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第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
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第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
1.八幡市の沿革と今日の姿
(1)位置と概要
本市は京都府南西部に位置し、京都都
■八幡市の位置
心部へは約15km、大阪都心部へは約25km
の位置にあります。市域から京都へは、
市域北部に位置する京阪電鉄「八幡市駅」
「橋本駅」からそれぞれ約25分で結ばれ
ています。大阪へは、「八幡市駅」「橋
本駅」からそれぞれ約45分、市域南部で
近接するJR学研都市線「松井山手駅」
から約40分で結ばれています。
また、市域中央部には、京都・大阪を
結ぶ国土軸の基幹国道である国道1号が、
市域東部には国道1号のバイパスとなる
第二京阪道路がそれぞれ縦貫しています。
ただし、第二京阪道路の一般部において、
木津川に架かる区間のみ供用されていま
せん。
このような地理的条件と交通環境にあ
って、本市はこれまでも大都市である京
都・大阪をはじめとする周辺地域と強い
関わりをもって発展してきました。そし
て、第二京阪道路が開通し、さらに、市
域南部において計画されている(仮称)
八幡ジャンクション・インターチェンジ
により新名神高速道路と連結されれば、
広域幹線道路網が充実し、広域圏におけ
る各都市との結びつきが強まります。
■八幡市の市勢の概況
(資料:平成 15 年度都市計画基礎調査)
市域面積
市街化区域面積
市街化調整区域面積
総人口
市街化区域
2,437ha
1,032ha
1,405ha
73,682 人
68,583 人
市街化調整区域
総世帯数
市街化区域
5,099 人
25,656 世帯
24,108 世帯
市街化調整区域
1,548 世帯
人口集中地区
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面
積
人
口
人口密度
701ha
67,336 人
96.1 人/ha
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
(2)歴史
本市の歴史は古く、市域の南西部丘陵
地から約2万年前の石器が出土しており、
すでに旧石器時代には人が生活していた
ことが伺われます。
古 代 か ら 近 世 に 至 る ま で 、交 通 手 段 と し
て木津川や淀川の水路の利用が高まると
ともに、陸路として古山陰道、東高野街
【東高野街道】
道 、京 街 道 が 整 備 さ れ 、本 市 は 山 陰 や 奈 良 、
京都へ通じる交通の要衝として重要な役割を担ってきました。
859( 貞 観 元 ) 年 、 平 安 京 を 鎮 護 す る た
め 、九 州 か ら 八 幡 神 が 勧 請 さ れ 、男 山 に 石
清 水八幡宮が建立されてからは、その門前
町として発展しました。
文 化 面 で は 、江 戸 時 代 初 期 、寛 永 の 三 筆
の一人と称される松花堂昭乗が石清水八
幡 宮 の 坊 舎 に 住 ま い し 、当 代 の 著 名 な 文 人
た ち と 集 い 、書 道・茶 道・和 歌 等 を 介 し て
文化の発信基地としても高い地位を占め
ていました。
【放生川】
江 戸 時 代 か ら 明 治 期 に か け て は 、豊 か な
田 園 の 広 が る 近 郊 農 村 と し て も 発 展 し 、商
業においても安定した発展を続けてきました。
1889( 明 治 22) 年 、 町 村 制 施 行 に よ っ て 、 現 在 の 市 域 に 八 幡 町 、 都 々 城 村 、
有 智 郷 村 が 設 け ら れ 、 1954( 昭 和 29) 年 に こ の 3 町 村 が 合 併 し て 人 口 1 万 6 千
人の新しい八幡町となりました。
昭 和 30 年 代 に お け る 京 都・大 阪 都 市 圏 の 広 が り は 、近 隣 地 域 へ の 人 口 の 分 散 、
ベットタウン化をもたらしました。特に本市においては、2大都市圏の中間に
位 置 す る と い う 立 地 条 件 も あ っ て 住 宅 適 地 と し て 脚 光 を 浴 び 、昭 和 40 年 代 後 半
に は 日 本 住 宅 公 団( 現
独立行政法人
都 市 再 生 機 構 )に よ る 男 山 団 地 の 開 発
が 主 因 と な っ て 、全 国 屈 指 の 人 口 急 増
をみるに至りました。
1975( 昭 和 50)年 に は 、人 口 が 5 万
人 を 超 え 、 1977(昭 和 52)年 11 月 1 日
に 市 制 を 施 行 し 、八 幡 市 が 誕 生 し ま し
た。
【石清水八幡宮】
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第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
(3)人口・世帯数
本 市 の 人 口 は 、 男 山 団 地 の 開 発 に よ り 1970( 昭 和 45) 年 か ら 昭 和 50 年 代 に
か け て 急 激 に 増 加 し 、そ の 後 は 安 定 的 な 増 加 が 続 い て い ま し た が 、近 年 、国 勢
調 査 で は 1995( 平 成 7 )年 の 約 7 万 6 千 人 を ピ ー ク に 、以 降 は 停 滞 傾 向 に あ り
ます。
一 方 、世 帯 数 は 着 実 に 増 加 し て い ま す が 、1 世 帯 当 た り 人 員 は 減 少 し て い ま
す。
年 齢 3 区 分 別 人 口 の 推 移 を み る と 、1980( 昭 和 55)年 ま で は 人 口 の 増 加 に あ
わ せ て 年 少 人 口 割 合 も 増 加 し て い ま し た が 、そ の 後 は 少 子 高 齢 化 が 進 行 し て い
ます。
■人口・世帯数の推移
昭和 45 年
昭和 50 年
昭和 55 年
昭和 60 年
平成 2 年
平成 7 年
平成 12 年
平成 17 年
人口(人)
22,974
50,132
64,882
72,356
75,758
75,779
73,682
74,252
世帯数(世帯)
1世帯当たり
人員(人)
6,083
14,694
19,274
21,754
23,789
25,010
26,146
27,351
3.78
3.41
3.37
3.33
3.18
3.03
2.82
2.71
(資料:国勢調査)
単 位:人
■年齢3区分別人口の推移
年少人口
昭和 45 年
昭和 50 年
昭和 55 年
昭和 60 年
平成 2 年
平成 7 年
平成 12 年
平成 17 年
5,499
14,798
19,778
19,924
16,260
13,138
10,539
10,295
0~14 歳
23.9%
29.5%
30.5%
27.5%
21.5%
17.3%
14.3%
13.9%
生産年齢人口
15,848
32,879
41,789
48,206
53,031
55,365
53,534
51,535
15~64 歳
69.0%
65.6%
64.4%
66.6%
70.0%
73.1%
72.7%
69.4%
老年人口
1,627
2,399
3,271
4,190
5,382
7,223
9,565
12,401
65 歳以上
7.1%
4.8%
5.0%
5.8%
7.1%
9.5%
13.0%
16.7%
※ 年 齢 不 詳 が 存 在 し 、各 年 の 合 計 値 と 上 記 人 口 は 整 合 し ま せ ん 。(資料:国勢調査)
■人口・世帯数の推移
(4)産業
■年 齢 3 区 分 別 人 口 割 合 の 推 移
※各区分の割合の合計は四捨五入の関係から必ずしも
100%になりません。
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第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
(4)産業
①
産業別就業人口
産業別就業人口の推移をみると、第1次産業は減少傾向が止まり横ばい傾向を示してい
ます。第2次産業は 2000(平成 12)年まで大きな変動は見られませんでしたが、2000(平
成 12)年から 2005(平成 17)年にかけて大きく減少しています。第3次産業はおおむね増
加傾向を示しています。
就業人口の合計値は、増加傾向から緩やかな減少傾向を示しています。
■産業別就業人口の推移
第 1 次産業
第 2 次産業
第 3 次産業
分類不能
合計
単位:人
昭和 45 年
昭和 50 年
昭和 55 年
昭和 60 年
平成 2 年
平成 7 年
平成 12 年
平成 17 年
1,821
1,315
1,157
1,007
891
835
743
730
16.5%
6.5%
4.4%
3.3%
2.6%
2.3%
2.2%
2.2%
4,178
7,348
9,101
10,097
11,105
11,059
10,241
8,201
37.9%
36.6%
34.6%
33.2%
32.9%
30.8%
30.3%
24.7%
5,003
11,354
16,022
19,188
21,163
23,448
21,757
22,123
45.4%
56.5%
60.9%
63.1%
62.7%
65.3%
64.4%
66.7%
12
68
22
137
574
559
1,022
2,126
0.1%
0.3%
0.1%
0.5%
1.7%
1.6%
3.0%
6.4%
11,014
20,085
26,302
30,429
33,733
35,901
33,763
33,180
(資料:国勢調査)
■産業別就業人口割合の推移
■産業別就業人口割合の推移
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第2編
②
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
農業
本市の農業の状況を産業としての農家である販売農家についてみると、2005(平成 17)
年の総農家数は 357 戸であり、年々減少傾向にあります。
販売農家に占める専・兼業農家の割合をみると、2005(平成 17)年では兼業農家が 74.8%
を占めています。また、専業農家がほぼ横ばいであるのに対し、兼業農家は減少傾向を示
しています。
販売農家の経営耕地面積規模別農家数をみると、1.5ha 未満の規模における農家数の減少
が目立ち、大半が兼業農家と考えられます。
■経営耕地面積規模別農家数の推移(販売農家)
単位:戸
総農家戸数
0.3ha 未満
0.3~0.5ha
未満
0.5~
1ha 未満
1.0~1.5ha
未満
1.5~2.0ha
未満
2.0ha 以上
平成 7 年
566
5
129
248
124
44
16
平成 12 年
507
2
139
212
93
41
20
平成 17 年
357
-
74
162
75
33
13
■専業・兼業別農家数(販売農家)
単位:戸
販売
農家
専業
農家
兼業
農家
1種
2種
平成 7 年
566
92
474
178
296
平成 12 年
507
81
426
125
301
平成 17 年
357
90
267
96
171
%
100.0
25.2
74.8
26.9
47.9
(資料:
平成 7、17 年:農業センサス
平成 12 年:世 界 農 林 業 セ ン サ ス)
上表において、
平成 7・12 年は経営耕地面積が
10a 未満、かつ年間販売金額が 15
万円未満の農家は対象外
平成 17 年の農家数は販売農家(経
営耕地面積が 30a 以上または農産
物販売金額が 50 万円以上の農家)
のみ
■専業・兼業別農家数(販売農家)
■経営耕地面積規模別農家数の推移
(販売農家)
- 13 -
第2編
③
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
工業
本 市 の 工 業 の 出 荷 額 、事 業 所 数 及 び 従 業 者 数 の 推 移( 従 業 者 4 人 以 上 の 事 業 所 )
を み る と 、1999( 平 成 11)年 ・2000( 平 成 12)年 を ピ ー ク に 減 少 傾 向 を 示 し て い
ま し た が 、2004( 平 成 16)年 か ら 2006( 平 成 18)年 に は 増 加 し 、工 業 の 明 る い 兆
しが見えてきています。
■工業出荷額・事業所数・従業者数の推移
(資料:工業統計調査)
平成 11 年
平成 12 年
平成 13 年
平成 14 年
平成 15 年
平成 16 年
平成 17 年
平成 18 年
工業出荷額(億円)
1,039
1,108
990
944
941
942
1,009
1,123
事業所数(事業所)
147
151
137
132
130
115
118
113
3,774
3,716
3,376
3,298
3,281
3,102
3,159
3,174
従業者数(人)
※従業者4人以上の事業所の数値
■工業出荷額の推移
■事業所数の推移
■従業者数の推移
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第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
本 市 の 産 業 の 特 徴 的 業 種 で あ る 流 通 系 産 業 (運 輸 業 )に お け る 事 業 所 数 と 従 業 者
数 の 推 移 を み る と 、1999( 平 成 11)年 か ら 2006( 平 成 18)年 に か け て 、事 業 所 数
と従業者数とも順調に増加しています。
第二京阪道路や京都第二外環状道路等の広域幹線道路の整備が進み、工業団地を中心と
して多くの企業が進出したためだと考えられます。
今後、さらに、新名神高速道路(城陽~八幡間)が 2016(平成 28)年度に供用される予
定であり、本市への企業進出傾向が一層強くなると考えられます。
■運輸業の事業所数・従業者数の推移
平成11年
平成13年
平成16年
平成18年
事業所数 従業者数 事業所数 従業者数 事業所数 従業者数 事業所数 従業者数
運輸業
道路貨物運送業
54
1,092
70
1,479
73
1,734
86
2,039
37
747
51
1,139
57
1,405
62
1,542
倉庫業
7
72
9
84
11
100
13
186
その他
10
273
10
256
5
229
11
311
(資料:事業所・企業統計調査)
■運輸業の事業所数の推移
■運輸業の従業者数の推移
【第二京阪道路】写真提供:浪速国道事務所
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第2編
④
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
商業
本市の商業の状況をみると、事業所数は微減傾向で、従業者数・年間商品販売額は増加
傾向を示しています。小売業売場面積は特に近年に大きな増加傾向を示しています。
これらの傾向や、統計以降に大型商業施設の立地が更に進んでいることから、大型商業
施設の進出の一方で、地域に密着した既存小売店が減少していることが伺えます。
■商業の推移
事業所数
(事業所数)
小売業
卸売業
計
従業者数
小売業
(人)
卸売業
計
小売業
年間商品
販売額
卸売業
(億円)
計
小売業売場面積(㎡)
平成 3 年
535
84
619
2,109
501
2,610
359
211
570
29,203
平成 6 年
522
82
604
2,602
576
3,178
416
225
641
35,302
平成 9 年
514
99
613
2,669
716
3,385
456
424
880
33,805
平成 11 年
496
117
613
2,950
919
3,869
431
640
1,071
37,451
平成 14 年
456
121
577
3,122
1,218
4,340
