2015年01月度 商業動向報告書(PDF)

2015年1月度
2015年1月度 商業動向報告書
1.経済動向指標
【国内景気指標】
全体概況
出典:内閣府「月例経済報告」(2015年1月)
景気は、足踏み状態にあるが、一部に持ち直しに向けた動きがみられる。ただし、失業率が高水準にあるなど依然として厳
しい状況にある。輸出は、緩やかに減少している。生産は、このところ減少している。企業収益は、改善している。設備投資
は、持ち直している。企業の業況判断は、慎重さがみられる。雇用情勢は、依然として厳しいものの、持ち直しの動きがみら
れる。個人消費は、持ち直しているものの、一部に弱い動きもみられる。物価の動向を総合してみると、緩やかなデフレ状況
にある。先行きについては、当面は弱さが残るとみられるものの、海外経済の改善や各種の政策効果などを背景に、景気
が持ち直していくことが期待される。一方、海外景気の下振れ懸念や為替レートの変動などにより、景気がさらに下押しされ
るリスクが存在する。また、デフレの影響や、雇用情勢の悪化懸念が依然残っていることにも注意が必要である。
12月小売販売額
出典:経済産業省「商業販売統計」(12月)
平成26年12月の商業販売額は43兆2660億円、前年同月比▲1.3%の減少となった。これを卸売業、小売業別にみると、卸
売業は29兆7420億円、同▲2.1%の減少となった。小売業は13兆5240億円、同0.2%の増加となった。なお、商業販売額の季
節調整済前月比は、1.4%の増加となった。卸売業は同▲0.1%の減少、小売業は同▲0.3%の減少となった。平成26年の商
業販売額は468兆8810億円、前年比0.6%の増加となった。卸売業は327兆6480億円、同0.1%の増加となった。小売業は141
兆2330億円、同1.7%の増加となった。
12月専門量販店販売額
出典:経済産業省「専門量販店販売統計調査」(12月)
平成26年12月の専門量販店販売は、家電大型専門店が4708億円、ドラッグストアが4481億円、ホームセンターが3465億円
となった。
12月全国消費者物価指数
出典:総務省「消費者物価指数」(12月)
総務省が発表した12月の全国消費者物価指数(CPI、2010年=100)は、総合指数が前年同月比2.4%上昇の103.3ポイントと
19ヶ月連続のプラス、前月比では0.1%のプラスで3か月ぶりに伸びに転じた。生鮮食品を除く総合が103.2ポイントで前月比
では-0.2ポイントと2ヶ月連続のマイナス。前年同月比は2.5%の上昇。食料及びエネルギーを除く総合では前年同月比2.1%
上昇の100.8ポイントとなり、前月と同水準であった。
【商業関連指数】
12月SC売上高/衣料品中心に苦戦
出典:日本SC協会「SC販売統計調査報告」12月
2014年12月の既存SC売上高は前年同月比-1.1%で、前月(0.9%)より2.0ポイント後退し、前年を上回ることができなかった。
12月は、セール前の買い控えや、前年に比べて日曜日が1日少なかったことなどが重なり、衣料品を中心に苦戦した。テナ
ントは-0.6%、キーテナントは-2.3%であった。地域別でみると、九州・沖縄が2.4%で、周辺施設でのイベントやリニューアル
効果等により前月に引き続きプラスとなった。一方、東北や北陸、中国の日本海側では大雪の影響を受けた。
12月百貨店売上高/9ヶ月連続のマイナス
出典:日本百貨店協会「全国百貨店売上高概況」12月
12月は日曜日の1日少ない条件下、北日本を中心に降雪や雨量が多かったことから、クリスマス週を中心とした後半の追い
上げもみのらず1.7%減に終わった。消費税率引上げ後の単月では前年に迫る月があったものの、残念ながら9ヶ月連続の
マイナスとなった。これを受け平成26年年間売上高は既存店ベースで+0.3%と3年連続プラスを確保する一方、全店ベース
では前年に僅かに及ばず。年間売上高がプラスを記録した主な要因として、①各店各社が前倒しの期待できる商材や、反
動減からの回復の早い商材を事前準備出来たこと、②企業業績の改善や賃上げなどによる下支え、③インバウンド効果な
どが上げられる。なお、好調を持続している訪日外国人売上高については、統計開始以来初めて単月で100億円を超え、年
間売上高も、前年に対しほぼ倍増するなど今後に期待がかかる。
12月チェーンストア売上高/9ヵ月連続のマイナス
出典:日本チェーンストア協会「チェーンストア販売統計」12月
