感動の風 平成27年6月 - 地域ケアホーム ありがとう

感動の風
平成 27 年 6 月
目 次
『諦めないで…』グループホーム 今川 由美子・・・・・・・・・・・・・・・・1
『ターミナル期』グループホーム 井手上 萌乃・・・・・・・・・・・・・・・・2
『支え』グループホーム 砂田 恵理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
『できないから?やらないから?』グループホーム 今川 裕加・・・・・・・・・3
『アプローチ』グループホーム 岡前 真理子・・・・・・・・・・・・・・・・・4
『家族の想い』グループホーム 神尾 功雄・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
『どうせ無理だろう』グループホーム 津島 年雄・・・・・・・・・・・・・・・6
『リフレッシュ休暇』グループホーム 中藤 まゆみ・・・・・・・・・・・・・・7
『笑顔に…』グループホーム 松井 憲子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
『法事』グループホーム 松井 瑞季・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
『まだまだ』グループホーム 山上 裕美・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
『不安と安心』ありがとうデイサービス 垰 淳子・・・・・・・・・・・・・・ 10
『デイの家』デイの家 神本 光穂子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11
『私達にまかせてください!』デイの家 神本 光穂子・・・・・・・・・・・・ 12
『見えないところで…』デイの家 松下 糸希・・・・・・・・・・・・・・・・ 13
『ただ黙って…』デイの家 松田 真実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
『壊れた物々』ビューティデイサービス 田丸 順子・・・・・・・・・・・・・ 15
『大切にする心』ミラクルデイサービス 藤谷 亜由美・・・・・・・・・・・・ 16
『
』ミラクルデイサービス 宮川 亜希恵・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17
『春日デイ運動会』春日デイサービス 近藤 真左子・・・・・・・・・・・・・ 18
『17 個の弁当』春日デイサービス 藤井 由香・・・・・・・・・・・・・・・・19
『必要とされている』神辺川北デイサービス 藤田 恭子・・・・・・・・・・・ 20
『神辺デイの庭』神辺川北デイサービス 三谷 操・・・・・・・・・・・・・・ 21
『育休が明けて』神辺川北デイサービス 山本 真理子・・・・・・・・・・・・ 22
『文化祭』リハビリセンター 黒澤 優子・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23
『文化祭り』リハビリセンター 藤原 宏樹・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23
『1年ぶりの絵』リハビリセンター 吉野 那美・・・・・・・・・・・・・・・ 24
『発語』メディケアデイサービス 占部 唯・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26
『古巣は…』メディケアデイサービス 富貴子・・・・・・・・・・・・・・ 27
『悲喜交々』メディケアデイサービス 神浦 ひろみ・・・・・・・・・・・・・ 28
『精一杯関わろうよ !!』総合訪問センター 斉藤 美紀 ・・・・・・・・・・・・ 29
『介助の5要素』総合訪問センター 阿部 久美子・・・・・・・・・・・・・・ 30
『職員になって1ヶ月』総合訪問センター 小澤 暁美・・・・・・・・・・・・ 32
『治療』総合訪問センター 坂居 倫代・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34
『主体は…』総合訪問センター 建部 裕子・・・・・・・・・・・・・・・・・ 35
『お風呂』総合訪問センター 野田 和美・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36
『ご利用者のまなざし』総合訪問センター 野田 小百合・・・・・・・・・・・ 37
『月1回のミーティング』総合訪問センター 矢野 弘恵・・・・・・・・・・・ 38
『介護方針』総合訪問センター 山本 郁子・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39
『調整役』介護支援ステーション 荒井 香枝子・・・・・・・・・・・・・・・ 40
『変更申請』介護支援ステーション 山本 洋子・・・・・・・・・・・・・・・ 41
『諦めないで…』
グループホーム 今川 裕加
約1ヶ月前に軽度の脳
塞になってしまい、右半身麻痺となって
しまった A さん。
いつも右手で食事していたのに、突然不自由になってしまい、「ど
うしたんじゃろ…。」と不安の声が多く聞かれました。私も何とかし
て生活をする上で自立できないかと常に思っていました。PTのス
タッフの方がほぼ毎日リハビリに来てくださり、30 分ほど歩行練習
や右手を使っての机拭きやボールつかみなど行ってくださいました。
Aさんも「どうやればいいの?」などスタッフに聞きながらリハ
ビリを続けました。私も空いた時間に廊下を往復したり、ベッド上
での腰上げ運動を一緒に行いました。すると日が経つにつれて、徐々
に右手が使えるようになりました。
今では右手にスプーンやフォークを持って食事ができ、歩行も少
しの支えがあれば歩けるようになりました。
「だいぶ右手が動くようになってきてますよ。」と言うと、「本当 !?
