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【別紙】事業内容(豊田高専ドミタウン実行委員会)
1.事業目標:
「ふるさとのドミタウンづくり」
1)農山村を「ふるさと」に
私達はいかにして農山村を未来に残していけばよいのでしょうか。これまで日本の農山
村は環境保全や各種生産面など多面的に機能してきました。しかし、今日の経済発展と都
市拡大に伴い、農山村の社会・経済の疲弊は著しく進行し、農山村の持つ多面的機能の維
持は難しくなっています。このような状況だからこそ、私達には未来に向けて農山村を再
生し、未来に残していくことが求められています。この解決にはまず農山村に人が集まり、
地域の社会や自然環境を持続的に支える仕組みを構築する必要があると考えます。
そこで私達は、農山村を人々の「賑わう場」や「生きがいを得る場」として、特に未来
を担う人材にとっては「学ぶ場」や「あこがれる場」として機能させることを目標に掲げ
ました。そしてこの目標を達成するために、農山村を「ふるさと」とあらためて位置づけ、
上記それぞれの「場」を有機的に結びつけ、相乗効果を産み出していくことを提案いたし
ます。その方策として、持続可能な農山村の創出を目指し、豊田市内の多様な主体による
多世代型の都市農村交流事業を実施いたします。具体的には、豊田市の山村である旭笹戸
町において、豊田市内在住の小学生と豊田高専学生とによる夏休み共同生活、それに関連
付けた豊田高専学生と地域住民との交流を展開いたします。その際には、笹戸温泉振興会、
おいでん・さんそんセンター、豊田市都市農村交流ネットワークなど地元内外の様々な主
体の協力を得つつ、里山や空き旅館など既存の地域資源を用い、無駄を抑え、関わる人々
が心地よく、そして無理なく実行していきます。以上の提案内容は「ミライのフツー」に
優れて適合したものとなっています。
なお、本提案は、
「平成 26 年度 学生発⇒豊田市まちづくり提案~ミライのフツーを目
指そう~」にて優秀賞を受賞した『豊田のドミタウン~つくろう!もうひとつのかぞく~』
をもとにしています。
2)ふるさとを「ドミタウン」に
本事業の核は、ふるさとである農山村における、夏休みの市内小学生と豊田高専学生と
による共同生活の実施にあります。この夏休み中の共同生活では、自然体験型学習、地元
のお年寄りを交えた竹加工の教室やお話し会などが各所に盛り込まれます。これらの諸準
備等において、地元組織や市内市民活動団体の協力も得つつ、先に挙げた様々な「場」を
地域内で有機的に結合してまいります。
こうした「場」は様々な世代が地域を越えて新しい形で集う一つの「かぞく」ともいえ
ます。私たちは、このかぞくを「ドミタウン」(ドミトリー(寮)+タウン)と命名し、農
山村において機能させることを目指しています。今回、本事業をけん引する豊田高専の学
生は寮生または寮生活を経験した者です。
「ドミタウン」という言葉に、豊田高専学生の強
みである共同生活のノウハウを地域社会に還元させたいというメッセージを込めました。
農山村において「ドミタウン」を展開することにより、多くの高専学生と小学生が地域
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【別紙】事業内容(豊田高専ドミタウン実行委員会)
に入り込み、新しい賑わいが生まれます。都市住民(ここでは、豊田高専学生)と地元住
民(ここでは、笹戸地区の住民)
、関連する諸団体等との新しい協力関係の構築も可能とな
ります。また、本提案事業は、共働き世代の多い都市部における学童保育等への応用的展
開など豊田市全域に寄与する可能性を多分に秘めています。
※※豊田高専学生寮のノウハウ※※
豊田高専には愛知県内外から広く学生が集まるため、学生数の半分以上(610 名)が寮生
活を営んでいます。伝統的に寮運営には寮生が主体的に関わり、教員はそうした寮生の活
動や提案をサポートしてきました。寮では朝体操、朝食、昼食、夕食、風呂、点呼、学習
時間、消灯のリズムを、ルールを守りながら皆で役割分担して行っています。3 年生以上の
高学年寮生は低学年寮生の面倒を見るお兄さん、お姉さん的な存在として(「指導学生」と
呼ばれる)
、生活を指導したり相談に乗ったりしています。また、指導学生は毎週 1 回以上、
ミーティングや集会、勉強会を行っています。また、低学年寮生の勉強をサポートするた
めに「マテカ」という寮内家庭教師制度(大部屋で勉強を教える)も実践しています。
2.対象地域:豊田市旭笹戸町
本事業は豊田市旭笹戸町において実施します。
笹戸町は人口約 100 人の温泉集落であり、
高齢化が進んでいます。豊田市中心部から自家用車で 1
時間程度のアクセスであり、おいでんバスは 1 日に 10