平成26年12月度は、食料品は好調に推移したものの、衣料品、住関品が不調だったことから、総販売額の前年同月比(店
舗調整後)は、9カ月連続のマイナスとなった。
2014年度年間チェーンストア売上高
出典:日本チェーンストア協会「チェーンストア販売統計」12月
当協会の会員企業60社、9372店舗における平成26年1月から12月までの暦年間の販売動向は、(総販売額) 13兆207億円
余、(対前年比)店調整前102.3% ・ 店舗調整後99.4%となりました。平成26年のチェーンストアの売上高は、1~2月は、衣
料品の動きが鈍かったが、食料品、住関品の動きは良かったことから好調に推移した。3月は、消費税率引上げ前の駆け込
み需要により大きく前年を上回ったが、4月以降は、相場の影響もあった農産品、畜産品を中心に食品の比較的に動きは良
かったが、天候要因もあり衣料品が不調だった。また、駆け込み需要のあった商品群の反動が予想以上に長期化し、売上
に影響を与えた。9月以降も駆け込み需要の反動は薄れたものの消費増税の影響もあり回復基調にならず、食料品は年間
を通して好調に推移したが全体ではマイナスとなった。
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1.経済動向指標
【商業関連指数】
12月外食産業売上高/全体売上再び前年下回る
出典:日本フードサービス協会「外食産業概況」12月
12月は、前年より日曜日が1日少なく、天候は首都圏等では比較的安定していたものの北日本・日本海側等では降雪に見
舞われ、また全国的に寒い日が多かったことなどが、外食需要に影響した。客単価は引き続き堅調ながらも、全体客数は前
年比95.2%となり、全体売上は97.2%と再び前年を下回った。
12月コンビニ売上高/年末商品等が好調に推移
出典:日本フランチャイズチェーン協会「コンビニ統計月報」12月
今月は、強い寒気により全国的に平均気温が低く、降水量・降雪量が多かったことや個人消費の低迷等により客数に影響
を及ぼした。一方で、客単価については、淹れたてコーヒーを含むカウンター商材や惣菜、年末商品等が好調に推移し、全
店・既存店共に前年を上回った。しかしながら、たばこ・雑誌等の購入者減少等の影響を受け、既存店売上は前年を下回っ
た。既存店ベースでは、来店客数12億4162万人(前年同月比-2.2%)が10ヶ月連続のマイナス、平均客単価630円(前年同
月比+1.0%)が3ヶ月連続のプラスになり、売上高7817億円(前年同月比-1.2%)は9ヶ月連続のマイナスとなった。
2.マーケティング情報
【経済・消費・市場動向】
自治体の都市機能集約を支援 今春にも国交省に窓口
出典:日本経済新聞(1月6日)
政府は、自治体が街の中心部に都市機能を集める「コンパクトシティー」の形成を後押しする。集約の対象は住宅や病院、
商業施設など多岐にわたり、国土交通省や厚生労働省など複数の省庁間で調整が必要になる。2015年春にも国交省を事
務局とした窓口を立ち上げる。14年5月に成立した改正都市再生特別措置法により、市町村は街の中心部を指定したうえ
で、容積率の緩和や税制優遇で郊外から施設の移転を促せるようになった。実施にあたって自治体は「立地適正化計画」を
まとめる必要がある。その事務手続きが負担にならないよう国交省を窓口とする支援チームを設ける。自治体の相談に対応
したり、参考情報を発信したりする。国交省によると、都市のコンパクト化に約150の都市が関心を持ち、そのうち35程度が
計画づくりに乗り出す意向を明らかにしているという。
SC開業、14年は15%減の55件 国内3200件で飽和感も
出典:日本経済新聞(1月14日)
国内のショッピングセンター(SC)の新設に向かい風が吹いている。2014年の開業数は55件と、13年の65件から約15%減っ
た。15年の開業は約50件とさらに減少する見通しだ。建設費の高騰で開業時期を先送りしようというのが主な原因だが、国
内のSCが約3200件に迫り、飽和感が出ている面もある。日本ショッピングセンター協会によると、店舗面積が1500平方メー
トル以上でテナントが10店以上入居するSCの開業数が14年には55件にとどまった。人手不足や建設資材の高騰で建設コ
ストが上昇し、開業時期を遅らせる例が相次いだためだ。同協会の調べでは14年に開業する予定だったSCのうち、10件弱
が15年以降に延期された。開業延期は消費増税後のふるわない消費も背景にありそうだ。14年4月以降、SC全体の既存
