第1回 ジャパン 2024 タスクフォース会議 議事録 日時: 2015 年 1 月 28 日(水曜日)15:00-16:30 1.オープニング(パトリック・バウマン氏:FIBA 事務総長) まずは、ジャパン 2024 タスクフォース(以下、「タスクフォース」)の皆様に、お忙しい中、お集まり頂いたこと を感謝いたします。 また、FIBA のセントラルボード及び会長から日本のタスクフォースの皆様に対し、宜しく伝えて欲しいとの伝 言がありましたことをお伝えいたします。 私は、今回のタスクフォースが日本のバスケットボールの新しい 1 ページになることを期待いたしますとともに、 関係者の方々のご協力に対して厚く感謝申し上げます。 今回のタスクフォースは、FIBA の為のタスクフォースではありません。日本のバスケットボールの為のタスク フォースです。FIBA は助言はいたしますが、まずは、日本の皆様が自ら考え、行動に移して頂きたいと考え ています。 日本のバスケットボールファミリーが団結することで輝かしい未来が訪れると信じています。 日本バスケットボール協会に対しましても、タスクフォースの設置を理解して頂いたことに対し厚く感謝申し 上げます。大変なご決断であったと拝察いたします。 FIBAは、今回のメンバーがベストメンバーであると認識しています。 最後に、タスクフォースのチェアマンを引き受けて頂いた川淵さんに心から感謝申し上げます。今まで関わ られたサッカーとは別の競技に情熱をもって関わって頂けることに感謝申し上げます。 2.タスクフォース チェアマン任命 1)川淵三郎氏(公益財団法人日本サッカー協会 キャプテン(最高顧問)) バスケットボールは専門外ではあるが、その分野での専門家の意見を重要視したい。あるべき 姿を求め、プレーヤーズファーストありき、期限・目標を設定して、ハードに実行していきた い。 バスケットボールの試合も自分でどんどん見に行きます。みなさまの英知を下さい。 バスケットボールの発展の為のトップリーグは必要不可欠です。 2)インゴ・ヴァイス氏(FIBA セントラルボードメンバー) 皆様と共通の意思を持っていることを幸せに思います。早いスピードでやっていきましょう。 1 3.タスクフォース メンバーおよびオブザーバーの任命(川淵チェアマン) <メンバー> 3)青木剛氏(公益財団法人日本オリンピック委員会 副会長 兼 専務理事) 4)岡崎助一氏(公益財団法人日本体育協会 専務理事) 5)梅野哲雄氏(公益財団法人日本バスケットボール協会 会長職務代行) 6)林親弘氏(株式会社東芝 バスケットボール部長・ブレイブサンダース 部長) 7)木村達郎氏(沖縄バスケットボール株式会社 琉球ゴールデンキングス 代表取締役社長) 8)萩原美樹子氏(早稲田大学 バスケットボール部 女子部 ヘッドコーチ) 9)中村潔氏(株式会社電通 執行役員) 10)境田正樹氏(四谷番町法律事務所 弁護士) <オブザーバー> 11)久保公人氏(文部科学省スポーツ・青少年局長) 12)パトリック・バウマン氏(FIBA 事務総長) 4.タスクフォース 事務局プロジェクトマネージャーの任命(川淵チェアマン) 村上伸介氏(FIBA プロジェクトマネージャー) 5.タスクフォース ビジョン及びミッション(パトリック・バウマン FIBA 事務総長) タスクフォースのビジョン、ミッション、コアバリュー、行動規範運営について次の案を提案致し ます。 1)ビジョン 「成功に向かって1つになり活気あるバスケットボールコミュニティへ」 2)ミッション 「バスケットボールを日本でインドアスポーツ No.1 に!そして日本のスポーツトップ3に!」 3)コアバリュー ~Exciting – 魅了する ~Smart – 賢明 ~Progressive – 進歩 ~Open – 開放 ~Responsible – 責任:社会、チーム、学校に対しての責任 ~Together – 連携:団体・スポーツの為に一緒にやる 2 (パトリック・バウマン FIBA 事務総長) ここで提案したものは、あくまでも提案であり、FIBAが押しつける訳ではありません。しかしながら、 何かが用意され、それに対し批判をしつつ、進めていく方が楽ではないかと考え、準備いたしました。 次回のタスクフォースまでにどのようなビジョンを持つべきか、どのような優先順位で進めるべきかを審議して 頂きたい。一つの方法として、たとえばバスケットボールを愛する一般の方々に広く意見を求めるのもいいの ではないでしょうか。日本にあったやり方で進めて頂ければと思います。 (川淵チェアマン) ビジョン等については、各クラブ・協会は既に有しているはずなので再確認することでいいのではないで しょうか。 ワーキンググループ(以下、「WG」)で作業を進めて頂きたい。 (バウマン FIBA 事務総長) 川淵チェアマン、次回のタスクフォースまでに今後の日本のバスケットボールに対するビジョン・ ミッションなどをご提案頂きたい。 広く一般の方々からも意見を聞くのも良いと思います。日本にあったやり方で進めてください。 6.実務手順 a) 予算編成(川淵チェアマン) 両チェアマンと境田弁護士が、プロジェクトマネージャーから提出されたタスクフォース運営 予算に関し決定する権限を持つ。 (川淵チェアマン) 梅野さん、今回のタスクフォースの費用は、基本的に日本バスケットボール協会(以下、 「JBA」) に支払って頂けると理解していますが、それでいいのですね。 (梅野氏) はい。 b) アドバイザリー業務の委託(川淵チェアマン) あらた監査法人(以下、 「PwC」)に、ジャパン 2024 タスクフォースに係る財務調査等の アドバイザリー等の業務を委託することを提案します。具体的な業務内容等については、 事務局と PwC とで協議します。 3 c) 財務調査に関して確定した書類 (川淵チェアマン) 下記の各団体の財務書類を、分析のため PwC へ提供されることを提案します。 私自身も確認したいと思います。 対象 JBA 依頼情報 日本バスケットボールリーグ 日本プロバスケットボールリーグ (以下、「NBL」) (以下、「bj リーグ」) 直近 3 事業年度分: 直近 3 事業年度分: 直近 3 事業年度分: ・監査済計算書類等一式 ・監査済計算書類等一式 ・(監査を受けている場合、監査済)計算 ・監査報告書 ・監査報告書 書類等一式 ・税務申告書一式、添付資料 ・税務申告書一式、添付資 ・監査を受けている場合、監査報告書 を含む 料を含む ・税務申告書一式、添付資料を含む (川淵チェアマン) また、NBL、日本バスケットボール育成リーグ(以下、「NBDL」)、bjリーグの各チームの現状を 正確に把握するため、各チームから決算報告書、税務申告書等の書類を収集することを提案します。 (梅野氏) JBA として、NBL とbjリーグに確認させていただき返事をさせて下さい。すでに JBA として、会計担当監事の 高原と他 3 名が一部作業を始めています。 (木村氏) 今まで、タスクフォースが始まるまでは、どういう体制で誰に対して出すのか明確ではなかったの で、協会の依頼に対して対応が遅れるチームがあった。統合でうまくいかなかったことを考え、 タスクフォース直下へ提出をお願いする方がスムーズだと思います。 (川淵チェアマン) 資料の収集およびその後の管理については、境田弁護士が守秘義務を踏まえ、責任をもって対応すること で作業を進めましょう。 d) コミュニケーション(川淵チェアマン) タスクフォースは、内部と外部へのコミュニケーション戦略を事務局が策定する。 4 (バウマン FIBA 事務総長) タスクフォースからの外部への発言はチェアマンのみが行うということを提案します。FIBA の発信は FIBA でコントロールする。混乱は避けるべき。 FIBA の考えとして、タスクフォースの活動が透明性のあるものになることを期待しており、コミュニケーショ ンツールを立ち上げて、フォーラムにたくさんの意見が集まるようなことを望んでいます。重要なこととして、 タスクフォースから発信される情報が、正確でかつポジティブであることです。 e) 決議決定方法(川淵チェアマン) タスクフォースは原則として、全メンバーの総意により進められる。 議決が必要である場合は、両チェアマンの話し合いで議決方法を決定する。 7.WG “トップリーグ”WG(ヴァイス チェアマン) 1.川淵三郎(公益財団法人日本サッカー協会 キャプテン(最高顧問)) :リーダー 2.スコット・ダーウィン(FIBA セントラルボードメンバー) :サブリーダー 3.境田正樹(四谷番町法律事務所 弁護士):メンバー “ガバナンス”WG(川淵チェアマン) 1.境田正樹(四谷番町法律事務所 弁護士):リーダー 2.インゴ・ヴァイス(FIBA セントラルボードメンバー):サブリーダー 3.梅野哲雄(公益財団法人日本バスケットボール協会 会長職務代行) :メンバー 4.河内敏光(bj リーグ コミッショナー) :メンバー “バスケットボールデベロップメント”WG(川淵チェアマン) 1.トーステン・ロイブル (公益財団法人日本バスケットボール協会 スポーツディレクター) :リーダー 2.ゾラン・ラドヴィッチ(FIBA 普及担当責任者):サブリーダー ※WG メンバーは、各グループのリーダー、サブリーダーが提案しチェアマンの承認により、 新しくメンバーを追加することが出来る。 5 【ワーキンググループについての意見交換】 バスケットボールデベロップメント WG について (川淵チェアマン) 強化について日本人のメンバーがいないのは大丈夫なのか? (バウマン FIBA 事務総長) WG のメンバー有識者は、必要に応じて追加していくことができるので、そのようにして頂ければ 良い。 