前年秋季畝仮造成による 初夏どりキャベツの安定生産栽培法

前年秋季畝仮造成による
初夏どりキャベツの安定生産栽培法
富山県農林水産総合技術センター 園芸研究所
富山県
積雪下での腐敗、抽台
1.背景とねらい
従来の初夏どりキャベツ
栽培の問題点
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
秋植え
収穫時の高温・多雨
春植え
越冬率の低下や排水不良
により作柄が不安定
○:播種 △:定植 □:収穫
融雪水による作付遅延
2.成果の内容
新作型 前年秋季畝仮造成春植栽培
前年の秋季に畝を仮造成し、翌年の融雪直後に畝を再造成及び施肥・マルチ被覆
を行うことで、定植及び収穫期の前進化が可能。
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
作型 秋季畝仮造成
畝再造成・施肥・マルチ
畝立て・施肥・マルチ
新作型
○:播種 △:定植 □:収穫
1.作付品種 : 中早生(中早生2号)を用いると、5月下旬~6月上旬に収穫、中生品種
(SE)を用いると、6月中旬~下旬に収穫。
全層施肥:リン酸・カリ資材
2.栽培・管理:
局所施肥:窒素肥料
局所施肥位置
幅50cm
深さ 7~10cm
仮畝造成
耕うん同時畝立て(逆転ロータリ)
畝幅:160cm、畝高:25cm
石灰:100kg/10a散布
畝再造成・局所施肥・畝上面マルチ被覆
施肥量:窒素20~23kg/10a(速効性肥料10~20%、
被覆尿素20日タイプ80~90%)、リン酸・カリ20kg/10a
マルチ被覆:黒マルチ、でんぷん製生分解性フィルム、
幅95cm、厚さ0.02mm
3.成果の活用
◆初夏どりキャベツの新作型を開発
↓
初夏どりの生産安定・作期拡大
・5月下旬~6月下旬の安定出荷
・40ha規模の集落営農組織での導入を想定
した場合、60a規模までこの作型導入が可能
3.61
3.5
商品収量(t/10a)
・前年秋季に畝仮造成
・翌年春に畝立て後(同時作業実施)、定植
4.0
3.07
3.0
2.5
2.0
無被覆
1.5
1.0
0.5
0.0
新作型
慣行(秋植え)
新作型と慣行の収量性比較(収穫日5/28)
畝上面被覆
月
1