店売上高は前年実績に比べマイナスか微増で推移している。総合スーパーや大型専門店といったSCの主要テナントの落
ち込みは特に激しく、14年4~11月は8月を除いてすべて前年割れだった。加えてSCの飽和感が客足を鈍らせている。建設
コストの上昇で賃料も上昇傾向にあるため、出店できるテナントは限られ「どこも似たような構成になっている」(紳士服専門
店幹部)。テナント側には出店先を選別する動きが出始めており、SCの運営会社の間では特色を出そうという動きが広がっ
ている。
百貨店向けレディス セール品動かず
出典:繊研新聞(1月15日)
百貨店向け婦人服の販売は1月も厳しい状況だ。概ねセールに入ったが、盛り上がりに欠ける。ブランドの強みの商品が、
新たに買い足すだけの価値がある商品でないと、販売に結びつかない傾向が強い。値引きに対する反応は昨年以上に弱
く、コートはウールを中心に動きがあるが、定番的な商品は値下げしても売れなくなっている。一方、コートの中に着る春色
の単品やオケージョン企画は動きが早い。各社とも三越伊勢丹グループが14日に始めたセールに併せて、今週末(21、22
日)の第2の山場に備えるが、短期決戦で収束するとみて、21日ごろから春物に重点を移す。
首都圏駅ビル・ファッションビル1月 セール盛り上がり欠く
出典:繊研新聞(1月16日)
首都圏の駅ビル・ファッションビルの1月序盤のセール商戦は、12月のプレセールの拡大などを背景に消費者の需要を十分
に喚起できず、全体として盛り上がりに欠けた。その中で、プロパー品を含め、消費者が「今欲しい」と思う商品を豊富に揃え
たショップを数多く展開する施設は健闘した。パルコとルミネは都心店でインバウンド需要もつかみ、全館セール期間中の売
上を伸ばした。パルコは1日~12日までの前年同曜日対比の全館売上は全国の施設で3.3%増、首都圏では渋谷店が10.9%
増、池袋店が4.2%増となった。ルミネは各店とも売上は前年実績を超え、全店のセール期間6日間の売上は前年のセール実
施期間に比べて2.8%増となった。
会議場や商業施設は国内企業、カジノは海外企業が運営を 関西同友会
出典:産経ニュース(1月20日)
大阪府や大阪市が誘致を目指すカジノを中心とした統合型リゾート施設(IR)で、関西経済同友会は20日、大阪にIRを開設
する場合に配慮すべき項目を提言した。地域への利益還元に向け、海外企業のほか国内企業も事業に参画し主体的に運
営することが必要としたほか、ギャンブル依存症への対策を求めた。提言では、複数の国内企業と海外企業が合弁会社を
設立した上で、ホテルやMICEと呼ばれる大規模な国際会議場・展示場、商業施設は国内企業が運営し、カジノは海外企業
が運営する仕組みを求めた。MICE・IR推進委員会の福島伸一委員長は「日本企業が主体的に関与し、地域にお金を落とす
仕組みをつくる。地元雇用も開発の条件にすべきだ」と述べた。
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2.マーケティング情報
【経済・消費・市場動向】
インバウンド消費2兆円超え
出典:繊研プラス(1月22日)
観光庁によると、14年の訪日外国人旅行消費の総額は前年比43.3%増の2兆305億円と初めて2兆円を超えた。一人当たり
の消費額は前年比10.7%増の15万1374円で、こちらも過去最高額となった。繊研新聞社が有力企業93社に実施したアン
ケートでも、インバウンド(訪日外国人)需要が14年度の増収につながったとする企業は全体の39%を占めた。国・地域別の
旅行消費額は中国が前年の2倍を超える5583億円となり、総額の4分の1を超えた。旅行者数が83.3%増と大きく伸び、1人
当たりの旅行支出額も前年比10.4%増となった。消費額の伸び率の高さはタイ71.4%増、台湾43.2%増、マレーシア42%増
と続く。消費額の大きさは、中国に次いで台湾3544億円、韓国2090億円、米国1475億円、香港1370億円。1人当たりの旅行
支出額は、ベトナム、中国、オーストラリア、ロシア、フランスの順に大きい。前年比2ケタ増は、タイ(18.2%増)、インド
(15.815・8%増)、台湾(11.9%増)、中国(10.4%増)とアジア勢の伸びが目立つ。台湾、韓国、香港は1人当たりの旅行支出
額は大きくないが、旅行者数が多かった。
クレジットカードショッピング市場/2013年は8.7%増の42兆円
