平成26年度(2014年度)事業報告書 (摘要) 一般社団法人CRD協会

平成26年度(2014年度)事業報告書
(摘要)
自
至
平成26年(2014年)4月 1日
平成27年(2015年)3月31日
一般社団法人CRD協会
〒103-0013
東京都中央区日本橋人形町二丁目26番5号
TEL (03)6667-1750
FAX (03)6667-1755
Ⅰ.事業概要
1.データベースの充実
(1) データ蓄積の状況
CRDサービスが生み出す付加価値の源泉は会員から提供されるデータにあるが、平
成8年(1996年)決算以降、平成27年(2015年)3月末現在までのデータ蓄積状況は、
債務者数: 3,309千件(決算書数: 21,162千件)、うちデフォルトデータは、債務者
数: 500千件(決算書数: 3,022千件)となっており、これを法人、個人事業主別で見
ると、以下の通りである。
① 法人
債務者数
2,210千件 ( 決算書数 16,643千件 )
うちデフォルトデータ
340千件 ( 決算書数 2,365千件 )
② 個人事業主
債務者数
1,099千件 ( 決算書数 4,519千件 )
うちデフォルトデータ
160千件 ( 決算書数
657千件 )
(2) CRDデータベースの品質改善
CRDが今後「会員に役立つサービス提供」に一層の努力を傾注するに際しても、蓄積
データの内容・品質の維持・改善のための不断の努力が大前提となる。
このような認識の下、会員とのコミュニケーションを深めながら、会員が適切なデータ提
供を行うことが出来るよう、会員の取組みを支援することをはじめとして、次のような取組み
に注力した。
① 個々の会員に対し、財務データの提供が行われる毎に、システム上で提供されたデ
ータの内容を分析した詳細報告書を作成し、会員専用ホームページを通じて還元し
た。
② 新たにデータ提供を始めた会員や、システム更改等を行った会員に対しては、提供
データの内容・品質が保たれるよう、会員毎に提供データや蓄積データの総点検(モ
ニタリング)を実施し、改善を要する事項があればレポートに取り纏めて会員へ報告し、
改善方策等について協議した。また、必要な場合にはデータ提供を行う会員に対する
改善支援を行った。
2.CRDモデルの品質の確保
(1) 平成26年度(2014年度)定期検証の状況
会員がCRDモデルを信頼して利用できるよう、CRDモデルの品質に係る情報を適時
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適切に会員に提供するべく、モデルの定期検証に取り組んだ。平成26年度(2014年度)
におけるCRDモデルの品質に係る定期検証に関するCRDモデル第三者評価委員会
(委員長=吉野直行 アジア開発銀行研究所長)の評価結果は、次のとおりである。
①
CRDモデル3期間1年PDのAR値は、引き続き問題の無い水準を維持している。
また、実績デフォルト率とPDの一致性、及び説明変数の合理性についても問題ない。
②
法人の信用保険・保証料率算定に用いられているCRDモデル3の期間3年PDに
ついて、保証協会データのみを用い、代位弁済のみをデフォルトとして、信用保険・保
証料の料率区分によりAR値を計算したところ、近年、着実な上昇傾向が見られ、品質
に問題はない。
③
個人事業主モデルについては、BSモデルが個人事業主の信用保険・保証料率の
算定に用いられているCRDモデル4と、新たに構築したCRDモデル5とを比較する形
で品質検証を実施した。なお、モデル5は平成 26 年 12 月に不動産賃貸・管理業向け
モデルの追加・改良を実施した。
(ア) CRDモデル4(BSモデル)については、保証料率弾力化等に引続き利用するう
えで実務上の支障はない。但し、PD値と実績デフォルト率との水準の乖離や、一部
の説明変数に説明力が不安定なものが存在する点等に、引続き課題が残る。従って、
長期的なモデル利用の観点からは、CRDモデル4の利用と並行して、CRDモデル5
への利用切替え検討を行っていくことが望ましい。
(イ) CRDモデル5の一般業種では、全体的にCRDモデル4の精度を上回った。不動
産賃貸・管理業では、PL モデルの一部期間で CRD モデル4のAR値を下回る部分
が見られるものの、BS モデルにおいては安定的にCRDモデル4の精度を上回った。
また、PD と実績デフォルト率との一致性も向上が見られた。
(2) 新たな中小法人モデル開発の状況
① 開発経緯
CRD モデル3は平成 17 年にリリースされ、10 年間に渡り会員に利用頂いているが、