良かったぁー。」と笑顔も見られるようになりました。諦めずにリハ
ビリをすれば、少しずつ動くようになるんだと改めて感じました。
1
『ターミナル期』
グループホーム 井手上 萌乃
ターミナル期に入っている A 氏は、ベッド上で過ごすことが多い。
たまに離床し、水分補給したり、車イスで庭を散歩されたりして
いる。以前は点滴のみで経口摂取できていなかったが、ここ最近ご
家族が持ってきてくださったプリンを口にすることができている。
「○○さん」と耳元で呼ぶと目を開けて反応してくださったり、髪
を洗うと気持ちよさそうな表情をしてくださる。
そんな A 氏から学ぶことがたくさんあります。
一つ一つのケアを大切にして A 氏により良い環境を提供したり、
良いケアができるよう、これからもスタッフの皆さんと協力してい
きたいと思います。
『支え』
グループホーム 砂田 恵理
管理者の中藤さんはいつもすごい方だなと思っています。利用者
や家族にやさしく接し、私達の声も聞いてくださるのでありがたい
です。3年間ありがとう学会でグループホーム内で唯一私ひとり何
も賞がいただけてなかったのですが、その時も「なんで砂田さんが
入ってないのかなって不思議に思ったのよ。」と言ってくださったこ
とがとても救いになっています。
2
『できないから?やらないから?』
グループホーム 今川 裕加
A さんは外をボーっと眺めていたり、淋しそうな表情をされたり、
少し退屈なのかな?と気になっていたので、その日は散歩へ少し出
かけようと思っていましたが、スタッフの方がキャッチボールを毎
日続け、コミュニケーションがとれたという話を思い出し、キャッ
チボールをしてみました。
びっくりしました。とても上手で嬉しそうに、嫌な顔一つもせず
私と遊んでいただけたことに嬉しく思いました。
一緒に数を数えたりしながら楽しく過ごしていますが、まだまだ
足腰も元気なので体を動かす機会を増やせたらと思いました。
B さんは車イスでご自分で身動きがとれないのでボールを投げる
ことはできるのかどうかわからなかったので、10 回だけがんばりま
せんか?と声をかけ、無理矢理ですが投げていただけるように声を
かけると、しっかりボールを持ち身体を起こして力いっぱい投げて
くださいました。
「すごいね、すごいね。」と3人で喜びました。
できないではなくて、やらないからできなくなっていくのかと思
い、また一緒にキャッチボールをし、一緒に楽しむ機会を増やして
いきたいと思います。
3
『アプローチ』
グループホーム 岡前 真理子
Aさん 82 歳 男性 入居4年目
ADLはほぼ全介助だが、健側の手にコップを持ち、水分自力摂取
可能。また、二人介助にて数メートルの歩行可能。普段は表情がないが、
声かけに笑顔を見せたり、問いかけに小さく「うん。」と発語あり。
Bさん 92 歳 女性 入居4年目
ADL全介助。最近拘縮が進んできたためか、移乗時痛みを訴え介
助者をつねったり、「バカにして」等の発言がある。言葉は少し出にく
いが、「ありがとう」「おいしい」等の発語もあり。
ある日の出来事です。
リビングでソファーに座ったAさんとじゃんけんや指相撲をしなが
らコミュニケーションをとっていたら、そばにいたスタッフが「あち
らでBさんが手でじゃんけんをしてる。」と教えてくれました。私は
「えっ!何?」と振り向き驚いた反面、こういうこともあるんだとすご
く嬉しくなりました。
私はAさんと「最初はグー、あいこでしょ。」と遊んでいたのですが、
少し離れて背中を向けて座っていたBさんも私の声に反応し、グー、
チョキ、パーをしていたようです。
入社してまだ2週間足らずで、ご利用者のこともまだ十分理解して
いない状態ですが、今回のこの出来事で色んな側面からのアプローチ
の大切さを実感しました。
これからもコミュニケーションスキルを学び、
ご利用者やご家族とのか
け橋となれるようなケアができるように、
心掛けていきたいと思います。
4
『家族の想い』
グループホーム 神尾 功雄
ご利用者T様と娘様と私の3人で春日池公園に散歩に行きました。
梅雨時でしたが、この日は天気にも恵まれ、気持ちの良い散歩が
できました。普段、ご家族の方とゆっくり話すことができませんで
したが、この日は時間をかけてゆっくりとお話ができ、ご家族の想い、
T様の過去の生活等を聞くことができ、私にとって実りのある時間
となりました。その中でも娘様から、
「この仕事大変ですよね?」「し
んどくないですか?」「いつもありがとう。」「母はありがとうに来て
本当に笑顔が増えました。」などの嬉しい言葉をたくさんいただき、
私の中で胸が熱くなりました。T様は認知症があり、1時間前に出か
けたことなどを忘れてしまいますが、その時、その一瞬の笑顔や喜
びを多く感じてもらえるよう、さまざまなアプローチやケアをして
いきたいと思います。
5
『どうせ無理だろう』
グループホーム 津島 年雄
Aさんは僕の就職前から口笛をよく吹いてくださり、優しい小さ
な声でお話をされていました。そのAさんも1年と少し前に脳
塞
により発語するのが困難になりました。近頃では「はい」という返
事が難しい時があり、「んん」と発することが常のようになっていま
した。スタッフのほとんどは A さんが口笛を吹いていた頃を知りま
せん。本人の前で歌うと口笛を吹いたり A さんも一緒に歌ってくだ
さっていたのですが、最近では本人の前で歌いかけることも見られ
なくなっていました。
そんな中で小原さんは毎回出勤の度にAさんへ歌うことの働きか
けをしていました。僕もそれに影響されて時々その関わりを始めて
いました。ある日、僕が本人の前で炭坑節を歌うと、なんと1年ぶ