出典:流通ニュース(1月28日)
矢野経済研究所は1月28日、クレジットカードショッピング市場に関する調査結果2014を発表した。調査によると、2013年度
のクレジットカードショッピング市場規模(クレジットカードショッピング取扱高ベース)は約42兆円(8.7%増)だった。消費者の
クレジットカード利用に対する抵抗感が下がり、さまざまな店舗での利用機会が増加したことや、EC(電子商取引)市場など
でのクレジットカードの利用領域が拡大したことに加え、カード会社各社によるクレジットカードの稼動率向上への取り組みに
より、拡大基調が続いている。スマートフォンの普及を背景に、スマートフォンやタブレットなどを従来端末よりも比較的低価
格で簡易なクレジットカード決済端末として利用できるソリューションを提供するビジネスが拡大している。いずれのサービス
でも、スキンジャケット型やドングル型のハードウェアをスマートフォンやタブレットと接続し利用するが、生命保険や損害保
険の外交員や宅配便業者、飲食店チェーンやレストランでのテーブル決済などで需要が高まっている。従来、クレジットカー
ド決済サービス未導入であった中小企業や個人事業主の間で導入が増えていくと考える。
3.商業施設関連情報
【開発関連】
西武HD/2016年夏、プリンスホテル赤坂跡地に複合施設
出典:流通ニュース(1月14日)
西武ホールディングスは1月13日、東京都千代田区紀尾井町のグランドプリンスホテル赤坂の跡地開発計画として、2016年
夏に複合施設「東京ガーデンテラス」を開業すると発表した。東京ガーデンテラスは、オフィス、ホテル、住宅、商業施設から
なる複合開発。東京都の指定有形文化財である旧李王家東京邸を保存しつつ、オフィス・ホテル・商業施設で構成する「オ
フィス・ホテル棟」と賃貸住宅である「住宅棟」の2棟を建設する。オフィス・ホテル棟には、地上36階地下2階、高さ180mの施
設を建設。1~4階は商業施設、5~28階はオフィス、30~36階はホテル「ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町」が入る。総事
業費は約980億円、2013年1月に新築工事に着工、2016年5月ごろに竣工する予定だ。
商業施設「サンリブ西小倉」完成
出典:産経ニュース(1月17日)
西部ガスは16日、北九州支社跡地(北九州市小倉北区)に建設していた商業施設=写真=が完成したと発表した。21日に
ショッピングセンター「サンリブ西小倉」が開業する。跡地は1万7千平方メートルで、商業施設は3棟(いずれも平屋)あり、延
べ床面積は6700平方メートル。 メーンのA棟にスーパーマーケットやドラッグストア、B、C棟に雑貨店やフィットネス施設、飲
食店などが入る。西部ガスの子会社で不動産売買などを手がける西部ガス興商が総事業費6億円で建設した。土地・建物
をショッピングセンター運営会社のサンリブ(北九州市小倉南区)に一括賃貸する。
JR大阪駅「ルクア イーレ」 ファッションなど8店出店
出典:日本経済新聞(1月19日)
JR西日本SC開発(大阪市)は19日、4月2日にJR大阪駅ビルに開く商業施設「LUCUA 1100(ルクア イーレ)」の概要を発
表した。百貨店のJR大阪三越伊勢丹を改装した店舗で、三越伊勢丹ホールディングスがファッションや雑貨、化粧品など8
店を出店する新しい形式を取る。既存の施設「ルクア」と合わせ年770億円の売上高を目指す。新施設には若い女性向けの
婦人服や雑貨など専門店約150店を設ける。JR大阪三越伊勢丹は2011年に開業したが阪急うめだ本店(大阪市)や大丸梅
田店(同)など商業施設が集積する地域で苦戦。14年7月から改装工事を進めていた。
東急不動産/表参道に16店で「キュープラザ原宿」3月27日開業
出典:流通ュース(1月19日)
東急不動産は3月27日、表参道・原宿エリアに商業施設「キュープラザ原宿」をオープンする。日本最大の音楽チャンネルス
ペースシャワーTVを運営するスペースシャワーネットワークがそのコンテンツ力を活かしたエンタテインメント・コラボカフェ
「AREA-Q」を新業態として展開。ポートランド創業の老舗のパンケーキ店「オリジナルパンケーキハウス」が原宿に進出す
る。そのほか、ニューヨークのトップヘアサロン「WARREN・TORICOMI」が日本に初上陸するなど、施設の特徴を活かしたエ