開発当初に比してデータ量が十分に蓄積されたことを背景に、平成 24 年度のモデル
定期検証時、CRD モデル第三者評価委員会より、「最近までに CRD に蓄積された豊
富なデータを用いて、新たなモデル開発に着手すること」を推奨され、新たなモデル
開発の検討に着手した。
② 開発上の課題
平成 25 年度の定期検証において、CRD モデル3の課題として、(a)業歴が浅い先
に対する評価精度に見劣り、(b)売上規模が小さい先に対する評価精度に見劣り、
(c)1次判別モデルによる評価のジャンプ現象、等が指摘され、新たなモデルではこ
の点への対応を意識した開発を行うこととした。
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③ 検討体制
新たな法人モデルのあり方を議論する場として、会員有識者からなる「新たな中小
法人モデルの開発に向けた実務者研究会」、及び信用保証協会会員から構成する
「新たな中小法人モデルの開発に向けた実務者研究会小委員会」を発足、平成 26
年 6 月(小委員会は 7 月)より検討を開始した。
④ 開発状況
モデルベンダーの選定のための公正なコンペティションを平成 26 年 12 月に実施し、
実績ある専門ベンダー5社から提案を頂き、技術面・体制面・金額面の総合的な評価
を行った結果、みずほ第一フィナンシャルテクノロジー株式会社に発注することを決
定した。平成 27 年 1 月より開発に着手し、平成 27 年 10 月を目途にモデルロジック
完成を目指し、開発に取り組んでいる。また、開発においては、CRD 事務局はもちろ
ん、実務者研究会や CRD モデル第三者評価委員会等も関与し、その意見を取り入
れていく方針である。
3.各種CRDサービスの提供状況
会員皆様の金融業務の的確な運営に資するため、会員との緊密なコミュニケーションの
下に、会員が必要とする多様なサービスを提供している。
平成 26 年度においても、内部格付制度の検証や見直し、信用リスク量の計測結果の活
用、中小企業向け貸出の強化、経営支援取組み等に向けた種々のサービス提供の要請を
受け、的確かつ迅速に対応した。
(1) スコアリングサービス
中小企業信用補完制度における保険料率決定及び信用保証協会の保証料率決定
の際、日本政策金融公庫及び信用保証協会においては、引き続きCRDモデル3及び
CRDモデル4(BSモデル)のスコアが利用されている。これに対応し、金融機関会員で
は信用保証料率の目安としてCRDモデル3及びCRDモデル4が利用されているほか、
信用保証協会との提携商品にも利用されている。さらに、金融機関会員において、CR
Dモデル3及びCRDモデル4、CRDモデル5を内部格付制度の財務評価モデルとして
利用する他、自機関モデル等の精度評価に外部モデルとして利用する事例もみられる。
このような金融機関会員の取組みに対し、当協会では積極的なサポートを提供した。
(2) 中小企業経営支援サービス
① 中小企業経営診断システム(McSS)
会員と取引先中小企業者とのコミュニケーション・ツールとして利用頂いている「中小
企業経営診断システム(以下「McSS(Management consulting Support System)」)につい
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ては、平成18年(2006年)3月のリリースから多数の会員に活用頂いているが、営業現
場でも広く用いることを展望し、平成25年(2013年)8月に、より「コンパクト」で「分かり
易い」McSS_Simple をリリースした。「McSS_Simple」では、出力帳票を「取引先企業向け」
と「会員内部用解説書」の2部構成としたほか、様々な活用方法を例示した「活用ハンド
ブック」も提供している。
さらに、平成26年10月には、経営支援計画の策定等を通じた企業再生支援に向け
た各種要望にもお応えできるよう、既存の McSS の「現状診断機能」に加え、新たに「将
来シミュレーション機能」を充実させた「McSS_Simulation」をリリースした。それに先立ち、
東京、大阪、福岡にて説明会を開催したほか、個別会員向け説明会等も活用した結果、
多くの会員に好評を頂いている。平成27年度においても、引き続き更に多くの会員に
利用頂くべく、各種説明会を開催していく予定である。
また、保証協会システムセンターに参加している信用保証協会36会員が共同で利
