リアルタイムPCR法による EBウイルス感染症迅速診断

2015年10月1日 関連病院長会議
資料 7-2
リアルタイムPCR法による
EBウイルス感染症迅速診断
輸血部
竹谷健
目 的
EBウイルス関連疾患の
診断、発症予測、治療効果の判定
背 景
EBウイルスが関与する病気
造血幹細胞移植後、臓器移植後、悪性リンパ腫など
→EBウイルスの迅速かつ正確な診断が必須
これまでの診断
・血清抗体検査:結果が遅い、偽陰性が少なくない
・病理検査
:侵襲が高い、結果が遅い、
診断部位が限定
方 法
遺伝子を定量する技術である「リアルタ
イムPCR」を用いて、EBウイルスのDNA量
を測定する
効 果
迅速かつ正確にEBウイルス感染症を診断可能
1.早期に治療を開始でき、患者の予後の改
善、治療期間の短縮が見込める
2.定量評価が出来るため、治療効果も併せ
て評価でき、その後の治療方針の決定に有
用
3歳男児;生体肝移植後 PTLD
SUV 7.24
RTX
RTX
375mg/m2 once a week
375mg/m2 once a week
上咽頭腫瘍
生検
FK506
CSA
(trough 50 ng/mL以下)
PSL 2mg/day
EBV-DNA量
EBV
(copies/106cells)
100000
10000
1000
100
10
1
25
37
26
38
39
27
40
28
41
29
42
30
43
31
44
32
45
33
46
34
47
35
48
36
49
月
マルチプレックスPCR法を用いた網羅的微生物検出方法の確立
感染症の診断
・迅速かつ正確な診断が治療・感染対策の上で不可欠
・診断方法
低い陽性率
細菌:培養検査
長時間を要する
真菌:培養検査、抗体検査
ウイルス:抗体検査、ウイルス分離 上昇しない抗体価
不十分な検体
原虫:抗体検査
対象
・抗がん剤、免疫抑制剤、生物学的製剤を使用中の患者さん
・脳炎脳症の患者さん
・肝機能障害の患者さん
・ぶどう膜炎などの眼科疾患の患者さん
PCRプレート法
・多くの病原体を同時に測定
・少ない検体で検査可能
・高い感度・特異度
・迅速な結果
適切な医療の提供・迅速な感染制御・医療費の低減