居宅介護支援事業所 天の星 浅野美穂 ①~MCSのご利用方法~ 患者様のスレッド立ち上げ メンバーの召集 メンバー登録 文章入力 情報の確認 ②~MCSでの情報共有の方法~ 1.情報を書き込む 2.他のメンバーのやり取りを見る 3.時系列で支援経過を確認 4.画像の添付 ③入力画面 ①ここへ入力します 参加メンバーです 新 ③送信 ②画像はこちらへ 添付します 新しい情報が 上に来ます ④OKをクリック すると既読となる 古 ④参加登録者 事務 医師 看護師 看護師 看護師 歯科医師 院長 看護師 パソコン 薬剤師 ケアマネ 理学療法士 ⑤ご利用者様基本情報 【氏名】 【年齢】 【病名】 A様 50代 右乳癌 【性別】女性 【要介護度】4 【家族構成】 【ご利用サービス】 ・居宅療養管理指導 医師・・・週1回 ・居宅療養管理指導 薬剤師・・・適宜 ・歯科訪問診察 歯科医師・・・適宜 ・訪問看護(医療)・・・毎日 ・訪問看護(医療:訪問リハビリ)・・・週1回 ・福祉用具貸与 【支援経過】 通院治療をしておられましたが、ほとんど食事が出来ず寝たきりの状態になられ、 ご家族様より在宅療養希望にて上記サービス依頼あり。 ⑥実施内容報告・確認 新 OK 院長から 指示・注意事項について OK ケアマネから 福祉用具貸与 について OK 看護師から バイタル、食事量、処置内容、痛 み、服薬状況、今後の訪問予定、 医療費について、ご意向等 古 ⑦画像添付 腫瘍の画像 看護師から 腫瘍の画像添付 とても大きい腫瘍 にびっくり 役割分担表 ヘルパーさんが必要な 時間帯がよくわかる! 看護師よりケアマネへ ヘルパーの依頼 ⑧頻回のやり取り ケアマネ 福祉用具の 変更が必要だ ろうか? 18:36 院長 18:32 看護師 17:56 院長 18:28 看護師 理学療法士 次のリハビリ 内容はどうし ようか? 17:53 薬剤師 歯科医師 14:40 院長 14:51 看護師 次の訪問は予 定通りでよい だろういか? ⑨~他のメンバーのやり取りをみること~ ケアマネジャーにとって・・・ ・直接ケアに携わらないが、深くアセスメントできる ・ケアプランの作成:変化に応じた速い対応 ・モニタリング:実施状況が確認できる ・サービス担当者会議の内容が深められる ・個別性・共通認識が図りやすい ・看取りの場の調整 より良い支援へ ⑩MCS使用の利点 多職種連携ができる 看護師 薬剤師 医師 ご利用者 ご家族 歯科 医師 病院 福祉用具 ケアマネ 多職種連携チーム • 情報の共有 • 連携が図りやすい • 他の事業者の支援が分かる • 対応の予測ができる • いつでもどこでも確認・入力 • 写真・画像が送れる ⑪注意点・課題 ・確認忘れに注意 ・MCSだけでやり取りをしない ・お互いに顔の見える関係の構築は重要 ・緊急時は電話連絡を! ・事務量が増えることがある (参)MCS(Medical Care Station) は、医療介護連携のSNSの一つです メディカルケアステーションは、これらの医療現場のニーズに対応すべく、ス マートフォンなどのモバイル対応、だれでも簡単に利用できるタイムライン形式に よる情報共有、セキュリティに配慮した「完全非公開型」SNSなどの技術を駆使し て開発された、病院、クリニック、介護施設、薬局など医療関連施設のための、医 療に特化したソーシャル医療連携プラットフォームです。 インフラレベル・アプリケーションレベル共に、医療・介護ならではのセキュリ ティ対応を行っております。 暗号化に対応した通信はもとより、IPAが推奨する各種セキュリティ対策の実装や アプリ連携におけるVPNの採用、招待・承認フローによるアクセスコントロールの 提供、さらには施設ごとに活用する医療・介護情報の性質と機微性に応じたネット ワーク構成の提供など、強固なセキュリティ体制を構築。