485
869
1,355
47,859
平成 16 年
439
130
569
3,097
1,391
4,488
482
1,051
1,532
56,936
(資料:商業統計調査)
■事業所数の推移
■従業者数の推移
■年間商品販売額の推移
■小売業売場面積の推移
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第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
( 5 ) 土地利用
本 市 の 土 地 利 用 状 況 を み る と 、 農 地 ( 24.7% ) が 一 番 多 く 、 次 い で 、 住 宅 用 地
( 19.1% ) 、 そ の 他 の 自 然 地 ( 13.1% ) と な っ て い ま す 。
農地、山林、水面、その他の自然地を合わせて5割を超えており、都 市 近 郊 と し て は 自
然的土地利用が多いことが伺えます。
■土地利用別面積
区分
(資料:平成15年度都市計画基礎調査)
その他公
交通施設
その他の
公共・公
その他の
的施設用
道路用地
住宅用地 商業用地 工業用地
用地
空地
益用地
自然地
地
農地
山林
水面
面積(ha)
601.92
202.94
127.21
319.49
465.26
57.94
147.38
143.21
273.98
5.43
5.54
割合(%)
24.7%
8.3%
5.2%
13.1%
19.1%
2.4%
6.0%
5.9%
11.2%
0.2%
0.2%
合計
86.70 2,437.00
3.6%
100.0%
※各区分の割合の合計は四捨五入の関係から必ずしも 100%になりません。
■土地利用別面積割合
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第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
(6)自然環境
市域の西部は生駒山地の北端部
にあたり、なだらかな丘陵状の地
形を持っています。そして、石清
水八幡宮周辺の男山に残された樹
林地は、市域をはじめ周辺からの
眺望にも豊かな「みどり」を提供
しています。この男山の北には、
日本で唯一、三大河川が合流する
雄大な水辺環境を有しています。
また、市域東部は三川のうちの
1つである木津川の流域となる平
【背割堤】
地が広がり、都市近郊農業を支え
る施設園芸地や広大な田園地帯が形成されています。
大規模な住宅地開発を進めながらも、豊かな自然環境を保持しているのが本市
の大きな特性であり、市民にとって親しみのある地域風土として、まちづくりに
活用していく必要があります。
【三川合流周辺】
- 18 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
(7)観光・レクリエーション
本市は大都市近郊にあって、観光資源に恵まれた都市です。石清水八幡宮や松
花堂庭園をはじめとする歴史・文化遺産や、男山の「みどり」と河川の水辺等の
豊かな自然環境、そして、日本最長
級といわれる木橋の流れ橋等がその
資源です。
これまで、「八幡市観光基本計画
(2003(平成 15)年3月:八幡市策定)」
に基づき、観光基盤の充実が図られ
てきており、今後もこの分野に力を
注ぎ、観光客の増加によって交流人
口の拡大に寄与していくことが、ま
ちの安定成長を支えていくものと考
【男山】
えられます。
【松花堂美術館】
【四季彩館】
【松花堂庭園】
- 19 -
【流れ橋】
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
【八幡市域全域】
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第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
2.市民の意識
「第4次八幡市総合計画」の策定において、市民参画のひとつの方策として、
まちづくりの意向の把握と市民の目からみた「第3次八幡市総合計画」の総括・
検証を行うために『八幡市のまちづくりのための「市民アンケート調査」』を実
施 し ま し た 。 ( 報 告 書 : 2005( 平 成 17) 年 10 月 作 成 )
本計画は、市民主体のまちづくりに重点を置くため、この『市民アンケート調
査』の結果を反映させます。(図表Ⅲ
■総合的な住みやすさ(図表Ⅲ-1)
-○:報告書の図表番号を示す)
そこで、市民の本市に対するイメー
ジや今後のまちづくりの方向に関する
意識をまとめると次のようになります。
(1)八幡市の「住みやすさ」「居住
意向」
■今後の居住意向(図表Ⅲ-2)
本市の総合的な住みやすさについては、
「住み良いまちである」
「どちらかといえば
住み良いまちである」が合わせて 59.5%と
なっています。
本市への今後の居住意向については、
「ず
っと住み続けたい」
「どちらかといえば住み
続けたい」があわせて 67.4%となっていま
す。
■住み続けたい理由(図表Ⅲ-3)
住み続けたい理由としては、
「住宅の事情
から(33.6%)」「緑や公園が多く、まちの
環境がよいから(30.6%)」「地域に愛着が
あるから(25.6%)」の順で多くなっていま
す。
転居したい理由としては、
「治安に不安が
あるから(28.6%)」「市外に通勤・通学や
■転居したい理由(図表Ⅲ-4)
買い物等をする上で交通の便が良くないか
ら(25.6%)」「近隣に商店や病院等が少な
く、生活する上で不便だから(24.4%)」の
順で回答が多くなっています。
- 21 -
第2編
全体構想
(2)質の高い都市基盤づくり
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
-都市整備の推進-
本市の「都市整備の推進」の分野で
■「都市整備の推進」における満足度(図表Ⅲ-8)
は、「道路の便利さ・快適さ」「公園・
緑地・河川など、水や緑の環境」にお
いて「満足」
「やや満足」を合計した割
合が高くなっている一方で、
「まちのに
ぎやかさ」
「鉄道やバスなどの公共交通
の便利さ」において「不満」
「やや不満」
を合計した割合が高くなっています。
今後「都市整備の推進」において重
要な項目としては、
「公園・緑地・河川
など、水や緑の環境(55.6%)」「鉄道
■「都市整備の推進」における今後の重要項目
(図表Ⅲ-10)
やバスなどの公共交通の便利さ
(53.3%)」の順で多くなっています。
上記より、満足度と重要項目の関係
をみると、
「鉄道やバスなどの公共交通
の便利さ」の重要度が高く、満足度が
低い領域に位置しています。
■「都市整備の推進」における満足度と重要度の
関係(図表Ⅲ-11)
- 22 -
第2編
全体構想
第1章
(3)安全で快適な生活環境づくり
本市の「生活環境・安全の向上」の
分野では、
「水道水の安全で安定した供
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
-生活環境・安全の向上-
■「生活環境・安全の向上」における満足度
(図表Ⅲ-13)
給」「下水道の整備」において「満足」
「やや満足」を合計した割合が高くな
っている一方で、
「大気や水質・騒音な
ど環境問題への対応」
「防犯および交通
安全対策」において「不満」
「やや不満」
を合計した割合が高くなっています。
今後「生活環境・安全の向上」にお
いて重要な項目としては、
「防犯および
交通安全対策(54.2%)」「住みやすい
■「生活環境・安全の向上」における今後の重要
項目(図表Ⅲ-15)
住環境(47.3%)」の順で多くなってい
ます。
上記より、満足度と重要項目の関係
をみると、「防犯および交通安全対策」
「大気や水質・騒音など環境問題への
対応」
「適切なごみ処理・まちの清潔さ」
「自然災害に対する安全性」の順で重
要度が高く満足度が低い領域に位置し
ています。特に「防犯および交通安全
対策」と「大気や水質・騒音など環境
■「生活環境・安全の向上」における満足度と重
要度の関係(図表Ⅲ-16)
問題への対応」のニーズが高いことが
わかります。
- 23 -
第2編
全体構想
第1章
(4)市民の暮らしを支える活力づくり
本市の「産業の振興」の分野では、
「農
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
-産業の振興-
■「産業の振興」における満足度(図表Ⅲ-23)
業の振興」において「満足」
「やや満足」
を合計した割合が高くなっている一方
で、
「商業の振興」において「不満」
「や
や不満」を合計した割合が高くなって
います。
今後「産業の振興」において重要な
項目としては、
「商業の振興(67.3%)」
「観光・レクリエーションの振興
(57.5%)」の順で多くなっています。 ■「産業の振興」における今後の重要項目
上記より、満足度と重要項目の関係
(図表Ⅲ-25)
をみると、「商業の振興」「観光・レク
リエーションの振興」の重要度が高く、
満足度が低い領域に位置しています。
特に「商業の振興」のニーズが高いこ
とがわかります。
■「産業の振興」における満足度と重要度の関係
(図表Ⅲ-26)
- 24 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
(5)八幡市のイメージ、まちづくりの方向性
市民が「八幡市らしさ」としてイメー
ジするものは、
「石清水八幡宮」を挙げる
■「八幡らしさ」をイメージするもの
(図表Ⅲ-43)
方が 88.3%と最も多く、続いて「流れ橋
(47.5%)」「松花堂(34.9%)」「竹(エ
ジソンの逸話など)
(26.4%)」
「桜(背割
堤)(25.7%)」が比較的多い結果となっ
ています。
本市の望ましいまちづくりの方向性と
しては、
「緑豊かでうるおいのあるまちづ
くり(47.4%)」「人にやさしい福祉・健
康づくりのまち(44.8%)」「安全で安心
■望ましいまちづくりの方向性
(図表Ⅲ-44)
できるまち(41.7%)」「公共交通機関や
道路が充実し、便利で快適なまち
(34.2%)」「子育てや教育の環境が充実
したまち(30.7%)」の順で多くなってい
ます。
(6)『市民アンケート調査』のまとめ
『市民アンケート調査』の結果から、まちづくりに求められていることをまとめると次
のようになります。
【まちづくりの方向性】
【まちづくりに求められるもの】
◆緑豊かでうるおいあるまちづくり
◆市外への交通環境の充実
◆人にやさしいまちづくり
(特に、市域内も含めた公共交通の充実)
◆安全で安心できるまちづくり
◆生活サービス施設の充実
◆防犯および交通安全対策
◆環境問題への対応
◆商業・観光・レクリエーションの振興
(特に、商業の振興)
【八幡らしさ】
◆石清水八幡宮・流れ橋・松花堂
- 25 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
3.社会の潮流
今後のまちづくりを考えるうえで留意すべき社会の潮流としては、以下のようなものが
挙げられます。
①
少子高齢化の進行と人口減少社会の到来
日本の人口は 2005(平成 17)年には、当初の予想よりも早く、戦後初めて減少に転じ、
人口減少社会が到来しました。その主な要因として、合計特殊出生率の低下等に伴う少子
化及び老年人口の増加による高齢化の傾向が挙げられますが、このような少子高齢化や人
口減少等の人口構造の変化は、福祉分野にとどまらず、地域社会や経済の構造など市民生
活全般に大きく影響を及ぼすものと予想されます。そこで、今後のまちづくりは、公共交
通の再生、既存ストックの有効活用や民間ノウハウを取り入れた公共公益施設と生活利便
施設の充実等による効果的で効率的な整備や、交流人口を増加させる拠点等の整備による
活性化を図ったまちづくりが必要です。
②
価値観・生活様式の多様化
人々の価値観は物の豊かさから心の豊かさへと大きく変化し、生活様式もこれまで以上
に質が重視されるなど、社会のソフト化が進行するとともに、市民ニーズも高度・多様化
しています。
この様な背景のもと、市民ニーズを把握し、地域に密着したまちづくりを進めていくた
めに、市民生活を支える小学校区を中心とした地域コミュニティ活動を促進する必要があ
ります。さらに、地域住民等に対する情報公開や広報公聴活動、周知・啓発、参画等を推
進する必要があります。
そして、まちづくりに関しては、歴史・文化・自然等の地域独自の資源を保全・活用し、
地域の魅力の創出を図ったまちづくりを進めていく必要があります。
③
地球環境問題の深刻化
都市活動における科学技術の進展等により、エネルギー問題や都市・生活型公害問題な
ど、地球規模で環境に与える影響が問題視されています。
今後のまちづくりにおいては、本市が 2002(平成 14)年に行った「環境自治体宣言」に
基づき、省資源・省エネルギー型社会の形成に向け、地球環境の保全や循環型社会に対応
したまちづくりを進めていくことが必要です。
④
都市型社会への対応
都市計画の潮流は、人口増加や産業の発展を前提とした「都市化社会」から、安全・安
心・快適な生活環境が求められる成熟した「都市型社会」へと変化しています。
- 26 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
「都市型社会」に対応し、高齢者や障がいのある方だけでなく、子どもから大人までだ
れもが安心して快適に暮らせるために、公共交通を活かすとともに、居住地の徒歩圏内に
商業施設や公共公益施設が立地した複合的な土地利用の形成をめざした既成市街地の更新
整備が必要です。
⑤
地方分権社会の進展
2000(平成 12)年の「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律」
(地
方分権一括法)の施行を契機として、国による行財政制度の改革(三位一体改革)が進行
中であり、地方自治体は財政的には厳しい状況下のもとで、効率的・効果的な財政運営及
び自主的で自立した施策の立案と推進体制の構築が急務となっています。そして、限られ
た財源の中で創意工夫を凝らして個性ある地域づくりを進めていくことが今まで以上に求
められています。
- 27 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
4.広域におけるまちづくりの動向
(1)「新京都府総合計画」
『新京都府総合計画(2001(平成 13)年1月:京都府策定)』 では、21 世紀においては、
市民生活や地域社会等が大きく変化していくことが予想されるとの認識に立ち、今までに
京都府が築き上げてきたものをしっかりととらえ、時代の変化を的確につかんだうえで将
来の進むべき方向性を描いていくことが必要との考え方に基づき、以下のようなまちづく
りの方向が示されています。
①
京都府全体のまちづくりの方向
【時代認識】
・少子・高齢化、人口減少が進みます
・地球時代、交流と連携の時代を迎えます
・自然との共生や地球環境問題に対する意識が高まります
・IT革命により暮らしや産業が大きく変化します
・こころの豊かさが重視され、価値観の多様化が進みます
・個人の尊厳と人権が尊重される社会の実現に向かいます
・地方分権が進み、個人や地域の自立と自己責任がより重視されます
・行財政改革や社会の構造改革に向けた取組が進みます
・住民参加や行政の透明性の確保が一層重要となります
【京都府のめざす将来像】
・一人ひとりがいきいきと暮らせる社会
・人と自然が共生する循環型社会
・文化・学術を創造し、世界に発信する社会
・たくましい地域経済のもとで持続可能な発展をめざす社会
・豊かな社会基盤が支える快適でうるおいある社会
【施策展開の視点】
・府民の視点の重視
・地域特性の重視
・交流・連携の促進
・環境への配慮
・安心・安全の確保
・つくったものを「よりいかす」視点の重視
- 28 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
【基本計画の施策の柱】
・いきいきと生きがいを持って暮らせる社会づくり
・明るく健やかな健康福祉社会の確立
・人と自然が共生し、文化がいきづく京都府づくり
・たくましい地域経済と安定して働ける社会の確立
・生活と産業を支える基盤の整備
②
山城中部地域における整備の方向
