「なんとなく」ではなく…… データに基づく科学的なアプローチを ―地域の特色を活かした取組から学ぶ― シンポジウム 「保険者が行う効果的な健康づくりの 推進に向けて」 ~データヘルス計画策定のポイントとは~ 計画策定」 国立大学法人東京大学 政策ビジョン研究センター 特任助教 ヘルスケア・コミッティー株式会社 医学博士 古井祐司 氏 東久留米市 福祉保健部 健康課長 原田祐子 氏 年連続の健診未受診者 他には、健康課題を明確にした上で業 者 委 託 し、 計 画 策 定 を 進 め た 東 久 留 米 事業に繋げる視点がうまい」と評価した。 法。古井氏は、「機転の利いた構造分析で、 的に行動変容を促す「選択と集中」の手 分析でターゲットを絞り、優先的・直接 送していることなどを紹介した。データ を抽出し、該当者に在宅検査キットを郵 た取組を発表、 システムを活用した現状分析に力を入れ 稲 城 市 は、 国 保 デ ー タ ベ ー ス(KDB) シンポジウムでは、 名の事例発表の 後、助言者を交えた意見交換が行われた。 「選択と集中」で効果アップ(稲城市) パネリスト 市、医師会や地域の商店街などと連携し 助言者 稲城市 市民部 保険年金課 国民健康保険係長 膳崇訓 氏 静岡県 藤枝市 企画調整課 健康福祉部 健康推進課 保健事業推進専門官 地域保健推進担当課長 健康支援係長 片山美津子 氏 て、大いに参考となったことであろう。 タヘルス計画の策定に悩む保険者にとっ 域の特色を活かした内容は、現在、デー する静岡県藤枝市の発表が行われた。地 東京都多摩小平保健所 国民健康保険課 本会主催の標記シンポジウムには、保険者の国民健康保険 担当者、保健事業担当者ら110名が参加した。 可能にするデータヘルス コーディネーター て「健康マイレージ」などの事業を展開 厚生労働省 保険局 古井氏の基調講演の後、データヘルス計画策定に取り組む 保険者の担当者 名が事例発表を行い、助言者や会場の参加 「効果的な保健事業を シンポジウム 者とともに効果的な計画作りのヒントを探る機会となった。 「効果的 古 井 氏 は、 基 調 講 演 の 中 で、 な保健事業」を可能にするためには「健 康 課 題 の 把 握 」 が 必 要 で あ る と 述 べ た。 その上で、「ただ何となく」ではなく、デー タに基づく科学的なアプローチが必要で 代表取締役会長 あ る こ と を 強 調、 「先ずは基礎をしっか り作りましょう」と呼びかけた。 基調講演 古井祐司 氏 3 日高津多子 氏 平瀬瑞枝 氏 3 3 「まずは基礎をしっかりと」(古井氏) 5月13日 全国町村会館 30 東京の国保 2015.7 気持ち新たに! 制度の概要から収納対策まで ―初任者を対象にした講習会を開催― 国民健康保険事務初任者講習会 5月14・15日 国立オリンピック記念青少年総合センター 課長代理 (調整係長)楠美帆 氏 国民健康保険の財政と 統計について 被保険者の 資格関係について 東京都福祉保健局保健政策部 国民健康保険課 財政統計係 東京都福祉保健局保健政策部 国民健康保険課 区市町村指導係 主事 鈴木仁 氏 主事 齋藤さよ 氏 被保険者の給付関係について 課長補佐(国民健康保険組合指導係長) 特別区:166名(111名) 市町村:85名(62名) 国民健康保険組合:11名( 1 名) 第 2 日目(15日) 保険料(税) の 賦課について 東京都福祉保健局保健政策部 国民健康保険課 区市町村指導係 主事 小川耕平 氏 東京都福祉保健局保健政策部 国民健康保険課 国保料 (税) 徴収指導員 三木良男 氏 滞納整理②について 品川区 健康推進部 国保医療年金課長 青梅市 総務部 収納課 滞納整理第一係長 髙森哲夫 氏 中村浩二 氏 2 日間で身 滞納整理①について レセプト点検の 基礎的事項について 第三者行為の 基礎的事項について 療養費の 基礎的事項について 本会 審査第一部 本会 企画事業部 本会 審査第一部 審査事務共助指導課長 管理課 求償係長 療養費課 課長補佐 石井みどり 31 保険料(税)の徴収について 1 カ月半のニューフェースだ。