りにしっかりと発語で「ヨイヨイ」「(日が)出た出た…」と口ずさ
んでくれたのです。このとき嬉しくて思わず声を上げてしまいまし
た。
その日の夕食後、再び同じ歌いかけをしてみました。するとAさ
んもしっかりとした発語で部分部分を口ずさまれ、7∼8ヶ月前に
脳
塞により発語困難となり、発語量が減っていたBさんもはっき
り発語をして一緒に歌われました。僕は本当に久しぶりにAさんと
Bさんの素敵な歌声を聞いて泣きそうなくらい嬉しかったです。
ご利用者はできる能力を持っておられる。改めて人の可能性に気
付かされました。それを「どうせ無理だろう」とタカをくくって目
をつぶっているのは自分なのだ。どんな関わりでも問いかけでもす
べきなのだと介護の基本に改めて気付かされた出来事でした。
6
『リフレッシュ休暇』
グループホーム 中藤 まゆみ
リフレッシュ休暇に感謝と感動です。
長い休みが終わり職場に戻ると、気持ちよく迎えてくれるスタッ
フにありがたく思います。休みの間のことなどスタッフが伝えてく
れていますが、気遣って連絡をできるだけ手短にまとめてくれるス
タッフの想いに感謝です。
今回のリフ休も千葉の実家の母と姉と妹に会うことができました。
80 歳半ばになる母と遠く離れていますが、リフレッシュ休暇を利用
して年に2回会えることを楽しみにしています。
今は元気ですが、高齢の母とこうして会えるこのリフ休に感謝し
ています。本当にありがたく思っています。
さあ気を引き締めて頑張ります。
『笑顔に…』
グループホーム 松井 憲子
以前よりも覚醒される時間が短くなったS様。
日中、眠っている事が多く、声かけにも反応が薄い事が増えてき
たけど、目を覚まされた時の笑顔に癒されてしまいます。
笑顔でいろんな人を幸せにできて、すごいなあと思います。
7
『法事』
グループホーム 松井 瑞季
ターミナルに入られた方で、一時どうなるかわからない状態から
落ち着き、娘様から、その方の旦那様の法事があるので、できたら
参加してほしいとの希望がありました。看護師から注意事項などを
聞き、法事の当日、状態に変わりはなかったため、法事への参加を
決行しました。
法事の時の様子をうかがうと、しっかりと目を開け、手もよく反
応していたことや、娘様方は法事に来ることができて本当に良かっ
たとおっしゃられました。
その後も大きな変化もなく過ごされ、法事への参加ができてよかっ
たと感じました。
(7月 31 日に永眠されました)
8
『まだまだ』
グループホーム 山上 裕美
育児休暇より復帰して3ヶ月目に入り、ご利用者さんとも慣れ、
コミュニケーションがとれるようになってきました。
時々「はい」としか発語がない男性のご利用者さんと関わること
も多くなってきたのですが、最近声をかけるとにこやかな表情で、
顔へ手を伸ばしてくださったり、手を合わせるとたたいてくださる
ようになりました。
普段は歩くことが難しく車イスでの生活ですが、先日、スタッフ
2人介助にて両脇を支え歩行介助すると、ゆっくりですが足を前に
出されていました。
5mくらい歩いたところで一度休憩をし、トイレまでの2∼3m
くらいを再び歩きました。
だんだん力が抜け、座り込みそうだったのですが、娘様や奥様の
お名前を出し、声かけをすると、足どりがよくなり、支えるスタッ
フもあまり力を入れすぎることなく歩行ができました。
車イスでの生活が主になってしまっても、スタッフが介助する時
間を持って、時々でも歩行介助をすれば、まだまだ足は元気になる
んだなと思いました。
声かけ1つでもご利用者の表情は変わってくるし、元気になれる
んだなと感じました。
9
『不安と安心』
ありがとうデイサービス 垰 淳子
今月、看護スタッフの高橋さん ( デイの家と兼務 ) がデイサービス
へ来てくれて2日目の朝のこと。
玄関で髙橋さんと会った。
「おはよう!垰さん来てくれたら安心するわあ。」と安
の表情を
見せた。
看護学校を卒業して1年…。臨床経験もない私。もし急変があれ
ば対応できるのだろうか…と正直、不安な毎日。
「看護師」という責任の重さを感じる。
ただ、不安なのは私ひとりじゃないんだと改めて気付いた。
「お互い支え合おう。相談しながら一緒に頑張ろう。」と髙橋さん
がくれた言葉で私も安心した。
ありがとう。
私も髙橋さんがいてくれて本当に安心します。
10
『デイの家』
デイの家 神本 光穂子
デイの家には、意思疎通の難しい方が多くおられる。
中でもT様は独語・幻視・幻聴があり、こちらの問いかけに対し
て答えが返ってくることはまずない。
しかし、T様のお人柄は発される言葉・しぐさ・愛敬などで感じら
れる限り、私はとても素敵な女性で、妻で、母で、祖母でおられた
のではないかと想像している。
失礼ながら、T様と手をつないだり、ギュッと抱きしめてくださる
行動は私にとってとても愛くるしくかわいいと感じている。
言葉でのコミュニケーションは難しいが、T様に共感したり、会話
をしているような非言語的コミュニケーションの方法はないだろう
かと日々考えて接していた。
意味のなさない言葉でも言葉の語尾を復唱してみる。適度なスキ
ンシップをはかる。少人数の落ちついた空間をつくる。
そんなある日、私の発する言葉にそれに見合う言葉が返ってきた。
「おはようございます。お元気ですか?」
「元気よ。おはよう、ありがとな。」
「お昼ご飯ができましたよ。」
「わあおいしそう。ありがとう。」
それだけでなく、壁の掲示物のひらがな部分を『「あり」とここに
書いてあるな。』と読まれる。
あまりにびっくりしてしまい、興奮してしまった。
とても嬉しくて嬉しくて…本当に感動 !!
