自らの機能の強化と成長への挑戦によって、
顧客により高い価値を提供する
化学品、潤滑油、合成樹脂を事業基盤として、連結ベースのリソースを活用し、
川上から川下までのバリューチェーンにおいて付加価値を提供する
産業構造の変化をとらえ、先んじて新たなソリューションを提案する
「明和産業ならでは」の特徴があり、機能の高い事業において更なる成長を目指すと共に、
新たな成長の機会に挑戦する
海外取引の拡大を通じて、海外展開に適した人材を育成する
株主にとっての価値の向上
5
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2-3. 定量目標
‹ 中国経済の減速や新規開発案件の遅れ等の影響により、中期経営計画(2014-2016年度)
の定量目標にはビハインドとなっている。
‹ 7つの重点戦略を継続し、成長の実現を目指す。
連結売上高
(億円)
2,000
連結
経常利益
(実績)
1,443
1,500
1,407
1,255
連結経常利益
(億円)
連結
経常利益
(計画)
1,900
1,700
1,580
1,396
39
1,311
37
1,447
1,500
36
32
40
1,500
34
連結
経常利益
(予想)
31
29
1,000
10
0
0
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2011-2013 中期計画
強みを活かし、
飛躍を目指す
6
30
20
連結売上高(予想)
連結売上高(
中計)
連結売上高(
実績)
500
40
29
24
19
50
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2014
2015
中期経営計画
2016
2014-2016 中期計画
自らの機能の強化と、
成長への挑戦
3. 成長に向けた7つの重点戦略
„
2016年度の目標達成に向けた事業の拡大と経営管理基盤の強化を目指し、7つの重点
戦略を本中期経営計画期間において推進していく
成長事業
事業戦略
1
中国全土に跨る拠点網を活用した潤滑油等の販売拡大
2
電池関連部材の拡販(リチウムイオン電池部材のバリューチェーン、
及び製品のユニット化等への取組み)
3
環境関連商材 の中国・ベトナムマーケットでの取組み拡大
4
アジア経済圏との取引拡大
5
事業投資やパートナー企業との連携等を通じたバリューチェーンの拡充
(原材料開発や製品加工取引から原料取引への波及、等)
基盤事業
機能戦略
7
人事
6
グローバルな事業展開に対応できる人材の育成と、挑戦への
モチベーションの向上に繋がる仕組みの充実
経営管理
7
積極的な海外取引拡大や、事業投資推進のバックアップ施策
~ 業績管理指標の変更、海外拠点の設立等
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重点戦略① 中国全土に跨る拠点網を活用した潤滑油等の販売拡大
主要施策
„ 中国での現地人材及び現地拠点の拡充による物流・販売体制の更なる強化
„ 潤滑油の安定供給に向けたパートナー企業との関係維持・強化
2014年度結果
中国での売上高、物流・販売拠点の推移
‹ 中国経済の成長減速により建機向け需要は鈍化し
たものの、農機向けや冷凍機油でカバーし、潤滑油
売上高は前年度比10%超の伸びとなった。
250
40
(箇所)
36
33
30
29
30
33
34
31
(億円)
200
‹ 継続的に販売網の整備を行い、販売拠点3箇所、物
流拠点1箇所を増設した。
23
23
21
150
18
20
16
2015年度計画
14
‹ 主力の建機向けは、2015年度も回復の兆しは見え
ず厳しい状況が続く見通し。農機向けに拡販と、各種
工業用途への展開を進める。
‹ その為の体制整備として、高級潤滑油事業部を分割
し、産業機械潤滑油、高級潤滑油、冷凍機油原料油
の3事業部に再編成した。
11
12
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実
績
100
予
想
10
50
0
0
(年度)
中期経営計画
売上高
8
36
物流拠点
販売拠点
重点戦略② 電池関連部材の拡販(リチウムイオン電池部材の
バリューチェーン、及び製品のユニット化等への取組み)
主要施策
„ 原料黒鉛から負極材・電解液などの電池部材までのバリューチェーンの各段階に
係わり取引を拡大する
„ 製品(LIB/EDLC/伝送装置等)をユニット化し複合的価値を提供する
2014年度結果
伝送装置の特徴
‹ 車載用LIB需要の伸びが想定を下回り、大きな
成長は果たせなかったが、負極材・電解液を中
心にLIB及びEDLCメーカーへの新規販売を実
現した。
太陽電池用伝送装置
(ソーラーノイズフィルター)
太陽電池から得られる電
力を効率よく伝送する装置
‹ 伝送装置は実地テストを進めると共に、他用途
への展開を図るため外部との連携も開始した。
おおよそ15~30%(保証
値15%)の発電量増加を
実現。
(開発者特許技術)
電池関連部材の売上高推移
2015年度計画
80
(億円)
‹ 漸く中国の車載用市場の立ち上がりが見られ
