100周年に向けて新ブランド戦略を始動。 動。

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CULTURAL SPACE QUEST
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100周年に向けて新ブランド戦略を始動。
2014年の学校法人創立90周年に、北海道工業大学は北海道科学大学、北海道自動車短期大学は北海道科学大学
短期大学部へと校名を変更。同時に、設置者である学校法人北海道尚志学園も学校法人北海道科学大学へ改称を
して、10年後の100周年に向け大学改革の舵を切った。
多くの大学と同様に、志願者数の減少に対してはいろいろな改革をおこなってきた。
しかし大きな効果は得られず、最
終的には 北海道№1の実学系総合大学を目指して 大改革に踏み切ったのである。
そして、
「100周年ブランドビジョ
ン」がスタートした2014年度入試の総志願者数は、前年比728%の大幅増となった。独自の戦略や取り組み、
さらに
は今後の計画について、法人常務理事の杉田光博氏にうかがった。
学校法人 北海道科学大学 前田キャンパス A棟
HOKKAIDO UNIVERSITY OF SCIENCE MAEDA CAMPUS
所在地:北海道 基本設計・実施設計・工事監理:大成建設株式会社一級建築士事務所
1階 A106講義室/講義デスク・イス:SCF-5505-7、
移動イス:SCM-5505、
移動机:CTN4特注品 固定席250席・移動席6席
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学校法人北海道科学大学 常務理事
杉田 光博 氏
Mitsuhiro Sugita
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学園の総力で創った実学系総合大学への構想。
全教職員が危機意識を共有し、
す。また、2010年に実施した就職先企業
連携もあまり取れていない状態でした。
から委員長として内容の濃い議論を取り
設置校の間で議題となるのは、法人創立
大学改革は、2014年におこなった北海
横断型の改革検討委員会を設置
へのヒアリングでは、本学卒業生への評
この状況を打破するには、法人および
まとめてきました。
以来、初めてのことでした。各校ごとに状
道工業大学の学部学科の改組から始まり
価が下がっていたことも分かりました。
全設置校が総力で取り組むしかないと考
況や課題が異なるので、委員会では活発
ました。学問の広がりを大学名に反映す
北海道工業大学が改革へ踏み切った
当法人は、北海道工業大学の他に、北
え、2010年に
「学園将来計画検討委員会」
活発な討論の積み重ねで実現する、
な討論が繰り返されましたが、
何とか答申
るために、北海道工業大学を北海道科学
背景には、いろいろな要因があります。
ま
海道薬科大学、北海道自動車短期大学、
を立ち上げました。
こういった委員会は理
北海道№1の実学系総合大学
にまとめて理事会へ提出してきました。答
大学に変更。2015年には、北海道薬科大
ずは、少子化に加えて工学離れが進むな
北海道尚志学園高校、北海道自動車学校
事や学長など上層部がメンバーになるこ
申は五次にわたり、最終的には、創立100
学などが前田キャンパスへ移転する予定
かで、道内における学生募集が厳しくな
の4校を運営してきました。
これまでも、各
とが多いのですが、私たちは役職にこだ
委員会の課題は、
主に 大学統合への構
周年に向けた 各設置校の教学体制の再
です。
そして100周年までに、
この2大学を
り、定員充足率が減少して質の高い学生
校が個別に改革をおこなっていました
わらず、各設置校から推薦された教職員
想 、設置校間の連携 や キャンパスの集
構築 と キャンパス再整備計画マスター
統合して、北海道№1の実学系総合大学
を獲得しにくい状況になってきたことで
が、期待した効果が得られず、設置校間の
たち約20名で構成したのです。私も途中
約 などです。大学統合 という発想が全
プラン へと集約されていったのです。
を実現する構想を描いております。
1 3階 A302講義室/イス:ルッシュ、デスク:SCM-400特
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注 品 2 2 階 A 2 1 1 講 義 室 / イス:ルッシュ、デスク:
SCM-400特注品 3 3階 A301講義室/イス:ルッシュ、デ
スク:SCM-400特注品 4-6 3階 A308講義室/講義デス
ク幕 板 の 裏 にH U B ボックスを装 備 。講 義デスク・イス:
SCF-PF-5505-7特注品、移動イス:SCM-5505、移動机:
CTN4特注品 固定席250席・移動席6席 7 2階 A203・
A204講義室のホワイエ
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若い力を活かし法人全体でブランド戦略を共有。
戦略はブランドブックをもとに、
かれたものです。また、主要部分は変わ
目標ではなく、
これから何をすべきなの
のためのワーキンググループ」を結成し
信条は、単なるProfessionalではなく、社
全教職員が共に考え深化
りませんが、詳細は話し合いによって深
かを、教職員はじめ在学生やOBも含めて
ました。
また、学園内だけでは実りある討
会で活躍できる基盤能力を土台に専門
化していきますので、来年も改訂する予
共に考えていきたいと思います。
論や効果的な広報は難しいと考え、改革
性を身につけた人材 を育てることです。
当初より学外の専門家に助言や協力を求
シンボルマーク
「Progress H 」は、私たち
若手教職員や学外専門家の力は、
めました。
そして、当法人の存在理由を広
が貢献すべき北海道のHと学生・地域・教
改革実現の重要な推進力
く社会に知らせるために、
スローガン、シ
員・職員を表す4つのリボンが交わり成長
ンボルマーク、法人および大学の新名称
していく
「地域共育力」
を表現しています。
改革にあたっては、
「 100周年ブランド
定です。
ビジョン」を全教職員自らがしっかりと共
ブランドブックでは、100周年ブランド
有する必要があると考え、2013年から
ビジョンとして
「2024年までに、基盤能力
「ブランドブック」を作り始めました。その
と専門性を併せ持つ人材を育成し、地域
内容は学外の方もウェブサイトで見るこ
と共に発展・成長する北海道№1の実学
「学園将来計画検討委員会」
と並行し
などを創出していきました。
とができますが、あくまでも当法人の 学
系総合大学を実現します」
と謳っていま
て、将 来 を 担う若 手 教 職 員 により
「 U(
I ユ
スローガンである
「 + P r o f e s s i o n a(
l プ
生と地域社会への約束 という立場で書
す。
とても中途半端な決意で達成できる
ニバーシティ・アイデンティティ)策定計画
ラスプロフェッショナル)」に込められた
「ブランドブック 2014」
1-3 3階 A311講義室/講義デスク・イス:SCF-
PF-5505-7特注品 134席 4- 6 4階 A434会議
室/イス:AEX、
テーブル:CTN2 7 塔時計/札
幌市時計台の米国ハワード社の機構を部分的
に踏襲した米国バルザーファミリー社製。
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正念場の改革を、OB活用のキャンパス整備がサポート。
在学生に卒業生の活躍を見せ、
大学などの事務局が集約され、両大学が
す。A棟・B棟の建設においても、卒業生
100周年へ向けて創成する、
員が日常的にコミュニケーションを取れ
実学系総合大学を訴求
共用するさまざまな教室があり、学生食
を社内から選び現場に必ず携わるよう、
志願学生が真に評価できる教学体制
るような体制作りも継続していかなけれ
堂やコンビニなどの福利厚生施設も入っ
建設会社に設定していただきました。建
前田キャンパスでは、キャンパス再整
ています。B棟は北海道薬科大学の、C棟
設期間中には、その卒業生たちが在学生
こうした改革の成果は2014年度入試の
A棟ロビーには、改革の象徴として
「塔
備計画に基づいて、整備と新校舎の建設
は北海道科学大学保健医療学部の専用
に現場を見せて解説をするという授業も
科学大志願者数に表れましたが、
この数
時計」が置かれ、文字盤には法人の統一
が次々と進められています。2012∼2014
棟です。
おこないました。
こうした手法を取り入れ
値はあくまでも改革に対する志願学生の
シンボルとともに90から100へと時を刻
年にはA棟・B棟・C棟が新設されました。
また、キャンパス整備には、以前より工
ている大学は他にあまりないのではと思
期待値 であり、実際の評価ではないと
む意匠が施されています。100周年を目
A棟は前田キャンパスのセンターとして
学部の卒業生の力を活用してきました。
います。
考えています。
ブランドビジョンで掲げた
指し、さらにそれを超えて時を刻み続け
の役割を担っています。そこには、北海道
これは、卒業生が社会で活躍する姿を在
教学目標をどう実質化していくかが、今後
て、やり遂げなければならない私たちの
科学大学の他に移転予定の北海道薬科
学生に見せたいという意図があるからで
の課題になってきます。
また、法人と教職
改革を勇気づけてくれることでしょう。
ばなりません。
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