用している「コモンシステム」については、同システムとのデータ連携を図ることができる
ようにカスタマイズを施した COMMON_MSS の提供を平成23年(2011年)1月から開始
しており、現在は、平成24年(2012年)10月に第3版CRD業種コードの利用に対応す
るとともに、搭載データを更新した COMMON_MSS_1210 版をリリースし、活用頂いてい
る。
(3) 信用リスク管理高度化関連サービス
① 内部格付制度に関する検証、見直し・再構築のサポート
CRDモデルを利用した格付マッピング分析や、格付付与プロセス毎のAR値の算出
とその変動要因に係る分析、格付制度全体の精度確認、格付付与プロセスにおける評
価項目・説明変数の有効性検証、格付制度の運用における課題抽出、格付の後過程
である信用リスク量の計測におけるパラメータの適切性確認とその調整、こうした検証結
果を踏まえた格付制度の見直し・再構築のサポートのためのコンサルティング・サービス
の提供等について、当協会としても分析能力やアドバイス機能の向上を図りながら、そ
の取組みを進めている。
平成 26 年度においては、格付制度の再構築などに当たって、平成 25 年度にリリース
したモデル5を採用するために AR 値などの算出要請がみられた。
② サンプルデータ提供サービス
サンプルデータ提供サービスで利用されるサンプルデータは、自行スコアリングモデ
ルの構築・検証、内部格付制度の構築・検証、与信商品の構築・検証等に活用されて
いる。
③ 信用リスクの計測・簡易分析サービス
当協会では、金融機関会員のポートフォリオに係る信用リスク量を「CRD信用リスク
計量化システム(C.R.I.S.P)」を用いて計測し、その計測結果を用いて会員のポー
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トフォリオ分析レポートを作成するサービスを年会費内サービスとして提供している。平
成26年度(2014年度)も引き続き、計測・分析に加え、結果の解り易い説明や今後の
対応に関する会員との意見交換に努めた。
また、当協会では、CRDデータや依頼があった会員のデータを用いて、信用リスク量
の計測時に用いる業種内・業種間の相関係数・重み付けパラメータを合理的な方法で
算出する「業種相関係数等算出サービス」を提供しており、金融機関会員からの要請に
応じて、それぞれのニーズ・仕様に合った形でのサービスを提供している。
④ 統計情報提供サービス
当協会では、蓄積された大量のデータに基づき、会員からの依頼に応じて、各種の
統計情報を作成し、提供している。
近時においては、会員からの依頼は融資促進、リスク管理、経営戦略の観点などそ
の目的も幅広くなってきている。平成 26 年度においても、①審査時の企業評価に用い
る財務指標基準値、②創業者向けの融資(保証)商品開発などに用いる業歴別財務指
標基準値・DF 情報、③経営支援を行うためのリスクランク別遷移情報、④融資・保証期
間の長期化に伴う長期間にわたる DF 情報、店舗戦略のための地域別財務指標・DF
情報、成長戦略分野に関連した特定業種(農業、福祉・介護など)の財務指標・DF 情
報など統計情報に関するニーズは多様化してきている。当協会としては、可能な限り、
合致した統計情報を提供するとともに、その結果に基づいた情報・意見交換をさせて
頂くことに努めている。
(4) 住宅ローン債権のリスク管理のサポート
近年の金融機関において、住宅ローン貸出は事業性貸出と並んで経営上非常に重要
な柱となっているが、金利優遇競争の激化等に伴い住宅ローン業務を巡る収益環境は極
めて厳しくなっている。このような状況に照らして、住宅ローン債権に係る信用リスク管理
及び採算管理は、引き続き当局の関心も高く、金融機関会員にとって住宅ローン債権に
係るリスク管理体制の整備は喫緊の課題となっている。
このことを受けて、当協会では平成24年度(2012年度)から、「CRD住宅ローン共同
データベースサービス」プロジェクトに着手し、会員金融機関(地方銀行4行)にもご協力
を頂き、株式会社クレジット・プライシング・コーポレーション(CPC)との提携の下に、必要
となるデータを収集して住宅ローン共同データベースを構築するとともに、これに基づき
デフォルト率推計やプリペイメント(期限前償還)率推計のできる標準モデルを開発し、統
計情報等のサービス提供を開始した。
平成26年度においては、平成26年9月に『住宅ローン債権管理の高度化セミナー
2014』を開催したほか、共同データベース参加会員向けのワークショップを開催(平成2