リア初・新業態の店舗など16店を集積する。 明治通りに面する路面店にはアーバンリサーチの新ブランド「SENSE OF
PLACE by URBAN RESEARCH(センスオブプレイスバイアーバンリサーチ)」が、フラワーショップやカフェを併設し、国内最
大級の旗艦店として出店する。
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3.商業施設関連情報
【開発関連】
京王電鉄、調布に大型シネコン建設
出典:日本経済新聞(1月20日)
京王電鉄は2017年度、東京都調布市にシネマコンプレックス(複合映画館)を開業する。11のスクリーンを備え、合計の座席
数は約2100を予定する。東京・多摩地区では立川市の計2200席に並ぶ最大級の施設で、都心の六本木や新宿のシネコン
と比べてもほぼ同じ規模となる。調布市にシネコンができるのは初めて。12年8月に地下化された京王線調布駅の跡地再開
発の一環として建設する。16年度から工事を始め、建物は地上5階地下1階で延べ床面積は約1万6000平方メートルとなる
予定だ。事業費は公表していない。京王電鉄が建物を所有、管理し、イオンエンターテイメント(東京・港)が映画館を運営す
る。飲食店や物販店も入居する。
三井不動産/原宿竹下通りに新商業施設、3月7日開業
出典:流通ニュース(1月20日)
三井不動産は3月7日、東京都渋谷区神宮前一丁目に商業施設「竹下通りスクエア」を開業する。「竹下通りスクエア」は、新
たなヤングファッションの情報と賑やかさが行き交う「スクエア=広場」となってほしい、という思いをこめた。施設の地下1階~
地上3階には三越伊勢丹グループが展開する「ALTA」が出店し、「原宿ALTA」となる。施設の開発を通して、原宿竹下通り
の更なる賑わい作りを目指す。原宿ALTA」には、新業態や原宿初出店を含む全19店がオープンする。ファッション、雑貨、カ
フェ、原宿みやげ、駄菓子、プリントシールショップなど、原宿竹下通りならではの店舗をラインナップする。なお、「ALTA」は
現在、「新宿アルタ店」、「サンシャインアルタ店」(池袋)、「新潟アルタ店」の3店を展開する。
イオンモール岡山、入店230万人超
出典:繊研プラス(1月29日)
総賃貸面積約9万2000平方㍍、350店強の専門店を集積した大型商業施設イオンモール岡山が12月5日に全館開業した。
全館開業初日は開店前に約7300人が並ぶなど好調な立ち上がり。開業1カ月の来店客数も当初計画の年間2000万人を上
回るペースとなった。岡山駅前立地での大型施設の開業により、既存主要商業施設の12月の全館売上高は前年割れ。初
売りやセール売り上げも影響を受けた。もっとも、この間、各施設ともイオンモール開業をにらみ、大規模な改装を実施する
など館のブラッシュアップに取り組んでおり、部門やカテゴリー単位でみれば増収となっているところもある。そのため、いず
れも自店の強みや顧客を見極めた店作りを継続することが、競合激化に打ち勝つ策とみている。イオンモール岡山は開業1
カ月で来店客数が230万人を超え、好調な出だしとなっている。平日は約5万人、土・日は10万人が来店しており、正月三が
日(1月1日~3日)は約32万人に達した。
【運営関連】
三越伊勢丹HDが再編、商業PMに参入
出典:月間プロパティマネジメント(1月号)
三越伊勢丹ホールディングスは、新たな商業不動産ビジネスの強化に向けた「商業不動産開発部」を新設、併せてグループ
会社の再編を進めている。メインとなる百貨店事業で培った強みを活かし、周辺関連事業でも収益の多様化を図っていきた
い考えだ。まず2014年4月にグループ保有不動産のBMを手掛けていた三越伊勢丹ビルマネジメントが、グループの商業施
設「アルタ」の運営・テナントリーシングを行う部門を吸収、商号を「三越伊勢丹プロパティ・デザインに変更し、グループ外案
件の獲得も目指す商業PM会社として生まれ変わることとなった。また、同年10月には、グループ内外の商業施設、ホテル、
オフィスなどの内装やデザインを手掛ける三越環境デザインも三越伊勢丹プロパティ・デザインに統合し、1社で商業施設の
設計やプロジェクトマネジメント、PM・BMをワンストップで提供できる体制を整えている。既存施設のPMだけでなく、三越伊
勢丹HDの商業不動産開発部とも連携し、新たな顧客価値を提供すべく新規開発やリニューアルのプロデュースも手掛けて
いく。
スマートデパートに変身中 松屋銀座の「IT接客力」