この 川田勝也 氏 ※カッコ内は担当期間 3 カ月未満(アンケートより・ 再掲) 経験 東京都福祉保健局保健政策部 国民健康保険課 参加者の内訳(保険者職員) 東京の国保 2015.7 大野政久 小野瀬佳代 2 国保実務経験 年未満の職員を対象にした標記講習会を開催し、約260名が受講した。講習会は 日間にわたり、東京都福祉保健局や本会の職員が講師を務めた。 区市町村係長 定塚照夫 日目には、昨年度の東京都福祉保健局主催の国民健康保険収納率向上に係る褒章制度の受賞者で ある品川区と青梅市の事例発表が行われた。 東京都福祉保健局保健政策部 国民健康保険課 につけた幅広い知識を活かし、日々の業務のステッ 本会 企画事業部 事業課 国保業務に不可欠な専門用語や関係法令などの基 礎を学ぶことを目的とした講習会。参加者の多くは、 国民健康保険制度の 概要について プアップに繋げてもらいたい。 国保連合会の 概要について 人事異動で新たに国保業務を担当することとなった 第 1 日目(14日) 2 1 差押を目的とするのではなく…… 滞納者の状況を把握した上で収納計画を ―初任者を対象にした研修会を実施― 平成27年度国民健康保険料(税) 収納率向上対策研修会(初任者向け) 5月28日 本会会議室 保険者が取り組む国民健康保険料(税)収納率向上対策の支援の一環として実 施した標記研修会には、保険者の収納部門等の初任者職員 名が参加した。講 師は、徴収の現場での経験豊富な佐藤氏が務めた。 国民健康保険課や財団法人東京税務協会 講師は、東京都入庁以来都税事務所に て徴収の現場を経験し、退職後に東京都 納者に対しては、法律論だけではなく国 理を進める上で有効である。さらに、滞 理解した上で説得にあたるのが、滞納整 講 義 の 中 で は、「 滞 納 整 理 は 難 し い 面 が多々あるが、積極的に進めることが大 等 で 徴 収 指 導 員 を 務 め た 佐 藤 氏。「 滞 納 保 制 度 に つ い て も 説 明 し、 保 険 料( 税 ) 制度を理解した上で説得を 整理の基礎」 、 「差押事例の講義」と題し、 の納付を促すことが必要である」と述べ 佐藤 喬輔 氏 い」と強調した。 整理方針の下で対応しなければならな 況を把握し、収納率向上計画に基づいた 納付能力や財産の有無など、滞納者の状 ない。あくまでも納付交渉を進めた結果、 納整理は、差押することが滞納整理では 徴収職員の判断に委ねられているが、滞 権限が与えられ、行使にあたっては専ら 最 後 に、「 徴 収 職 員 に は、 国 民 健 康 保 険料(税)を確保するために強力な職務 丁寧な解説が行われた。 まれた他、根拠となる法令等についても 方など、実践で役立つ内容が多数盛り込 今回は初任者が対象であったことから、 差押調書や金融機関の預金調査書の書き 差押することが滞納整理ではない 事であり、また、国保の流れ(制度)を 国保制度や国保法、保険料(税)の滞納 徴収専門指導員 9 月 1 日~ 12月31日 6 国民健康保険料(税)収納率向上対策窓口相談事業 た。 財務部収納対策課 5 月(本研修) 1 国民健康保険料(税)収納率向上対策研修会(初任者向け) 38 を整理するための事務手続き(財産調査、 埼玉県三郷市 差押、取立て等)について、経験談を交 えながら講義を行った。 講 師 平成27年度収納率向上対策研修計画 2 国民健康保険料(税)収納率向上対策研修会(管理監督者含む) 9 月 3 国民健康保険料(税)収納率向上対策研修会(講義形式) 12月 4 多重債務者相談事業研修会 12月( 3 と同日開催予定) 5 国民健康保険料(税)収納率向上アドバイザー派遣 通年 32 東京の国保 2015.7
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