6年7月、平成27年2月)し、併せて個別会員向けの説明会等を通じた会員向けサービス
を継続している。平成26年度のモデル検証についても第43回 CRD モデル第三者評価
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委員会宛報告を実施し、精度面で問題ない点を確認頂いた。加えて、特定機関である日
本銀行と住宅ローン分野における共同研究にも取り組み、そこで得られた知見を参加会
員間で共有している。
なお、現在、共同データベース参加会員は7金融機関であるが、平成27年度の早い
段階で10金融機関に増える見込みである。また、平成27年度には、現行ツールに簡易
収益計算を行う機能の追加を検討中で、引き続き各種セミナー等での情報提供も継続し
つつ、更なる会員サービスの向上に努めて参る所存である。
(5) アパートローン債権管理のサポート
金融機関会員の取引先個人事業主の多くを占める不動産賃貸業向け貸出(アパート
ローン)に係る債権の信用リスク管理及び採算管理を行うためには、一般の事業性貸出
に係る取組みでは不十分であることに鑑み、アパートローンに特化し、アパートローンの
特徴を捉えたモデル/ツールの構築を目指して、金融機関会員20数会員とともに共同
プロジェクト(「アパートローン共同データベースプロジェクト」)を立ち上げた。
共同プロジェクトにおいてまず障碍となったのが、これまでに各金融機関の下で収集・
蓄積されたアパートローンに係るデータが質量ともに不十分であったことである。また、共
同プロジェクト参加会員からは、アパートローン債権管理の共通課題として、信頼できる物
件評価ツールの利用が困難であることが上げられた。このことに鑑み、今回の共同プロジ
ェクトでは、プロジェクト参加金融機関会員(以下、参加会員と記載)に共通してご利用頂
けるデータ蓄積・物件評価ツール(DaSCORE-APL)を開発することとし、平成26年2
月、そのプロトタイプ版を参加会員にリリースした。その後も、引き続き、参加会員と緊密に
情報交換を図りながら、完成形である「DaSCORE-APL実用版」の開発に着手し、平
成27年上期中のリリースを目指してシステム化に取り組んでいる。
なお、アパートローンに関する参加会員向け第 6 回アパートローン研究会を平成26年
12月に開催し、開発中のツールに関する概要を説明した。平成27年度には、いよいよ共
同データベースサービスの開始を視野に入れ、「DaSCORE-APL実用版」リリースに
合わせ、広く CRD 会員向け説明会を開催する予定である。
4.各種セミナーの実施状況
当協会では、信用リスク、市場リスク、統合リスク管理に関する各種セミナーを実施した。
開催形式は集合セミナー、訪問による個別セミナーと幅広く対応した。
(1) 信用リスク管理セミナー
当協会では、例年、信用リスク管理における時々のトピックスとCRDモデルの定期検
証の結果を会員にお伝えするため、信用リスク管理セミナーを開催している。
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平成26年度(2014年度)は、4月18日に東京で、同21日に大阪でそれぞれ開催し
た。
(2) エグゼクティブセミナー
会員の役員・部長クラスの方を対象としたエグゼクティブセミナーを開催しているが、同
セミナーでは、外部有識者の方を講師としてお迎えし、信用リスク管理にとどまらず、広く
金融経済情勢等に関するご講話を頂いているほか、会員同士の意見交換の場も設定し
ている。平成26年度(2014年度)は、11月7日に東京で開催、75名の方にご参加頂い
た。同セミナーの内容は以下の通りである。
・ 「政府・日本銀行のデフレからの脱却と成長戦略の実現に向けて」
(特定非営利活動法人日本動産鑑定会長 森俊彦氏)
・ 「動産評価で中小企業革命が起こる」
(同理事長 久保田 清氏)
・ 「日本の工芸職人と創る伝統ブランド‘aeru’の挑戦」
(株式会社和える 代表取締役 矢島 里佳氏)
・ 「内外経済の現状と先行き」
(日興フィナンシャル・インテリジェンス株式会社 理事長 山口 廣秀氏)
(3) 中小企業経営診断システム関連セミナー
平成26年度は、特に平成 26 年 3 月にリリースしたMcSS_Simulationの操作実習とそ
の活用方法について、各地でセミナーを開催し、50会員76名の方にご参加頂いた。
また、全国信用保証協会連合会主催による研修会「中小企業経営診断システム活用
講座」にも講師を派遣し、34保証協会、43名の方にご説明させて頂いた。
