1 第16回 ビジネス勉強会 テーマ「IoT」 課題図書ダイジェスト 課題図書

第16回 ビジネス勉強会 テーマ「IoT」 課題図書ダイジェスト
課題図書:アップル、グーグルが神になる日
本書の構成
第1章 IoT 最後のピース、BLE: BLE 技術の解説、特に I ビーコン
第2章 リアルとネットの融合する世界: ホームオートメーション/ヘルスケアでの IoT
第3章 新たなビジネスの生態系: 日本のメーカーはどうすればよいか??
第1章
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BLE(Bluetooth Low Energy)が出てから IoT が本格化
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機能:データ取得 機器操作 存在認識
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通信の省電力の更なる徹底
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アプセサリ(アプリ+アクセサリ)により機器の用途が多様化
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IoT 最後のピース、BLE
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温度センサー機器 → 体温計、気温計、
・・・
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「機能」と「振る舞い」の分離
iOS で採用され、利用拡大に拍車
具体例:体重計、体温計、スマートウォッチ、
・・・という消費財と I ビーコンという
産業財
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I ビーコン:BLE ベースでの位置情報検索技術
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主に屋内の位置情報を、大雑把に検出
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数百円と安い
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クーポンや情報配信のツールとして、用途が広がりつつある
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MLB:球場に 100 個ビーコンを配置 → 球状内の位置情報、チケット配信
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店舗・飲食店:店内に入るとクーポンがスマホに配信
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「そら用心」
:その日の降水確率を配信(玄関においておく)
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「ヘイロー」
(タクシー呼び出しアプリ):
ビーコンをタクシーに設置→近いタクシーの特定 & スマホ決済
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JR:駅構内のナビゲーション
「ネットからリアルが見えるようになる」ことがキモ
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I ビーコンが、重要な不動産のひとつになる
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第2章
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リアルとネットの融合する世界
経済が成熟すると、「経験」や「体験」の価値が高まる
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参考:経験経済は、’99 年に米国のコンサルタントが提唱した概念
「消費者は単に商品やサービスを消費するのではなく、その消費から得られる体
験に価値を見出している」
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経験価値の体現する技術として、ホームオートメーションが本格化
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家電(空調、照明、・・)を自動制御・遠隔制御できるようにする
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例:自動車と空調を連動→帰宅したときに最適な室温に空調を自動運転
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2014 年から、米国を中心に普及が進みつつある
技術的には、2 つのトレンド
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アップル「ホームキット」
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グーグル「ワークスウィズネスト」
ホームキット(アップル)
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ハードとソフトの 2 つの側面
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ハード:アップルのライセンスを受け、ホームキット対応機器を開発販売可
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ソフト:iOS ディベロッパープログラムの登録開発者がアプリを開発可
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I クラウド上に仮想的な家や部屋が構築される
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機器メーカーにとっては一長一短(ハードの価値が高まる&ライセンス料・規格を
握られる)
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ワークスウィズネスト(グーグル)
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ネスト:スマートサーモスタット(2012 年にグーグルが買収)
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サーモスタットを中心に、ホームオートメーションを構築
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空調と連動 → 室温を最適制御
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車(ベンツ)が家に近づく→検知→空調自動運転
ヒトをターゲットにしたヘルスケアへの展開は有望
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アップル「ヘルスキット」 グーグル「グーグルフィット」
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モバイルヘルスケア市場:44 億ドル(’13 年)→230 億ドル(’17 年)
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様々な生体データを取得(体重、歩数、血糖値、・・・)→蓄積→医療に活用
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幸福度も今後は計測可能になる(日立:活動量と幸福度に相関)
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ウェアラブルは、
「情報取得」か「通知」に特化すべき
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情報取得特化の例:JINS ミーム 眼電位 → 眼の動き → 疲れなど
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通知特化の例:雰囲気めがね スマホと連動しメール受信などの情報を通知
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アップルウォッチは詰め込みすぎ(電池もたない)
アップル、グーグルを中心に、クローズドな巨大プラットフォームが形成されていく
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屋内(ホームオートメーション)、ヒト(ヘルスケア)、屋外(自動運転)
、
・・とあ
らゆるデータが取り込まれていく
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人間、企業ともに、その巨大なプラットフォームに支配される
(中世の城下町のように)
第3章
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新たなビジネスの生態系
大手メーカーは機器性能だけではもはや戦えない
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「体験」の創造が必要 → 1メーカーだけでは不可能
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開発環境が整い、ハードにはベンチャーも多数参入(3D プリンタ、クラウドファ
ンディング、
・・)
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ハードは、ゴミであるべきで、ゴミとなるようなハードを如何に作れるかを考えるべき
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価値はクラウド上のデータにシフトしていく
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ハードは、長持ちさせてはいけない
ベンチャー、大企業双方にとってチャンス
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ベンチャー:ハード+ソフトのビジネスモデルを容易に作れる環境
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大企業:物売りから付き合い売りに変えていけばチャンスあり
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例:コマツのコムトラックス
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但し、ベンチャーの血を入れていく必要(ベンチャーの目利き能力が重要)
以上
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