出典:日本経済新聞(1月16日)
東京・銀座に90年近く店を構える老舗百貨店が、最新のIT(情報技術)を駆使した大胆な店舗改革を試みている。急成長を
遂げるネット通販を横目に、百貨店の最大の強みである「接客」をITで浮きだたせようと躍起になっているのが松屋銀座本店
(東京・中央)だ。ネットベンチャーとも積極的に組み、「スマート」な百貨店へと変貌を遂げつつある。これまで百貨店に縁が
なかった若い顧客を呼び込むことにも一定の成果を上げつつある。松屋銀座は「『tabモール』というスマートフォン(スマホ)
向け通販サイトで13種類の福袋を供給、並ばずに買える福袋を“禁じ手”で発売。販売方法でも大胆なアイデアを採り入れ
た。百貨店の福袋は、初売りの1月2日に店頭に長い行列ができるのが冬の風物詩。ところが販売期間を年末までに締め切
る、言ってみれば“禁じ手”で事前販売したのである。消費者は気に入った福袋をクレジットカードで支払うと、12月26~30日
に店頭に足を運ぶことで受け取ることができた。おせち料理より早く手に入る福袋という話題性もあって、一部は抽選になる
ほど人気になった。全部で45個を売り切った。松屋銀座にはもう一つの秘策もある。情報発信がそれだ。店舗の入り口の6カ
所にアイビーコンとよばれる電波の発信器を設置。お得意さまである顧客が近づくと、スマホに自動でセールやイベントなど
の情報を配信できるような体制も整えた。
プレミアム・アウトレット/2014年の訪日団体来場者数過去最高の60万人
出典:流通ニュース(1月22日)
三菱地所・サイモンは1月22日、全国9か所のプレミアム・アウトレットの2014年1月~12月の訪日団体来場者数が過去最高
の約60万人(前年比67%増)となったと発表した。プレミアム・アウトレットは、都市部から一定の距離をおいた場所に位置し
ているため、観光との親和性が高く、団体旅行で来場するお客の著しい増加のほか、昨今では個人旅行で来場するお客が
急増したという。 海外からの団体旅行者に人気の「ゴールデンルート」沿いには、世界文化遺産に登録された富士山を望む
「御殿場プレミアム・アウトレット」(静岡県)、関西国際空港の対岸に位置する「りんくうプレミアム・アウトレット」(大阪府)、成
田国際空港に近接する「酒々井プレミアム・アウトレット」(千葉県)の3か所の拠点がある。アジアの主要都市からも近い九
州にも「鳥栖プレミアム・アウトレット」(佐賀県)があり、この4施設を中心に来場数が伸長した。
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3.商業施設関連情報
【運営関連】
ショッピングセンター6物件を約353億円で取得、イオンリート
出典:不動産マーケット情報(1月22日)
イオンリート投資法人は1月22日、イオンモールKYOTOなど全国各地にある商業施設6物件の取得を決めた。価格は計352
億7000万円。売り主はイオンモールKYOTOがイオンモール、その他の5物件はグループ外の法人が出資する特定目的会社
だ。いずれもイオンの関連会社がマスターリースして、ショッピングセンターとして運営を続ける。取得価格が最も大きいの
は、イオンモールKYOTOで214億7000万円。イオンモールKYOTOは投資法人が2月27日に引き渡しを受けた後、イオンモー
ルに一括賃貸して年間13億9600万円の賃料収入を見込む。シネマコンプレックスのT・ジョイ京都や食品スーパーのKOHYO
のほか、ユニクロ、ソフマップ、大垣書店などが入居している。鑑定評価上の年間NOI(純収益)は10億9582万円で、取得価
格に対するNOI利回りは5.1%の水準だ。
ルミネの新宿2施設、今期も増収へ
出典:繊研プラス(1月22日)
ルミネが東京・新宿で展開する基幹2施設はレディスを中心に衣料品が健闘し、今期(15年3月期)も全館売り上げを伸ばし
ている。前期売上高が478億円(前期比6.4%増)となったルミネ新宿は昨年4月から今年1月18日までの累計売り上げが前
年同期比2.3%増、同459億円(2.7%増)だったルミネエストは3%増となった。中心対象顧客の需要を喚起するため、積極的
な改装と販促を実施するとともに、ショップとの連携を強め、「独自の価値」をさらに高める施策を進めた成果が出た。インバ
ウンド(訪日外国人)需要も売り上げを押し上げた。ともに、主力フロアの売り上げの伸びが全館売上高に寄与した。2館体