思わずT様を抱きしめてしまった。
11
『私達にまかせてください!』
デイの家 神本 光穂子
ある方のお迎えに行った際、ご家族から「今日は行けそうにない
んです。また時間をおいてきてもらってもいい?」と。
「 大丈夫ですよ。
また伺います。」そう答えると、「だんだん難しくなって寝るのもな
かなか夜に寝てくれなくて…。ありがとうにも行けなくなったら、
私どうしたらいいんだろう…。」
ご家族がふともらした不安な声でした。いつも明るく振舞ってく
ださる方なのに、とても悲しげな顔でした。私は何か声をかけなけ
ればと、「大丈夫ですよ。私達にまかせてください!」思わず出た言
葉だったのですが、正直私も対応の難しさに不安がないわけではあ
りません。「でも何とかお役に立ちたい。それが私の仕事だから。」
という思いでした。
再びお迎えに伺うと、外で待ってくださる利用者様とそのご家族
の姿が見えました。すんなり乗車できたわけではないのですが、声
かけを変えてみたり、一緒に座ってみたり…試行錯誤の末なんとか
乗車できたのです。「いつもごめんね。迷惑かけます。ありがとう、
本当にありがとう。お願いしますね。」ご家族は何度もお礼を言って
見送ってくださいました。「ゆっくり休んでくださいね。まかせてく
ださい、大丈夫ですから。」気付くと、ご家族と手をにぎり合ってい
ました。どこからそんな自信が生まれてきたのでしょう?相手に寄
り添いたいという気持ちがそんな言葉になったのかもしれません。
12
『見えないところで…』
デイの家 松下 糸希
出勤すると、居宅の小林さんが車を丁寧に吹いている姿をよく見
ます。直接ご利用者を乗せるわけでもないのに、いつでもご家族や
他の事業所の方とお会いするので、きれいにしているのだと思うと、
ほんとにすばらしいと思います。
いつまで経っても、あの元気な姿と、すべてのことに対して丁寧
な姿にいつも感動し、グッドジョブ賞だといつも思っています。
13
『ただ黙って…』
デイの家 松田 真実
デイの家でも毎日暑い日が続きますが、皆さんが元気でデイの家
に来られている姿を見ると、私も頑張らないといけないなと思いま
す。
利用者のYさんが疲れた様子でイスに座っておられたので、「大丈
夫ですか?」と声をかけました。
しかし、声をかけてもあまり口を開かず、黙ったままでした。
いつも元気でいる姿を見ていると、Yさんが心配になり、何とか元
気になってもらいたいと思いました。
Yさんの隣に座り、私は静かに話しかけました。
するとYさんは「そんなに気を遣わんでもええ。」と言い、また黙っ
てしまいました。
私はあまり自分にかまってほしくないんだと感じ、しばらくYさ
んの隣で座っていました。
するとYさんが、「お前は優しいな…。」と言ってくださり、顔を
見ると笑顔が見えました。
私は何もしていないのに、Yさんがそう言ってくださり、胸が熱く
なり、とても嬉しかったです。
ご利用者が考えること、思うことを全て聞き入れることは難しい
し、相手も話したいことばかりではないと思いました。
ただ、何も言わなくてもそばについて座っているだけで、良かっ
たんだ、安心してもらえたんだと感じました。
14
『壊れた物々』
ビューティデイサービス 田丸 順子
壊れたイス、壊れたドアなどがいつの間にか直っていました。他
のスタッフに確認すると、誰も直していないとのこと。よくよく話
を聞くと、ありがとうの物が壊れた時は、スタッフの神原さんにお
願いすると知りました。
スタッフやご利用者の迷惑にならないような時間を選んで修理し
てくださっています。すごい心遣いです。
ご利用者はもとより、私達現場のスタッフが気持ちよく働けるのは、
神原さんのおかげです。
今日も感謝しながら、修理されたイスを使っています。
15
『大切にする心』
ミラクルデイサービス 藤谷 亜由美
人にはもちろん、すべてのものに対して優しく、大切にするご利
用者のHさん。とても素敵な方です。
が倒れたら
に向かい、「ごめんね、痛かったろう。」
レクでボーリングをした時は、狙った所に投げられるよう、ボー
ルを撫でながら、「あんた、いい子になりなさいよ。」
入浴の時は浴室の手すりに向かい、「気持ち良かったよ、また来る
ね。」と…。
その姿を見るたびに心が和み、私も笑顔になれます。
自分は物を大切にしてないな、人に優しくできてないなと考えさ
せられます。
そんなHさんに今日も帰り際、「今日もありがとう、帰るね。あな
たも早く帰りなさいよ。」と、とびきりの笑顔で言われ、また心が救
われ頑張ろうと思いました。
本当にHさんは素敵です。
16
『
』
ミラクルデイサービス 宮川 亜希恵
ある日の帰りの送迎時、車中にて。
数名送った後、風邪を引いていないのにのどがイガイガし始め、
ご利用者の前で咳をしてはいけないと我慢をしていたのですが、我
慢できず数回咳をしてしまい…。
最後の方を送った後、最期のご利用者から帰りにそっとのど
を
渡され、「大事にな。」と一言。
さりげなく
を渡され、優しい一言に心から「ありがとうござい
ました。」と言い、車を出発させました。
本当はいただいてはいけないのでしょうが、ご利用者の優しさに
いただいてしまいました。
17
『春日デイ運動会』
春日デイサービス 近藤 真左子
音がうるさい、気持ちがのらないなどと怒り出すご利用者が参加。
時々表情が険しくなり、スタッフもドキドキ。
しんどいと寝てしまうご利用者も参加。パン食い競争、断られるが、
座るだけと言って座ってもらう。競技が始まると普段は大きな口が
開かないが、頑張って口をパクパク。
自宅ではベッドで寝てばかりで体力のないご利用者の参加。害虫
駆除ゲームで新聞ボールを一生懸命投げて頑張っていた。
一回目のパン食い競争。「僕はいい。」と断られるが、二回目、参
加してくださる。
女性ご利用者も恥ずかしいと言いながらも競技に参加。
賞状を渡すと皆さんニッコリと笑顔。
春日デイ運動会が無事終わりました。
18
『17 個の弁当』
春日デイサービス 藤井 由香
5月中旬、手作りのお弁当を持ってお出かけでした。
調理担当の高橋さんは 17 個のお弁当作りがお昼までに間に合わな
かったらいけないといつもより早く出勤して調理にとりかかられま
した。
愛情たっぷりのお弁当はとてもおいしそうにできていました。
私は食べられなかったのが残念でしたが、ご利用者にとても喜ば
れたと後日聞きました。
