【大会規約】

平成27年
正道会館
第1条
5月
11日改訂
全日本空手道選手権大会試合規約
審査規約
審判員及び審議員は、同等の権限をもって競技の審査にあたるが、競技に関する最終決定
はすべて審判長の裁可によるものとする。組手試合及び、試し割りの規約時間は別項に定
められているが、必要と認めた場合には、審判長の裁量により改めて時間を設定する事も
あり得る。
大会は試合進行表の構成によって進行され、極力スケジュールに沿わせるが、止むを得な
い事態が起きた場合は、審判長・審議委員長・副審判長・副審議委員長が協議の上、審判
長が変更を指示する事が出来る。
第2条
組手試合時間
組手の試合時間は原則として、下記の通り定める。
:本戦3分→延長2分→再延長2分→体重差による判定(10kg以上)
→試し割りによる判定→特別延長戦2分(マストシステム)
※マストシステム=必ずどちらかに優勢を上げる方式
なお、予選を行う場合は試合時間を変更する場合がある。
第3条 勝敗
組手試合の勝者は、一本勝ち・判定勝ち・相手の反則ないし失格による勝ちにより決定さ
れる。
(1) 一本勝ち
(a)反則箇所を除いて、突き・蹴り等有効技を瞬間的に決め、相手を5秒以上
ダウンさせるか、またはダウンさせないまでも一時的に戦意を喪失させ、
4秒以内にファイティングポーズが取れない場合。
4秒以内にファイティングポーズを取った場合は「技有り」となる。
(b)組手試合時間中、「技有り」を2回取った場合。
(2)判定勝ち
(a)一本勝ちによる勝敗が決しない場合、試合時間終了と共に判定を取る。
主審を含む審判3名あるいは5名により判定を行い、過半数を取った選手の
勝ちとする。それ以外は引き分けとする。
(b)「技有り」は判定において有効なポイントとなる。
「技有り」とは、有効技が決まり、相手がダウンするか戦意を喪失しても
4秒以内に立ち上がりファイティングポーズを取った場合を言う。
(c)組手試合時間中に「技有り」を2回取った場合は一本勝ちとなる。
(d)判定基準の優劣順位は
①「技有り」の有無
②「技有り」にはいたらないが、正確な攻撃で手数をともなう
ダメージ度の高いもの
③試合の主導権をとっている場合。(手数、圧力、技術力、有効打撃を総合
したものをさす)
④「減点」の有無
⑤主導権の中で、手数、圧力、技術力、有効打撃の中で、どれかが勝って
いるもの。
⑥勝利への気迫
の順となる。(注意:②イコール③イコール④とする)
(
① >
②
=
③
=
④
>
⑤
優
○
>
⑥
)
劣
○
(3)延長戦、及び体重判定
(a)本戦で決着がつかない場合には、延長戦2分、再延長戦2分を行う。
(b)再延長戦でも勝敗が決しない場合は、その場で道着と帯を着用のままで
体重判定を行う。(道着と帯は脱がないこと。)
体重差は10kgをもって有効とし、10kg以上の差があれば軽量の選手の
勝利とする。
(4)試し割り
(a)体重判定の結果、有効体重差がない場合には、瓦の試し割りを行う。
(b)試し割りには、瓦を使用する。材質は、審判員・審議員の検査を通ったもの
とする。
(c)試技は、正拳・手刀・掌底・肘打ち・頭突きのいずれかで行う。
足刀等、足の使用は認めない。
(d)割った枚数の多い方の選手を勝者とする。同枚数の場合には、
特別延長戦2分を行う。(マストシステム)
(e)試し割り判定になった場合、審判員は両選手に対し瓦をセットするが、
その枚数は選手の申告によるものとする。
(f)試技は、固定したブロックを基礎にして所定の位置で行われるが、ブロック台
は審判員、審議員、進行係の許可がない限り動かす事は出来ない。
(g)瓦の上に布を置く事は出来るが、この布は主催者が用意した物に限る。
(h)選手は主審の始めの合図で同時に試技を行うが、制限時間は1分以内とする。
(i)選手は、試技を行うまでは、瓦に触れてはならない。
(5)特別延長戦
試し割りの枚数も同数の場合には、特別延長戦2分を行う。
この時、審判員は必ずどちらかの選手に旗を上げて勝敗を決する。
(マストシステム)
(6)審議員特別裁定
審議員、及び審判長が特に必要とした場合には、別に延長戦、又は再試合を命ずる
事が出来る。
第4条
反則
反則には注意1が与えられ、以下の分類にて3種類に分けられる。
Ⓐ
危険行為による反則は、注意2で減点1とする。
(ただし、危険行為で減点1を取られた場合の後の、危険行為は減点2となり失