デベロップメントには子供たちに対してどうバスケットボールを広めるかも考えなければならない。 2020 年東京、2023 年の世界選手権、2024 年のオリンピックと、未来の選手たちを育てなければ ならない。学校教育のシステムを競技の向上へとうまくつなげたい。 トップリーグ WG について (川淵チェアマン) トップリーグが最大の課題であり、これがまとまればすべて解決の方へと向かう。NBL とbjリーグと過 去 20 回以上話し合いを続けてきたが、最後には資金の問題で話が止まってしまう。リオ五輪に出る ためには、この問題を真剣に話す必要がある。ボールスポーツの中で、サッカーの次に盛んな スポーツであるバスケットボールを、前を向いて本当にどうすればよいのか、考えましょう。中途半端 な妥協はいらない。トップリーグを全面的に打ち出し、スポンサーを巻き込むことが私の考えです。 必ず良い JBA が作れる。ガバナンスは地方が大事、施設、ステークホルダーをひろっていく。幅広く 声を聞いていき、WG でビジネスプラン、リーグ財政など幅広く聞いていきたい。 NBL は企業チームでやってきた。bjリーグは 10 年間耐えてきた面もある。弱小チームをどのように 救っていくかも真剣に考えていきたい。自分のクラブだけ良くしようとする話はしたくない。選手の年 俸はサッカーを追い抜くという夢を持ちたい。 バスケットボールは 60 万人のうち、30 万人は女性の登録者。これはサッカーに比べると、ものすご い強みである。将来のトップリーグを高々と掲げて一気に行かせてほしい。 (梅野氏) JBA はプロ化宣言を NBL としました。プロ化をやる気でいます。 (林氏) トップリーグはバスケットボールデベロップメントにつなげたいと思う。 (梅野氏) プロ化は競技力向上につながります。 (川淵チェアマン) 代表チームが強くなれば、JBA の収入も増えます。 6 (木村氏) 過去の話し合いは、いつも空転してしまう。堂々巡りの繰り返しはもうしたくない。WG は動き出したら 真剣にやって欲しい。 (川淵チェアマン) 萩原さん、女子の代表をどう思いますか。 (萩原氏) 男子トップリーグ問題が早く解決することを願っています。女子のバスケットボール人口がたくさんい るので、女子のことも忘れないで欲しい。現状、強いから良いというものではないし、色々提案させて 頂きます。 ガバナンス WG について (ヴァイス チェアマン) ガバナンスについて補足させて頂きたい。境田先生と一緒に新しいものが組織としてうまくいくよう にしていきたい。新生 JBA を作りたい。トップリーグが一番大事だが、組織作りができていないと、 女子や地域などの集まれる場所ができていないといけないので枠組み作りは非常に大事だと考え ています。 理事会や組織、そして、その運営が大事。チームが困ったときには、助けられるような組織でない といけない。プレイヤーや地域の人が問題を抱えた時に相談できる場所が必要です。FIBA からの 要求もそういう相談ができるような体制を作ってもらうことです。 ガバナンスに関しては地方を忘れることはできません。施設や学校、ステークホルダーも大事です。 経験豊富な境田先生と一緒に進めることができて幸いです。 WG だけの問題ではなくタスクフォースの問題です。みんなからの意見を募りたいと思います。 (ダーウィン氏) 2つのリーグを一つにするのではなくて、ピラミッドのようにくみ上げることが必要です。オーストラリ アでの経験からの意見ですが、ガバナンスでは地域を大事にしなければならない。地域を代表す るチームを大事にすることが必要です。 新しいものをこれから作っていくことを楽しみにしていますし、2020 年に強い代表チームができるこ とを期待しています。 (川淵チェアマン) 沖縄、秋田、栃木などを見て感じたが、地域に根ざすことが大事だということをタスクフォースで合 意してもらいたい。みなさんに了解して頂いたということとします。 (タスクフォースメンバー全員) 異議なし 7 (川淵チェアマン) アリーナ問題について 5000 人以上入れるアリーナが日本には少ない。アリーナを使えないとプロチームは成功できない。 アリーナを使える許可を行政からもらえるかが重要。チームがプロとしてやっていく場合に、優先使 用を認めてくれるか、早く、アリーナ使用権について確認して欲しい。トップリーグにとって一番大 事。アイデアを出して明示しながら、決定的な条件ではないけれども、大事な要件である。今後、 直接知事や首長に会って意見交換していきたい。 (木村氏) bj リーグは都道府県バスケットボール協会と密接ではなかったが今後はそこを進めていきたい。 