ナブテスコ株式会社 理事 航空宇宙カンパニー 営業部長 寸 言 高木 憲優 グローバル・トップを目指して まずもって11月11日のMRJ初飛行のご成功 に際しまして、三菱重工殿/三菱航空機殿、 また関係の皆様方に心よりお祝いを申し上げ ます。弊社は、MRJの重要システムの一つ「飛 行制御アクチュエーションシステム(FCAシ ステム:Flight Control Actuation System) 」を 担当しておりますが、この国家的プロジェク トの一翼を担えたことを誇りに思いますとと もに、感動的イベントのメインキャストの一 員として浴することができましたことに、歴 史的意義を感じます。 弊社は航空機ビジネスを約60年間に亘り展 開しており、主力製品のFCAシステムを始め、 油圧機器、電源関連製品、エンジン・燃料関 連機器等の幅広い製品を防民プログラムに提 供しております。民航ビジネスのスタートは、 米国民航市場への進出方針を下した1972年に 遡りますが、諸先輩による決意と合言葉「世 界一のお客様に、自分達の一番の得意製品を、 自分達の力で」のもと、1975年にはビジネス 機最大手セスナ殿、1976年には世界最大メー カーであるボーイング殿の市場に参入を果た しました。そして2013年には、ボーイング殿 より737MAX用FBW(Fly-By-Wire)Spoilerア クチュエーターを受注し、“Supplier Of The Year(Alliance)”も 受 賞、本 年 3 月 に は、 777X用FCAシステムを受注するに至り、今後 は787型機を除くボーイング機の全FBWアク チュエーターを納入いたします。 これまでの経験で培った納期/品質パフォー マンス、お客様のご要望に対する対応力と実 践力、これらを統括するプロアクティブなマ ネージメント等のノウ・ハウを将来の新規機 体プログラムに生かし、まさに「安全・安心・ 快適」に皆様を目的地へお送りするFCAシス テムのトップサプライヤーとして鋭意歩んで いく所存です。 民航ビジネスのグローバル・サプライヤー としての必須要件の一つは、カスタマーサ ポート能力です。弊社は、岐阜、シアトル、 デュッセルドルフ、シンガポールの4拠点に よるダイレクトサポートと、JCAB(日本)、 FAA(米国)、EASA(欧州)、CAAC(中国) を始めとした各国の航空局殿から認定を受け た修理工場(岐阜、シアトル)によるグロー バル・ネットワークを構築し、カスタマーサ ポートを提供しております。これに基づく MROビジネスは、弊社航空機ビジネスの経営 基盤を構成しますが、エアライン毎に多様化 するニーズに対応した、より質の高いカスタ マーサポートを提供していくことが重要と考 えております。 また、最近は我が国の航空装備品メーカー 強化の重要性がクローズアップされています が、FCAシステムのトップサプライヤーとし ての地位を盤石なものにするには、特に競争 優位性を強化することが重要と考えておりま す。新規技術開発はじめ日本が得意とする「も 、「環境対応」、「すり合わせ」を生 のづくり」 かすことはもとより、資本力の大きい海外 メーカーに伍していく為に、国内装備品各社 殿とより一層の連携を図ることも一考と存じ ます。 今後、弊社の目標である“Win-Win-Win-Win” の関係を防衛省殿/エアライン殿、機体メー カー殿、弊社、そしてサプライヤー殿/協力会 社殿の4者で構築し、我が国の航空産業の発 展に微力ながらも貢献できるよう精進してま いります。皆様方の更なるご指導・ご協力を 賜りたく、宜しくお願い申し上げます。
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