格となる。)
Ⓑ
掴み等に関わる反則(違反行為)は、注意3で減点1とする。
Ⓒ
その他の違反行為の反則は、注意数の規定のない物は注意2で減点1とする。
但し、注意数の規定のある違反行為は、それぞれの注意数で減点となる。
※危険行為 : 反則行為により、相手にダメージを与える危険性のあるもの。
違反行為
:
危険行為以外の反則行為。
※Ⓐに含まれる反則は、それぞれ違う反則でも注意を合算して減点する。
(例えば、顔面殴打注意1と金的攻撃注意1で減点1となる。)
Ⓑに含まれる反則も、それぞれ違う反則でも注意を合算して減点する。
(例えば、掌底押し注意1、掴み注意1、投げ注意1で減点となる。)
Ⓒは、それぞれの反則は、それぞれで注意を計算する。
(例えば、場外注意1、技の掛け逃げ注意1では減点にならない。)
※減点に関しては、違う注意の減点が重なっても減点2で失格となる。
(例えば顔面殴打注意1、金的攻撃注意1で減点1。掴み注意3で減点1。
以上減点2で失格となる。)
※反則の種類や度合い、悪質であると判断された場合には、注意を通り越して
減点、もしくは失格となる場合もある。
違反行為でも審判が悪質であると判断した場合は、危険行為として反則に
合算する場合もある。
以下の事項を反則とする。
Ⓐ危険行為に関わる反則
①蹴り以外の顔面及び喉への殴打。
(手、肘、腕、による首から上への攻撃。首への攻撃は反則となる。
有効技以外による殴打。)故意であるなしに関わらず、厳しく注意をとる。
②頭突きによる攻撃。
③金的への攻撃。
但し、出場選手には金的ファールカップの着用を義務付ける。
カップ着用の上で金的攻撃を受けた場合、反則した選手に注意が与えられ、ダメ
ージのある選手には、1分間の休憩時間を与える措置をとる。カップ着用義務を
怠り、金的攻撃を受けた場合は反則した選手に注意が与えられるが、ダメージが
大きくて試合を続行出来ない時は、自己の不注意による試合続行不可能として相
手選手の勝ち扱いとなる場合もある。(第7条 b 項)
④倒れた相手へ直接打撃を加えたとき。
⑤関節部分に関節技、あるいは首への締め技をかけること。
⑥背後からの攻撃
相手選手が完全に無防備に後を向いてしまった場合には、攻撃してはいけないが、
後を向いてしまった選手には戦意放棄と見なし「場外」と同じ扱い(第4条Ⓒ第
1項)の注意が与えられる。
⑦試合終了、あるいは主審の止めのコール後や相手が場外に出たのに攻撃すること。
※ 但し、場外になるときに、気を抜いて相手の攻撃によりダメージを受けた
場合は、審判の判断により、技有り、又は一本になる場合もあるので絶対
に気を抜かないこと。
試合中に気を抜いた選手には、戦意放棄と見なした警告が与えられる。
Ⓑ掴み等に関わる反則
①両手による掴み。
片手による掴みは、攻撃のための瞬間的なものを認めるが、それ以外は反則とす
る。両手による掴みは首相撲も含む。
掴みについては、片手で技を出す為の手段としてのみ行うものを認める。一秒を
超える掴みは、反則とする。一瞬の掴みにおいて掴む部位は、帯より上の上半身
部分において認める。但し、道衣の背中部分に対する掴みは反則とする。
引っ掛けに関しては、全て開手のみで行う事とする。一瞬の引っ掛けに関しては、
手刀、背刀、背手、掌手の部分(手首の折れ曲る部分から先の部分)で一瞬のみ
認める。手の平部分での頭部に対しての打ち込み、押さえ込み、引っ張り込みに
ついては反則とする。但し、一瞬の技を出す為の引っ掛けは有効である。手首(折
れ曲がる部分)から肘の間で瞬時でも、引っ掛けると抱え込みとなり反則となる。
②両手で相手を掴んで投げること。
但し、片手で袖口を掴んで足払いをかけて倒して決めた上、残心を取った場合や
崩して突き・蹴りを入れた場合は判定材料で有効となる。
(瞬間的に技を掛けないと掴みの反則となる)
③掌底で相手を押す行為。相手の腕を押さえる行為や、拳で相手を押さえる行為も
これに含む。
④胸を付ける行為は反則とする。
⑤頭を付けての打合いは反則とする。悪質な場合は即、減点とする。
Ⓒその他の違反行為に関わる反則
①故意に場外に逃げること。(場外注意)
場外注意は、3回目は注意1、4回目は減点 1、5回目は失格とする。
②技の掛け逃げは、反則として注意をとる。
自分が技を掛けた後、倒れ込んでしまう様な技(回転胴回し蹴り等)は相手選手
が反撃できない為、倒れ込んだ時に受けを行い、決めを入れる事により技有りに