本市の属する山城中部地域については、次のような基本方針が示されています。
【地域整備の基本方向】
広域交通網をいかした豊かな産業・文化交流圏の形成
【主要施策の体系】
●地域拠点の連携による快適で一体感のある地域づくり
・広域交通網等の整備の推進
・魅力ある地域拠点の整備の促進
・地域拠点を結ぶ交通網整備の促進
・一体感のある地域づくりの促進
●結節地域としての立地特性等をいかした魅力ある産業拠点の形成
・魅力ある産業拠点づくり
・商店街、小売商業の振興
●高収益農業の展開
・園芸・特産産地の育成
・農業生産基盤整備の計画的推進
●豊かで快適な生活環境等の創造
・公園等の整備の促進
・誰もが安心して暮らせる地域社会づくり
・快適な生活環境等の整備の促進
・災害に強く安全で安心な暮らしを守るまちづくり
・地域文化の振興
- 29 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
(2)山城地域振興計画
『山城地域振興計画(2005(平成 17)年3月:京都府山城広域振興局策定)』は、山城地
域(17 市町村)の一層の振興・発展に向け、地域の有する特性や課題を踏まえつつ、地域
の目指すべき将来像を設定し、その実現のために中期的(3~5年)に取り組むべき具体
的方策を明らかにしようとするものです。
【地域の将来像】
ともに創る活力とやすらぎの山城交流圏
●ひと、もの、情報が交流し、新たな活力を生み出す地域
●地域産業の強みを磨き、京都府経済をリードする地域
●豊かな歴史と質の高い文化の中で、いきいきと暮らす地域
●恵まれた自然環境がうるおいとゆとりを生み出す地域
●誰もが参加し、連携して創り上げる愛着の持てる地域
【施策の基本方向】
①
豊かな自然と磨き上げた文化が織りなす交流圏の形成
②
21 世紀の京都府経済をリードする成長軸の形成
③
地域の社会基盤の整備
④
地域の担い手づくりと豊かな地域社会の形成
【具体的施策の展開】
①
「やましろ観光」の推進
②
「宇治茶の郷づくり」の推進
③
「企業誘致用地の確保と立地促進」
④
放置竹林の拡大防止と竹の利活用
⑤
地産地消の推進
⑥
地域文化の振興
⑦
道路の整備推進
⑧
自然災害からの安心・安全とうるおいのある環境空間の創出
⑨
住民との協働による施設整備・管理
⑩
郷土を愛し、世界にはばたく子どもの育成
- 30 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
(3)京都南部都市広域行政圏計画
『京都南部都市広域行政圏計画(2007(平成 19)年2月:京都南部都市広域行政圏推進
協議会改定)
』では、京都府南部の南山城地域と乙訓地域の6市4町で構成する京都南部都
市広域行政圏域を取り巻く時代の潮流や圏域構成市町の総合計画等を基礎とし、大都市近
郊でありながら自然に恵まれている本圏域の立地特性を生かした圏域づくりの方向性を示
しています。
【圏域の基本的課題】
・圏域としてのアイデンティティ(主体性・存在感)の形成および位置づけの明確化
・ひとと自然にやさしい快適な生活環境の創出
・立地特性を生かした産業資源の有効活用等個性ある新たな活力圏域の形成
・だれもが安全・安心して暮らせる圏域の形成
・歴史・文化・自然を生かした交流・連携
・圏域内外の交流・連携促進に資する都市基盤構造の確立
【圏域づくりの基本理念】
・ひとと自然が共生しゆとりとやすらぎを実感できる心ふれあう地域社会
・培われた歴史を継承し活力と新しい文化を創造する地域社会
・個性と魅力を生かし交流・連携を図る自立した地域社会
【圏域づくりの6つの柱】
・環境と共生し安全でやすらぎのある圏域づくり
・人間性豊かでふれあいのある圏域づくり
・健康で明るく心のかよう圏域づくり
・地域資源を生かした歴史・文化の香り高い圏域づくり
・活力に満ちた魅力あふれる圏域づくり
・広域交通網を生かした便利で快適な圏域づくり
【八幡市の役割と機能配置の方向】
男山緑地や三川合流、松花堂および流れ橋(上津屋橋)周辺等の自然・歴
史・文化資源を生かし、緑豊かな生活都市としての整備を図ります。また、
(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジの立地等の交通利便性を生
かし、京都・大阪圏との広域的な連携を図る交流拠点の玄関口としての役割
を担います。
- 31 -
第2編
■圏域の機能配置
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
-「京都南部都市広域行政圏計画」より-
- 32 -
第2編
全体構想
■圏域における交通体系
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
-「京都南部都市広域行政圏計画」より-
- 33 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
(4)綴喜都市計画 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針
本市の都市計画の基礎となる「綴喜都市計画 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」
(2007(平成 19)年 11 月:京都府改訂)では、以下のような方針による都市づくりの方向
が示されています。
【都市づくりの基本理念】
①
関西文化学術研究都市建設と連携した職住近接を備えた一体的な都市づくり
②
広域交通網の整備を活かした産業基盤のある自立した都市づくり
③
公共交通機関を活かして、都市の中心性を高め、機能的な都市活動ができるコン
パクトな都市づくり
④
中心市街地の賑わいと活力基盤のある都市づくり
⑤
都市基盤等これまでに培ってきた成果を活かした都市づくり
⑥
環境への負荷の低減を図る環境にやさしい都市づくり
⑦
だれもが安心・安全で健やかに暮らすことができる良好な住宅・住環境がある都
市づくり
⑧
地域特性や地域資源を活かした個性のある都市づくり
⑨
他都市地域との広域的な連携と交流を推進する都市づくり
⑩
情報化、国際化の進展に対応できる交流拠点のある都市づくり
⑪
住民、民間、行政等の協働による魅力ある地域社会を実現する都市づくり
⑫
自然環境や歴史的環境の保全と活用を図り、美しい景観のある都市づくり
【区域の将来像】
●立地特性を活かした産業拠点のある都市
●魅力ある地域拠点の形成と連携による快適な都市
●豊かな歴史・文化・自然と調和する都市環境
●関西文化学術研究都市建設を活かした一体的な都市
これらの広域関連計画を踏まえ、広域や地域から求められる本市の役割・機能を整理す
ると次のようになります。
【広域・地域から求められる本市の役割・機能】
◆広域幹線道路の結節点となる立地特性等を活かした魅力ある産業拠点の形成
◆魅力ある地域拠点の形成と広域的連携による快適な都市づくり
◆豊かな歴史・文化・自然と調和した快適な生活環境の創造
◆だれもが安心・安全に暮らせる都市づくり
◆公共交通機関を活かして、都市としての機能・質を高めたコンパクトな都市づくり
- 34 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
(5)地域商業ガイドライン
京都府と府内市町村は、中心市街地活性化に取り組むに当たり、人口減少時代の到来や
少子高齢化社会の進展等の社会的な背景を踏まえ、まちづくり三法による規制誘導を講じ
ることや、これまで整備された都市基盤など既存ストックを活かしたまちづくりを推進す
ることで、公共交通機関を核とした誰もが暮らしやすく、機能的な都市活動ができる「ま
ちなか」再生を図っていく必要がありました。
そして、特に広域に影響を及ぼす大規模小売店舗は、郊外部への無秩序な立地を抑制し、
結果として都市計画区域内にある中心市街地へ誘導することで、中心市街地活性化の効果
を上げることが必要でありました。
そこで、京都府中心市街地活性化懇話会の「まちなか再生を推進するガイドラインに関
する提言(2006(平成 18)年7月)」に基づき、地域区分ごとに、地域内商工会議所、商工
会、消費者団体等、京都府、地域内市町村により構成された「地域商業ガイドライン策定
協議会」を設置し、中心市街地エリア、中心市街地の将来目標及び大型店抑制・誘導エリ
ア等を明示した地域商業ガイドラインを 2007(平成 19)年5月に策定しました。
本市は山城北地域に属し、『山城北地域商業ガイドライン』において「八幡源氏垣外地
区・八幡一ノ坪地区・欽明台北地区」の3地区が特例誘導エリアに指定されました。
【特例誘導エリア】
中心市街地以外で、既に地域に特定大規模小売店舗が立地しているエリ
アであり、その商業集積地としての役割を今後においても保持するために、
特定大規模小売店舗の立地可能エリアとして、地域商業ガイドラインで定
める区域。
・特定大規模小売店舗:建築基準法(昭和 25 年法律第 201 号)別表第二(わ)
項に掲げるもの(店舗の部分が大規模小売店舗と認め
られるものに限る。)をいう。
- 35 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
■山城北地域商業ガイドライン エリア図(八幡市)
- 36 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
5.八幡市におけるまちづくりの動向
本市における総合的かつ計画的なまちづくりを推進するための基本指針である「第4次
八幡市総合計画(以下、
「市総合計画」という。
)」では、次に示すような考え方に基づくま
ちづくりの方向が示されています。
◇将来都市像
自然と歴史文化が調和し
人が輝く
やすらぎの生活都市
~自立と協働による個性あふれるまちづくり~
◇まちづくりの基本目標
(1)人権を大切にし、みんなが力をあわせてまちづくりを進めるまち
(2)次代を担う人づくりを進め、文化芸術を守り育てるまち
(3)豊かな自然を守り、循環型の社会づくりを進めるまち
(4)だれもが明るく元気に暮らせるまち
(5)人がつどい、活力あふれるまち
(6)安心して暮らせる安全で快適なまち
(7)計画の実現に向けた取組や体制の強化
◇まちづくりを進めるための3つの基本的姿勢
(1)自立と連携
(2)公開と協働
(3)信頼と安心
◇人口規模
目標年次の 2016(平成 28)年の人口:約 76,000 人程度
◇都市空間形成の方針
◆めざすべき都市の構造
(1)2つの広域交流エリアの形成
①
北部広域交流エリア
・八幡市駅周辺を中心とする地域。地域資源を活用したまちづくりの中心とします。
②
南部広域交流エリア
・第二京阪道路と新名神高速道路の結節点となる(仮称)八幡ジャンクション・イ
ンターチェンジ周辺。本市の新しい玄関口として、都市活力の向上に活かします。
(2)交流拠点の充実
①
広域集客交流拠点
・三川合流周辺、男山周辺、松花堂周辺、流れ橋周辺。広域的な集客をめざし、周
辺環境整備やさまざまな施策と連動した魅力の向上を図ります。
- 37 -
第2編
②
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
生活交流拠点
・八幡市駅周辺、橋本駅周辺、男山の各地区センター周辺、きんめい近隣公園周辺。
周辺の環境整備と商業機能の誘導を図ります。
・公共公益・文化施設等が集積する市役所周辺は、生活・文化交流の場として機能
の充実を図ります。
③
複合都市機能拠点
・
(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジ周辺。広域幹線道路がもたらす効
果をまちづくりに活かすため、産業の活性化と市民生活の利便性向上につながる
複合的な都市機能拠点の整備をめざします。
(3)交流連携軸の整備
①
広域交流軸
・京都第二外環状道路、府道京都守口線、国道1号、第二京阪道路とこれにつなが
る新名神高速道路。広域的な連携の強化を図ります。
②
南北連携軸
・市域の北と南に形成される広域交流エリアを結び、さらに乙訓方面に伸びる南北
方向の幹線道路。南北の広域交流エリアを連携させるとともに、この軸を中心に
乙訓・京都北部方面、京田辺市方面との連携を図ります。
③
東西連携軸
・市域から近隣市に伸びる東西方向の幹線道路。この軸を中心に市域の西部と東部、
枚方市方面、木津川右岸方面との連携を図ります。
④
市内交流軸
・橋本南山線から山手幹線、府道長尾八幡線から府道富野荘八幡線、府道八幡木津
線、八幡田辺線。市民生活に身近な動線として、市民の暮らしに必要な商業・サ
ービス機能の適切な立地を促進します。
⑤
集客交流軸
・北部広域交流エリアから、東高野街道の一部である市道土井南山線を経て松花堂
周辺に至るルートと、流れ橋周辺を経て城陽市、京田辺市の木津川沿岸につなが
るルート。市内の「広域集客交流拠点」を結び、広域からの来訪者の憩いの空間
を形成します。
・大谷川、防賀川は、市民及び市外からの来訪者にうるおいを与える軸として親水
空間の整備を進めます。
◆土地利用の方向
(1)住宅地域
・既に住宅地が形成されている既成市街地は、用途の混在を抑制して秩序ある土地利
用を誘導し、快適で魅力ある生活環境の向上をめざします。
・残された空閑地では、今後の住宅需要の動向を踏まえて、新たな市街地形成の誘導
- 38 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
を図ります。
・市役所周辺の地域については、公共施設の集積を活かし、行政サービスや市民文化
の中心とします。
(2)商業地域
・八幡市駅周辺をはじめとする既存商業地は、にぎわいのある商業空間の充実を図り
ます。
(3)沿道サービス地域
・幹線道路の沿道においては、自動車関連等の沿道サービス施設の立地を許容しつつ
住環境の保全に努めます。
(4)工業等産業地域
・第二京阪道路や京都第二外環状道路の整備に伴う業務用地の需要拡大に適切に対応
し、本市の産業活力の向上につなげます。
・
(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジ周辺では、新たな都市機能の立地を
図るとともに、市の新しい玄関口として周辺環境と調和した景観を形成します。
(5)田園・集落地域
・都市近郊農業の振興を図るため優良農地の保全に努めるとともに、農村集落の生活
環境整備を進めます。
(6)自然環境地域
・男山の樹林地や三川合流周辺から木津川にかけての水辺空間など豊かな自然環境の
保全と活用を図ります。あわせて、森林の適切な管理と保全に努めます。
(7)土地利用検討地域
・大谷飛地については、周辺地域と調和した良好な住居系の土地利用の実現に向けた
検討を進めます。
- 39 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
■第4次八幡市総合計画における将来都市構造・土地利用図
新名神高速道路
- 40 -
第2編
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
6.まちづくりの基本的課題
これまでに整理してきた「1.八幡市の沿革と今日の姿」「2.市民の意識」「3.社会
の潮流」「4.広域におけるまちづくりの動向」「5.八幡市におけるまちづくりの動向」
を踏まえ、本市の都市計画マスタープランとして示すべき今後のまちづくりに関する基本
的な課題を、社会環境の変化に対する視点で整理すると次のようになります。
(1)少子高齢社会と人口減少社会への対応
公共交通の再生、既存ストックの有効活用や民間ノウハウを取り入れた公共公益施設と
生活利便施設の充実等による効果的で効率的な整備や、交流人口を増加させる拠点等の整
備による活性化を図ったまちづくりが必要です。
①
広域幹線道路の結節点となる立地特性等を活かし、新たな産業(工業・商業)振興地
の形成及び魅力ある産業(工業・商業)拠点の形成を図ったまちづくり
人口減少社会を迎え、これからも活力ある都市として持続していくためには、多様
な働き場所を提供するまちづくりが必要です。
本市は、全国や京都府と比較して第2次産業の割合が高く、なかでも製造業の割合
が特に高くなっています。また、第二京阪道路や京都第二外環状道路等の広域幹線道
路の整備が進み、沿線の工業団地に多くの企業が進出するとともに、大型小売店舗も
進出しています。さらに、新名神高速道路(城陽~八幡間)が 2016(平成 28)年度に
供用される予定であり、この傾向が一層強くなると考えられます。
