フラワーポエム 26 2015.1.28 渚の風 3号 連載 「花の詩」 ② 椿 送られてきた6枚の椿の写真。1枚だけを掲載する、 という前提の中で選んだのがこの椿だった。 試し刷りの紙面を見せにきた、制作スタッフが言っ た。 「微妙な色合いが、一番表現しにくい1枚です」 でも、なぜか惹かれる1枚だった。 大出 一博 写真 大 出一 博 文 平田篤 州 椿は、日本原産の常緑樹。「椿」という文字は、日 小説「椿姫」(1848 年)でも、こうした流行が描か 本でつくった国字で、春に花が咲くことをあらわすが、 れている。オペラ「椿姫」、バレエ「椿姫」も生まれた。 早咲きのものは冬のさなかでも咲く。 主人公の恋の始まりに、椿の花が、重要な小道具とし 年を経た椿は化ける、という言い伝えが日本各地に 残っている。ぽとりと落ちる花びらの風情も、暗い性 夜、照明をあてながら撮ったのだろうか。花びらの 欧州に伝わったのは、18 世紀。19 世紀には椿ブー ムが訪れ、社交界の女性はみな争って椿を胸に飾った は、暗い陰影となり、一層、光を引き立てる。 という。 撮影の状況について、あえて聴かず、想像を存分に て使われている。 花言葉は、控えめな優しさ、誇りなど。「控えめな」 との語句がつくのは、椿の花に香りがないことを由来 さえ感じさせる。 中から、発光しているようにも見える。緑色の葉っぱ 楽しむことにした。 検索 とする、という説がある。学名の Camellia japonica が、そのまま英語名になっている。 幻想的な花、危うい花、妖しげな、情感の花にも見 フランスの作家、アレクサンドル・デュマ・フィス (1824 − 1895)が高級娼婦との思い出を書き上げた ファッションプロデューサー 大出一博 える。漆黒・濃紺の絶望の中に咲く、一筋の希望の光 …。想像は尽きない。 児童養護施設出身 東北福祉大学特任教授 草間吉夫 私たちは応援しています(敬称略) 女 優 東ちづる マラソンランナー 有森裕子 社会福祉法人プロップ・ステーション 理事長 竹中ナミ ジェネシスオブエンターテイメント 代表 坪田建一 写真家 大阪芸術大学教授 東京大神宮 日本ヘルマンハープ振興会 日本ハルダンゲルクラブ 織作峰子 会長 梶原千沙都 宮司 理事長 松山文彦 山瀬理桜
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