「手間だから買えば良いのに。」という意見もありましたが、外で
の食事はいつも以上に気持ちも良いもので、楽しいひとときだった
ことでしょう。
19
『必要とされている』
神辺川北デイサービス 藤田 恭子
頑張り屋のAさん、70 歳女性は、常に体の痛みと戦っておられ、
痛み止めを飲んでデイに来られる程です。
送迎中のこと、「ありがとうに来る時だけ元気!家におると余計ダ
ラダラして体がしんどくなるんよ!」といつも明るく言われます。
「Aさんが来てくださると、デイ全体が明るく、楽しくなります。
Aさんの存在は他のご利用者にもスタッフにとっても、ものすごく
重要なんですよ !!」と私が答えると、「人に必要とされるってありが
たいなぁ。よく娘に言われるんよ。デイが楽しくなくて仕方なしに
行っとる人がいっぱいおる中、あんたは楽しく過ごしていいスタッ
フに恵まれて幸せじゃなぁ。と言われる!」としみじみ言われました。
「20 年先もありがとうで一緒に過ごしましょう!約束!」とお互
いじーんとしながら、力強く誓い合った私とAさんでした。
20
『神辺デイの庭』
神辺川北デイサービス 三谷 操
園芸活動を楽しみに目標とされているご利用者や素敵な庭にて季
節折々の花や野菜を目にすることにより五感で感じとってくださっ
ている方、もちろん私たちスタッフも今年見事に咲いたあじさいの
花や成長途中の野菜の苗を見ては感動する日々です。
しかし、庭での草花の手入れは時期の草花をタイムリーに提案し
なくてはいけないので、下準備や知識も必要だし、大変ですがとて
もやりがいのある作業です。
先日もつる性の植物のネット張りなど錦織さんが進んで手伝って
くださり、水やりも藤田さんがよくしてくださり、成長を一緒に喜
んでくださいます。
スタッフみんなで協力してなんとか
ころ、
さんの後を頑張っていると
さんが神辺デイへ初任者研修の講師で来られてお話をしま
した。「初任者の勉強へ来られている方々へも園芸やこの庭のパワー
が影響している。」と。
庭でのいろいろな工程を知らなくても、楽しいことを想像できる
そんな素敵な庭のある神辺デイはすごいと思います。
そして、その力を感じとってくださる先輩は、尊敬できる大切な
存在です。
21
『育休が明けて』
神辺川北デイサービス 山本 真理子
産休・育休を取らせてもらい、約1年ぶりの職場でした。
神辺デイに初めて出勤する前日からドキドキの緊張とワクワク、
少し不安が混ざった感覚でした。
はや4日が過ぎ、感じることはこんなにも「ありがとう」と言わ
れることがあったんだと。育休明けで、それはとても新鮮でした。
そして、私まで笑顔にさせてもらうなんて。改めて働かせてもらう
喜びと、素敵だなぁと思いました。一緒に笑い、時に悲しくなり、
感情を共有できる。想いを共有できる介護者になりたいと感じてい
ます。
私もご利用者やスタッフへありがとうや笑顔を届けたいです。
22
『文化祭』
リハビリセンター 黒澤 優子
6月6日、年に1回の文化祭。
子どもの太鼓演奏にフラダンス。ご利用者のカラオケ大会にスタッ
フの出し物。バザーにクラフトにゲームに盛りだくさんの内容。
閉会直前にスタッフ全員による合唱…。
夕方のミーティングのあと、何度か練習を重ね、全員が前に並び、
万力さんのピアノ伴奏で Best Friend を歌いました。
一番後ろに座られているご利用者Aさんと目が合う。その目から
涙がこぼれています。
もらい泣きしそうになるのをこらえて、後日その方と話したとき、
「あんな素敵なスタッフの人達に見てもらっていると思うと幸せ。」
と言ってくださいました。
その一言がたまらなく嬉しく、涙がこぼれ…。抱きしめてもらい
ました。
『文化祭り』
リハビリセンター 藤原 宏樹
文化祭りの最後の場面でスタッフ全員でご利用者たちに歌のプレ
ゼントをしたのですが、歌い終わると泣いているスタッフやご利用
者がいて感動しました。
今年の文化祭りは昨年よりも良いものになり、また来年も楽しく
盛り上げていきたいです。
23
『1年ぶりの絵』
リハビリセンター 吉野 那美
6月から新規で利用されたFさん。
元々は版画の講師をされており、絵を描く事を生きがいにされて
いました。脳
塞で入院され、退院後、筋力低下・意欲低下が見ら
れました。絵を描く事も辞められていました。
私はFさんの担当ワーカーとなり、Fさんと話をすると絵について
いろいろと話してくださいました。絵の話をする時のFさんの表情
はとても嬉しそうで私も絵が好きなので一緒にお話しするのが楽し
くなりました。
「Fさん、今は描かないの?」とうかがったところ、
「今
はなぁ…。」と寂しそうにでした。
「じゃあ一緒に絵を描きませんか?」とお誘いすると、少し困った
ようでしたが、「いいよ。」と返事をされ、一緒に絵を描きました。
できあがった絵は線も細く、ぶれていました。私は失敗させてし
まったかな…と不安がありましたが、Fさんの表情を見ると嬉しそう
に「1年ぶりに描いたわ…。」と言われながらとても嬉しそうでした。
また、他のスタッフやご利用者からも「いいねぇ。」と褒められる
声に本人の意欲もどんどん上がっていきました。
最近では「絵のリハビリ」として描く事を続けられています。ご
家族からも「デイサービスに行く事を楽しみにしているんですよ。」
と言っていただき、とても嬉しい気持ちになりました。
今後Fさんにとってのやりがい、生きがいを一緒に見つけていき
たいと思います。
24
25
『発語』
メディケアデイサービス 占部 唯
ほとんど発語が見られないご利用者へ他スタッフが「お風呂へ行
きますか?」と聞くと、「行きたい…。」と言われました。
私は近くにいたのですが聞こえておらず、他スタッフが「今、行
きたいって声が出たよ!」と教えてくれ、一緒に喜びました。
あまりに嬉しくて涙が出てしまい、ご利用者に抱きついていまし
た。
なかなか声が出ませんが、いつも目を見てうなづいてくれたり、
「うー。」と返してくださいます。そのまなざしや表情、動作に励ま
され、心がポッとあたたかくなります。
その方の存在にいつも感謝しています。
26
『古巣は…』
メディケアデイサービス 富貴子
6月中旬神辺デイで初任者研修がありました。
異動後、久しぶりの神辺でした。
3年前にご利用者と挿し木をしたアジサイが玄関脇に2鉢置いて
ありました。大きい房になり、たわわに咲いていました。
