「はじめてのPostgres Plus(製品概要・構築編)」を見る

はじめての Postgres Plus
製品概要・構築編
はじめに
本資料の概要および目的
本書は、はじめて「Postgres Plus」を評価されるお客様に対して、Postgres Plus の概要ならびに
Postgres Plus のインストール、基本操作をご体験いただくために必要な情報や手順について解説した資
料となります。
本資料で記載されている実行環境について
•
導入 OS は「Red Hat Enterprise Linux 6.5 64bit」です。
•
実行環境は仮想環境を使用していますが、正しく OS がインストールされた環境を前提とし、
物理/仮想環境や使用する仮想化テクノロジに関する差異には言及していません。
•
Postgres Plus のバージョンは「9.4」です。
前提条件
•
製品のダウンロード際し、EnterpriseDB 社のアカウント登録が必要となります。
•
製品のインストールに際し、Postgres Plus のプロダクトキーが必要となります。
•
試使用版では、主要なサーバモジュールに加え、追加インストールが必要な周辺機能を含む
全ての機能を使用可能です。
•
試使用期間は 60 日間です。
資料内の記述について
Linux root ユーザの操作は「#」、一般ユーザの操作は「$」で記述します。
(記載例)
# su – enterprisedb
$ id
uid=1001(enterprisedb) gid=1000(enterprisedb) 所属グループ=1000(enterprisedb)
管理コンソールの操作は資料中にて解説します。
(記載例)
/* EDB*Plus による接続 */
$ edbplus enterprisedb/enterprisedb
Connected to EnterpriseDB 9.4.1.3 (localhost:5444/edb) AS enterprisedb
EDB*Plus: Release 9.4 (Build 33.0.0)
Copyright (c) 2008-2015, EnterpriseDB Corporation.
SQL>
All rights reserved.
CONTENTS
1.製品概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
2.サーバ構成の検討・事前設定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
3.Postgres Plus Advanced Server の構築 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
はじめての Postgres Plus 製品概要・構築 編
1. 製品概要
Postgres Plus は、EnterpriseDB 社により開発されたオープンソース RDBMS である PostgreSQL をエンジンとした企
業利用向けのデータベース製品(RDBMS)です。
PostgreSQL の標準機能に加えて、多彩な GUI ツールを備えており、Oracle Database との高い互換性を提供してい
ます。
本項では Postgres Plus の製品体系および製品モジュールの入手について解説します。
(1) 製品構成
Postgres Plus には「Enterprise Edition(以下、PPEE)」および「Standard Edition(以下、PPSE)」の 2 種類
のエディションが存在します。
エディションにより使用可能な機能、製品モジュールが異なります。
エディション
Enterprise Edition
Standard Edition
DB サーバ
Postgres Plus Advanced Server
PostgreSQL
特徴
エンタープライズシステムで求められる オープンソース版の PostgreSQL に、便利
堅牢性、セキュリティ、性能、運用管理、他 な運用管理ツールを追加したエントリモ
RDBMS 互換などの先進的な機能拡張を取り デル
入れたオールインワンパッケージ
追 加 イ ン ス ト ー ル xDB Replication (Single Master)
可能な製品
xDB Replication (Multi Master)
Postgres Enterprise Manager
※各機能の詳細は後述 Backup And Recovery Tool
EDB Failover Manager
xDB Replication (Single Master)
Postgres Enterprise Manager
Backup And Recovery Tool
本資料では PPEE およびその主要機能となる DB サーバ「Postgres Plus Advanced Server」について主に解説し
ています。
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はじめての Postgres Plus 製品概要・構築 編
(2) Postgres Plus Advanced Server について
Postgres Plus Advanced Server (以下、PPAS)は、PPEE に含まれる DB エンジンです。