(4) 個別対応セミナー
CRD協会では、会員のご要望に合わせて、当協会職員を講師として派遣し、会員内
部での研修開催をサポートしている。平成26年度においては、モデルとともに McSS に関
する説明のご要望が多かった。
(5) 個別会員訪問の実施
サービスの提供に当たっては、会員との緊密なコミュニケーションの下で実施すること
が必要であり、会員の抱えるニーズや課題を確認させて頂き、信用リスク管理の高度化、
業績伸長に役立てて頂けるよう、継続的に支援していくため、平成26年度においても個
別に会員訪問を実施した。
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5.システムの管理状況等
(1) CRDセンターシステムの運用・管理
平成26年度(2014年度)を通じて、重大なシステム障害は発生せず、安定的な運用が
続いている。
(2) CRDホームページの見直し
当協会では、「一般向けホームページ」と「会員専用ホームページ」の2つのホームペー
ジを用意し、会員の皆様をはじめ広く一般の方々に向けて、インターネットを通じて当協
会の活動や作成情報などを公開しているが、これらのサービスの中には、利用が低調と
なっているものが見受けられた。
このため、平成26年度(2014年度)は、それぞれのホームページについて見直しを開
始し、平成27年(2015年)4月初旬には、「一般向けホームページ」を全面的にリニュー
アルし、また、「会員専用ホームページ」からは、会員毎に、CRDへご提供済みの取引先
データを用いた、CRDの各種ツールへの取込用データやMcSS電子帳票の還元を開
始した。
(3) CRDデータベース品質管理やデータ分析に活用する基盤の強化
各会員からの提供データについて、現状より更に効率的な品質管理を行い、利用価値
の高いデータベース基盤を構築するため、また、これからのデータ分析や統計情報の還
元に当たってのデータ分析基盤を強固にするため、平成27年(2015年)3月にビジネス
インテリジェンス(BI)ツールを導入した。
Ⅱ.業務運営体制
1.業務運営体制の整備
当協会では、会員ニーズの多様化、高度化、深化に対応するために、研修の実施、外部
機関セミナーの受講等により、信用リスク管理や統計的データ分析に係るスタッフの専門能
力の向上を図るとともに、業務ノウハウの蓄積・充実を進め、より付加価値の高いサービスを
会員に提供出来るよう、努力している。
平成27年(2015年)4月1日時点の当協会事務局は、常勤役員2名、職員25名(うち出
向職員2名、派遣社員2名)の体制となっている。
平成26年10月からは、4部門制による業務運営を進めるとともに、職員間の相互の連携
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をより深めるために、事務室内のレイアウトを変更するなど、体制を整備した。
当協会スタッフに対しては、「行動規範」や「就業規則」に定められたことを基本動作とし
て身につけることや、会社法における「業務の適正を確保するための体制の整備」に準拠し
た「内部統制に関する基本方針」等の当協会における基本文書や、「CRDサービス提供契
約」等の会員との間で締結した契約を遵守すべきことを徹底している。
「CRD情報資産」については、会員共有の価値ある資産であり、適切に保護する必要が
あることに鑑み、「CRD情報セキュリティ関係規程類」に基づき、組織的・体系的な情報セキ
ュリティ管理に遺漏なきを期することとしている。その一環として、当協会においては、情報
セキュリティ管理に関して、日常的に、インシデントの監視等を行うとともに、毎月、社内にお
いて連絡会を開き、さらに、毎年度、第4四半期には、自己点検を行った上で、外部監査人
による監査を受け、これらの結果を理事会に報告する体制を構築することによって、実効を
上げることとしている。
また、住宅ローン債権管理に取り組む金融機関会員を支援する機会が増えたことに伴い、
従来は「匿名情報」を取り扱ってきた当協会においても、「個人情報」に該当する情報の取
扱いが増える可能性があることに鑑み、個人情報保護法に対応して、「CRD個人情報保護
のための取扱方針」を制定し、平成23年4月より運用に当たっている。
2.会員数の状況
平成26年度(2014年度)末時点での会員数は179先(前年同184先)となった。
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