制のルミネ新宿の昨年4~12月の売り上げをみると、ルミネ1が「中心である大型セレクトショップの苦戦の影響」(敦賀一裕
常務新宿店店長)で1.6%減だったものの、ルミネ2は全ての月で増収を達成、累計で6.4%増と伸ばした。
阪急メンズ大阪、5年連続増収確実に
出典:繊研プラス(1月26日)
阪急メンズ大阪の5年連続増収達成が確実となった。14年度は、消費増税直後の4月の売上高も前年同月比0.6%増となる
など6月以外は前年実績を上回っており、7月以降は5%増以上の伸びが続く。1月は2ケタ増ペースの推移。カード会員など
既存顧客の売上高が伸びているうえ、新規客の獲得も進んでいることが大きい。人・モノ・器の全ての面で取り組んできた「7
年間の積み上げ」(猿木哲郎阪急メンズ大阪店長)が成果に結びついたとみている。好調な要因の一つは、ラグジュアリーブ
ランドの圧倒的な集積や2階を中心とする先進的なファッション提案、1階洋品雑貨での他店と差異化した商品構成など、品
揃えで「独自性を追及」した成果。約1年前からライフスタイルディレクションと呼ぶマンスリーテーマを決め、商品部と販売部
が連動して品揃えや館内装飾、店頭表現まで行う業務フローを確立していることも貢献した。
三菱地所が「ホークスタウンモール」を取得 福岡
出典:産経ニュース(1月30日)
三菱地所は29日、シンガポールの政府系ファンドが所有する商業施設「ホークスタウンモール」を取得したと発表した。取得
額は明らかにしていない。取得は22日付。三菱地所の担当者は「福岡ヤフオクドームに隣接し、商業・住宅エリアにも近い立
地性を評価した」と話した。ホークスタウンは平成12年にダイエーグループが開業した。ダイエーの破綻に伴い、米国の不動
産投資会社が購入し、19年に、シンガポール政府投資公社(GIC)が取得したが、テナントの撤退が目立っている。 ホークス
タウンには「HKT48劇場」やライブホールなどが入居している。
【店舗関連】
三越伊勢丹、イオンモール旭川駅前に出店
出典:日本経済新聞(1月8日)
三越伊勢丹ホールディングス(HD)は旭川市内で今春開業予定のイオンモール旭川駅前に出店する。グループの札幌丸井
三越が新形態の小型百貨店「MI PLAZA(エムアイプラザ)」を運営する予定。中心市街地には西武旭川店や複合商業施
設のフィール旭川がある。道内第2位の都市で大手小売店間の競争が加速しそうだ。三越伊勢丹HDは小型百貨店事業を
拡大し、2016年度内に全国150店舗体制をめざしている。 出店するイオンモール旭川駅前はイオンモールが北海道旅客鉄
道(JR北海道)グループと共同開発する駅直結型の11階建てビル。1~4階が商業施設でシネマコンプレックス(複合映画
館)やファッション、レストラン、娯楽施設が入る予定だ。5階以上がホテルとなる。三越伊勢丹HDはホテル利用客を含め、新
たな顧客の開拓をめざす。イオンモール旭川駅前にとっても、有力な誘客施設の一つになる。
青山商事/商業施設へ主力業態
出典:繊研新聞(1月16日)
青山商事は主力のスーツ事業を中心に、未出店立地での多店舗化を進め、新たな客層の開拓を進める。既存業態の「洋服
の青山」「ザ・スーツカンパニー」、新業態の「ネクストブルー」などで手薄だった商業施設への出店を拡大する。子会社の
イーグルリテイリングが運営する「アメリカンイーグルアウトフィッターズ」は昨年に引き続き地方のSCへ攻勢をかける。商業
施設への出店は、これまで獲得できなかった客層を取り込めるとともに、従来の路面店よりも設備投資が少なく済むこともメ
リットだ。少子高齢化は地方の方が深刻で、都心との格差も広がってきているため、エリアや店舗特性によってレディスやカ
ジュアルの比率を変えた店作りを進める。
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2015年1月度 商業動向報告書
3.商業施設関連情報
【店舗関連】
大丸松坂屋、神戸でアウトレットに初出店 まず期間限定で
出典:日本経済新聞(1月20日)
大丸松坂屋百貨店は24日、アウトレットモールに初めて出店する。三井不動産が運営する「三井アウトレットパークマリンピ
ア神戸」(神戸市)内に期間限定の小型店を出す。売れ残った衣料品や雑貨などを通常よりも安く売る。割引率は5割程度に
なるとみられる。店名は「大丸リミテッドストア」で売り場面積は約130平方メートル。出店期間は5月17日までだ。
ワコール、30代女性向け新型店 高価格帯を充実