堅牢性、拡張性、コミュニティの活発度などが高く評価され、世界中で利用されているオープンソース RDBMS で
ある PostgreSQL に、企業で求められるエンタープライズ機能を取りこんだ製品です。
以下に紹介する機能は、データベース本体の独自拡張として追加されている機能で、SQL 構文や操作用の
専用パッケージが提供されているもの、設定ファイル (postgresql.conf) で動作を指定するものです。
カテゴリ
名称
Performance Partitioning
機能概要
PostgreSQL と比較して管理性、性能に優れた独自拡張のパーティ
ショニング機能
Optimizer Hints
オプティマイザヒント
Resource Manager
CPU 使用率やバッファへの秒間書き込み量を柔軟に制御
Development --
階層問い合わせ、組み込みパッケージ・ファンクション、ストアドプ
ログラム内でのトランザクション制御など
Oracle Compatibility Oracle 互換構文、PL/SQL デバッガ、Oracle 互換ツール
DBA
Security
DRITA
稼働統計収集機能、待機イベントのサポート
DynaTune
用途に応じたリソース自動設定機能(postgresql.conf の拡張)
Row Level Security
行レベルのセキュリティポリシー関数を作成
EDB*Wrap
SPL(Oracle 互換プロシージャ)を暗号化により保護
Audit
拡張監査 監査用のログを別ファイルとして出力
SQL/Protect
SQL インジェクション対策
各機能の詳細に関しては、本資料では扱いません。
詳細は EnterpriseDB 社のマニュアルをご覧ください。
http://www.enterprisedb.com/products-services-training/products/documentation/enterpriseedition
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(3) PPAS インストーラに同梱されているコンポーネント
PPAS をインストールする際に選択可能なコンポーネント一覧です。これらの機能の一部はオープンソースと
して公開されているものや、PPSE でも使用可能なものを含みます。
名称
機能概要
Database Server
PPAS の本体となる DB サーバ
Connectors
クライアント API(JDBC、ODBC、OCI など)
Infinite Cache
複数台サーバでのメモリ共有機能
Migration Toolkit
異種 DB 間データ移行ツール
Postgres Enterprise Manager Client
GUI クライアントツール
pgpool-Ⅱ
負荷分散、ロードバランサ機能を備えた OSS ツール
EDB*Plus
SQL*Plus 互換のコマンドラインツール
Slony Replication
テーブル単位レプリケーションが可能な OSS ツール
PgBouncer
コネクションプーリング
(4) PPEE で利用可能な機能拡張ツール
DB サーバ本体と別途サーバにインストールすることで利用可能な機能拡張ツールを紹介します。
1) xDB Replication
xDB Replication(以下、xDB)は、Postgres 製品間または Oracle、SQL Server とのテーブル単位レプリケー
ションを構成するツールです。
シングルマスターレプリケーション(以下、SMR)は、PPEE および PPSE のライセンスで利用可能な機能で
す。PPAS、PostgreSQL、Oracle Database、Microsoft SQL Server 間のレプリケーションが構成できます。
マルチマスターレプリケーション(以下、MMR)は、PPEE のライセンスでのみ利用可能な機能です。MMR は
PPAS 同士のみで構成可能です。
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2) Postgres Enterprise Manager
Postgres Enterprise Manager(以下、PEM)は、Postgres 製品の統合管理ツールで、PPEE および PPSE のラ
イセンスで使用可能な製品です。エージェントによる稼働情報収集と、マネージャサーバによる収集デー
タの蓄積および統合管理機能を提供します。
DB サーバには PEM Agent をインストールし、別途マネージャサーバを構築する必要があります。
3) Backup And Recovery Tool
Backup And Recovery Tool(以下、BART)は、複数のサーバに散在する Postgres データベースのオンライ
ン・バックアップ取得および集中管理を行うツールです。
BART がインストールされた 1 台のホストからローカルまたはリモートサーバ上のデータベースのオン
ライン・バックアップを取得し、バックアップ・ファイルは任意のサーバに圧縮転送されます。
バックアップ・ファイルに付与されたカタログ情報により、バックアップ・ジョブの成否や、リカバリ時
に必要なファイルの選択が簡単に確認可能です。
4) EDB Failover Manager
EDB Failover Manager(以下、EFM)は、ストリーミング・レプリケーション機能を利用した高可用性クラ
