JFEスチール

準
グランプリ
JFEスチール
ビジネスの変化に即応するため
徹底したDOAで全面再構築
2002年5月、
「経営統 合
契約書締結」の記者会見
に臨む半明正之 NKK 社
長(左)と數土文夫 川崎
製鉄 社長
(肩書きは当時)
応募案件のプロフィール
●システム名…………… J
-Smile
(JFE Strategic Modernization &
Innovation Leading System)
●稼働時期… ………… 2
006年4月
●主要協力ベンダー…… J
FEシステムズ、エクサ
効果について
概要について
背景・目的
NK Kと川崎製 鉄が経営統合してJF E ス
経営管理、購買、販 売、生 産、物流など
鉄鋼業界は世界規模での統合や再編が進
チールが誕生したのは 2003 年 4 月。当初、
の基幹業務を支援する。約 2000 万ステッ
み、競争が激化している。高付加価値商品の
暫定的に2 系列で運用していたシステムを全
プという規模において、約 8 割以上をJava
開発・提供などを加速させる一方で、財務状
領域で新システムに統一した。業務 効率が
で開発した。
況を把握しながら即断即決の意思決定が不
格段に向上し、例えば営業部門の粗鋼当たり
ビジネスの変化に即応できるシステムを標
可欠となる。次々と変化するビジネス環境に、
の生産性が1.5 倍に向上するなど、同社の継
榜し、DOA(データ中心アプローチ)を徹底。
情報システムが即応できる体制を整えること
続的な業務改革を支える経営基盤となって
先行して「概 念データモデル」
「論理 ER 図」
が勝ち残りの条件に上がった。
いる。
を作ることで、データベースの設計作業では、
こうした状況下、旧 2 社のシステムはいず
また管理指標データの一元化によって、経
7000 を超えるテーブルを完全に正規化し
れも構築から20 年以上が経過しており、ど
営判断の迅速化を実現。ROS(売上高経常
ている。
ちらかに片寄せして再構築するのでは効果は
利益率)が 3.5%から15.5%(2006 年度)
実装段階では、業務ロジックとデータベー
薄いと判断。システムの柔軟性を最優先して、
に改善したことでも一翼を担う。
スアクセスを完全に分離してプログラムの保
ゼロから新規開発することを決断した。JF E
スチールの業務フローはどうあるべきかを徹
一方、年間100 億円のコスト削減効果も
守性と可視性を追及。さらに複数の業務処
見込む。原料の一括調達による購買コストの
理で汎用的に使える機能を「共通部品」
として
底的に議論するため、旧 2 社の現業部門と
削減が 20 億円、販売・生産・物流の業務効
用意。 業務ロジックの記述順序については、
システム部門の担当者からなるプロジェクト・
率化で 60 億円、システム維持費で 20 億円
あらかじめ 30 通りの「処理パターン」を定め
チームを組織業務で使う言葉や、その意味を
という内訳だ。
るなどの工夫で開発の生産性向上に努めた。
再定義して旧 2 社間の誤解も解消した。
●“
フットワークの軽い”重厚長大産業を目指す
●柔軟性の高い情報システムを実現するため、
ゼロからの開発に
踏み切った
基幹業務システム
(販売、
生産、
物流、
購買など)
を全面再構築
ビジネスの変化に即応できる情報システムを目指す
世界的な規模での統合・再編が
活発化し、競争が激化
①データモデリングの徹底
∼業務プロセスの変化に強いデータの持ち方を追求
ビジネスの環境変化に即応することが生き残りのカギ
商品の高付加 営業・研究開発・ グループ経営
価値化
製造の結束強化
の効率化
環境負荷の
軽減対策徹底
特徴
旧 NKKと旧川崎製鉄が経営統合 → JFE スチール
(2003年4月)
②Java による実装
∼ハードウエアを変更しても動作可能なアプリケーションを追及
③アプリケーションの部品化
∼開発生産性の向上を追求
…
④業務ロジックと DB アクセスの分離
∼プログラムの保守性と可視性を追求