メディケアで仕事をしていても、あのアジサイはどうなったか気
になっていたところでした。
初任者研修で1日目のプログラムの中に、「車イスのご利用者に
とって最高の散歩」を楽しんでいただくため、神辺デイの庭を下見
して計画を立てるという内容があります。
4グループに分かれ、暑い中 30 ∼ 40 分、受講生たちは細かいと
ころまで見て素晴らしい計画を立ててくれました。
1グループ、2グループと発表を聞いているうちに、感極まって
涙が出てしまいました。
例えば、畑のトマトを井戸で洗って、門の下の陰でおやつを食べる。
そして、発芽しているかわいいひまわりを見て、シシオドシの石う
すにいるメダカに
をあげる。玄関脇のひまわりと花壇のひまわり
の色を比べて絵手紙の題材にする。グリーンカーテンの中で涼んで
から帰る等々…。
神辺のスタッフと一緒に屋外環境作りをしてきた甲斐があったと
心底嬉しくなりました。おかげで発表者の方々は細かいところまで
の気付きがあり、とても嬉しい初任者研修でした。
27
『悲喜交々』
メディケアデイサービス 神浦 ひろみ
ある用事でいつもと反対の方向から電車に乗った。すると、一方
から見ていた景色とは全く別の世界が広がった。
朝早かったせいか、周りがキラキラ輝いて見えた。たまにはこん
な経験もいいと思った。
人の見方も自分次第と思うことがよくある。
人によって傷つけられた傷は結局人によって癒されると聞いたこ
とがある。そんな経験もした。
「考えて失敗してもそれが経験になる」という社長の教えに感動し
ながら、年を重ねてそう思えることがある。年を重ねても全く生か
せてないこともある。
悲喜交々の日々の中で、A様の小さな動きさえ見落とさず、残存機
能をフルに活かし、ペットボトルを持っていただき、鉢植えに水や
りをしているスタッフのEさん。感動!
28
『精一杯関わろうよ !!』
総合訪問センター 斉藤 美紀
50 歳の ALS の女性がグラシアスに入居されています。
自分でできない事がだんだんと増え、入居された時には、トイレ
まで歩行され排泄されていたのに、この2年でベッド上での排泄介
助になられました。
元来、性格の細かい方なのか、掃除の仕方、洗濯物の干し方、排
泄介助の際のティッシュペーパーを使用する枚数や拭き方まで、そ
の方の要望に応えられるよう、スタッフで統一して申し送りや手順
書を作成して対応していて、新しいスタッフは慣れるまで緊張しな
がら関わったり、スタッフの間でも大変だな、しんどいなという空
気が広がっていました。
先日、ケースカンファレンスをミーティングでした際、この方に
ついて看護スタッフ、介護スタッフ、管理者、全員で話し合いました。
「自分が 50 歳で ALS になって、痒いところも自分で掻けない、75
歳の親の世話にはなれない、ベッド上で人におしめを替えてもらわ
ないといけないような生活が今後もずっと続くとなったらどう?」
と管理者の言葉を聞き、泣いているスタッフも数人いました。
「確かに細かい指摘もあるし大変な事も多いけれど、時にはスタッ
フに大きな声を出して怒りたいことだってあると思う。それを受け
止めるのも我々の仕事。この先、人生の最後の場所にここが選ばれ
るか、病院を選ばれるかはわからないけれど、ここにいてくださっ
ている間は、精一杯関わろうよ !!」と励まされ、自分はまだまだだ
なと痛感させられました。
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『介助の5要素』
総合訪問センター 阿部 久美子
少し間が開いてAさんの訪問に行くと、動かれる様子が以前と違
い、介助に戸惑ってしまい、動きを妨げてしまったり、痛みを与え
てしまいました。しかし、Aさんは辛そうな表情をされるが、「体調
が今は良くないから…。」
「その時で変わるから…。」と気を遣って言っ
てくださるのがわかりました。とてもよくない申し訳ない気持ちに
なり、これではいけないと別の日に接する回数の多いベテラン介護
スタッフに実際の介助方法をご本人に了承を得て、見せていただき
ました。ご本人の動きに合わせてとてもスムーズです。そして改め
て気が付いたのはAさんはご自分でしっかり動かれるということで
す。私は介助しなければという思いが強く、かえって動きの妨げに
なっていることに改めて気付きました。
次回、前回よりも順序通りには行けたものの、やはり難しい部分
があり、Aさんの動きが止まってしまい、しんどい思いをさせてしま
いました。Aさんは「大丈夫よ。色々変わるから難しいんよ。」と言
われました。その日の稼働の終わり、申し訳なかったことを伝え、
また勉強しておくと話すと、「いつでも来ていいよ。」と言われ、「阿
部さんが私になって練習してみて。」と言ってくださいました。
何日か後、Aさんについてミーティングがあり、介助方法について
管理者より介助の5要素が大切であり、介助しすぎても足りなくて
もいけないと話がありました。無理に動かしても、手伝う力が少な
かったり遅れても、ご本人にとっては動きが難しくなったり、苦痛
を伴うと改めて知り、今までAさんに限らず、介助が一人よがりだっ
たと思い知らされました。
実際、スタッフに介助をしてもらったり、自分が動く時のイメー
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ジしたりして、次回の訪問となりました。また緊張はしましたが、
イメージ通りの方向にすることができ、座っていただきましたが、
身体はとても軽く感じられ、いかにいらない力を入れていたかと思
いました。
「今の良かったよ。」と言ってくださり、良くなかったところを尋
ねるとこうした方が良いと教えてくださいました。
Aさんに毎回教えてくださることに感謝と申し訳なさを伝えると
「自分のためだから。」と笑顔で話されました。
これからもAさんに合わせてよい介助をしていきたいと思います。
長年介護をしてきて基本がなっていないことに改めて気付き、ご
本人の力を見極めてご本人の力が引き出せる介護をもっと目指して
いきたいと思います。
Aさんとご指導くださったスタッフの皆さんに感謝します。
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『職員になって1ヶ月』
総合訪問センター 小澤 暁美