スタ環境の運用支援ツールです。
高可用クラスタ環境を構成するマスターサイト、スレーブサイトの障害検知、自動切り替えを実現します。
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2. サーバ構成の検討・事前設定
本項では、PPAS のインストールに際し、必要となる検討項目ならびに事前設定に関する情報を記載します。
(1) 事前検討項目一覧
PPAS のインストールに際し、事前検討が必要な項目の一覧です。
構築作業の開始前に、必要に応じて事前設定や設定値の検討をしておきます。
次項「(2)事前設定手順」にて各項目の詳細を解説します。
項目
検討事項
説明
製品モジュールの入手
必要な製品モジュールの確認
製品モジュールの入手
EnterpriseDB 社の Web サイトよりアカウント
登録の上、必要なモジュールをダウンロードし
ます。
ライセンスキーの入手
ライセンスキーの確認
製品を購入済みの場合、ライセンスキーが発行
されますので、確認します。
試使用の場合、事前に試使用版のキーの入手が
必要です。
製品マニュアルの準備
製品マニュアルの確認
事前にマニュアルを確認します。
root による操作
root での導入可否を確認
root のパスワードの確認
root での導入作業が不可な場合は、導入手順
が一部変更する必要があります。
一時的に root での操作は必須になります。
製品インストール情報
OS ユーザ名
データベース管理者が使用する OS ユーザです。
インストール先ディレクトリ
製品インストール先のディレクトリです。
ハードウェア要件の確認
ハードウェア要件を満たすことを確認します。
OS ディストリビューション
最新のマニュアルから対応するディストリ
ビューションを確認します。
カーネルパラメータの設定
最近のディストリビューションでは必須では
ないものを、環境に応じて修正します。
必須パッケージの導入
zlib-devel-1.2.3-29.el6.x86_64.rpm
readline-devel-6.0-4.el6.x86_64.rpm
java
SELinux の無効化
インストール時に無効化が必要です。
GUI 環境
インストール、ツール使用時に GUI を使用しま
す。
前提条件
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(2) 事前設定手順
1) 製品モジュールの入手
PPAS のモジュールを以下の Web サイトよりダウンロードします。
http://www.enterprisedb.com/products-services-training/products/postgres-plus-advancedserver
・ダウンロード時には ID 登録が必要となります。
・「Download Now」より必要に応じてアカウント情報を入力し、ダウンロードページに進みます。
・「Current Releases」より、対応するプラットフォームを選択するとダウンロードが開始されます。
2) ライセンスキーの入手
試使用する場合、インストール時に「トライアル・ライセンスキー」の入力が必要になります。
ライセンスキーはアシストから発行します。
以下 URL よりよりお申し込みください。
http://www.ashisuto.co.jp/product/category/database/postgresql/download/#tab
・「Postgres Plus Advanced Server トライアル・ライセンスキー申し込み」よりログインしてライセン
スキーを申請し、入手します。
3) 製品マニュアルの入手
以下の Web サイトより製品マニュアルを入手します。
http://www.enterprisedb.com/products-servicestraining/products/documentation/enterpriseedition
Postgres Plus Installation Guide v9.4
※試使用版をご利用のお客様は、html 版のマニュアルをご参照ください。
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はじめての Postgres Plus 製品概要・構築 編
4) データベース管理ユーザ(OS ユーザ)の作成
以下の実行例に沿って、データベース管理ユーザおよびグループを作成します。
(実行例)
# groupadd -g 1000 enterprisedb
# useradd -g 1000 -u 1001 -d /home/enterprisedb -s /bin/bash enterprisedb
# passwd enterprisedb
5) ユーザ環境変数の設定
データベース管理ユーザの環境変数を設定します。
(実行例)
# su – enterprisedb
$ vi .bash_profile
/* 以下の行をファイルの末尾に追記 */
export PGDATA=/opt/PostgresPlus/9.4AS/data
export PGDATABASE=edb
export PGUSER=enterprisedb
export PGPORT=5444
export PATH=/opt/PostgresPlus/9.4AS/bin:.:$PATH