る。今後の成長期待は高く、販売ネットワークの
拡充を図る。
60
40
20
‹ 原料黒鉛の取り扱いも本格化させ、バリュー
チェーンを強化する。
実
績
0
2013
実績
9
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予
想
2014
2015
中期経営計画
2016
重点戦略③ 環境関連商材 の中国・ベトナムマーケットでの取組み拡大
主要施策
„ 水処理:主要3商材を中心に、食品・化学分野における中堅エンジニアリング会社への
販売活動を強化する
„ 活性炭:強みを持つ脱硫脱硝用活性炭の調達力を活用し、他用途への展開を目指す
主要環境商材
2014年度結果
水
‹ 活性炭は品質問題等により低調であった。
‹ 水処理関連商材は、新たな商材の取り込みと
顧客層の拡充に力を入れ、需要増を取り込む
ための布石を打った。
‹ 環境にやさしいフレキソ印刷版の中国向け販
売を強化した。
2015年度計画
膜エレメント
イオン交換樹脂
空気
光
活性炭
・ 液相
・ 気相
・ その他(汚染
太陽電池用
送電設備
物質の除去等)
凝集剤
• 原料(DMC、DMA等)
• 製品(高分子凝集剤)
60
省エネ型
コークス
炉の資材
遮断熱
フィルム
中国・ベトナムにおける環境商材取引
(億円)
‹ 水処理関連商材は、積極的な販売活動を継続
し、実績を積み上げる。
‹ フレキソ印刷版は、中国向け拡販と共に、東南
アジア展開を目指す。
40
20
実
績
0
2013
10
実績
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2014
予
想
2015
中期経営計画
2016
重点戦略④ アジア経済圏との取引拡大
主要施策
„ 高い経済成長が見込まれるアセアン地域に販売拠点を新設し、取引拡大を目指す
„ 中国および東南アジア拠点の機能を活用し、中国企業を含む顧客のパートナーと
して、アジア経済圏への取組みを深める
地域別連結売上高
2014年度結果
‹ 韓国駐在員事務所(ソウル)を開設した。
‹ タイ現地法人の設立手続きを進め、2015年度期初に
設立を完了した。
‹ インドネシア現地法人の設立準備を行った。
2014年度
ベトナム
4%
その他海外
3%
(実績)
中国
37%
国内
56%
ベトナム
6%
2015年度計画
その他海外
4%
2016年度
(計画)
‹ インドネシア拠点の下期の営業開始を目指す。
‹ 東南アジア取引拡大のためのタスクフォースを設置
し、顧客対応力の強化を図る。
11
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国内
48%
中国
42%
重点戦略⑤ 事業投資やパートナー企業との連携等を通じたバリューチェーンの拡充
主要施策
„ 川上から川下までのバリューチェーンにおいて、事業投資やOEM契約等により、関与
する領域を拡大する
„ 低付加価値取引(存在意義の小さい取引)は、機能の強化を図るか、整理を進める
2014年度結果
高付加価値取引のイメージ図
◆ 化学品・ : ベトナムからの紙薬剤・凝集剤原料の
石油製品
輸入を開始
潤滑油ベースオイルの拡販
原料調達
品質保証
流通・販売
日系メーカーに
よる技術供与
◆ 機能材料 : タイ・ミャンマーにおいて難燃剤バリュー
チェーンを展開
◆ 合成樹脂 : 中国で自動車プラスチック部品設計
会社に参画
加工
日系メーカー
による
品質保証
資源開発
・
原料調達
製品販売
2015年度計画
‹ 上記を継続、発展させるとともに、その他の商品に
おいても高付加価値化を進める。
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・出資(JV)
・設備貸与
・製造委託手配
原料取引関与←
(遡及を図る)
重点戦略⑥ グローバルでの事業展開に対応できる人材の育成、中核ナショナルスタッフの登用
主要施策
〈求める人材像〉
「豊かな想像力に基づき能動的に提案し、実行・実現する人物」
„ モチベーション向上の為の人事制度、評価制度の拡充と有効的運用
„ 成長の実現に必要な人材採用、育成、活用
„ ナショナルスタッフの育成と有効活用
‹ 中国現地法人のスタッフ2名(前期比1名増)を日本に、さらに日本から若手社員3名を中国現地法人
及び中国事業投資先へ派遣し、人材育成と人事交流を進めている。
‹ 2015年度より、中国人の事業部総経理を1名増とした。
重点戦略⑦ 経営管理体制の充実
- 連結ベースの事業拡大と業績管理 -
主要施策
„ 連結経常利益を営業各組織の業績管理指標とする
„ 事業投資等のプロジェクト運営体制の強化
„ 海外取引拡大に向けて拠点体制の整備と拠点網の拡充
„ PDCAサイクルによる継続的な事業の改善とステップアップ
‹ 連結ベースの業績管理体制の充実を図るため、国内子会社全ての決算期を、当社と同じ3月とした。
2015年度には、重要な中国現地法人である明和上海についても、同一会計期間の数値を取り込む。
‹ 各本部長・支店長の直轄に推進担当を設置し、コンプライアンスの徹底を図った。
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