鶏刺しや鶏たたきなどが原因と考えられる カンピロバクター食中毒が多発

(公社)福岡市食品衛生協会FAX情報サービス
H27年8月
188号
鶏刺しや鶏たたきなどが原因と考えられる
カンピロバクター食中毒が多発しています!
今月のFAX情報は、カンピロバクター食中毒について、福岡市保健福祉
局食品安全推進課より原稿をいただきましたので、この記事を掲載させてい
ただきます。
---------------------------------------
今年に入り、福岡市内ではカンピロバクターが原因
の食中毒事件が多発しています。
保健所の調査の結果、原因施設で鶏刺しや鶏たたき
を提供している事例が多くありました。
国の研究事業によると、市販されている鶏肉の60
%がカンピロバクターに汚染されているというデータ
があります。
鶏 肉 を 十 分 に 加 熱( 中 心 温 度 7 5 ℃ 1 分 間 )す れ ば 、
カンピロバクターは死滅しますが、鶏刺しや鶏たたきとして鶏肉を提供する
と、食中毒の危険性が高くなります。
カンピロバクター食中毒の主な症状は、下痢、腹痛、発熱ですが、回復後
に神経障害(ギランバレー症候群)を発症することもあります。
福岡市でも鶏料理専門店で鶏刺しを食べた客がカンピロバクターに感染
し、それがもとでギランバレー症候群を発症し麻痺の後遺症が残ったため、
約 4,000 万 円 の 損 害 賠 償 金 を 支 払 っ た 事 例 も あ り ま す 。
カンピロバクター食中毒を予防するために、次の点に注意しましょう!
・鶏刺しやレバ刺し等、鶏肉を生で提供するのは控えましょう。
・「新鮮だから生で食べてよい」は誤りです。カンピロバクター食中毒は肉
の鮮度に関係なく発生します。
・た た き や あ ぶ り 等 、表 面 だ け 加 熱 し て も カ ン ピ ロ バ ク タ ー は 死 滅 し ま せ ん 。
・生の鶏肉を扱った手や、包丁、まな板などの調理器具を介して別の食品を
汚染しないように、手洗いや調理器具の洗浄、熱湯等での消毒を徹底しま
しょう。
・食肉販売店が飲食店に鶏肉を販売する場合、伝票などに「加熱用」と明記
するなど、飲食店が鶏刺し等として生で提供することがないようにしまし
ょう。