~12 往復運行されています。このように都市部からの
アクセス条件は整備されているものの、温泉旅館の廃
業が相次ぎ、獣害や竹林の拡大といった里山の破壊も
進行しており、新たに地域を「再生」することが求め
られています。
今回の「ドミタウン」は、笹戸町にある空き旅館「き
図
笹戸町の位置
よみ旅館」を活用して実施します。本事業の実施に向
けて、おいでん・さんそんセンターの協力もいただき、昨年秋より地元団体との話し合い
を複数回重ねてきました。地元協力の確保など事業実施体制は既に整っています。
また、笹戸地区にあるきよみ旅館は、おいでんバスの停留所「笹戸」と至近距離にあり
ます。本事業では、参加者の移動手段とともに、低炭素社会を築くための勉強の場として
おいでんバスを位置づけます。本事業の展開により、公共交通の活性化も期待されます。
3.実施体制:様々な主体の長所を活かして
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本事業の実施体制は下図の通りです。市内横断的に、都市部、農山村において活動を展
開する各者の長所が活かされうる役割分担関係となっています。地元住民の協力体制は笹
戸温泉振興会を通じて整っています。本事業の広報はとよた都市農山村交流ネットワーク
やおいでん・さんそんセンターのネットワークを活用します。
図 本事業の役割分担関係
4.事業実施計画
1)年間スケジュール
本年3月:セカンドスクールの見学などを通じて、交流事業を学ぶ
4月:地元住民との交流(茶話会)
、旅館のそうじ、農地の整備
5月:地元住民との交流(茶話会)
、農業体験、竹加工の練習
6月:旅館およびウォークラリーコースの整備、地元住民との交流(茶話会)
、竹加工
の練習(竹テントなど備品を制作する)
7月:草抜き、地元住民との交流(茶話会)
8月:プレ・ドミタウンとドミタウンを 1 回ずつ行う
9月:ここまでの動きの総括、次年度に向けた話し合い(含・茶話会)
10 月~12 月:中間報告、笹戸温泉じねんじょ・もみじまつり(11 月)等の手伝い
2016 年1~3月:本事業の総括、報告会、次年度に向けた準備(含・茶話会)
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【別紙】事業内容(豊田高専ドミタウン実行委員会)
2)夏休み「ドミタウン」のスケジュール案
豊田のドミタウン ~つくろう!もうひとつのかぞく ~
Action Manual
学生スタッフ
小学生
地元のおじいちゃ
ん・おばあちゃん
1日目
豊田市駅8 時1 5 分集
9:00 集合( 野外炊飯準備) 合、8 時3 3 分おいでん
集合
バスに引率学生と乗車
9:30
10:30
11:00
13:00
13:00
15:30
16:00
17:30
18:30
18:45
20:45
21:15
21:30
22:30
23:00
7:00
7:30
7:45
8:30
9:15
10:30
11:00
12:30
14:00
15:00
16:20
16:40
17:00
受付・ 誘導
笹戸到着
出迎え
オリ エ ンテ ーシ ョン
昼食: 矢作川河畔で野外炊飯( カレーライス)
休憩( 荷物を持って
ウォークラリ ー準備
休憩
部屋へ)
山道ウォークラリ ー
農作業体験
夕食調理: 郷土料理( お楽しみ)
夕食
キャンプファイヤ ー準備
自由時間
休憩
キャンプファイヤー・ むかしばなし・ タレントシ ョー
星空観察会
諸連絡
帰宅
入浴・ 自由時間
反省・ 巡回
就寝
就寝
2日目
起床
打ち合わせ
起床
朝の集い・ 朝体操( 朝食準備)
( 集合8: 00)
朝食
学習時間帯
( 片づけの支援、 休
憩)
掃除チェッ ク
掃除・ 荷物整理
竹加工教室( 竹馬、 竹とんぼ・ ・ ・ 笹戸のお友達も呼ぼう!)
昼食~片づけ: 流しそうめん
自由時間( 竹馬、 竹とんぼで遊ぶ。 記念品作成のために何か
拾ってく る)
チーム にわかれて記念品作成
総括、 全体反省と写真撮影
片付け
解散( おいでんバス・ 笹戸1 7 時1 5 分発。 一部スタッ フは小学生
とともに豊田市内に戻る)
【ポイント】
・寮生活のノウハウ(時間管理、家庭教師、自炊…)を積極的に活用します。
・小学生 1 人当たりスタッフ 1 人が配置されるようにし、地域に賑わいをつくりつつ、安
全確保に努めます。
・地元のおじいちゃんとおばあちゃんと市内の小学生、高専生が一緒に何かを作り上げる
時間を重視しています。語り合い、教え合いながら絆を深めます。
・夏休み交流事業のために、地元の休耕地を利用して育てた野菜を栽培します。また、地
元の竹を積極的に使います。
以上
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