alias edbplus='/opt/PostgresPlus/9.4AS/edbplus/edbplus.sh'
6) 前提条件の確認
■ハードウェア要件
・ ディスク要件
- 製品インストール先:700MB 以上
- データベースファイル格納先:300MB 以上
■OS ディストリビューション
Linux の対応ディストリビューションは、以下の通りです。
32 bit Linux:
・ CentOS 6.x
・ Red Hat Enterprise Linux 6.x
・ SLES 11.x
・ Ubuntu 14.04 LTS
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はじめての Postgres Plus 製品概要・構築 編
64 bit Linux:
・ CentOS 6.x and 7.x
・ Debian 7.x
・ Red Hat Enterprise Linux 6.x and 7.x
・ SLES 11.x
・ Ubuntu 14.04 LTS
(実行例)
# cat /etc/issue
--OS のディストリビューションを確認
Red Hat Enterprise Linux Server release 6.5 (Santiago)
# uname –r
–-カーネルバージョン、ビット数を確認
2.6.32-431.el6.x86_64
■SELinux の無効化
SELinux の設定を Permissive または Disabled に設定します。
(実行例)
# getenforce
Enforcing
# setenforce Permissive
# getenforce
Permissive
--SELinux の設定を確認
--SELinux の設定を Permissive に変更
--SELinux の設定を確認
■Migration Toolkit または EDB*Plus をインストールする場合
PPAS をインストールする前に Java(バージョン 1.7 以上)をインストールする必要があります。
yum コマンドを使用して、以下のようにインストールします。
※Migration Toolkit および EDB*Plus に関しては、
「1.製品概要」の「(3)PPAS インストーラに同
梱されているコンポーネント」を参照ください。
(実行例)
# yum install java-1.7.0
--Java 1.7 を導入
(省略)
# java -version
--java が導入されていることを確認
java version "1.7.0_45"
OpenJDK Runtime Environment (rhel-2.4.3.3.el6-x86_64 u45-b15)
OpenJDK 64-Bit Server VM (build 24.45-b08, mixed mode)
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(3) データベースサーバ構成
PPAS でデータベースサーバ(データベースクラスタ)を構成する際に必要な情報です。
構築作業開始前に値を決定しておく必要があります。これらの設定手順は後述します。
カテゴリ 項目
推奨設定
説明
基本設定 データベースクラスタ
/opt/PostgresPlus/9.4AS/data
データベースクラスタの
絶対パス
/opt/PostgresPlus/9.4AS/data
(ディスクの RAID 構成により変更)
通常はデータベースクラ
スタ直下
データディレクトリ
ト ラ ン ザ ク シ ョ ン ロ グ /opt/PostgresPlus/9.4AS/data/pg_xlog
(WAL)ディレクトリ
(ディスクの RAID 構成により変更)
通常はデータベースクラ
スタ直下
スーパーユーザ(認証有 enterprisedb(認証有)
無)
スーパーユーザのパス
ワード認証を行う場合は
設定が必要
ポート番号
5444
デフォルト
日本語
対応
ロケール
C
日本語格納時の推奨
キャラクタセット
UTF8
日本語格納時の推奨
EDB
tools
動的パラメータ調整機能
(開発/汎用/専用)から選択
(OLTP/汎用/DWH)から選択
動的パラメータ調整
サンプルスキーマの有無
有
追加モジュールの設定
コネクションプーリング機能 pgBouncer
ジョブスケジュール機能 pgAgent
更新通知機能 Update notification
株式会社アシスト アップデート情報の通知
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3. Postgres Plus Advanced Server の構築
PPAS の構築手順を説明します。
(1) 製品モジュールの配置
ダウンロードした製品モジュールを scp などでサーバに転送し、任意のディレクトリに解凍します。
(実行例)
# cd /media
# tar zxvf ppasmeta-9.4.1.3-linux-x64.tar.gz
# ls
ppasmeta--9.4.1.3-linux-x64
ppasmeta-9.4.1.3-linux-x64.tar.gz
(2) PPAS インストーラの起動
製品モジュールを解凍したディレクトリに移動し、インストーラを起動します。
インストーラは GUI を使用するため、ディスプレイが使用可能な状態で実行する必要があります。