厚生労働省や総務省、経 済産業省から提供されている各種ガイドラインに準拠したICT環境を整備いたしまし た。 JRCエンジニアリング https://www.medical-care.net/html/ MCS解説文 ①まず、MCSの利用方法を簡単に紹介いたします。 当院の場合は、まず、院長が患者様のスレッドを立ち上げます。実務は、当院事務 が担当しています。 次は、院長がメンバーを召集します。 メールにて召集連絡が来ますので、メンバーとして登録してください。 その後は文章を入力したり、入力された情報の確認をしていきます。 当居宅事業所では、MCSはipadとスマートフォンとパソコンで確認できるようにし ています。 各事業所のパソコンやスマートフォンでも登録すれば利用可能です。スマートフォン 以外の携帯電話(ガラ携など)ではご利用できません。 ②MCSでの情報共有の方法についてですが、 先ほどのスライドと重複しますが、 1つは、情報を書き込むことです。ご利用者様についての状況など、メンバーに知ら せたい情報を書きこみ報告します。 そして、書き込まれた情報を見ます。登録されているメンバーであれば、他のメン バーが入力した情報を見ることが出来ます。 また、やり取りは、時系列で掲載されていきますので、今までの支援経過や前後の 状況を踏まえた支援の流れを把握します。 また、写真などの画像の添付を行い、言葉では伝わりにくい事項のやり取りも行い ます。 このように情報共有をしていきます。 ③登録メンバー、つまり、一人の利用者様に対し、情報を共有しているメンバー は、このように表示されます。 院長、医師、歯科医師、看護師、薬剤師、理学療法士、ケアマネなどです。文章表 示の際に担当者の名前を入れることができます ④ここで、実際の事例でのやり取りを紹介するに当たり、ご利用者様の基本情報を 説明いたします。 ご利用者様A様 50代女性 病名は右乳癌です。介護度は要介護4です。 家族構成は図のようになっております。 ご利用サービスは、居宅療養管理指導、訪問看護、福祉用具貸与などです。 支援経過ですが、 通院治療をしておられましたが、ほとんど食事が出来ず寝たきりの状態になられ、ご家 族様より在宅療養希望にて上記サービスの依頼がありました。 ⑤A様のやり取りの具体的な内容ですが、 看護師からはバイタルや痛みなどの病状や支援状況、今後の予定についてなどをメン バーに報告しています。 ケアマネからは、福祉用具貸与について報告しました。 院長からは、各サービスの報告を受けて、医療的な注意事項や指示がありました。 他のメンバーのやり取りを見たら、okをクリックして既読とします。 このようなやり取りなどを行っています。 ⑥画像添付を紹介をします。 この事例では、2つの画像を使用しました。 一つは、右乳癌の腫瘍の画像です。 ケアマネが訪問の際に実際の腫瘍を見る機会はあまりありません。 このパワーポイントでは小さくて分かりにくいですが、実際の腫瘍は手のひら大でとても 大きく、画像を見てびっくりしました。これほどまでの腫瘍を抱えながら、闘病されている のかと思うと、想像を超えるものがあり、患者様に深く配慮したいと思わざるを得ません。 おそらくメンバー全員が感じていたと思います。 二つ目は役割分担表です。これは、ご家族様の付き添いのシフト表です。看護師からヘ ルパーの依頼の際に、一緒に役割分担表の添付がありました。ヘルパーを必要とする 時間がよく分かり、ヘルパー依頼の準備が早くできます ⑦こちらは、A様のある日のやり取りです。容態が不安定であったり、医療 ⑨こちらは、MCSの利点をいくつかまとめました。一番は、他職種連携ができることかと 依存度が高くなると、やり取りが多くなります。 病状の変化に応じて、院長からの指示や、看護師からの報告・確認など、一日 に何度もやり取りをすることもでてきます。そのやり取りをリアルタイムで確認 できます。 