試合会場はプロチームとしての未来事業です。 (川淵チェアマン) アリーナについて事前調査を実施することに問題ないか。2 月初旬までに各チームからアリーナ等 についての状況、条件などを知りたい。 デベロップメントについて (木村氏) 普及育成ということですが、強化についてはトップリーグと密接に関わるので、トップリーグ WG でも 進めた方がいいのではないでしょうか。 強化とトップリーグは密接なので、川淵さんのリーダーシップで進めて欲しい。 (バウマン FIBA 事務総長) テクニカルな問題で、どうやって若い人達を育てていけるか。どういう機会をあたえられるか。日本 は学校での指導者のレベルの低さ、選抜方法の問題、学校ベースでの大会、どちらの大会に出る べきかと言った問題があります。 (木村氏) 学校問題などはまったく同じ意見です。学校からトップリーグへどうやって送り込めるかといったこと もあり、トップリーグと一緒に話をする必要があると考えた訳です。 (バウマン FIBA 事務総長) そのような意見は、バスケットボールデベロップメント WG からトップリーグ WG への懸案提案として 進めていけたらと考えます。それぞれの WG は別々に全く違った場所で話をする訳ではなく、タス クフォース内でそれぞれが理解して意見を出しあって下さい。トップリーグ WG は、密接に処々の 問題と関連します。ユースチームの検討、外国人の選手の問題、トップリーグのビジネス問題、タス クフォースでもアイデアを出し合いましょう。 8 裾野を広げることでトップリーグを盛り上げることを考えています。ドイツでも同じような議論がありま したが、時間がないのでそれぞれのグループで一度作業させてみましょう。その後で意見や問題 をまとめて、また次の議論をしましょう。 (ヴァイス チェアマン) 私は、今、自国ドイツにいる気分です。ドイツもまったく同じ状況でした。裾野を広げてトップリーグ を盛り上げていきましょう。 8.その他 (岡崎氏) 「1 番目に広く開かれた組織にする、2 番目に地方を大切にする、3 番目に、幅広い意見を取り入れてい く。」といったことが、既にバウマン FIBA 事務総長からも述べられましたが、まったく同じことを考えていま した。それらを実践する為に意向聴取をして作業を進めたらよいのではないかと考えておりました。今回 の JBA の問題は、日本体育協会や日本オリンピック委員会に加盟する団体の問題であるということで、一 助を担っていくのであれば、チェアマンと相談させて頂きながら、また、文部科学省の協力を借りながら協 力していきます。日本体育協会として、意向聴取に対応しても良いと思っています。 (川淵チェアマン) アスリートが早く競技会に参加してもらいたい。いままで一元化ができなかったことが問題。NBL なのか、 JBL なのかということではなく、新しいものを作っていくということだ、というのが重要です。アンケートにつ いてはタスクフォース事務局で良い案を考えましょう。 (芦立審議官) 文部科学省がなぜ今参加しているかというと、アスリートが一日も早く国際試合に参加してもら うということが最大のポイントであります。そのためには、今まで JBA の中だけで話し合ってき て解決できなかった一元化の問題が最大のポイントだろうと思っています。そのときに、バウマ ン FIBA 事務総長からもお話しがありましたけれども、NBL なのか bj リーグなのか、どっちが どっちを統合するかという話ではなくて、全くニュートラルに新たな地平を開くというスタンス だということを全体として明確にして情報発信を図っていくことが、非常に重要であると思いま す。 (川淵チェアマン) 地域に根ざすプロリーグでなければいけない。広く開かれた、地方を大切にする仕組みをつくる。2つの リーグを一つにするのではなく、まったく新しい、日本の夢の多いトップリーグを作り上げるためにこの会 があるということを本日この後に話をしたい。 9 9.今後のスケジュール • 1 月 28 日 タスクフォース記者会見 • 3 月上旬 第 2 回タスクフォースミーティング予定 • 3 月下旬 第 3 回タスクフォースミーティング予定 • 4 月下旬 第 4 回タスクフォースミーティング予定 • 5 月中旬 第 5 回タスクフォースミーティング予定 • 6 月初旬 第 6 回タスクフォースミーティング予定 • 6 月下旬 FIBA セントラルボードミーティング開催 *各WGは上記日程以外にも各リーダー、サブリーダーの提案により随時開催する。 10. チェアマンによる閉会宣言 皆さんの思いを一つにして、時間は短いけれども、日本のバスケットボール界のために 頑張っていきましょう。 以上 10
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