(実行例)
# cd /media/ppasmeta-9.4.1.3-linux-x64
/* selinux を無効化します。*/
# setenforce Permissive
/* .run のファイルが読み取り専用になっている場合、実行可能な権限を付与します。*/
# chmod 775 ppasmeta-9.4.1.3-linux-x64.run
# ./ppasmeta-9.4.1.3-linux-x64.run
(GUI のインストーラが起動)
※本操作は root ユーザで実行します。
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以下に、GUI インストーラの操作について説明します。
■言語の選択
プルダウンから「Japanese - 日本語」を選択し、「OK」をクリックします。
■ セットアップ - Postgres Plus Advanced Server 9.4
「次へ」をクリックします。
■使用許諾契約
「同意します」のラジオボタンにチェックし、「次へ」をクリックします。
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はじめての Postgres Plus 製品概要・構築 編
■インストールディレクトリ
PPAS のインストール先ディレクトリを指定します。デフォルト値は、
「/opt/PostgresPlus」が指定されてい
るので、任意でインストールするディレクトリを変更してください。
デフォルト値のままで、「次へ」をクリックします。
■コンポーネントの選択
導入するコンポーネントをチェックリストから選択し、「次へ」をクリックします。
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■プロダクトキー
PPAS のインストールに必要なプロダクトキーを入力します。アシストから発行されたトライアル・ライセ
ンスキーを入力し、「次へ」をクリックします。
■追加ディレクトリ
PPAS インストール時に作成されるデータベースクラスタの「データディレクトリ」、「ログ先行書き込み
(WAL)ディレクトリ」先を指定します。デフォルト値は、「/opt/PostgresPlus/9.4AS/data」と、その配下の
pg_xlog ディレクトリです。
※本項で作成されるデータベースクラスタは、日本語環境での使用に適したものではないため、後述の
手順で再作成します。ただし、本項で作成したものをベースに再作成が可能なため、正しい値を入力します
「次へ」をクリックします。
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はじめての Postgres Plus 製品概要・構築 編
■設定モード
導入する PPAS が「Oracle Compatible(Oracle 互換)」か「PostgreSQL Compatible(PostgreSQL 互換)」を
プルダウンから選択します。デフォルト値は、
「Oracle Compatible」です。
「Oracle Compatible」を指定した場
合、PPAS に Oracle 互換ディクショナリが作成されます。
「設定モード」を選択したら、
「次へ」をクリックしま
す。
■パスワード
データベースに作成されるデータベーススーパーユーザ「enterprisedb」のパスワードを指定します。パス
ワードを入力したら、「次へ」をクリックします。
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はじめての Postgres Plus 製品概要・構築 編
■追加設定
「ポート」、
「ロケール」、
「サンプルのテーブルとプロシージャをインストールしてください。」の指定ができま
す。デフォルト値のポート番号は、
「5444」です。
「ロケール」は、プルダウンから日本語環境で推奨の「C」を選択
します。
「サンプルのテーブルとプロシージャをインストールしてください。」はデフォルト値でチェックさ
れていますので、サンプルスキーマが作成されます。「次へ」をクリックします。
■Dynatune Dynamic Tuning(サーバの利用)
Dynatune は、DB サーバのスペックおよびワークロード傾向から適切なメモリ割り当てを調整するアドバイ
ザ機能です。
ここでは、サーバのタイプを選択し、使用できるシステムリソースの量を決定します。デフォルト値は、
「汎用
(Web サーバ、アプリケーションサーバなど)」です。デフォルト値を選択し、「次へ」をクリックします。
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はじめての Postgres Plus 製品概要・構築 編
■Dynatune Dynamic Tuning(ワークロードプロファイル)
サーバで使用されるワークロードのタイプ(システムの処理傾向)を選択します。デフォルトは「トランザ
クション処理(OLTP システム)」です。デフォルト値を選択し、「次へ」をクリックします。
■詳細設定
DBMS 本体機能を拡張するサービスの自動起動設定を行います。
pgBouncer はコネクションプール機能、pgAgent はジョブのスケジューリング機能、Update Notification は