そこで、まちづくりの観点からは、このような地域特性を活かし、新たな産業(工業・
商業)振興地の形成及び魅力ある産業(工業・商業)拠点の形成が必要です。
②
商業や観光・レクリエーションの振興による魅力ある地域拠点の形成と広域的連携
を図ったまちづくり
本市の有する多様な地域特性を活かした均衡ある発展を図るためには、来訪者の増
加による交流人口の拡大が可能となるまちづくりが必要です。
本市には、男山と三川合流周辺に代表される豊かな自然環境や、石清水八幡宮、流
れ橋、松花堂をはじめとする、すぐれた歴史・文化資源があります。これら資源は、
観光・レクリエーションの機能を有するものとしても着目すべきものであり、京都・
大阪の大都市圏から交通至便な位置にあって、こういった資源や地域特性を活用し、
広域の観光・レクリエーション地としての機能や商業機能の充実等により魅力ある地
域拠点の形成が必要です。
- 41 -
第2編
③
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
都市資源の活用を図ったまちづくり
少子高齢化、人口減少が進むことで公共投資余力の縮小も予想されることから、都
市の資産(既存ストック)の有効活用が課題です。多様なニーズに対応するため、空
き家の活用による住み替え及び再整備の促進や、快適な居住環境の形成のため歴史・
文化・自然等の都市資源の有効活用を図っていくことが必要です。
特に、本市では、市全体の人口・世帯数の約3分の1を占める男山地域のUR賃貸
住宅(旧公団住宅)等が築 30 年以上を経ており、これらの都市資源の活用が今後のま
ちづくりにおける重要な課題となります。
④
集約型土地利用の促進を図ったまちづくり
少子高齢社会や人口減少社会に対して、市街地が低密度で拡散することは、行政運
営上非効率な都市構造であるとともに、公共交通の事業性の低下を招くなどし、自動
車に過度に依存する都市構造となります。
そこで、既成市街地を中心とし、人に優しく効率的な都市構造を形成するために、
公共交通を活用しながら歩いて暮らせる集約型土地利用の促進を図る必要があります。
(2)価値観・生活様式の多様化及び地方分権型社会の進展への対応
市民ニーズの高度・多様化に対応し、歴史・文化・自然等の地域独自の資源を保全・活
用し、地域の魅力の創出や、市民生活を支える地域コミュニティ活動を促進するなど、地
域に密着したきめ細かな土地利用の誘導が必要です。ただし、限られた財源の中で創意工
夫を凝らし、個性ある地域づくりを進めていくことも今まで以上に求められています。
①
豊かな歴史・文化・自然と調和した個性あるまちづくり
本市は、男山と三川合流周辺に代表される自然環境や、石清水八幡宮、流れ橋、松
花堂をはじめとする歴史・文化資源に恵まれています。
したがって、これらの豊かな歴史・文化・自然を本市の財産として保全していくと
ともに、市民や本市を訪れる人にとって身近にふれあえる場として活用するなど都市
資源の有効活用を図っていくことが必要です。
②
市民・NPO・事業者・行政の協働によるまちづくり
地域の特性や課題にきめ細かく対応したまちづくりを進めていくためには、市民・
NPO・事業者や地域コミュニティとの対等な関係による取組が必要です。
また、これまで以上にまちづくりにおける市民参画を推進するとともに、地域のま
ちづくり組織による具体的な計画づくりや実践を促進する必要があります。
- 42 -
第2編
③
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
市民の価値観・ライフスタイルの多様化に対応したまちづくり
個人の価値観が多様化し、その中から様々なライフスタイルが創出され、人々の生
活は質的な向上をめざす段階に入っており、多様化するライフスタイルに対応したま
ちづくりが必要です。
そこで、限られた財源の中で創意工夫を凝らし、多様な形態の住宅供給や多彩な商
業施設の整備等により、多様で質の高い都市環境づくりが必要です。
(3)地球環境問題に配慮したまちづくりへの対応
省資源・省エネルギー型社会及び循環型社会の形成に向け、環境問題に配慮したまちづ
くりを進めるとともに、自然環境と共生していくことが必要です。
①
環境負荷の小さいまちづくり
都市の環境負荷を低減させ、環境面での持続可能なまちづくりが必要です。市街地
の公共空間や建築物において、水や緑等の取り入れや効果的な活用による自然環境と
の共生を推進することが必要です。
また、都市全体から建物に至るまでの省エネルギー化や、再生可能エネルギー、新
エネルギー等の活用による環境負荷の低減及び資源エネルギーの有効活用を推進する
ことが必要です。
そして、環境負荷の低減を推進するために、循環型社会の形成に向けたまちづくり
が必要です。
②
自然環境を守り調和するまちづくり
豊かな自然を守り、まちづくりに効果的に活かしていくことが必要です。都市の骨
格的な水と緑のネットワークの形成や農地の保全、農地と居住地が共生する空間づく
りを進めることが必要です。
また、観光による地域振興を図るうえでも、自然を守り自然と共生したまちづくり
が必要です。
市街地においても、緑や水辺など自然要素を積極的に取り入れることで、良好な景
観を大切にした市街地形成が必要です。
(4)都市型社会への対応
高齢者や障がいのある方だけでなく、子どもから大人までだれもが安心して快適に暮ら
せるために、公共交通を活かすとともに、居住地の徒歩圏内に商業施設や公共公益施設が
立地した複合的な土地利用の形成をめざした既成市街地の更新整備が必要です。
- 43 -
第2編
①
全体構想
第1章
八幡市を取り巻く環境とまちづくりの課題
公共交通機関等を活かして、まちとしての機能・質を高めたコンパクトなまちづく
り
高齢者や障がいのある方だけでなく、子どもから大人までだれもが自由に社会参画
でき、暮らしやすい環境をつくるとともに、環境負荷を低減させるためには、公共交
通の活用が必要です。
このため、自動車等に過度に依存した都市とせず、公共交通網を軸とした集約型の
都市構造への誘導を図るとともに、既存のストック(路線バスや道路など)を有効に
活用するなど、公共交通が利用しやすいまちづくりを進めることが必要です。
道路についても、このような都市構造を実現し、地域間の連携強化や既存道路網の
ネットワーク機能の改善、強化を図り、効果的、重点的な整備が必要です。
②
だれもが安全・安心に暮らせるまちづくり
自然災害や都市的な災害を未然に防ぐまちづくりを進めるとともに、災害時の被害
を最小限にするための方策を講じていくことが必要です。
また、地域コミュニティ活動の促進や防災意識の向上など市民主体の防災まちづく
りを促進していくとともに、防犯など日常生活における安全・安心の確保を進めてい
くことが必要です。
- 44 -
第2章
- 45 -
まちづくりの方針
第2編
全体構想
第2章
まちづくりの方針
1.まちづくりの基本的方向
本市は、男山、木津川、田園地域等の豊かな自然環境と石清水八幡宮や松花堂等のすぐ
れた歴史・文化資源を背景としながら、京都・大阪という大都市圏に近く、交通アクセス
にも優れた立地条件を有して、良好な環境の住宅都市として発展してきました。
今後は、これまでのまちづくりの成果を踏まえ、社会の変化に適切に対応したまちづく
りを進めていく必要があります。
そこで、まちづくりの指標となる都市計画マスタープランでは、前章で整理した「6.
まちづくりの基本的課題」を踏まえ、めざすべき「将来都市像」と「整備の基本目標」を
以下のように定めます。
まちづくりの基本的課題
(1)少子高齢社会と人口減少社会への対応
①
広域幹線道路の結節点となる立地特性等を活かし、新たな産業(工業・商業)
振興地の形成及び魅力ある産業(工業・商業)拠点の形成を図ったまちづくり
②
商業や観光・レクリエーションの振興による魅力ある地域拠点の形成と広域
的連携を図ったまちづくり
③
都市資源の活用を図ったまちづくり
④
集約型土地利用の促進を図ったまちづくり
(2)価値観・生活様式の多様化及び地方分権型社会の進展への対応
①
豊かな歴史・文化・自然と調和した個性あるまちづくり
②
市民・NPO・事業者・行政の協働によるまちづくり
③
市民の価値観・ライフスタイルの多様化に対応したまちづくり
(3)地球環境問題に配慮したまちづくりへの対応
①
環境負荷の小さいまちづくり
②
自然環境を守り調和するまちづくり
(4)都市型社会への対応
① 公共交通機関等を活かして、まちとしての機能・質を高めたコンパクトなま
ちづくり
② だれもが安全・安心に暮らせるまちづくり
- 46 -
第2編
全体構想
第2章
まちづくりの方針
将来都市像
自然と歴史文化が調和し
人が輝く
やすらぎの生活都市
~自立と協働による個性あふれるまちづくり~
まちづくりを進めていく3つの基本的姿勢
・自立と連携
・公開と協働
・信頼と安心
本計画は、「市総合計画」における将来像を実現していくためのまちづくりの基本
方針を示す計画であるため、「市総合計画」の将来都市像を踏襲するものとする。
整備の基本目標
個性豊かな都市魅力の創出と
都市としての機能・質を高めるまちづくり
◆都市資源や地域風土を活かし、質の高い環境で暮らせるまちづくり
◆環境と調和し、広域幹線道路の結節点となる立地特性を活かした産業活動を支
えるまちづくり
◆魅力ある豊かな歴史・文化・自然等の地域資源を活かしたまちづくり
◆少子高齢社会に対応するとともにだれもが安全・安心に暮らせるまちづくり
- 47 -
第2編
全体構想
第2章
まちづくりの方針
2.将来都市フレーム
(1)人口フレーム
本市の人口は、1990(平成2)年以降停滞傾向となっていましたが、2000(平成 12)年
の国勢調査で 73,682 人であった人口が、2005(平成 17)年に 74,252 人と 570 人の増加と
なっています。また、年齢3区分別人口の推移では、市全体の人口に占める老年人口の割
合が 2000(平成 12)年の 13.0%から 2005(平成 17)年の 16.7%へと 3.7%増加しており、
昭和 45 年以降増加し続け高齢化が進んでいます。
今後の本市の人口は、少子高齢化の進展による自然減少が懸念される一方で、欽明台地
区等の住宅地開発による社会増加が期待されます。そのため、本市の将来人口の推計にあ
たり、平成 12 年から平成 17 年の人口の推移率から予測を行うコーホート法で推計を行う
とともに、住宅地開発による新たな人口増加も考慮した予測を行い、この予測結果をもと
に人口フレームを以下のように設定します。
中間目標(平成 28 年)の人口フレーム
:
77,000人
目標年次(平成 38 年)の人口フレーム
:
72,000人
□年齢3区分別人口の推計
(人)
年少人口(0~14歳) 生産年齢人口(15~64歳) 老年人口(65歳以上) 実績
80,000
64,882
5.0%
60,000
66.6%
64.4%
22,974
7.1%
0
75,758
7.2%
75,779
9.5%
73,682
13.0%
74,252
16.7%
77,000
77,000
22.2%
27.2%
50,132
4.8%
40,000
20,000
72,356
5.8%
71.0%
73.1%
72.7%
69.4%
年齢不詳
推計
63.9%
72,000
30.8%
59.7%
65.6%
58.8%
69.0%
23.9%
29.5%
30.5%
27.5%
21.8%
昭和45年 昭和50年 昭和55年 昭和60年 平成2年
※資料:国勢調査
17.3%
14.3%
13.9%
13.9%
13.1%
平成7年 平成12年 平成17年 平成23年 平成28年
10.4%
平成38年
ただし、3区分の割合の母数は総人口から年齢不詳を除外した値を用いて
い ま す 。 ま た 、 3 区 分 の 割 合 の 合 計 は 四 捨 五 入 の 関 係 か ら 必 ず し も 100% に な り ま せ ん 。
■人口フレームの推計フロー
H17 年 国勢調査
男女別 5 歳階級別人口
H12 年 国勢調査
男女別 5 歳階級別人口
変化の割合
住宅地開発予定人口
人口フレーム
(H28 年、H38 年人口)
- 48 -
H17 年 国勢調査
男女別 5 歳階級別人口
第2編
全体構想
第2章
まちづくりの方針
(2)世帯フレーム
本市の世帯は、近年も増加し続けており、2005(平成 17)年に 27,351 世帯となっていま
す。また、1世帯当たりの人員は減少を続けており、平成 17 年に 2.71 人となっています。
世帯規模の縮小は、核家族や夫婦のみの世帯、または単身世帯の増加が相まって進行して
いると考えられます。価値観やライフスタイルの変化、少子高齢化といった社会状況の変
化がもたらしたこの傾向は、今後も継続すると考えられるため、1世帯当たり人員が、一
定の減少傾向を示す 1975(昭和 50)年から 2005(平成 17)年までの 30 年間の傾向を用い、
世帯フレームを以下のように設定します。
中間目標(平成 28 年)の世帯フレーム
:
32,000世帯
目標年次(平成 38 年)の世帯フレーム
:
33,000世帯
実績(世帯数)
実績(世帯人員)
(世帯)
40,000
推計(世帯数)
推計(世帯人員)
32,000
30,000
20,000
3.78
14,694
19,274
3.41
3.37
21,754
3.33
23,789
25,010
26,146
3.18
3.03
2.82
10,000
(人)
33,000
5.50
27,351
4.50
3.50
2.71
2.44
2.19
2.50
6,083
0
昭和45年昭和50年昭和55年昭和60年平成2年 平成7年 平成12年平成17年
平成28年
1.50
平成38年
■世帯フレームの推計フロー
人口フレーム
(H28 年、H38 年人口)
S50 年~H17 年 国勢調査
人口・世帯数
各年1世帯当たりの世帯人員
H28 年、H38 年
1世帯当たりの世帯人員
世帯フレーム
(H28 年、H38 年 世帯数)
- 49 -
第2編
全体構想
第2章
まちづくりの方針
3.将来都市構造
将来都市構造は、都市計画マスタープランのめざす「将来都市像」とそれを受けた「整
備の基本目標」を模式的に表現するものであり、次のような基本的な考え方に基づいて設
定します。
【将来都市像】
自然と歴史文化が調和し
人が輝く
やすらぎの生活都市
~自立と協働による個性あふれるまちづくり~
【整備の基本目標】
個性豊かな都市魅力の創出と都市としての機能・質を高めるまちづくり
◆都市資源や地域風土を活かし、質の高い環境で暮らせるまちづくり
◆環境と調和し、広域幹線道路の結節点となる立地特性を活かした産業活動を支
えるまちづくり
◆魅力ある豊かな歴史・文化・自然等の地域資源を活かしたまちづくり
◆少子高齢社会に対応するとともにだれもが安全・安心に暮らせるまちづくり
【まちづくりの基本的な考え方】
少子高齢化や人口減少等の社会の変化は、社会構造に大きな変化をもたらすととも
にまちづくりにおいてもその対応が求められています。
今までのように人口増加にあわせて市街地を拡大させ、低密度な市街地の拡散によ
る非効率な都市構造から、既存の市街地を中心に土地の有効活用と都市基盤施設、公
共施設及び公共交通の充実による効率的な都市構造の「コンパクトなまち」への質的
変換を行う必要があると考えられています。
このように、コンパクトなまちとは、規模を「小さくする」というのではなく、
「ま
ちとしての機能・質を高める」ということです。
本市におけるコンパクトなまちとは、
「歴史・文化・自然等の地域資源や立地特性を
活かした『拠点』と、都市資源や地域風土を活かした環境の中で生活しやすいように
住宅、店舗、事業所、公共施設等が適切に配置された『市街地』とを、公共交通機関
等によって結んだ、
『拠点』や『市街地』がそれぞれの特性を活かしながら都市的機能
の役割を担う機能的で質の高いまち」ということです。
- 50 -
第2編
【将来都市構造図】
- 51 -
全体構想
第2章
まちづくりの方針
第3章
- 52 -
まちづくりの整備構想
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
1.将来土地利用方針
(1)都市の骨格
将来土地利用方針を設定するにあたり、その前提となる都市機能等の配置の骨格的構成
を、
「市総合計画」に示された「めざすべき都市の構造」をもとに、第1章で整理した「6.
