インテル® アーキテクチャーの採用によって高性能・高機能・優れた ネットワーク接続性などを実現し、FA 向け PC の置き換えを可能にした 三菱電機株式会社の C 言語コントローラ インテリジェント・システムの先進的な取り組みとなる 三菱電機株式会社の MELSEC-Q シリーズ C 言語コントローラ 最近では、ネットワークへの接続機能を備えた組込み機器が急増して います。このため、これまで閉じた世界の中でのみ扱われていた膨大 な情報がネットワークを通じてやり取りされ、組込み機器の世界にも ビッグデータのトレンドが到来しています。今後は、これらの膨大な情 報の中から有用なものをリアルタイムに生成・抽出、知識化して新た な価値の創造へとつなげていくことが求められます。 インテルは、その ような組込み機器のための次世代基盤として「インテリジェント・シ ステム」を提唱しています。 インテリジェント・システムは、ネットワークによって接続された数多 くの組込み機器とバックエンドのサーバー・コンピューターから構成 されます。 三菱電機株式会社 ( 以下、三菱電機 ) の MELSEC-Q シリーズ C 言語コントローラ「 Q24DHCCPU-V 」は、ネットワークへの優れた 接続性、センサーやネットワークを通じて収集された膨大な情報から 高度なシステム制御と運用を可能にする優れた処理能力など、インテ リジェント・システムならではの特徴を数多く備えた組込みソリュー ションとなっています。そして、その中核にはインテル® アーキテク チャーに基づくハードウェア・プラットフォームが採用されています。 PC ベースの組込みシステムが抱えていた数々の課題を解決する MELSEC-Q シリーズ C 言語コントローラ FA( Factory Automation )の現場では要求が多様化しており、これまで 以上に組込み機器の処理能力が重視されるようになりました。こうし た高い処理性能が求められる分野においては、FA 仕様の PC が広く 採用されています。しかし、FA 仕様の PC は、構成パーツ、専用ボード、 オペレーティング・システム( OS )などの生産中止や仕様変更がユー ザーの大きな悩みの種となっています。また、製造工程の複雑化や 制御情報の増加などから、プログラムの開発やメンテナンスにも多く のコストがかかっています。 三菱電機は、このような数々の問題を解消するために、従来の PC に 代わる MELSEC-Q シリーズ C 言 語コントローラを提 供しています。 MELSEC-Q シリーズ C 言語コントローラは、優れた信頼性と耐環境性、 さらには長期安定供給という FA 分野のさまざまなニーズに応える製 品です。 また、従来のシーケンサーで使用されてきたラダー言語ではな く、より柔軟なプログラミングを行える世界標準の C 言語プログラム ( C、C++ )に対応しています。このため、PC の時代に積み重ねてきた C 言語のソフトウェア資産や開発ノウハウを最大限に活用できます。 MELSEC-Q シリーズ C 言語コントローラは、OS としてウインドリバー社 のリアルタイム OS「 VxWorks*」を採用しています。そのほか、通信 ドライバーや専用ライブラリーも組み込んだ状態で出荷されるため、 導入してからすぐに使い始められます。また、CW Workbench をはじめ とする統合開発環境も用意されており、プログラム編集からコンパイ ル、デバッグ、コード解析、テストに至るまで、システム開発を効率的に 進められます。さらに、パートナー製品を活用することで多彩なシステ ムを構築できます。 例えば、プログラム開発や現場での運用をサポート するパートナー製品が提供されています。 情報 処理 インテル ® AtomTM プロセッサーの性能を活かした 情報処理能力と、 柔軟な拡張性 パソコンを使用した情報処理システムの置換えに最適 Q24DHCCPU-V マイコン 置換え パソコン 置換え Q12DCCPU-V 省スペースで MELSEC-Q シリーズの 豊富なユニットを制御 マイコンを使用した制御システムの置換えに最適 I/O 制御 シーンで選ぶ 2 つの C 言語コントローラ システム制御とユーザープログラム実行を独立したプロセッサーで処理する C 言語コントローラのハイエンドモデル「 Q24DHCCPU-V 」 近年では、大容量の情報処理やネットワークを通じた他の組込み機器 との連携などが求められています。三菱電機は、このような厳しい要求 に応えるため、C 言語コントローラの製品ラインナップにハイエンド モデル「 Q24DHCCPU-V 」を新たに追加しました。既存のモデルは、 C 言語コントローラ自身のシステム制御とユーザープログラムの実行 を同一のプロセッサー上で処理していますが、Q24DHCCPU-V は両者 の処理を独立したプロセッサーで別々に実行する形がとられます。 このように、システム制御用とユーザープログラム実行用のプロセッ サーを独立させたことで、システム制御の負荷状況に影響を受けるこ となくユーザープログラムをスムーズに実行でき、さらに安定した情報 処理が可能になります。