更新プログラムの通知・自動適用機能です。
「pgBouncer 待ち受けポート(デフォルト値:6433)」、
「pgBouncer サービスの自動起動」
「pgAgent サービス
の自動起動」、
「Update Notification サービス」を設定します。全てデフォルト値で設定し、
「次へ」をクリッ
クします。
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はじめての Postgres Plus 製品概要・構築 編
■プレインストールの概要
今までの画面で設定した内容が表示されます。設定内容を確認して、問題がなければ、
「次へ」をクリックしま
す。
■インストールする準備ができました
「次へ」をクリックすることで、インストールが開始され、データベースの作成まで行われます。
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はじめての Postgres Plus 製品概要・構築 編
■ Postgres Plus Advanced Server をインストールしています
PPAS 本体やユーティリティ、ツールのインストール、サービス作成、データベース作成などの経過が表示さ
れます。
■ Postgres Plus Advanced Server セットアップウィザードを終了中
インストールが完了したことを表示します。「終了」をクリックすると、インストールは完了です。
なお、StackBuilder Plus を利用して追加オプションをインストールする場合は、
「終了時に Stack Builder
Plus を起動しますか?]をチェックして「終了」をクリックすると StackBuilder Plus の Wizard 画面が表示
されます。
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はじめての Postgres Plus 製品概要・構築 編
■ StackBuilder Plus(参考)
StackBuilder Plus を使用して PPAS を導入したサーバに以下の追加オプションをインストールすることが
出来ます。
追加オプション:
・Add-ons, tools and utilities
- EDB Language Pack(PL/Python、PL/Perl、PL/Tcl 等の言語)
・Enterprise Tools
- PEM Module for Apache/PHP
- Postgres Enterprise Manager Client
- xDB Replication Server
・Spatial Extensions
- PostGIS
なお、StackBuilder Plus は単独でも実行できます。サーバコンソールの場合、デスクトップから「アプリ
ケーション」-「Postgres Plus Advanced Server 9.4」-「StackBuilder Plus」を選択します。
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はじめての Postgres Plus 製品概要・構築 編
(3) データベースクラスタの再作成
GUI インストーラによる PPAS のインストールおよび初期データベースの作成が完了したら、一度デフォルト
で作成されたデータベースクラスタを削除し、日本語環境で使用可能なデータベースクラスタを新規に作成し
ます。
■設定ファイルのバックアップ
データディレクトリより「postgresql.conf」「pg_hba.conf」ファイルをコピーします。
#
$
$
$
su – enterprisedb
mkdir temp
cp /opt/PostgresPlus/9.4AS/data/postgresql.conf ~/temp/.
cp /opt/PostgresPlus/9.4AS/data/pg_hba.conf ~/temp/.
■データベースクラスタの削除
データベースクラスタを停止し、データディレクトリ配下のファイルをすべて削除します。
#
$
$
#
su – enterprisedb
pg_ctl stop -m fast
exit
rm -rf /opt/PostgresPlus/9.4AS/data/*
※製品インストール先ディレクトリ「/opt/PostgresPlus/9.4AS」配下には他にも複数のディレクトリが
作成されていますが、data ディレクトリのみ削除するようにしてください。
■データベースクラスタの作成
initdb コマンドを使用し、データベースクラスタを作成します。enterprisedb ユーザで実行します。
# su – enterprisedb
$ initdb -D /opt/PostgresPlus/9.4AS/data -E UTF8 --no-locale -W
※ここで指定しているオプションは一例です。詳細は initdb –help で確認可能です。
日本語環境で使用するため、データの格納に使用するエンコードは UTF8、ロケールは無効とします。
スーパーユーザのパスワード認証を有効としています。
作成されたディレクトリに、バックアップしておいた設定ファイルを配置します。
# su – enterprisedb
$ cd $PGDATA
$ cp ~/temp/*.conf ./.