まちづくりの基本的課題」や第2章で設定した「3.将来都市構造」を踏まえ、次のよう
に再構成しました。
①
個性豊かな都市魅力を創出する「広域交流拠点」の位置づけと役割
【北部広域交流拠点】
「市総合計画」における北部広域交流エリアである八幡市駅周辺、三川合流周辺、男
山周辺に、生活交流拠点である市役所周辺を加え、
「北部広域交流拠点」と位置づけます。
本市の北の玄関口として、地域資源を活かし、市民や京都・大阪都市圏を対象とした広
域的な交流拠点の形成を図るとともにまちづくりの中心として都市魅力の充実を図りま
す。
【南部広域交流拠点】
「市総合計画」における南部広域交流エリアであり、複合都市機能拠点でもある(仮
称)八幡ジャンクション・インターチェンジ周辺に、生活交流拠点であるきんめい近隣
公園周辺を加え、「南部広域交流拠点」と位置づけます。本市の南の玄関口として、広域
幹線道路の結節点となる立地特性を活かし、新 た な 魅 力 を 創 造 す る 都 市 機 能 の 複 合
的 な 土 地 利 用 に よ る 広域的な交流拠点の形成を図るとともに、新たなまちの中心とし
ての都市魅力の創出を図ります。
②
交流を促進する「拠点」の位置づけと役割
【広域観光・レクリエーション拠点】
「市総合計画」における広域集客交流拠点である三川合流周辺、男山周辺、松花堂周
辺、流れ橋周辺の観光資源を、まちづくりの基本的課題の(1)②「商業や観光・レク
リエーションの振興による魅力ある地域拠点の形成と広域的連携を図ったまちづくり」
の観点より、
「広域観光・レクリエーション拠点」と位置づけます。市民の憩いの場であ
ると同時に、京都・大阪都市圏からの広域的な交流拠点として、周辺環境整備やさまざ
まな施策と連動した都市魅力の向上を図ります。
- 53 -
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
【市民生活拠点】
「市総合計画」における生活交流拠点の1つである八幡市駅周辺を「市民生活拠点」
と位置づけます。市民の暮らしの中心として、周辺環境の整備や商業機能の充実を図り
ます。
【地域生活拠点】
「市総合計画」における生活交流拠点のうち、橋本駅周辺、男山中央センター周辺、
きんめい近隣公園周辺、さらに「山城北地域商業ガイドライン」の特例誘導エリアであ
る八幡一ノ坪地区周辺を「地域生活拠点」と位置づけます。地域住民の暮らしの中心と
して、周辺環境の整備や商業機能の充実を図ります。
【シビックセンター】
「市総合計画」における生活交流拠点の1つである市役所周辺を「シビックセンター」
と位置づけます。行政サービスや市民文化の中心として、機能の充実を図ります。
【複合都市機能拠点】
市域南部の(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジ周辺を「市総合計画」の
とおり「複合都市機能拠点」と位置づけます。広域幹線道路の結節点となる立地特性を
活かし、本市の活力向上に向けた複合的な都市機能の立地を図ります。
【市民レクリエーション拠点】
まちづくりの基本的課題の(2)①「豊かな歴史・文化・自然との調和した個性ある
まちづくり」の観点より、川口市民公園、八幡市民スポーツ公園を新たに「市民レクリ
エーション拠点」と位置づけます。市民の憩いの場として、周辺環境整備や魅力の向上
を図ります。
③
交流を促進する「軸」の位置づけと役割
【南北連携軸】
「北部広域交流拠点」と「南部広域交流拠点」を結び、淀川右岸地域にのびる南北の
骨格軸です。市域の南北広域交流拠点を有機的に連携するとともに、乙訓・京都北部方
面、京田辺市方面との連携も図ります。
【東西連携軸】
市域から近隣市にのびる東西の骨格軸です。市域の西部・東部の連携と、枚方市方面
との連携を図ります。さらに、将来的には木津川右岸方面との連携も検討します。
- 54 -
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
【拠点及び市街地連携軸】
まちづくりの基本的課題の(4)①「公共交通機関等を活かして、まちとしての機能・
質を高めたコンパクトなまちづくり」の観点より、公共交通機関等を活用することによ
り、「南北連携軸」と「東西連携軸」とともに拠点と市街地との連携を図ります。
【広域うるおい軸】
「市総合計画」における集客交流軸のうち、三川合流周辺から木津川の河川エリアを
「広域うるおい軸」と位置づけます。市民と広域からの来訪者にとってのうるおい空間
の充実を図ります。
【市民うるおい軸】
「市総合計画」における集客交流軸のうち、大谷川、防賀川を「市民うるおい軸」と
位置づけます。本市の市街地やその周辺にうるおいを与える軸として親水空間の整備を
進めます。
【生活軸】
「市総合計画」における市内交流軸のうち、橋本南山線から山手幹線、府道長尾八幡
線から府道富野荘八幡線、府道八幡木津線を「生活軸」と位置づけます。市民生活の身
近な動線であり、暮らしのうえで必要な商業・サービス機能の適切な立地を促進します。
【新国土交流軸・京阪交流軸・京都外郭交流軸・地域交流軸】
「市総合計画」における広域交流軸である、市内の広域幹線道路と国道1号をそれぞ
れ位置づけます。近隣市町や京都・大阪をはじめとして、全国各地域と本市との連携の
強化を図ります。
- 55 -
第2編
全体構想
【都市骨格図】
- 56 -
第3章
まちづくりの整備構想
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
(2)将来の土地利用方針
将来都市像を実現するために、長期的にめざすべき市域の土地利用の方針として、次の
基本方針を設定します。
①
土地利用の基本方針
【市域全体の土地利用】
-本市の特性を踏まえ、都市としての機能・質を高めた土地利用の展開-
現状の土地利用を踏まえたうえで、将来都市像、将来都市構造及び都市の骨格の実現に
向けて、住宅系土地利用、商業系土地利用、沿道系土地利用、工業系土地利用、複合都市
機能ゾーン、公共系土地利用、樹林地や水辺等の自然系土地利用を適切に配置することに
より、都市としての機能・質を高めたコンパクトなまちの形成をめざします。
《住宅系土地利用》
-秩序ある既成市街地と新たな居住者のための住宅地形成の誘導-
既に住宅地が形成されている既成市街地では、用途の混在を抑制し、秩序ある土地利
用を誘導します。また、将来的な世帯数の増加による住宅需要に対応するため、既成市
街地内の低・未利用地の活用、駅周辺での高密度利用及び新たな住宅地の形成を図りま
す。
《商業系土地利用》
-既存商業地の充実と広域幹線道路の結節点となる立地特性を活かした適切な配置-
八幡市駅周辺をはじめとする既存商業地でのにぎわいある商業空間の充実と、広域幹
線道路の結節点となる立地特性を活かした適切な商業系土地利用の配置を図ります。
《沿道系土地利用》
-広域幹線道路の結節点となる立地特性を活かした適切な配置-
広域幹線道路の結節点となる立地特性を活かし、幹線道路沿道における沿道サービス
施設の適切な配置を図ります。
《工業系土地利用》
-広域幹線道路の結節点となる立地特性を活かし市域東部を中心とした拡大-
既存の産業地を活かすとともに、第二京阪道路や京都第二外環状道路の整備に伴う業
務用地の需要拡大に適切に対応します。
- 57 -
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
《複合都市機能ゾーン》
新名神高速道路と第二京阪道路との連結部となる(仮称)八幡ジャンクション・イン
ターチェンジ周辺では、今後の本市の産業経済力の強化を支援する産業や新たな都市機
能による土地利用の展開をめざします。
《公共系土地利用》
-市役所周辺でのシビックセンターの形成-
市役所周辺の地域は、公共公益施設の集積を活かし、行政・医療サービスや市民文化
の中心とします。
《自然系土地利用》
-自然環境の保全と活用-
男山の樹林地や、三川合流周辺から木津川にかけての水辺空間など豊かな自然環境の
保全と活用を図ります。
②
将来土地利用方針
ゾーン名
都市型
住宅
ゾーン
具体的な箇所等
土地利用方針
八幡市駅から南に広がる
旧来からの既成市街地であり、駅
既成市街地
周辺に立地し、利便性の高い低層
川 口・下 奈 良・上 奈 良 地 区
を中心とした住宅地です。今後、
の 一 部 、橋 本 駅 周 辺 、樋 ノ
都市基盤の整備をはじめ、多様で
口地区、長町地区
質の高い都市生活を営む環境づく
りを図ります。
住
宅
市域西部の橋本駅から欽
日本住宅公団(現
独立行政法人
明台地区にかけての丘陵
都市再生機構)による開発を中心
部 、八 幡・川 口 地 区 の 一 部
と し 昭 和 40 年 代 後 半 に 計 画 的 に 整
備された、あるいは今後整備を誘
系
導する市街地であり、戸建てと中
近郊
都市型
住宅
ゾーン
高層からなる都市基盤が整備され
た住宅地です。現在の良好な住環
境を保全するとともに、新たな市
街地ではゆとりある住環境の形成
を図ります。また、男山地域で築
30 年 以 上 経 過 し て い る 集 合 住 宅 地
は、今後、再整備の方策を検討し
ます。
- 58 -
第2編
ゾーン名
全体構想
具体的な箇所等
八幡市駅周辺
第3章
まちづくりの整備構想
土地利用方針
八幡市駅周辺は市民の暮らしの中
心 と し て 、ま た 、広 域 的 な レ ク リ エ
ー シ ョ ン 施 設 の 玄 関 口 と し て 、に ぎ
広域
対応型
ゾーン
わいと風格が兼ねそろう都市魅力
を高める商業機能の充実を図りま
す。
商
業
系
地域
対応型
ゾーン
橋 本 駅 、八 幡 市 駅 南 側 、男
各地域周辺での日常生活に必要な
山 中 央 セ ン タ ー 、美 濃 山 近
商業施設の充実を図ります。
隣センター地区
一 ノ 坪 地 区 、欽 明 台 北 地 区
地区の立地特性に対応した商業機
能 の 充 実 を 図 り ま す 。一 ノ 坪 地 区 は
沿 道 サ ー ビ ス ゾ ー ン と の 連 携 を 、欽
立地特性
対応型
ゾーン
明台北地区は広域幹線道路の連結
部としての立地特性を活かした商
業機能の充実を図ります。
沿道系
沿道
サービス
ゾーン
国 道 1 号 沿 道 、府 道 富 野 荘
市域内外の方が利用する自動車関
八幡線沿道の一部
連サービス施設や沿道サービス施
設の立地を図ります。
下 奈 良 、上 奈 良・上 津 屋 ・ 周 辺 環 境 と 調 和 し た 付 加 価 値 の 高
工業系
産 業・流 通
業務
ゾーン
野 尻・内 里・岩 田 地 区 の 第
い工業施設や第二京阪道路の交通
二京阪道路八幡東インタ
条件を活用した流通関連施設の立
ー チ ェ ン ジ 周 辺 、府 道 富 野
地を図ります。
荘八幡線沿道
リサイクル
産業
ゾーン
市域中部の府道長尾八幡
自動車処理業施設の集積ゾーンで
線
あり、周辺環境との調和を図りま
す。
- 59 -
第2編
ゾーン名
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
具体的な箇所等
土地利用方針
( 仮 称 )八 幡 ジ ャ ン ク シ ョ
広域幹線道路の連結部としての立
ン・イ ン タ ー チ ェ ン ジ 周 辺
地 特 性 を 活 か し 、本 市 の 新 た な 魅 力
を 創 造 す る 研 究 開 発 型 産 業 、商 業 ・
業 務・サ ー ビ ス 業 、観 光・レ ク リ エ
複合都市機能
ゾーン
ー シ ョ ン ・ ア ミ ュ ー ズ メ ン ト 及び住
みやすく魅力ある住宅地等 の 複 合 的
な新都市機能の土地利用を図りま
す。
市役所周辺
市民に対する行政・医療サービス
公共系
と 、市 民 文 化 の 中 心 と な る ゾ ー ン で
シビック
ゾーン
田園集落
ゾーン
あり、親しみのある都市空間の維
持・充実を図ります。
市域中央部から東部にか
美しい田園風景と集落のゾーンで
けての田園地域
あり、優良農地を保全するととも
に 、集 落 で の 生 活 環 境 の 向 上 を 図 り
ます。
自
然
系
水辺の
レクリエー
ション
ゾーン
自然緑地・
山辺の
レクリエー
ション
ゾーン
三川合流周辺から木津川
雄 大 な 水 辺 空 間 を 活 か し 、市 の 内 外
にかけてのエリア
か ら 利 用 者 の 訪 れ る 観 光・レ ク リ エ
ーションゾーンとして機能の充実
を図ります。
男山周辺、円福寺周辺
歴 史 の 面 影 深 い 樹 林 地 で あ り 、そ の
環 境 の 保 全 に 努 め る と と も に 、男 山
周 辺 に お い て は 、レ ク リ エ ー シ ョ ン
の場としての活用を図ります。
大 谷 飛 地 、高 原 飛 地 の 一 部
周 辺 地 域 の 動 向 に あ わ せ て 、土 地 利
用 を 検 討 し ま す 。特 に 、大 谷 飛 地 は 、
周辺地域と調和した良好な住居系
土地利用
検討ゾーン
の土地利用の実現に向け検討を進
めます。
- 60 -
第2編
全体構想
【将来土地利用方針図】
- 61 -
第3章
まちづくりの整備構想
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
2.市街地及び集落の整備方針
(1)基本方針
本市の市街地は、八幡市駅・橋本駅周辺を中心として従来から形成されている市街地、
男山丘陵周辺の計画的に整備された市街地、現在も整備が進められている市域南部の新市
街地及び市域東部を中心とした工業系市街地からなっています。また市域中央から東部の
田園地域には農村集落が点在しています。
今後も、土地利用方針に基づいた良好な環境を有する市街地や集落の整備を推進してい
く必要があり、既に形成されている市街地では機能的で質の高い市街地環境の充実や、将
来都市像を実現するための新たな市街地の形成、集落での計画的な住環境整備を推進しま
す。
また、鉄道駅周辺や(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジ周辺では、市の活
力向上に寄与する拠点形成と多様な都市機能の誘導を図ります。
(2)整備方針
①
住宅市街地の整備 -既成市街地での住環境の保全・充実、新市街地の整備-
【都市型住宅ゾーン】
●低層住宅地では、生活道路等の基盤施設の充実や緑化推進、道路や公園も含んだ公共
施設等での景観演出等による質の高い住環境の充実を図ります。
●特に、住宅密集地では、公園・緑地やポケットパークの整備によるオープンスペース
の確保や生活道路の整備等により、防災性を備えたうるおいある市街地への更新を促
進します。
【近郊都市型住宅ゾーン】
●計画的に整備された低層・中高層住宅地では、地域住民との協働により、地区計画、
建築協定、緑地協定等の規制・誘導手法の導入を検討し、地区ごとの個性を活かしな
がら現在形成されている良好な住環境の保全を図ります。
●男山地区の中高層の集合住宅地は、築 30 年以上経過しており、建替事業等の再整備を
関係機関に要請します。
●現在、欽明台地区の低層から高層により構成されている住宅地では、土地区画整理事
業による住宅地開発と地区計画による住環境誘導が行われています。今後もその周辺
地区において道路、公園・緑地など基盤施設整備と、地区計画、建築協定等による良
好な住環境形成の誘導を前提として、周辺環境や自然と調和した新市街地の整備を促
- 62 -
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
進します。また、新市街地整備の際には具体的な事業計画を策定するとともに、地区
計画等を活用し、計画的な整備促進に努めます。
②
工業その他産業系市街地の整備
-未利用地の活用、良好な環境形成及び保全、工業系市街地の拡大、
(仮称)八幡ジャ
ンクション・インターチェンジ周辺の整備-
●一ノ坪・河原地区、下奈良・小宮地区、上奈良地区については既存の地区計画に即し
て工業系土地利用と良好な環境形成及び保全に努めます。