また、システム制御用プロセッサーを単独で 稼動させ続けられるため、システム制御を止めることなくユーザープロ グラム実行用プロセッサーのみを再起動できます。 これにより、生産工程 を継続させた状態でユーザープログラムの追加や変更、削除を柔軟に 行えます。 システム制御用 MPU MELSEC-Q シリーズ ユニット制御を実行 + ユーザプログラム 実行用MPU データ処理、通信処理、 数値解析処理などを実行 再起動 シーケンサー・サービスが 稼動している状態で、 ユーザープログラムの 追加や変更、削除が可能 稼動中 稼動中 シーケンサー・サービス Q24DHCCPU-V ユーザー・プロセッサー再起動機能 ユーザープログラムの実行用としてインテル® Atom™ プロセッサーを搭載 MELSEC-Q シリーズ C 言語コントローラは、従来の PC をベースとする システムと比べて装置のサイズを大幅に削減できる点が大きな強みで す。このような小型化を実現しつつも、長期にわたる信頼性を確保する 上で、故障箇所となりやすい冷却ファンはいっさい搭載されていませ ん。その一方で、ハイエンドモデルの Q24DHCCPU-V は、これまで以上 に高い処理能力とリアルタイム性を実現する必要がありますが、マイク ロプロセッサーの多くは、処理性能を高めれば高めるほど消費電力や 発熱が増える傾向にあります。 Q24DHCCPU-V は、このような相反する課題に応えるため、ユーザープ ログラム実行用のマイクロプロセッサーとしてインテル® Atom™ プロ セッサーを搭載しています。三菱電機は、他社の RISC 系プロセッサー を含む、いくつかの選択肢を比較・検討した結果、処理性能と消費電 力のバランスが最もとれたインテル® Atom™ プロセッサーを選択しました。 インテル® Atom™ プロセッサーは、MELSEC-Q シリーズ C 言語コント ローラのハイエンドモデルにふさわしい優れた処理性能を提供しなが ら、同時に消費電力や発熱を最小限に抑えることができます。 マイクロ プロセッサーの冷却機構にはファンレス設計を実現し、信頼性を大きく 高めています。インテル® Atom™ プロセッサーは、PC やサーバーの世 界で豊富な実績を持つインテル® アーキテクチャーを継承しているた め、PC 向けに開発されたソフトウェア資産を最小限の修正で流用でき る点がメリットです。 これまで PC ベースで組込みシステムを開発してき たユーザーは、既存のプログラム資産を生かしながら Q24DHCCPU-V へとスムーズに移行できます。 MELSEC-Q シリーズ ユニット制御を実行 データ処理、通信処理、 システム制御負荷の 数値解析処理などを実行 影響を受けずに ユーザープログラムを実行 システム制御用 MPU + ユーザープログラム 実行用 MPU 高いリアルタイム性 インテル® アーキテクチャーならではのメリットを生かしたシステム構成 豊富な汎用インターフェイスと優れたネットワーク接続性を提供 Q24DHCCPU-V は、ユーザープログラムが使用できる汎用インターフェ イスとして、USB 2.0 ポート、ギガビット・イーサネット・ポート、PCI Express* 拡張コネクターを搭載しています。これらのインターフェイス は、 インテル® Atom™ プロセッサー向けのインテル® チップセット ( SCH ) 自身、もしくはこのチップセットを介して接続された外部チップによっ て提供されています。このように、さまざまなインターフェイスを柔軟に 用意できる点もインテル® アーキテクチャーに基づくプラットフォーム ならではの強みです。 USB ポートには、ストレージ装置(最大容量は 2TB )をはじめとする、 さまざまな周辺機器を接続可能です。これにより、大容量のデータを 扱う情報処理においても、FA 仕様の PC と同じスタイルで運用できま す。また、PCI Express* 拡張コネクターには、PCI Express* 拡張シャー シを外部に接続することで、PCI Express* や PCI* バス対応機器を装 着可能です。プログラム資産が豊富にある PCI* / PCI Express* 対応機 器、特殊な機能を持つ専用の機器なども接続でき、ユーザーの既存資 産を生かしたシステム構成を柔軟にとれます。 上位通信 上位サーバー 上位サーバー 上位サーバー 上位サーバー Ethernet Ethernet 高い情報処理能力の Q24DHCCPU-V で、 パソコンを MELSEC-Q 置換え可能 Ethernet カメラ パソコン マイコン シーケンサー Ethernet カメラ マイコン シーケンサー ハイスペック ギガビット・イーサネット・ポートは、上位サーバーなどとの間で情報 ネットワークを構成する際に使用されます。 例えば、上位サーバーとの リアルタイムな通信によって装置の稼働率や生産性をさらに高められ ます。