出典:日本経済新聞(1月20日)
ワコールは都市部の30代女性をターゲットにした新型店「ア デイ ワコール ザ ストア」の出店を始める。レース素材を使
うなどした新ブランド「アヴージェ」を中心にワコールの高価格帯商品を扱う。1号店を4月2日に大阪市内で開業する商業施
設「ルクア イーレ」に開く。2019年までに全国で25店を出し、年間20億円の売上高を目指す。アヴージェのブラジャーは税
別4300~4600円で、従来の直営店の平均価格帯より2千円ほど高い。昨年4月の消費増税後、消費者が低価格より品質を
重視する傾向が強まっていることに対応する。定価販売のみで値引きセールはしない方針だ。
ケイト・スペード・サタデー 廃止へ
出典:繊研プラス(1月30日)
ケイト・スペード&カンパニー(ニューヨーク)は、週末の気分に焦点を当てたライフスタイルブランド「ケイト・スペード・サタ
デー」を廃止すると発表した。ケイト・スペード・サタデーで売れた要素は「ケイト・スペードニューヨーク」に取り込み、ケイト・ス
ペードニューヨークの販路及び商品カテゴリーの拡大に力を入れていく。メンズの「ジャック・スペード」は、得意先の小売店と
パートナーシップを組みつつ、EC(電子商取引)を発展させる。これに伴い、ジャック・スペードの12の直営店を今年前半に閉
店する。ケイト・スペード&カンパニーのクレイグ・A・リービットCEO(最高経営責任者)は、「ケイト・スペード&カンパニーは
まだ初期段階にあり、小売ベースで40億㌦規模のビジネスになる明確な道筋が見えている」と語り、メンズも成長において
重要と明言した。ケイト・スペード・サタデーの16の直営店を含む全てのショップは、今年前半に閉店する
4.東京建物グループトピックス
サ高住50物件開発/ソフト・ハード一体提案/東京建物グループ
出典:建設通信新聞(1月9日)
東京建物グループは、サービス付き高齢者向け住宅事業を重点分野と位置付け、現在推進中の11物件の同事業につい
て、今後50物件を目指して開発を進める。8日に東京都大田区で行われた「グレイプス大森西」の現地発表会で、東京建物
シニアライフサポートの加藤久利社長が明らかにした。同社グループの強みを生かし、開発、運営、サービスを一体的に開
発する。同社では高齢者向け住宅事業の拡大を図るため、2014年9月に東京建物シニアライフサポートの営業を開始した。
グレイプス大森西は、同社グループのサ高住としては、台東区浅草、埼玉県ふじみ野市、世田谷区南烏山、足立区西新井
に続いて5物件目となり、17日に開業する。規模はRC造地下1階地上5階建て延べ2360㎡で住戸数は56戸。土地建物の事
業費は約10億円。大田区で初めての「東京都サービス付き高齢者向け住宅整備事業(医療・介護型)」に選定されている。
東京建物「プラリバ」建て替え
出典:商業施設新聞(1月20日)
不動産大手の東京建物㈱は、福岡市早良区西新にある商業施設ビル「西新エルモールプラリバ」を建て替える。新ビルは
「商業+住宅」の高層ビルを計画しており、専門店街のプラリバは7月末をめどに閉店し、2018年の完成を目標に事業を進め
る。築後30年が経過し、施設老朽化が進んでいることから、3年近く協議をし、地権者との間で建て替えについて大筋で合意
に至っている。新築ビルは既存施設を解体した跡地に、低層階を商業施設、上層階を分譲マンションとした30階建て程度の
高層ビルを建設する。今後、事業計画、スケジュールなど意思統一を図ったうえで、行政手続きを経て事業に着手、18年の
完成を目指す。
東京建物不動産販売、青学近くの店舗ビルを取得
出典:不動産マーケット情報(1月23日)
東京建物不動産販売は2014年10月、渋谷区渋谷2丁目のルカビルIとルカビルIIを複数の個人から取得した。今後の利用方
法は決まっていない。これらのビルは、地下鉄表参道駅から徒歩5分の場所に隣り合って立っている。青山学院大学の西側
に面している。ルカビルIは地上8階地下1階建て、延べ床面積793m2の規模で、1993年に竣工した。イタリア料理店やクリ
ニック、マッサージサロンなどが入居し、2015年1月時点で満室稼働しているとみられる。一方、ルカビルIIは竣工が1967年と
古く、地上6階地下1階建て、延べ床面積は490m2だ。レストランやヘアサロンが低層階を使用しているが、上階には空室が
あるもようだ。
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