●今後、第二京阪道路が(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジにて新名神高
速道路と連結され、広域幹線道路網がさらに充実するのにあわせ、産業立地動向を見
極めながら工業系市街地の拡大について検討します。特に、市域東部においては、新
たな産業拠点の形成に向けた土地区画整理事業等による工業団地の創出を図ります。
③
都市拠点の整備
-駅周辺での都市機能の充実、広域幹線道路の連結部としての立地特性を活かした新
たな複合都市拠点の創出-
●八幡市駅周辺では、市域北部の広域交流拠点として、土地の高密度利用の推進に向け、
地域住民や関係機関と調整を図り、市民の暮らしの中心となる商業・業務・サービス
機能、周辺の観光名所への玄関口としての交流機能、それに付帯する交通ターミナル
機能、居住機能等の充実を促進します。また、防災空間の整備促進、民間によるオー
プンスペースを備えた建築物への建替えの促進誘導、狭小道路の解消など、周辺環境
の整備促進を図ります。
●橋本駅周辺では、市域西部の地域生活拠点として、生活と密着した利便性を備えた行
政・商業・サービス施設等からなる商業集積と居住機能の充実、機能的な駅前広場及
びアクセス道路を実現するため、関係機関の協力のもと、駅周辺の一体的な基盤整備
や空閑地の適切な活用の促進について検討します。
●(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジ周辺では、市域南部の広域交流拠点
として、研究開発型産業、商業・業務・サービス業や広域的な集客・交流を促進する
観光・レクリエーション・アミューズメント及び住みやすく魅力ある住宅地等の複合
的な都市機能の誘導を図るため、機能・施設に適した計画的な新市街地の整備につい
て、土地区画整理事業等の事業手法も含めて検討します。また新市街地整備の際には、
周辺の自然と調和した質の高い環境形成に努めます。
- 63 -
第2編
④
沿道系市街地の整備
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
-幹線道路沿道における利便性の高い沿道系市街地の整備-
●国道1号等の幹線道路沿道においては、市域内外の方が利用する自動車関連サービス
施設や沿道サービス施設の立地の誘導及び後背の住宅地の環境を保全するために、区
域区分や地域地区の変更及び地区計画等の指定により、利便性の高い沿道系市街地の
整備を促進します。
●特に、一ノ坪地区は、国道1号の沿道サービスゾーンとの連携を図り、地域生活拠点
として商業機能の充実を促進します。
⑤
集落の整備
-基盤施設の整備-
●市域東部の戸津・内里・上津屋・野尻・岩田地区等に立地する集落では、多様化する
住民ニーズに対応し、都市化の進む周辺地域との共生を図るため、下水道、生活道路
等の基盤施設整備を推進します。
⑥ 市街地全般の整備 -基盤施設の先行整備、市民主体の地区整備-
●新たな市街地や拠点整備がスムーズに進むよう、市の骨格的な交通施設、供給処理施
設について、計画的な整備促進に努めます。
●既成市街地や集落では、市民の意向・発意に基づいた地区整備を進めることが望まし
く、そのための情報提供、相談体制の充実に努めます。
⑦
適正な土地利用の推進
-市街化区域の拡大と地域地区の見直しの検討-
●将来都市像実現のために、農業との調整に留意しながら、今後の土地利用動向を見据
え、市街化区域の拡大を京都府と協議するとともに、土地利用の動向による都市計画
上の課題に対応するために用途地域など地域地区の見直しを検討します。
●大谷飛地は、計画的な土地利用のあり方を検討し、住宅地として計画的な市街地整備
の見通しが明らかになった時点において市街化区域に編入する手続きを進めます。
●人口の減少等が見られる市街化調整区域の集落においては、地域コミュニティを維持
し、集落の活性化を図るために、
「京都府開発審査会付議基準(2007(平成 19)年3月:
京都府改正)
」に基づく区域の指定を検討します。
- 64 -
第2編
全体構想
【市街地及び集落の整備方針図】
- 65 -
第3章
まちづくりの整備構想
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
3.住宅・住環境の整備方針
(1)基本方針
本市では、昭 和 40 年 代 後 半 から、男山を中心とした住宅地開発が進み、大量の住宅が
供給されました。その後も空閑地での住宅地開発が重ねられ、現在においては市域南部を
中心に、土地区画整理事業等による新たな住宅地の整備が進められています。
この中で、築 30 年以上経過したものを中心に、住戸面積が小さい住宅や防災面での安全
性に課題を有する住宅地もみられます。
今後は、将来的な世帯数の増加による住宅需要の動向を踏まえ多様なタイプの住宅供給
を誘導するとともに、既存の住宅ストックを活かしながら、少子高齢化等の社会環境の変
化や防災面に配慮し、ユニバーサルデザインの採用等による住宅・住環境の整備を推進し、
質の高い住宅・住環境の形成を図ります。また、バスなど市内交通の利便性の向上、地域の
商業の活性化等を視野に入れ、一体的な取組を推進します。さらに、少子高齢化の進行や
ライフスタイルの多様化等の社会経済情勢の変化により、
「量的拡充」が共通目標であった
時代から「質的充足」を求める時代に変わる中で 2006(平成 18)年6月に住生活基本法が
制定されました。この法律を受け、2007(平成 19)年3月に京都府において策定された「京
都府住生活基本計画」に基づき、住生活の基盤となる住宅や住環境の安定確保及び豊かな
住生活の実現をめざします。
■八幡市住宅マスタープラン(1997(平成9)年3月:八幡市策定)による住宅施策の基
本方針
●安定した地域社会の発展を支える多様な住宅・住宅地を供給する。
●高齢社会に向けて、安全・快適で長期耐久性のある住宅づくりを啓発・支援する。
●災害に強く、住みよい住環境づくりを市民・行政等が協調し推進する。
●地域資源を生かした美しいまちなみづくりを推進する。
●他施策との協調・連携を強化し、総合的な住宅施策の展開に努める。
■八幡市住宅マスタープラン〈分譲マンション編〉
(2004(平成 16)年3月:八幡市策定)
による施策の基本方針
●(仮称)マンション管理支援協議会の設置及び協働ネットワークの整備への取組
み。
●開発・供給段階における良質な分譲マンションへの誘導。
●維持管理段階における分譲マンションへの支援。
●高経年マンションに対する再生の支援策。
- 66 -
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
(2)整備方針
①
既存の住宅ストックの活用と再生
-公営住宅の適正な配置・管理運営、住宅・設備の改善の促進、独立行政法人都市再
生機構(UR都市機構)との協力関係強化-
●公営住宅の適正な配置・管理運営を推進するとともに、市民と協働し、良好な住環境の
維持を図ります。
●公営住宅のバリアフリー化、通信回線の整備及び火災予防対策の強化など、ライフスタ
イルに応じてだれもが快適で安全に生活できる住宅・設備の改善の促進を図ります。
●男山地域住民が主体となりとりまとめ、提言としていただいた「男山地域活性化基本構
想」
(2005(平成 17)年3月:男山地域活性化基本構想策定委員会策定)を踏まえ、男
山地区に見られる集合住宅では、住戸面積や住宅設備等の居住水準の確保に向けて、独
立行政法人都市再生機構(UR都市機構)との協力関係の強化に努めます。さらに、集
合住宅の建替に向けて、住民との協働による地域地区制度等の活用の検討を促進します。
②
新たな住宅・住宅地の供給
-新たな住宅地整備と多様なタイプの住宅供給、良好な住環境誘導、関連諸制度の情
報提供-
●今後、予想される世帯数の増加による住宅需要に対応し、市域に残された空閑地を活
用した新たな住宅地の整備を誘導し、集合住宅・戸建て住宅など、多様なタイプの住
宅の供給を誘導します。
●新たな住宅地整備の際には、必要な基盤施設整備を前提として、地区計画や緑化・建
築協定による良好な住環境の整備誘導を図ります。
●優良建築物等整備事業など関連諸制度の情報提供を図ります。
③ 安全・安心な住宅地の整備
-住宅地での耐震性・防火性の向上、住宅の高齢者・障がい者等への対応、低層から
高層住宅地に至る住宅地タイプ別の住環境整備-
●「京都府建築物耐震改修促進計画(2007(平成 19)年3月:京都府策定)」に基づき、
耐震性に問題があるとされる 1981(昭和 56)年以前の既存住宅について、京都府と連
携することにより、耐震診断の実施を促進し、その結果を踏まえ、耐震改修の必要性
が高い住宅の改善を集中的に進めるため、優先順位を設定して、耐震改修を促進しま
す。
- 67 -
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
●住宅の密集地区等では、市民との協働のもと、市街地整備と連携した公園・緑地やポ
ケットパーク等のオープンスペースの確保と生活道路の整備を促進し、耐震性・防火
性の向上を図ります。
●新たに供給される住宅を中心として、バリアフリー化・ユニバーサルデザインの採用
など住宅設備の高齢者や障がい者等への対応を促進するため、市民・事業者等に対す
る普及・啓発等について検討します。
●公園や道路等の整備、消防施設、共同ごみ置場の設置など、低層から高層住宅に至る
住宅地タイプに見合った住環境整備を促進します。
- 68 -
第2編
全体構想
【住宅・住環境の整備方針図】
- 69 -
第3章
まちづくりの整備構想
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
4.都市施設の整備方針
4-1.交通体系整備の方針
(1)基本方針
本市の道路交通体系は、国道1号、第二京阪道路や府道網を中心として構成されていま
すが、現在計画されている新名神高速道路の整備によって、市域内の幹線道路の交通環境
に大きな影響を与えることが予測されます。
したがって、機能的な道路交通体系を構築し、周辺環境や景観面に配慮した安全で快適
なみちづくりを推進します。
鉄道駅及びその周辺では、ターミナル機能を強化するとともに、公共交通機関等による
拠点及び市街地の連携を強化し、コンパクトでだれにでも利用しやすい公共交通体系の整
備を推進します。
また、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(以下、「バリアフリー
新法」という。)」に基づきまちのユニバーサルデザイン化を進めます。
(2)将来の幹線道路体系
-広域幹線道路、地域幹線道路、市街地幹線道路によるネットワーク形成-
① 広域幹線道路
-市域と、京都府内各方面、大阪方面、全国各地域とを連絡します。-
●新名神高速道路((都)第二名神自動車道城陽八幡線)
●第二京阪道路((都)京都大阪線・(都)京都枚方線)
●京都第二外環状道路((都)京都第二外環状線)
②
地域幹線道路
-市内各地域と市外周辺地域とを連絡します。-
◆市域骨格道路
●南北連携軸
●東西連携軸
◆その他
●国道1号((都)国道1号線)
●府道京都守口線((都)八幡橋本線)
●府道八幡木津線
●府道長尾八幡線((都)八幡枚方線)
●府道交野久御山線
●府道富野荘八幡線((都)八幡内里線)
●府道内里城陽線
●(都)山手幹線(府道八幡インター線)
●(都)八幡田辺線
●(都)内里高野道線
●(都)橋本南山線
●(都)八幡城陽線
- 70 -
第2編
③
市街地幹線道路
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
-市内の各地区を連絡します。-
●(都)西山下奈良線
●(都)幣原線
●市道男山1号線
●(都)御幸谷線
(3)整備方針
①
道路交通体系の整備
-幹線道路の整備、生活道路の整備、自転車道・歩行者道の整備、駐車場・駐輪場の
整備-
●(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジと八幡市駅、御幸橋、さらには乙訓
地域との連携を強化する南北連携軸の整備を進めます。
●男山住宅地と東部の集落、さらには木津川右岸地域との連携を強化する東西連携軸の
整備を進めます。
●広域幹線道路の整備にあたっては、緩衝緑地帯、遮音壁の設置等の環境対策や景観に
配慮したみちづくりを要請し、特に(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジ
については、周辺の自然と調和した環境形成を要請します。
●地域幹線道路と市街地幹線道路については、狭小箇所の拡幅や都市計画道路網の整備
を促進します。
●市民生活に密着した生活道路については、建物の建替えに合わせて、狭小箇所の解消
や、防災性の向上に資する生活道路空間の確保をめざすとともに、景観に配慮したコ
ミュニティ道路の整備や「歴史街道計画」との連動による快適かつ個性的なみちづく
りを推進します。
●市民の生活上の動線や、観光・レクリエーションの動線となる自転車道・歩行者道に
ついては、「やすらぎと潤いの回廊づくり計画」や「歴史街道計画」と連動したネット
ワーク化による快適かつ個性的なみちづくりを推進します。
●交流人口の拡大に伴って増加が予想される駐車・駐輪需要に対応するため、商業施設、
立地企業等による適切な駐車場・駐輪場の整備を指導するとともに、鉄道駅をはじめと
する都市拠点や観光施設周辺での整備促進に努めます。また、駐車場案内システムや
イベント時の利用への協力など、効率的な施設運用について検討します。
②
道路環境の維持管理
-安全・快適なみちの空間づくり、道路美化の推進-
●道路の新設・改良時には、自転車・歩行者空間の確保や交通安全施設の適切な設置、
緑化と施設のデザイン化、高齢者や障がい者等に配慮した歩道の設置や拡幅、段差の
改善など、「バリアフリー新法」に基づいたユニバーサルデザインに配慮し安全・快適
なみちづくりを推進します。
- 71 -
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
●道路の清掃・美化の推進や里親制度(アダプト制度)の導入も視野に入れ、市民の自
主的な道路美化活動を促進します。
③
公共交通体系の整備
-鉄道・バスのサービス性向上、ターミナル機能の充実-
【鉄道関連】
●京阪本線について、輸送力の増強やダイヤの充実など、サービス性の向上を要請しま
す。
●八幡市駅においては、エレベーター設置等を要請し、
「バリアフリー新法」に基づき公
共交通体系におけるユニバーサルデザイン化を促進します。また、駅南北が一体化とな
る駅自由通路の整備及び防災空間をもちあわせた駅北口広場の整備を促進します。
●橋本駅においては、鉄道駅のターミナル機能の充実のため、橋本駅前広場の整備につ
いて、関係機関との連携のもとに検討します。
●駅周辺には駐車場・駐輪場の適切な整備・運営を図るとともに、大型バス等の駐車場等
の確保についても関係機関との連携のもと検討します。
【バス関連】
●バス交通について、低床バスの増車、運行本数、運行時間の拡充及び利用しやすい運
行システムの導入など、サービス性の向上を要請するとともに、狭小道路を通り公共
施設を結ぶコミュニティバスの運行を行います。また、JR松井山手駅~八幡市駅~
乙訓地域を結ぶ広域的なバス路線についても検討を行います。
【その他】
●コンパクトなまちづくりに対応するため、拠点及び市街地の連携を図る公共交通機関
(コミュニティバスなど)によるルートの整備を検討するとともに、鉄道とバス・タ
クシー・自家用車等との乗り継ぎ及び連携の強化を促進します。
●新たな交通システムの導入について、広域での動向を踏まえ、道路網の整備に併せ近
隣市町と連携しながら環境配慮型の新交通体系について研究します。
④
交通需要マネジメントの推進
-環境にやさしい交通環境の整備-
●自動車の交通量の削減や、混雑地域の交通量の分散等のため、各地域の実情に応じた
交通需要マネジメント(TDM)施策を検討します。
●広域活動やイベント、社会実験等をとおして利用者への啓発を図るモビリティマネジ