私が訪問センターのスタッフになって1ヶ月が経ちました。
3月末に初任者研修を修了した時点で、これでちゃんと仕事に就
けると思っていたけれど、いざ介護の仕事に就いてみると、何もか
も初めてのことばかりで覚えることも多く戸惑います。
また、先輩に何回も同行させていただき、移乗や排泄介助の仕方
を見せていただいたのですが、実際に1人でやってみる段階になる
と、時間ばっかりかかっても同じようにはなかなかできず、果たし
てちゃんとやっていけるのだろうかという不安に押しつぶされそう
な毎日でした。
そんな不安を抱えた状態で3週間ほど経った頃でしょうか。
いつものように朝食を終えられたご利用者を居室のベッドまでお
連 れ し て 移 乗 し、横 に な ら れ て ベ ッ ド の 柵 の ス ト ッ パ ー を 確 認、
ほーっと胸をなでおろし、退出しようとしたところ、ご利用者の方
から「壁際の棚の上にあるポーチを取ってほしい。」と声がかかりま
した。ご利用者にお渡ししながら、
「 あれ、いつもと違うけど、あのポー
チには何が入っているのかな?」と思ったのですが、次の仕事の時
間が押していたので、すぐその居室を退出しました。
次の仕事は4軒分の洗濯物の回収で、偶然ですが先ほどのお宅に
も再び訪問となりました。
ノックして「おはようございます。」と挨拶をして、「Aさん、洗
濯物をお預かりしますね。」と声をかけるために近づくと、Aさんは
横になったまま、にこにこしながらお化粧されているではありませ
んか。久しぶりのお化粧を楽しんでいらっしゃる姿は、とてもお茶
目な女の子のようでした。ほわぁっと温かい雰囲気が漂っていまし
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た。
「感動」という言葉を使っていいのかわかりませんが、そんな姿に
私の張り詰めた心がすっと緩んでいくのを感じました。
今までご利用者とはガチガチの状態で向き合っていた私ですが、
自分の不安に左右されて緊張するのではなく、安全に介護という仕
事を行うための緊張であるべきだと感じ、反省しました。
一緒に仕事をする諸先輩方から教えていただく技術的なことは大
切なことばかりで、しっかり学ばなければならないけれど、さらに
人を支える仕事として心も身体もサポートできるようにしっかり見
て、しっかり考え、きちんと接していこうと思いました。
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『治療』
総合訪問センター 坂居 倫代
外部訪問先の 80 代女性Aさん。主な介助者は娘さん。現在、週 3
回の放射線治療で、梅雨の時期…雨の降る日もあるけど、頑張って
通院されている。治療を始める前、放射線治療を受けるため顔の型
をとりに行った時、固定されている母を見て「しんどそう。」と不安
そうな表情で話される。治療を始めて3回目くらいの時、睡眠↑、
食事摂取量↓、水分摂取量↓、尿量↓。
娘さんは「こんな状態で治療を続けた方がいいのか?」「10 回も
通えるのか?」「リスクの方が大きいのではないか?」たくさん不安
を口にされていました。今の状況を矢野さんに相談し、「方法がある
ならやれるところまでやろう。」
「無理だと思ったらやめても大丈夫。」
と話され、娘さんの気持ちもゆっくり引き出すよう聞いてみた。
10 日間頑張って続けたい。水分がとれてなくて不安なので、点滴
で補ってほしい、疲れがあるので無理矢理起こしたくない…など娘
さんの希望を聞き取った。矢野さんへの報告、主治医への報告、指
示にて点滴1本で始まった。尿量も増え、娘さんも安心されたのか、
不安の言葉も少なくなってきた。また、放射線治療も回数を重ね、
腫瘍部分が小さくなってきた。娘さんも「やってよかった。」との声
がよく聞かれるようになってきた。
訪問看護は、個別看護が病院よりも重要視されるなと感じた。
人それぞれの考えがあり、本人や家族の希望がある。それを十分
にくみとり、その人らしい人生を送るためのお手伝いをさせてもら
いつつ、喜びを共感できる、やりがいのある仕事だなと思った。また、
広い視野で考えなければならない奥深いなと改めて感じた。
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『主体は…』
総合訪問センター 建部 裕子
在宅どうしよう会に参加させてもらいました。
多職種の方々が集まり、介護施設の看取りについてグループに分
かれディスカッションが行われました。
初めての参加に緊張しました。
まず最初に思ったことは、他の方の話を聞いて、自分は何も知ら
ないなぁ、知識が浅いなぁと実感しました。
次に思ったことは、介護施設は医療も入るけど主体ではなく、ご
利用者の生活の場であること、その先に看取りがあるということを
再認識しました。
そのためにも、日々の食べる、寝る、排泄するなどの基本的な生
活が大切であり、スタッフの関わりも大切であることを学びました。
他の方と話をし、自分の今を知ることができ、頑張ろうと思いま
した。
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『お風呂』
総合訪問センター 野田 和美
ミラクルのスタッフさんからご利用者の体の評価をしてほしいと
依頼がありました。
脳腫瘍の方で一度急激に状態が悪くなり、現在少しずつできるこ
とが増えてきているということでした。入浴や食事の姿勢について
スタッフと一緒にご利用者に関わりました。日々の業務に加えて記
録の整理で大変な中、「今、この方にどういうケアをすることがいい
のか」という思いや、ご利用者に接する姿を見て、「熱意」を感じ、
ミラクルのスタッフさんの頑張りに感動しました。
大変さを感じさせず、ご利用者に笑顔で対応し、ご利用者1人1
人へのケアの視点もちゃんと考えて動いておられ、「プロだなあ…。」
と「すごいなあ」と思いました。
ここでも「この方に安全に長くお風呂の時間を楽しんでもらうた
めには…」と考えておられました。特にその方はお風呂が大好きで、
進行していく脳腫瘍なので、あとどれくらいの期間、ミラクルを利
用できるかわかりません。そんなご利用者の浴槽の中での表情が、
普段のミラクルの関わりの賜物だなあと思いました。最高の笑顔で
幸せそうに「気持ちがええなあ…。」とおっしゃったのです。それは
