アマモ種子採取 「なぎさ海道」アマモ場再生プロジェクトを各地域の市民活動団体の方々と協働して行うため、赤穂市唐船海岸、 姫路市白浜海岸、明石市江井ヶ島海岸の自生アマモ場でアマモ種子採取を以下のように行いました。 6 月 12 日(金)、姫路市白浜海岸 白浜小学校3年生児童の環境体験学習の一つとして、当日は「一日ワクワクデイ」と銘うって、事前学習、地曳網、 そしてアマモ種子採取を行いました。 事前学習は小学校体育館で、以下のプログラムです。 1) 「アマモって?」・・・アマモ種子バンク・芳田利春 2) 「白浜の魚介類とそれぞれの漁法について」・・・前白浜漁協組合長・星尾国弘 3) 「海中映像で見る白浜海岸の生き物たち」・・・担任の先生(㈱ノリスさんの撮影した映像をもとにして) 小学校体育館2F 白浜の海で獲れる魚介類とその漁法 事前学習終了後、子供たちは小学校から白浜海岸に移動し、まずは地曳網です。 そして、アマモ種子採取ですが、風が冷たく、水着に着替えて海に入るのは身体が冷えて風邪でもひいては大変 です。小学校は明日が運動会ということもあり、先生方と協議し、大事をとって子供たちによるアマモ種子採取は取 り止めて、当 NPO のスタッフだけでアマモ種子を採取しました。 6 月 14 日(日)、赤穂市唐船海岸 唐船海岸は今でも立ち入り禁止のため、兵庫県西播磨県民局光都土木事務所の了解を得て、当 NPO のスタッフ のみでアマモ種子を採取したました。 6 月 28 日(日)、明石市江井ヶ島海岸 地曳網を行った後にアマモ種子採取です。 スタッフだけと思いきや、地曳網に来られたお母さん方から“アマモの種とりもさせてもらえるんですか?”と尋ねら れ、“お願いできますか?”と。もちろん、お母さん方でなく、子ども達で水に入ってよい服装の3人の子どもたちです。 子どもを連れてアマモ場に入り、アマモの花枝の見分け方と引き抜き方の手本を見せ、やってもらいましたが、な かなか見いだせません。スタッフも種子採取を始めた13年前は見分けるのが大変でした。同じです。“そら、そこ に!”と指さして、子どもたちにとってもらっていましたが、30分もすると自分で見分けるように! 1時間の予定が、いつものことですが、ここまでということがない。終わったのは予定を30分以上も過ぎていました。 予定数量は十分確保できたようです。 スタッフだけでは寂しかったですが、採取数は少ないですが協力してくれた子どもたちに感謝です。 アマモ種子の養生 アマモ種子の養生は江井ヶ島港の岸壁で江井ヶ島漁協さんの施設を利用させて頂いて行っています。 養生する種子は自主的に採取した赤穂、姫路、明石の種子だけでなく、各地から送られてくる種子もあります。 限られた水槽スペースでこれら種子が混ざらないよう分離して養生・選別するために、水槽を 1mm メッシュのスク リーンで仕切ります。また、少量の種子は同じく目合い 1mm の袋で養生します。 アマモ種子養生水槽 養生中のアマモ花枝 アマモ種子の選別 水槽内に入れた花枝は腐敗し、だんだんと水中に沈んでいきます。約1~1.5 ヶ月後、アマモ種子が鞘から分離し ていることを確認し、アマモ種子の選別を行います。 種子は鞘から分離し、水槽底に堆積しているので、茎など大きい物を除去した後、ダクトホースを用いてサイフォ ンの原理で水槽内の底に堆積したものを全て吸い上げます。吸い上げた堆積物から種子以外の雑物を水洗いしな がら少しづつ除去します。 ほぼ種子だけにして、種子を容器に移し替えます。この際、容器内に空気が残らないようにします。容器内に空気 が残ると、白い好気性の微生物が繁殖しますので、より頻繁に海水を交換しなくてはならなくなります。 そして、運搬時には水温が上がらないよう、容器の周りに氷を入れます。 アマモ種子の選別 アマモ種子の保存 選別した種子は事務所に持ち帰り、恒温高湿箱で温度 4℃で、種蒔きを行うまで保存しておきます。 恒温高湿箱で保存中のアマモ種子 なお、今年度のアマモ種子採取・養生・保存の一部は、エコ住宅のエコポイント環境寄附金、あいおいニッセイ同 和損保 WEB 約款寄付を受け、「なぎさ海道」アマモ場再生プロジェクトの一環として、各地域の市民活動団体、行政 ほかと協働して行っています。
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