癌末期では病状の変化が多く、早い対応が望まれました。そして、他のサービ スにおいても同様に、病状の変化に合わせて、対応を変更する必要がありま す。コメントを載せていない他のメンバーも状況に合わせて予測したり準備を するため、やり取りを見ることは重要かと思います。 思います。 この地域においても各事業所がつながることで、在宅療養を支援する多職種が連携したケア チームとなっていきます。 その他利点としては、 ・MCSでメンバー同士で情報の共有ができ、 ・連携が図りやすくなります。 ・各メンバーが具体的にいつどのような状況でどのような支援をしているのかが、よくわかり ます。そして、メンバーは専門性を持って支援していますが、部分的な支援の枠を超えて多く の情報が集まり、利用者様の全体像がよく見え、より良い支援につなげられます。 ・また、対応の予測ができ、状況に合わせ、早い段階で下準備がしっかりできます。 ・そして、ipadやすまほであれば、いつでもどこでも確認や書き込みができます。お互い忙しく 連絡が取りづらい時も、時間の空いた時に活用できます。 ・また、画像の添付により、一目でわかる状況が伝えられる、 といった利点があります。 ⑧他のメンバーのやり取りを見ることは、どんな意味があるのでしょうか? ここでは、特にケアマネジャーにとっては、どんな意味があるのか、を考えてみ ました。 ・ケアマネジャーは直接ケアに携わることが少なく、実際に書き込むことが少な いかもしれません。頻回に訪問している看護師などのメンバーから詳しい情報 が得られることで、アセスメントも深くなります。 ・このA様の事例は、末期がんのため病状の変化が多く、早急な対応が必要と されました。その都度ケアプランの変更が必要となりますが、常に情報を確認 することで、変化に応じて早く対応することができます。 モニタリングにおいても多くの情報が集まり、適切な評価やケアプランの見直し ができます。 ・サービス担当者会議においては、一歩踏み込んだ内容で、話し合いができま す。 ・細かい内容を報告されているため、個別性が深まる内容が検討でき、共通認 識も図りやすくなります。 ・また、終末期であるための、より良い看取りの場を支援することができます。 このように、ケアマネジャーにとって、書き込みだけが重要なのではありません。 他のメンバーのやり取りを見ることで、ケアマネジメントが向上し、ご利用者様 へ、より良い支援が反映できるかと思います。 ⑩ただし、MCS利用時の注意点もあります。 確認忘れには注意してください。 MCSだけでやり取りをしないでください。文面だけで判断すると、状況を取り間違える恐れが あります。表現によっては同じ意味合いでとらえられない可能性があるので、詳細は打ち合 わせが必要かと思います。 そのため、お互いに顔と顔を合わせて話ができる関係性は必要です。実際には電話や面会、 カンファレンスにて適宜情報の共有は必要です。 緊急連絡、たとえば生死にかかわるような緊急事態は、MCSでの既読を待たず、早急に電 話連絡を行ってください。 スレッドへの記載という事務量が増えることがありますが、逆にファックスや電話のやり取り が不要となることもありますので、上手に活用できればよいかと思います。 ⑪専門的な職種を超えた支援や考え方を伝え合えることで、チーム力が高まり、利用者 様への関わりが深められると感じます。 医療と介護の多職種連携を図るための一つのツールとして、MCSを活用していただくと良い かと思います。 (尚、MCSはHPより無料でダウンロードできます。MCSを使用してスレッドを立ち上げた時(多くは医 療機関)に、情報量が1Gを超えると使用量がかかりますが、招聘されたメンバーには一切の費用負 担はありません。)
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