症例 60歳代、男性 2ヶ月前より左上歯肉に口内炎様の症 状を自覚していたが、難治性で頬粘膜 にも症状が認められるようになったた め来院した。 初診時、左側頬粘膜から上顎歯肉・口 蓋にかけてびらんが認められた。 ◦ 周囲に易剥離性の白色病変 ◦ 易出血性 臨床診断 扁平苔癬疑い ◦ 鑑別診断 尋常性天疱瘡 粘膜類天疱瘡 悪性腫瘍 →細胞診、血液検査 細胞所見 ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ 深層型細胞が集塊状あるいは散在性 平面的に配列し細胞間結合減弱 比較的N/C比が高い 小型で明瞭な核小体 クロマチンは淡く均等分布 多核化や濃染核もみられる →Tzanck細胞(棘融解細胞) 尋常性天疱瘡疑い ◦ 検査データ 抗デスモグレイン3抗体:416 病理組織所見 ◦ 上皮内水疱(基底細胞の上) ◦ 棘融解細胞(孤立性・集塊状) 円形膨化、核の濃染するものもある ◦ 基底細胞の墓石状配列 →診断:尋常性天疱瘡 臨床経過 ◦ 全身に湿疹様の病変が出現 ◦ 以後、全身の発疹悪化し、潰瘍形成を伴 うようになった。 ◦ 発現部位 背中、脇腹、鼠径部、頭皮、顔面 20㎜大の水疱多数 ◦ 皮膚科入院 1ヶ月半プレドニン投与 症状安定、疼痛消失
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