メントについて検討します。
●公共交通については、既存の路線バスや道路等を有効に活用するとともに、公共車両
優先システム(PTPS)や運行情報の提供(バス・ロケーションシステム)の導入につ
いて検討します。また、パーク・アンド・ライドの導入についても検討します。
- 72 -
第2編
全体構想
【交通体系整備の方針図】
- 73 -
第3章
まちづくりの整備構想
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
4-2.公園・緑地等の整備方針
(1)基本方針
本市の公園・緑地は、2007(平成 19)年4月1日現在で都市公園としては、住区基幹公
園が 83 箇所、都市基幹公園が3箇所、特殊公園が3箇所、都市緑地が2箇所((都)八幡
緑地は国営公園と重複しています。
)、合計 91 箇所、面積 54.55ha が整備されており、市民
1人当たりの公園面積は 7.4 ㎡となっています。
今後も計画的かつバランス良い公園・緑地の整備・充実と、本市の多様な地域特性を活
かした個性豊かな公園づくりを進めるとともに、既存の緑地環境の保全と活用、水と緑の
ネットワーク化等による市域全域の都市緑化の推進により、自然と歴史文化が調和したま
ちづくりの実現をめざします。
(2)整備方針
①
公園・緑地の整備
-都市公園の整備・充実、特色ある公園整備、公園機能の充実、水と緑のネットワー
ク化-
●都市計画における体系的な公園・緑地の配置計画は、「八幡市みどりの基本計画(1999
(平成 11)年3月:八幡市策定)」に基づき、都市公園の種別ごとの誘致圏域等を考慮
しつつ、公園の整備・充実に努めます。
●淀川河川上流域においては、国営公園としての整備を要望します。
●里山竹林公園、歴史資源を活かした公園など、特色ある公園整備を推進します。
●運動公園・近隣公園の広場等のスポーツ機能の充実を図ります。
●公園・緑地の整備においては、市民参画を推進します。
●男山レクリエーションセンターについては、市民が主体的に活動出来るように市民ニ
ーズに対応した遊戯施設や運動施設を含んだ公園施設の整備を図ります。
●都市防災拠点としての整備・充実や、ユニバーサルデザイン化の推進によって公園機
能の充実を図ります。
●リバーフロントや街路歩道、広域幹線道路の緩衝緑地等を活用し、
「やすらぎと潤いの
回廊づくり」による水と緑のネットワーク化を推進します。
- 74 -
第2編
②
緑の保全と活用
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
-河川空間の活用、樹林地の保全と活用、生産緑地の保全-
●三川合流周辺や流れ橋周辺では、自然と景観の保全やレクリエーションの場としての
活用により、景観形成を図り、広域集客交流拠点として整備を促進します。特に、三
川合流周辺については、
「淀川三川合流域地域づくり構想(2007(平成 19)年 11 月):
淀川三川合流域地域づくり検討会策定」の実現化をめざすとともに、本市を含めた流
域の市町で構成される淀川舟運整備推進協議会で国への要望が行われている舟運の動
向も視野に入れながら検討します。
●本市のシンボルである男山・円福寺周辺等の樹林地については、土地所有者との連携
による「八幡市みどりの条例」に基づいた「保存区域」の拡大・保全を図ります。
また、石清水八幡宮や男山レクリエーションセンターを中心に広域観光・レクリエー
ションゾーンとして利用を図ります。特に、男山レクリエーションセンターについて
は、屋外スポーツや市民の余暇活動拠点となる施設整備を検討します。
●円福寺周辺の樹林地やその他民有地の樹林地、地域のシンボルとなっているような独
立樹木についても、「八幡市みどりの条例」に基づき、保全を図ります。
●生産緑地地区については、市街地内の貴重なオープンスペースとして、また将来的な
公共用地、公園用地等に活用する候補地として保全を図ります。
③
都市緑化の推進
-公共施設の緑化、まちぐるみの民有地緑化、公園里親制度(アダプト制度)の普及、
総合的な緑化推進施策の展開-
●道路、公園、河川、学校、公営住宅など、公共施設での積極的な緑化を推進します。
●民有地についても、美化・緑化運動や花いっぱい運動、美しいまちづくり推進運動な
ど、市民が主体となった緑化への取組を支援し、市民との協働によるまちぐるみの緑
化運動を推進します。
●公園里親制度(アダプト制度)を活用し、市民による自主的な公園の清掃・維持活動
を促進します。
●「八幡市みどりの基本計画」に定められる施策体系に基づいて、市域全体の総合的な
緑化推進施策の展開を図ります。
- 75 -
第2編
全体構想
【公園・緑地等の整備方針図】
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第3章
まちづくりの整備構想
第2編
全体構想
【水と緑のネットワーク体系図】
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第3章
まちづくりの整備構想
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
4-3.供給処理施設の整備方針
4-3-1.上水道の整備方針
(1)基本方針
本市の上水道は、地下水の汲み上げによる自己水と、京都府営水道からの供給水をあわ
せて給水しています。
今後も、耐震性の強化や緊急時における供給手段の確保などライフラインとしての機能
を強化し、広域的に対応する中で水源・水質を確保しながら「安全でおいしい水」の安定
的な供給に努めます。
(2)整備方針
①
水の安定供給
-計画的な施設・設備の整備、災害時の対応、水質監視の強化、広域的な水質管理セ
ンターの活用、水に対する意識の高揚-
●第5次拡張事業の変更事業に沿って、水需要の変化に対応して計画的・効率的な施設・
設備の整備並びに老朽化の更新や耐震性の強化を図ります。
●災害時のライフライン確保の観点から災害に強い浄水・配水体系の構築を推進すると
ともに、広域的なネットワークを確立し、近隣市町との緊急時の相互応援の強化を図
ります。
●自己水源である地下水と京都府と連携した府営水道水の水質監視の強化に努めます。
●広域的な水質管理センターの利用による水質検査の充実を図り、「安全でおいしい水」
の安定的な供給に努めます。
●市民や事業者への啓発・広報活動により、水を大切にする意識の啓発を図ります。
- 78 -
第2編
全体構想
【上水道の整備方針図】
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第3章
まちづくりの整備構想
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
4-3-2.下水道及び河川の整備方針
(1)基本方針
下水道(汚水)は、生活排水や工場排水を浄化処理し、快適な生活環境を確保するとと
もに河川等の公共用水域の水質汚濁防止に欠かすことのできない都市施設であることから、
今後の都市化の進行にも対応しながら、全市域への普及に努めます。また、整備済管渠の
維持管理を充実させます。
一方、河川及び下水道(雨水)については、各河川の改修や排水機場の整備が進められ、
流域全体としての内水対策が図られています。
今後も、円滑な雨水排除による安全な市民生活と都市活動の確保のため、雨水排水施設
の整備を、都市化動向と連動させながら推進します。
(2)整備方針
①
下水道(汚水)の整備
-普及率 100%をめざした整備、下水の高度処理、水洗化の促進、効率的な下水道の
構築、監視・指導の充実、都市化動向への対応、維持・管理の充実-
●木津川流域下水道事業、淀川左岸流域下水道事業及び八幡市公共下水道事業計画に基
づいて、施設整備と処理区域の拡大を進め、下水道普及率 100%をめざします。
●終末処理施設である洛南浄化センター、渚水みらいセンターでは、下水の高度処理な
ど拡充整備を促進します。
●供用開始区域内では、意識の啓発や訪問指導によって水洗化を促進します。
●災害に強い施設の導入や下水道マッピングシステムの導入など、将来にわたって効率
的な下水道の構築を図るとともに計画的な維持・管理に努めます。
●家庭や事業所からの流入水の水質について監視・指導の充実を図ります。
●今後の都市化動向に対しては、下水道計画の見直しも含めて対応を図ります。
●管渠の計画的な調査・改築・補修・耐震化を進めます。
- 80 -
第2編
②
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
河川及び下水道(雨水)の整備
-各河川や排水施設の整備、水辺空間としての活用、水質浄化・水量確保、都市化動
向への対応-
●河川増水時に浸水被害が生じないよう、木津川の河道整備、堤防補強や排水施設の整
備を要請するとともに、市内河川の計画的な改修を促進します。
●河川改修時には、生態系への影響に配慮した工法の採用など、環境保全を促進します。
●市域の骨格となる大谷川、防賀川では、改修時に水景の演出に配慮した工法の採用等
により、水辺景観を保全し、市民の憩いの場となり、親水性のある自転車・歩行者動
線となるよう、「やすらぎと潤いの回廊づくり」計画に基づいた河川公園、河川沿い緑
道等の親水空間づくりを促進します。
●各河川の美化と水質浄化、水量確保に努めます。
●市街地等での都市下水路の充実を推進するとともに、既設の公共下水道雨水幹線も含
めて適切な維持・管理に努めます。
●今後の都市化動向に対しては、適切な雨水排水施設の整備を促進します。
●河川里親制度(アダプト制度)の普及を視野に入れ、市民による自主的な河川の清掃
活動を促進します。
- 81 -
第2編
全体構想
【下水道の整備方針図】
- 82 -
第3章
まちづくりの整備構想
第2編
全体構想
【河川の整備方針図】
- 83 -
第3章
まちづくりの整備構想
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
4-4.その他都市施設の整備方針
(1)基本方針
その他の都市施設としては、市民生活に欠かせないごみ処理施設、学校教育施設や文化
コミュニティ施設、保健・福祉施設等があります。
これら施設については、現存施設の維持・充実と有効利用、新たに必要となってくる施
設の新設を計画的に進め、きめ細かな行政サービスを提供します。
特に、高齢社会の到来や人権意識の高まりに対応し、市民に安心して、また人格の尊重
のもとに暮らせる環境を充実していくための保健・福祉施設の整備・充実を図ります。
(2)整備方針
①
ごみ処理施設
-城南衛生管理組合による施設の維持・管理、リサイクルと適正なごみ処理、
「大阪湾フェニックス計画」との連携-
●折居・クリーン 21 長谷山両清掃工場と、グリーンヒル三郷山埋立処分場については、
城南衛生管理組合による適切な維持・管理を促進します。
●「大阪湾フェニックス計画」と連携した取組を進め、広域的な対応の中で新たな処分
地確保に努めます。
●廃棄物の減量化・再資源化を図る中間処理施設であるエコ・ポート長谷山や奥山リユ
ースセンターについては、城南衛生管理組合による適切な維持・管理を促進するとと
もに、城南衛生管理組合と連携した広域的なリサイクル活動を推進します。
②
学校教育施設
-小中一貫校をめざした義務教育施設の再編整備、耐震補強や改修等による安全・安
心な教育環境の整備-
●新たな市街地形成と児童・生徒数の規模に応じた義務教育施設の再編整備に努め、小
中一貫校をめざします。
●校舎・屋内運動場等の耐震補強と改修工事を行い、安全・安心な教育環境整備に努めます。
●生涯学習の場等への有効活用を進め、地域コミュニティの拠点となる開かれた施設を
めざすとともに、地域環境と調和した学校づくりの推進に努めます。
●教育施設の体育施設やトイレなどユニバーサルデザインを採用した施設の充実を推進
します。
- 84 -
第2編
③
文化・コミュニティ施設
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
-公民館施設・設備の充実、生涯学習推進体制の充実-
●男山公民館、橋本公民館、志水公民館、山柴公民館など、老朽化した既存の文化コミ
ュニティ施設の計画的な大規模改修を進めるとともに、子育て支援や地域コミュニテ
ィ活動のためのスペースの確保・だれでも利用できる施設整備やIT機器の充実を図
ります。
●生涯学習センターや八幡市民図書館を生涯学習の中心として活用します。
●生涯学習にかかわる大学など関係機関との連携強化により、生涯学習推進体制の充実
を図ります。
●市民やNPOの活動の核となるセンターの設立等により、市民協働のまちづくりを推
進します。
④
保健・医療、福祉施設
-高齢者・障がい者福祉関連事業の充実、総合保健福祉センターの整備、医療施設の
充実、高度救急医療施設の誘導、地域福祉拠点施設の整備、児童福祉施設の計画的
な整備-
●八幡市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画(2006(平成 18)年3月:八幡市改訂)
に基づき、地域密着型サービス事業所の設置を促進するとともに、老人憩いの家「八
寿園」を介護予防拠点として整備していきます。
●障がいのある人の社会生活での自立支援の場となる作業所や事業所における日中活動
を促進するとともに、グループホーム、ケアホームなど居宅系サービス事業所の誘導・
充実を図ります。
●健康づくりや健康診査、リハビリテーション等の保健・福祉サービスを行う拠点とな
る、総合保健福祉センターの整備を推進します。
●既存施設の有効利用を含め、地域福祉の拠点となる施設の整備・充実を推進します。
●施設・設備のバリアフリー化及びユニバーサルデザインの採用を進めます。
●身近な医療から高度な医療まで体系的な確立をめざした、関係機関の協力による医療
施設の充実を促進します。
●広域幹線道路の整備にあわせて、広域的な対応の中で高度救急医療施設の誘導に努め
ます。
●保育園・幼稚園の特性を活かした一体化の検討や、子育て支援総合センターの整備な
ど、保育・教育施設の計画的な整備を推進します。
●小学校再編に対応した放課後児童健全育成施設の整備を推進します。
●児童館の大規模改修を推進します。
- 85 -
第2編
⑤
墓地
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
-墓地整備の検討、斎場の利用確保の検討-
●広域的な対応も考慮した墓地の検討を図ります。
●広域的な施設としての斎場の利用確保について検討します。
⑥
総合的な福祉のまちづくりの推進
●多数の者が利用する建築物、道路、公園及び駐車場の整備については、京都府福祉の
まちづくり条例及び八幡市福祉のまちづくり要綱の適切な運用による生活環境の整備
を促進します。
- 86 -
第2編
全体構想
【その他都市施設の整備方針図】
- 87 -
第3章
まちづくりの整備構想
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
5.自然環境保全及び都市環境形成の方針
(1)基本方針
本市は、大都市近郊にあって三川合流周辺から木津川にかけての雄大な河川空間や男山
の「みどり」に代表される自然環境と、石清水八幡宮や松花堂庭園に代表される歴史資源
に恵まれた都市です。
これら自然・歴史環境は、市民共有の財産であると同時に広域的な財産とも言えるもの
です。
そこで、コンパクトなまちづくりに向けて、地域資源や地域特性である豊かな自然・歴
史環境を市民と行政との協働により保全・活用することで拠点形成を図るとともに、地域
風土と調和した市街地環境の充実や、まちの特色を活かした環境形成を図ります。
また、本市では、「八幡市環境基本計画(2001(平成 13)年 10 月:八幡市策定)」におい
て、環境政策の目標となる「望ましい環境像」を以下のように定めています。
『人と自然が共生する環境にやさしいまち』
・ 自然とふれあう
うるおいとやすらぎのあるまち
・ 循環型社会をめざした環境にやさしいまち