それはとっても素敵ないい顔でした。なんだか涙が出そうなそんな
お風呂でした。
ミラクルさん、感動をありがとう。
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『ご利用者のまなざし』
総合訪問センター 野田 小百合
ご利用者は本当に私たちスタッフのことをよく見ていて、ちょっ
とした変化にも気付かれるし調子が悪そうと思ったら、とても心配
してくださいます。
よく見てるなと思った瞬間。
髪を切ったが、いつも通りまとめ髪にしていたら、他スタッフは
まったく気付かなかったのにご利用者は何人か気付かれ「素敵ね」
等言ってくださった。
時折、「いてて…。」と思わず声に出してしまった時、私が腰痛で
しばらく休んでいたのも覚えていて「大丈夫?」、
「無理しないでね。」
等やさしい言葉をかけてくださる。
手首が痛く、サポーターをしていたら、(それとはわからないよう
なものを使用していたにもかかわらず)「手が痛いの?」、「いつもよ
く動いてるから…。」等心配してくださる。もちろん心配かけないよ
う、大したことないのをアピールしましたが、他にも細々と気遣い
がうかがえるやさしい言葉をもらいます。
だからこそ、私も各々のご利用者のことをよく見て、やさしい言
葉をかけ、少しの変化も気付きができるようなスタッフになろうと
頑張れるのです。
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『月1回のミーティング』
総合訪問センター 矢野 弘恵
訪問は、年中無休で時間も昼夜問わずなので、行事等でもなかな
か顔がそろわない…。
それなのに、月に1回のスタッフミーティング…。
19 時開始なので仕事終わりにそのまま参加ではなく、出直して参
加するスタッフ、休みに出てくるスタッフ、といろいろ。
しんどく、疲れているだろうし、家のことでも忙しいだろうに、
みんなよく参加してくれる。
参加するのは当たり前のこと…?
いいえ、私は当たり前とは思わない。
みんな頑張って参加してくれていると思ってます。
その頑張りや努力が伝わってくるから、そこから私はパワーをも
らって頑張れている。
普通で当たり前のことを続けるためにはいろんな頑張りがいるん
だ…と改めて仲間に気付かされた。
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『介護方針』
総合訪問センター 山本 郁子
ありがとうに就職する前の職場では、職員重視型の介護方針で携
わってきましたが、ありがとうに就職し、ご利用者の自立支援に向
けた介護方針を見て真新しい気持ちになり、これから勉強していく
上で、高度な職場に入り、質の高いケアを取り組んでおられること
を改めて実感しました。
まだまだおぼつかない私に、ご利用者の M 様より、だいぶ慣れて
きたと声を掛けてきてくださり、「これから頑張ってね。」と言われ
た時には、ぐっと込み上げてくる思いになり、ご利用者より励まさ
れるとは思ってもみなかったので、より一層、引き締まる思いにな
りました。
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『調整役』
介護支援ステーション 荒井 香枝子
長年親しんだデイサービスが事業所の都合で来月終了することに
なった A さんに、いくつかのデイをお勧めし、ミラクルデイサービ
スのお試しをされました。翌日、お試しの感想を長女さんにお聞き
すると、「大感激で帰宅しました。皆さんとても親切で、デイの周り
も職員さんと歩いてとてもよかった。利用したいと言ってました。」
と話されました。A さんには要介護5の意思疎通の困難な寝たきり
の奥様がおられます。奥様は訪問看護のリハビリ、訪問入浴、訪問
介護、ショートステイ、福祉用具など、さまざまなサービスを利用
され、事業所の職員の方々が毎日訪問されます。その方々のケアを
すぐそばで見られたり、話されたり、A さんご自身の介護事業所の方々
との関わりがあり、「こんなにいい人たちばかりにお世話になって、
幸せだなぁ。」と A さんは長女さんに言われたそうです。長女さんは
「お父さん、それは普通のことじゃないんよ。お父さんやお母さんに
関わってくださる方々が特にいい方たちなんよ、と言ったんです。」
と言われました。
とてもありがたいお言葉です。ケアマネジャーは、ご本人・ご家
族と事業所をつなぐ調整役だと思っています。ご利用者に喜んでい
ただける事業所の方々に私自身がお世話になることができ、ともに
働けることにとても幸せを感じます。A さんの言葉や皆さんに支え
ていただける毎日に感動しました。
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『変更申請』
介護支援ステーション 山本 洋子
デイサービスを週5回利用していたご利用者が更新申請で介護度
が軽く出たため、週1回しか利用できなくなりました。ケアマネも
びっくりですが、ご家族はもっとショックを受けておられ、月が替
わってすぐに変更申請を提出しました。
新しい介護度が出るまでのデイサービスを利用できない曜日をど
うするか、デイサービス管理者と家族とで話し合い、デイサービス
では回数を少しでも増やすことができないか検討してくださいまし
たが無理でした。同居の息子さんは仕事をセーブし、息子のお嫁さ
んも必要な時には仕事を休むことで何とか乗り切るしかない、とい
うことになりました。
認定結果について、ご家族が市役所に連絡をし、市役所からケア
マネに連絡が来るなど、市役所の担当者がとても丁寧に親身にご家
族の思いを受け取ってくださり、いろいろ調整をした結果、とても
早く認定結果が出ました。そのため、ご本人の利用回数による混乱
がないまま元の利用に戻すことができ、ご家族の介護負担の軽減に
もなったと思います。
デイサービスでは、認定結果が出るまでの利用回数は増やすこと
はできませんでしたが、少しでも努力してくださったことに感謝し
ます。ご本人の状態やご家族の思いをわかっているからこそだと思
います。このことで、更なるご家族との信頼関係ができたのではな
いかと思います。ありがとうございました。
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