また、連携して動作するその他のコントローラから得られた大容 量の 情 報を収 集し 、これらのログデータを上位 サーバーに 転 送 することでトレ ーサビリティー の 向 上に役 立 てられます。なお、 Q24DHCCPU-V には 2 ポートのギガビット・イーサネット・ポートが 標準で搭載されているため、上位と装置内で独立したネットワークを 構築し、それぞれのネットワークを並行して運用できます。 装着/接続によ り、大容量データ の保存にも対応 最大 16GB Q24DHCCPU-V は、三菱電機が提唱している iQPlatform にも対応し、 イーサネット・ネットワークを介して高速・大容量のシーケンサー、 モーション・コントローラーとの連 携をサポートします。さらに、 産業用のイーサネット通信規格( CC-Link IE )、 モーション・ネットワーク ( SSCNETIII/H )などを通じて、各種コントローラ、フィールド機器、 各種センサーなどとの接続も可能です。このように、Q24DHCCPU-V は、さまざまなシステムとの接続および連携機能が大きく強化され、 インテルが提唱するインテリジェント・システムの先駆けともいえる組 込みソリューションとなっています。 最大 2TB 大容量データ対応 C 言語コントローラと PCI Express* 拡張 シャーシで、PCI Express* 、PCI* バス 対応機器の資産を MELSEC に活用可能 装着 システム制御用 MPU + ユーザープログラム 実行用 MPU PCI Express* 拡張シャーシ PCI Express* 、 PCI* バス対応機器 PCI Express* 拡張コネクター C 言語コントローラの進化を支え続けるインテル® アーキテクチャー インテリジェント・システムには、膨大な情報から有用な価値を抽出 する基盤として、これまで以上に優れた処理能力が求められます。 こう したインテリジェント・システムの心臓部として力を発揮するのが、 インテル® Atom™ プロセッサーに代表されるインテルの高性能プロ セッサーです。インテルのマイクロプロセッサーは、先進的な半導体製 造技術とマイクロアーキテクチャーの組み合わせによって、次世代の 組込みアプリケーションにも余裕を持って対応できる優れた処理性能 と機能性を提供します。 そして、組込み機器の世界では、マイクロプロセッサーのさらなる省電 力化も求められています。MELSEC-Q シリーズ C 言語コントローラは 0 ∼ 55℃ の使用周囲温度を保証していますが、このような高い耐久性 や信頼性を維持しながらさらにコンパクトな筐体を目指すためには、 コントローラ本体の消費電力をいっそう削減していかなければなりま せん。三菱電機は、将来の MELSEC-Q シリーズ C 言語コントローラに 搭載するマイクロプロセッサーとして、さまざまな周辺機能がマイクロ プロセッサーに統合された SoC( System On a Chip )仕様のインテル® Atom™ プロセッサーに強い期待を寄せています。 FA の世界では、同一のプログラムを長期にわたって使用することが多 く、ユーザーはソフトウェア資産の継承性を強く意識しています。PC 、 サーバー、そしてこの新しい C 言語コントローラでも採用されているイ ンテルの x86 命令セットは、すでに数十年にわたって使われ続けてい ます。このため、インテル® アーキテクチャーに基づいて設計すること により、ソフトウェア資産の継承性や発展性をさらに高められます。 同 社は、こうしたインテル® アーキテクチャーならではのメリットをさらに 生 かすため、将 来 的には ユーザープログラムの 実 行 環 境として VxWorks* 以外の OS にも広げていくことを視野に入れています。 〒 100-0005 東京都千代田区丸の内3-1-1 国際ビル5階 www.intel.co.jp Intel、 インテル、Intelロゴ、Intel Atom、Intel Atom Inside は、 アメリカ合衆国および/またはその他の国における Intel Corporation の商標です。 * その他の社名および商品名、サービス名は各社の商標または登録商標です。 本冊子は情報提供のみを目的としています。 すべての情報は、明示、非明示にかかわらず、現状のまま提供されるにすぎず、何らの保証もいたしません。 また本資料に含まれる情報の誤りや、 それによって生じるいかなるトラ ブル(PCパーツの破損などを含むがこれらに限られない)に対しても一切の責任と補償義務を負いません。本冊子に提載されている内容は、予告なく変更されることがあります。 三菱電機株式会社のソリューションおよびサービスは、 インテルによって管理されているものではありません。 そこで提供されている内容をインテルは特に保証していません。 © 2012, Intel Corporation. 無断での引用、転載を禁じます。 328347-001JA JPN/1212/2000/CB/CCBG/TA
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