はならないが判定材料で有効と成る。但し、相手の攻撃が効いた時など、苦し紛
れや休む為に出した場合「掛け逃げ」と判断する。
(最初の1~2回は注意を取らず、指導で促し、3回目からは注意を取る)
技の掛け逃げに関しては、注意3で減点1とするが、故意であると主審が判断し
た場合や悪質な場合は、ただちに減点になる場合もある。
③過度な反則のアピールは、度が過ぎると注意、減点の対象となる。
選手は武道である空手の大会に出場しており、勝つためだけに相手選手の微少な
反則(軽く手が顔に触れただけや、軽い金的攻撃で大げさに痛がる等)を過剰に
審判にアピールする行為は非常に見苦しく、空手道精神に反します。もちろん、
反則行為を容認するものではありませんが、節度のある対応を希望します。
④審判員の指示に従わなかったり、選手として相応しくない態度、及び言動をとる
こと。
⑤相手選手を中傷するような掛け声や、野次などをとばした場合、選手に注意や
減点が与えられることがある。
⑥道衣の袖が肘を隠す長さが無い時。この場合は失格となる。
肘が隠れるかどうかの判断については、審判員が行う。
審判員が認めなければ試合を行うことはできない。
尚、袖を折る行為は反則とする。
⑦以上の他、審判員が特に反則と見なしたとき。
第5条
失格
(a)試合中、審判員の指示に従わない時。
(b)出場時刻に遅れたり、出場しない時。
(c)見合ったままの状態で30秒以上経過した時。
この場合は戦意なしとして、双方失格となる。
(d)粗暴な振る舞い、悪質な試合態度とみなされた時。
(e)減点を2回重ねた時。(ただし、危険行為で減点1を取られた場合の後の、危険
行為は減点2となり失格となる。)
(f)道衣の袖の長さは、肘が隠れる長さとし規定に満たない道衣で試合をしようとし
た時。
(g)反則攻撃により、相手選手が負傷して試合続行不可能になった場合。
第6条
選手が負傷のため試合を続行する事が出来ない場合には、次の各項によって
勝敗を決定する。
a)負傷の原因が相手の選手の反則による場合は、故意・偶発性にかかわらず反則者の負けと
する。
(負傷者が出た場合、試合を継続させるかどうかは大会医師の判断で、試合の勝敗に関
する事は、審判長・審判員・監査役が協議の上、決定する。)
(b)負傷の原因が、負傷者自身の不注意による場合は、負傷をした方の負けとする。
(負傷者が出た場合、試合を継続させるかどうかは大会医師の判断で、試合の勝敗に関
する事は、審判長・審判員・監査役が協議の上、決定する。)
第7条
選手の一方が著しく優勢な場合は、主審の判断により、試合終了を待たずに勝者を決する
事が出来る。
第8条
負傷者が出た場合、試合を継続させるかどうかは、大会医師、審判員が協議の上、決定
する。
第9条
選手または所属団体の責任者は、審判員の宣告に対し、一切の異議の申し立てを行う事は
出来ない。
第 10 条
セコンド、選手の応援について
(a)選手のセコンド・応援については武道の試合にふさわしい態度を心がける事。
(b)セコンド・応援団は、選手の試合中むやみやたらに試合場に乗りかかったり、試合場
を叩いたりしてはいけない。
(c)相手選手を中傷するような掛け声、ヤジなどを飛ばした場合、選手に注意・減点が与
えられる事がある。
(d)試合場でのセコンド人数は10名までとする。
第 11 条
テーピング・バンテージ・サポーター・プロテクター類について
(a)選手はテーピングを施す場合、4試合前までに所定の場所にて必ず係の審判員の
承認印を受けなければならない。
(b)手首、及び手甲部へのテーピングは認めるが、拳にテープを施すこと、
及びバンテ-ジを着用する事は禁止する。
テープは、拳頭部から指一本分以上の間を必ず開ける事。
(c)金的ファールカップの着用は義務づけるが、道衣の上からではなく、ズボンの中に
着用する事。それ以外のサポーター、プロテクターの着用は一切認めない。
指輪、ミサンガ、鼻腔拡張テープ等は、必ず外さなければ試合を行う事はできないも
のとする。
(d)選手がケガをしている場合、保護の為にテーピングを認める場合があるが、
その時には必ず大会ドクターに確認の上、審判員から承認印を受けなければならない。
第 12 条
本大会規定に定められていない問題が生じた場合、審判長・審議委員長・副審判長・
副審議委員長の合議によってこれを処理するものとする。
以上