首題 TPE製住宅用グレイジングガスケットの経年

日本建築学会大会学術勝演 擬築
(近畿)2014¥9月
1654
TPE製住宅用グレイジングガスケットの経年変化調査
正 会 員 ○ 大 橋 賢 司
グレイジングガスケット屋外暴露経年変化
エ ラ ス ト マ ー T P E
1.はじめに
9年暴露品では白色製品の屋外暴露部表面にてブリード
軟質塩化ビニル(PVC)の代替として、住宅用サッシに用
いるグレイジングガスケットにサーモ・プラスチック.
エラストマー(TPE)が使用されてから十数年が経過した。
によるに若干のべたつきが確認され、それに伴い汚れの
TPEはゴム代替としてではなく、より安価なPVCの代替
られなかった。
付着が目立った。ただし、表面のみの現象であり、劣化
一
一
一
を目的とした配合である。なおTPEは、基本物性や施工
後の収縮がPVC材料より優れている。
一
建築ガスケットエ業会(BGA)ではTPS-70として促進劣化
一
一
報告の10年暴露ガスケットに発生した諸々の異常は認め
一
ト ー 弓 一
試験による寿命推定を行った。文献 )その結果をみると、
Tb,Ebの変化率による推定では50年以上の寿命を有し、
ヨ
ー
ヨ
ー
一 壬
今-項、園悪夢弓舞曲、郵望葺
PVC材料と比較して優れた結果となった。しかし、極め
一
三
一
-
て少数の事例であるがTPS-70同等のTPE製ガスケットの
生産開始より 0年程度の製品に異常な劣化が発生し、顧
一
一
一
一
Q
ー
写真110年暴露にて劣化報告を受けたガスケット
客クレームとして報告され始めた。これは熱劣化による
寿命予測結果より大幅に速い。上記の異常な劣化原因を
究明するため別の場所で施工後9年間暴露されたガスケ
ットを回収し、劣化状態の比較を行った。
­
一
一
ロ
2.ガスケットについて
(1)劣化報告を受けた10年暴露ガスケット
佐賀県佐賀市にて2000年6月に施工の色調がグレーの
写真2回収した9年暴露ガスケット(白)
ガスケットで、2010年9月に劣化が報告された。劣化の
激しい箇所は家屋の南側、日当たりの良いサッシのガラ
ス下辺部である。
I
(2)検証用として回収した9年暴露ガスケット
大阪府羽曳野市にて2004年6月に施工し、2013年11
月に回収された。使用環境は南側日当たり良好で、劣化
の報告を受けたガスケットと同じ材料を使用している。
■
色調は白及び黒の二種類である。10年暴露ガスケットの
写真3回収した9年暴露ガスケット(黒)
発生箇所と同じ、サッシ下辺部のガスケットにて劣化の
状態を確認した。
3.調査結果
(2)顕微鏡による暴露部断面の確認
10年暴露製品の劣化原因究明のため、9年暴露ガスケ
(1)外観確認
10年暴露ガスケットの劣化状況を写真1に、9年暴露
ットについて10倍拡大投影機にて暴露前の製品と形状比
ガスケットの状況を写真2,3に示す。写真のガスケット下
側が屋外側である。劣化報告を受けたガスケットでは、
製品の一部が粘土状になり崩れ落ち、物性測定は不可能
であった。また、激しいブリードが確認された。下辺以
外の部分では劣化が少なく、ガラスの保持は十分になさ
れていた。
較を行ったが寸法は同等で、嵌合による歪みが発生して
いる以外は変化が確認されなかった。それ故更に屋外暴
露部を200倍顕微鏡にて確認した。写真4に白色製品の
表面状態の顕微鏡写真を示す。
白色製品は表層に亀裂が見られたが、測定では深さ30
um程度であり、表層のみの劣化であった。黒色では同
様の表面荒れは確認できなかった。
SmdyofAgingDeteriorationofTPEGIazingGasketfbr
ResidentialUse
-1307-
OOHASmKedi