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はじめての Postgres Plus 製品概要・構築 編
(4) 基本操作の確認
再作成したデータベースに対して基本操作ができることを確認します。
■データベースクラスタの起動・停止
データベースクラスタの起動・停止を行います。
/* pg_ctl コマンドによる起動・停止 (データベース管理ユーザで実行)*/
$ pg_ctl start
$ pg_ctl stop -m fast
/* サービススクリプトによる起動・停止 (root ユーザで実行)*/
# /etc/init.d/ppas-9.4 start
# /etc/init.d/ppas-9.4 stop
■データベースへの接続
データベースに接続します。enterprisedb ユーザで実行します。
# su – enterprisedb
/* psql による接続 */
$ psql
psql.bin (9.4.1.3)
Type "help" for help.
edb=#
/* EDB*Plus による接続 */
$ edbplus enterprisedb/enterprisedb
Connected to EnterpriseDB 9.4.1.3 (localhost:5444/edb) AS enterprisedb
EDB*Plus: Release 9.4 (Build 33.0.0)
Copyright (c) 2008-2015, EnterpriseDB Corporation.
All rights reserved.
SQL>
■稼働中のプロセス確認
データベースクラスタの稼働中に動作しているプロセスを確認します。
ps -ef | grep 1001(enterprisedb ユーザのユーザ ID)
1001
4254
1 0 08:16 ?
00:00:01 /opt/PostgresPlus/9.4AS/bin/pgbouncer・・・
1001
4921
1 0 08:36 pts/1
00:00:00 /opt/PostgresPlus/9.4AS/bin/edb-postgres
1001
4923 4921 0 08:36 ?
00:00:00 postgres: checkpointer process
1001
4924 4921 0 08:36 ?
00:00:00 postgres: writer process
1001
4925 4921 0 08:36 ?
00:00:00 postgres: wal writer process
1001
4926 4921 0 08:36 ?
00:00:00 postgres: autovacuum launcher process
1001
4927 4921 0 08:36 ?
00:00:00 postgres: stats collector process
※インストール時に選択したコンポーネントによって、一部プロセスが存在しない、もしくは追加で起動
されている場合があります。
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はじめての Postgres Plus 製品概要・構築 編
(5) SQL 実行例
基本的な SQL を実行します。
■データベースへの接続
データベースに接続します。enterprisedb ユーザで実行します。
# su – enterprisedb
/* EDB*Plus による接続 */
$ edbplus enterprisedb/enterprisedb
Connected to EnterpriseDB 9.4.1.3 (localhost:5444/edb) AS enterprisedb
EDB*Plus: Release 9.4 (Build 33.0.0)
Copyright (c) 2008-2015, EnterpriseDB Corporation.
All rights reserved.
SQL>
■接続中のユーザおよびデータベースの確認
/* EDB*Plus の専用コマンドによる確認 */
SQL> show user
USER is "enterprisedb"
SQL> show database
DATABASE is "edb"
SQL>
■表作成・確認
/* test 表の作成 */
SQL> CREATE TABLE test (no NUMBER(4),name VARCHAR2(10));
Table created.
/* テーブル定義の確認 */
SQL> DESC test
Name
Null?
------------------------------------------ -------NO
NAME
Data Type
--------------------------NUMBER(4)
VARCHAR2(10)
/* ディクショナリの参照例 */
SQL> SELECT object_name FROM dba_objects WHERE object_name = 'TEST';
OBJECT_NAME
-------------------------------------------------TEST
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はじめての Postgres Plus 製品概要・構築 編
■クエリの実行
/* insert・update・delete の実行 */
SQL> INSERT INTO test VALUES (1,'taro');
1 row INSERTED.
SQL> INSERT INTO test VALUES (2,'太郎');
1 row INSERTED.
SQL> UPDATE test SET name='次郎' WHERE no = 2;
1 row UPDATED.
SQL> DELETE FROM test WHERE no = 1;
1 row DELETED.
SQL> SELECT * FROM test;
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以上
株式会社アシスト (C)2015 K.K.Ashisuto
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はじめての Postgres Plus 製品概要・構築編
第2版
2015 年 7 月
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