・ 環境保全と創造に積極的に取り組むまち
(2)整備方針
①
自然環境の保全と活用
-樹林地環境の保全、水辺環境の保全と活用、田園環境の保全-
●男山や円福寺周辺の樹林地について、「八幡市みどりの条例」に基づき、拡大・保全を
図るとともに、野鳥等の生息環境も含めた保全に努めます。
●木津川・宇治川・桂川・淀川の河川区域については、雄大な水景や、河川水質、水生
生物の生態系等を一体のものとして保全します。
●三川合流周辺は、市民の協働・参画による自然環境を保全したシンボル地域として、
整備を促進します。
●その他の小河川でも水辺の自転車道・歩行者道等への活用を図るとともに、水質汚濁
の防止に努めます。
●市域中央部から東部に広がる農地と集落では、農業環境や集落での生活環境の整備を
促進しながら、ゆとり空間、防災空間としての田園環境の保全に努めます。
- 88 -
第2編
②
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
市街地環境の形成
-公害防止、市街地環境の維持・充実、生活環境の美化、開発時の環境保全-
●公害防止については、事業所との環境保全協定(公害防止協定)の締結推進や事業所
への立ち入り調査、大気汚染や水質の調査など、指導・監視体制の強化に努めます。
●地区ごとの市街地整備や地区計画等による規制誘導、緑化の推進等によって、ゆとり
とうるおいある市街地環境の維持・充実を図ります。
●「八幡市美しいまちづくりに関する条例」を運用し、快適な生活環境を確保し、生活
環境の美化を推進します。
●新たな市街地整備や開発の際には、計画段階で事業者との十分な協議を行い、環境保
全対策の徹底を図ります。
●「京都府地球温暖化対策条例」に基づく「建築物等緑化促進制度」の活用により建築
物等の緑化を促進します。
③
環境資源のネットワーク化
-拠点の形成、「歴史と文化のネットワーク」の形成-
●本市における水辺環境を代表する三川合流周辺と流れ橋周辺及び歴史・風土のシンボ
ルとも言える男山・石清水八幡宮周辺、松花堂庭園周辺では、「八幡市観光基本計画
(2003(平成 15)年5月:八幡市策定)」に基づき、自然・歴史環境を活用した広域観
光・レクリエーションの拠点として整備を促進します。
●市域の歴史・観光施設等を結んだ「歴史と文化のネットワーク」の形成を「歴史街道
計画」と連携しながら推進します。
●学校や市街地におけるビオトープの整備促進とそのネットワークにより、動植物の生
息環境の保全に努めます。
④
総合的な環境の保全対策
●自然環境保全や産業型公害、都市・生活型公害、地球環境問題等への対応の指針とな
る「八幡市環境基本計画」に基づき、総合的な環境の保全対策を進めます。
- 89 -
第2編
全体構想
【自然環境保全及び都市環境形成の方針図】
- 90 -
第3章
まちづくりの整備構想
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
6.景観の形成方針
(1)基本方針
都市における景観は、暮らしをはじめとするさまざまな都市活動の場を演出するととも
に、まちや地域への愛着を育む重要な要素であり、市民意識の中でも世代を問わず、質の
高い景観の保全・育成への期待が強いものとなっています。
そこで「自然・歴史・文化」といった本市独自の豊かな景観資源の保全や地域特性を活
かした都市景観の演出を図り、これら自然等の景観拠点と都市景観の拠点とを水とみどり
の景観軸で結ぶことで、市民や本市を訪れる人にとって、美しさ、楽しさ、個性が感じら
れる景観形成を進めます。
さらに、都市、農山漁村等における良好な景観の形成を促進し、美しく風格のある国土
形成、うるおいのある豊かな生活環境の創造及び個性的で活力ある地域社会の実現を図る
ための景観に関する総合的な法律である景観法が 2004(平成 16)年 12 月に施行されまし
た。この法律では、良好な景観は、国民共有の資産であり、地域の自然、歴史、文化等と
人々の生活、経済活動等との調和や、地域の個性を伸ばすよう多様な景観形成により、観
光その他地域間交流による地域の活性化に大きな役割を果たすものであり、住民、事業者、
行政が適切な役割分担と協働により積極的に取り組むべきであるとされています。この基
本理念にのっとり、本市においても京都府景観条例(2007(平成 19)年3月:京都府制定)
の適切な運用を図ります。
(2)整備方針
①
自然・歴史・風土を演出する拠点景観
-男山、三川合流周辺、流れ橋周辺、松花堂庭園周辺-
●男山の自然・歴史環境と一体となったみどり景観については、市民のシンボルとして、
市街地からの眺望に配慮しながら保全に努めます。
●三川合流周辺では、雄大な水辺環境の保全に努めるとともに、広域観光や市民の憩い
の場としての演出に、その水景の活用を図ります。
●流れ橋周辺では、水景と趣ある木橋が織り成す特徴的な景観の保全に努めるとともに、
広域観光・レクリエーションの資源として活用を図ります。
●松花堂庭園周辺では、隣接するさくら近隣公園と一体的な整備を進め、歴史・文化の
拠点としての景観演出を図ります。
●市域に分布するその他の史跡等についても、景観の保全に努めます。
- 91 -
第2編
②
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
都市を演出する拠点的景観
-八幡市駅周辺、橋本駅周辺、男山中央センター周辺、きんめい近隣公園周辺、市役
所周辺、(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジ周辺-
●八幡市駅周辺では、北部の広域的な交流拠点としてのにぎわいを演出しながら、周辺
の観光施設等が醸し出す雰囲気や情緒と調和した風格ある拠点景観を育成します。
●橋本駅周辺では、西部の地域生活拠点として、交通結節機能の強化及び商業機能の誘
導を図りながら、周辺地域の暮らしの拠点を飾るシンボリックな景観を育成します。
●男山中央センター周辺では、商業地の魅力を増進させながら、生活交流の中心となる
拠点景観を育成します。
●きんめい近隣公園周辺では、近代的な商業機能と周辺の自然環境、住環境とが調和し
た拠点景観を育成します。
●一ノ坪地区では、環境整備や、既存商業地との連携を図り、地域交流の中心となる拠
点景観を育成します。
●将来、南の広域的な交流拠点となる(仮称)八幡ジャンクション・インターチェンジ
では、周辺の自然環境と調和しながら、個性ある景観の創出を図ります。
●市民の生活交流の中心であるとともに、公共公益・文化施設が集積する市役所周辺で
は、生活・文化交流の場としての拠点景観を育成します。
③
水辺のうるおい軸景観
-三川合流周辺から木津川のエリア、大谷川(放生川)、防賀川-
●三川合流周辺から木津川のエリアを広域うるおい軸として、その水辺景観の保全に努
めます。
●市域を縦断して流れる大谷川、防賀川等の骨格的な河川においては、市民うるおい軸
として親水空間の整備や徒歩や自転車で周遊できる回廊の整備を進め、水辺景観を育
成します。
●大谷川の一部である放生川の水量の確保及びその周辺地域の整備を行い、市民や来訪
者がつどう市のシンボルゾーンとします。
④
やすらぎのみどり軸景観
-新名神高速道路、第二京阪道路、京都第二外環状道路、その他主要な幹線道路-
●広域幹線道路である新名神高速道路、第二京阪道路(緑立つ道)及び京都第二外環状
道路では、緩衝緑地帯等の設置による環境対策や周辺の景観を配慮したみどり軸とし
て整備を促進します。
- 92 -
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
●国道1号をはじめとするその他の主要な幹線道路では、市街地におけるみどり軸とし
て優れた沿道景観を育成するとともに、街路植栽等による歩行者の視点に立った景観
の育成に努めます。また、東高野街道については、「歴史街道計画」と連携しながら歴
史的景観の保全・演出を進め、歩いて楽しむ「まちなか観光」を振興します。
⑤
面的な景観形成
-市街地景観の育成、住宅地景観の保全・育成、工業地その他産業地での景観育成、
田園景観の保全-
●市域西部の住宅市街地では、道路等の公共空間における照明・サイン等のストリート
ファニチャーを用いた景観演出や緑化推進等により、うるおいある市街地景観を育成
します。
●良好な住環境が形成されている男山地区の市街地や、面的整備による市街地では、既
存のものに加えて新たな地区計画・建築協定・緑地協定等の規制・誘導手法の活用も
検討し、良好な住宅地の景観の保全と育成を図ります。
●市域中央部から東部の工業その他産業系の市街地では、屋外広告物の助言や指導を行
うなど、周辺と調和した緑豊かな市街地景観の保全・育成を図ります。
●国道1号等の幹線道路沿道については、良好な沿道景観の形成に努めます。
●市域中央部から東部にかけての田園・集落地域については、本市を特徴づける一つの
景観要素としての田園景観の保全に努めます。また、ハイキング・散策等が楽しめる
環境整備を図ります。
⑥
総合的な都市景観形成
-景観づくりのガイドラインの作成、八幡らしさあふれる景観形成、市民との協働に
よる景観づくり、都市イメージのアピール-
●国土交通省の各景観形成ガイドラインや京都府景観条例に連携し、本市の各公共事業
における景観づくりのガイドラインの策定を検討します。
●景観法の主旨にのっとり、公共空間においては、景観演出やデザイン化を進めるとと
もに、屋外広告物行政の運用や、商店街等の民間施設にも協力を求め、市民との協働
による景観づくりを推進します。
●景観形成においては本市の個性を発揮できるデザインアイテム(竹や石清水八幡宮な
ど)や、演出方法等について、広く市民からアイデアを求めながら、八幡らしさのあ
ふれる景観形成に努めます。
●本市の個性と風格ある景観や都市イメージを積極的にアピールします。
- 93 -
第2編
全体構想
【景観の形成方針図】
- 94 -
第3章
まちづくりの整備構想
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
7.都市防災の方針
(1)基本方針
本市では過去において再三の内水被害が生じてきました。
また、阪神・淡路大震災、新潟県中越地震等の近年の災害の状況により、市民のあいだ
でも都市防災への関心が高まっています。
こういった背景を踏まえ、居住、商業、工業その他産業、観光、交流など全ての都市活
動の場に、より安全と安心をもたらす災害に強いまちづくりを、
「八幡市地域防災計画(2007
(平成 19)年2月:八幡市策定)」に基づき、市民と市、さらには国、京都府など広域行政
での協力体制のもと進めます。
■八幡市地域防災計画
-計画の理念-
●災害に強いまちづくり
●総合防災システムの整備
●危機管理体制の整備
●市民相互の自主的な防災対策の支援
●災害への備え、実践に向けた運動の促進
(2)整備方針
①
治山・治水対策
-危険箇所への対応、排水施設の整備-
●急傾斜地等では、定期的な宅地防災パトロールを実施し、必要に応じた調査を行い、
京都府と連携して、改善等の適切な対処を行います。
また、京都府が行う、砂防法、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律及び土
砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律等の運用と連携を図
るとともに、一定規模以上の宅地造成工事については、宅地造成等規制法に基づき、
京都府と連携し、安全な宅地となるよう指導し、その他の造成工事についても「宅地
防災マニュアル」を活用し、宅地災害の防止のための指導を行います。
●河川の危険箇所等では、監視・パトロール体制の強化を図り、木津川堤防の強化の促
進や、大谷川、防賀川等の市域内の河川の改修を進めるとともに、ため池や排水機等
の農業施設等については、整備点検や老朽化等に対する新設、改修工事を指導します。
●降雨又は溢水による道路面の流出防止、法面侵食、崩壊等を防止するため、側溝など
道路の排水施設を整備します。
- 95 -
第2編
②
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
震災対策
-公共施設の震災対策、民間建築物の震災対策、住宅の密集地での震災対策-
●公共建築物や高架構造物等について、新築にあたっては施設の重要性に応じた耐久性、
耐震性の確保を図り、既存建築物については、
「京都府既存建築物総合防災対策推進計
画」に基づき、数値目標を設定し、計画的に耐震診断を実施するとともに防災診断及
び改修の促進に努めます。
●管渠、ポンプ場及び処理施設等の機能を保持するため、施設の構造強化対策と施設の
ネットワーク化、補完施設の整備等を進めるとともに、都市間における相互支援体制
の構築を進めます。
●橋りょうの新設、拡張にあたっては、耐震性を十分に配慮して整備を図るほか、市街
地や主要路線上の老朽橋及び耐荷力の不足している橋りょうについては、補修等の整
備に努めます。
●不特定多数の者が利用する建築物や共同住宅等の民間建築物についても、京都府と連
携し、新築に対する指導及び啓発、既存建築物に対する建築基準法第 12 条の定期報告
制度や建築物の耐震改修の促進に関する法律第7条の規定による指導、助言及び指示
の活用、「京都府既存建築物耐震改修実施計画」に基づく、耐震診断及び改修の必要性
についての普及啓発に努め、防災性能の向上を図ります。
●住宅密集地ではオープンスペースの確保に努め、二次災害等による被害拡大の防止を
図ります。
③
火災対策
-防火地域・準防火地域の指定、住宅の密集地での火災対策-
●建築物の耐火化を誘導するため、防火地域及び準防火地域等の地域地区制度の活用を
図ります。この場合、防火地域は、高密度利用を図る地域、主要な避難路(延焼遮断
帯)の沿道で不燃化を促進する必要のある地域等において検討を進めます。
●住宅密集地では、市街地整備と連動して生活道路の整備や公園などオープンスペース
の確保等により、火災時における延焼拡大の防止を図ります。
④
その他総合的防災対策
-避難路ネットワークの形成、小中学校の防災拠点化、ライフラインの強化、広域防
災の強化、市民による自主防災の支援-
●災害時における円滑な交通を確保するため、避難路や緊急輸送等の機能をもつ道路ネ
ットワークの整備を促進します。
●市立学校その他教育機関について、避難場所としての開設及び運営体制の整備や、施
- 96 -
第2編
全体構想
第3章
まちづくりの整備構想
設及び設備の定期的な安全点検を行い、必要な補強、補修等の予防措置を講ずるなど、
防災体制の整備を図ります。
●市民生活に欠かすことのできない、電気、ガス、水道、通信等のライフライン施設に
ついて、管理する関係機関の定める防災業務計画等との整合を図り、当該施設等の防
災体制の強化を図ります。
●三川合流部等においては、水運を活かした防災拠点の整備を促進します。
●広域行政圏の連携により、緊急時の相互応援体制や防災情報ネットワークの整備を促
進し、広域防災ネットワークの強化に努めます。
●市民や市内の事業所等に対して、自主防災組織の育成並びに市民の防災力及び防災意
識・知識の向上、企業の防災対策を支援するとともに、要配慮者等への対応を推進し
ます。
●ハザードマップの活用により、災害時における避難場所の周知を図ります。
●都市機能の再生や災害に強いまちづくりをめざし、土地区画整理事業等による面的都
市基盤整備を推進し、市民の理解と協力を得て地域の環境改善及び防災性の向上に努
めます。
●「京都府既存建築物総合防災対策推進計画」に基づき、京都府と連携して、屋外広告
等の落下防止、ブロック塀等の転倒対策に関して、所有者、管理者に普及啓発を行う
とともに、必要に応じて改修等の指導を行います。
- 97 -
第2編
全体構想
【都市防災の方針図】
- 98 -
第3章
まちづくりの整備構想
第2編 全体構想 第3章 まちづくりの整備構想
【八幡市防災ハザードマップ】
※この図は A1 サイズを縮小しております。
平成 20 年3月
- 99 -