八代中学校「校長室だより」№44 平成 27 年3月 17 日(火)発行 ~和して同ぜず~ 第 67 回卒業証書授与式式辞 しあわせ・真実・愛 最初にご来賓の皆様にご挨拶を申し上げます。それぞれのお立場で、いつも本校を見守り、本校 生徒・教職員に深い愛情を注いでいただいておりますことに改めて感謝申し上げます。また、本日 は 83 名の“旅立ちの日”を共にお祝いしていただきますことに厚くお礼申し上げます。 <しあわせ> 卒業生の保護者・ご家族の皆様、お子様の中学校課程の修了、誠におめでとうございます。 2年生のときの少年の日記念行事、合羽や傘をさして保内町のチェックポイントまで帰ってきた 私たちを待っていたのは、車のフロントガラスいっぱいに張り出された“らしくあれ!”の文字で した。3月 20 日の修学旅行説明会、当たり前のことかもしれませんが、私はその出席率に驚きま した。子どもたちは、特にこの 1 年、最高学年として“更なる高みを目指し” 、本当に成長してく れました。これもひとえに学校と同じ方向を向いてご支援ご協力をいただいた保護者・ご家族の皆 様のおかげと感謝しています。本当にありがとうございました。 2年生のとき転校してきた の6月に転校してきた くん、君はよく友達の家に迎えに行ってくれました。3年生 さん、運動会の最前列で踊ったダンスは最高の笑顔でした。そして 八代中での生活が、わずか3か月だった さん、入試直前で大変だったと思いますが、お父 さんと母校が同じになりましたね。 転校してきた三人が、八代中での生活に少しでも満足してくれているとしたら、私にとって何よ りのしあわせです。そして、それは三人にかかわってくれた3年生 80 名全員の力だと思います。 <真実> 2年連続出場の県中学駅伝は男女とも 10 番台の好成績でした。八代中に新たな歴史を刻んでく れました。 さん、 さん、あなたたちは2年間頑張ってくれました。でも、2年生 のとき、2区と4区を力走した二人は、今年度交代要員でした。4か月間におよぶ練習はもちろん、 選手と控えの両方を経験したことは、これからの人生に必ずや生きてくると思います。 くん、 くんは今年度初めて出場しました。君たちは最後のタイムトライアルで、 選手の座を射止めたわけですが、二人が在籍した野球部は部員9名の時期がありました。勝負の世 界に情(なさけ)は禁物ですし、私たち教員はどの生徒とも平等に接しなければならない。でも、私 は野球部で苦労してきた二人には、絶対正選手になってほしかった・・・。 文化祭のミュージカルは圧巻でした。38 年教員をしてきましたが、これほどのステージ発表は近 年見たことがありません。舞台に上がった人たちの表現力、そして、舞台下からの生演奏。楽譜が ない中、試行錯誤で創り上げた楽曲は観衆を魅了しました。 “文化祭を再出発の日にしたい”とい う私の思いを、心と身体で示してくれた3年生。活躍したのはミュージカルコースの人だけではあ りません。休日を返上して仕上げた背景画。特に、瞬時に背景画を張り替える業(わざ)はどうやっ て身に付けたのでしょう。全校生徒が集まる場面で、ある時は先頭に立ち、またある時は見えない ところで支えてくれた卒業生のみなさん、本当にありがとう。 <愛> 私はこれまで、卒業式の式辞で教員のことにふれたことはありません。でも、今日は語らせてく ださい。今年度本校は8名の教職員が異動しました。たくさんの教員が異動して困るのは部活動顧 問の人事です。4月早々、新しい顧問を連れて紹介して回ったのは、少しでも早く新しい先生と人 間関係をつくってほしいという願いからです。そんな中で開かれた総体直前の「部活動総決起集会」 。 運動部も文化部も、部活動単位で円陣を組み、雄叫びをあげました。玉岡真史先生のアイデアでし た。総体当日、学校から会場に向かう選手一人一人に声を掛ける菊池多恵先生、その言葉には3年 間生徒を見てきた者にしかできない鋭さと優しさがありました。 先生にかかわっていただきました。 さんは3年間酒井由美子 くんは、小学校で出会った中道大和先生と再会し、 「ら しさ」を磨いていただきました。3年生に愛情を注いでくれたすべての先生、そして、その愛に応 えてくれた 83 名にお礼を言いたいと思います。 私は 26 歳から 35 歳までの9年間、この八代中で育てていただきました。初めて学年主任をさせ てもらったとき、受け持っていた1年1組の保護者から、 「先生、この本を各家庭に回して読みた いのですが・・・」という提案がありました。その本とは、不慮の事故で手足の自由を奪われた星 野富弘さんが口に絵筆をくわえてつづった心の詩画集です。今日は、この本の中から一編の詩を紹 介し、はなむけの言葉とします。 よろこびが集ったよりも 悲しみが集った方が しあわせに近いような気がする 強いものが集ったよりも 弱いものが集った方が 真実に近いような気がする しあわせが集ったよりも ふしあわせが集った方が 星野富弘著「風の旅」より 愛に近いような気がする 卒業おめでとう。みなさんの洋々たる前途に期待します。 ◇ 卒業生に対して、次のみなさんから、 「お祝いのメッセージ」をいただきました。 井上 浩先生(愛宕中) 酒井 奈美先生(保内中) 河野 宇田 浩二先生(愛宕中) 吉川 幸宏先生(真穴中) 谷山 大政 一恵先生(長浜小) 靖先生(南予教育事務所) 稔先生(松柏中) 森分 洋樹先生(国立大洲青少年交流の家) 伊東 伸也先生(双岩中) 菊池 健先生(松蔭小) 松上 礼記先生(松蔭小) 木村 好孝先生(神山小) 入江 泰通先生(神山小) 菊池 今川 裕美先生(川上小) 矢野 幹博先生(日土小) 德本 一典先生(伊予市翠小) 智先生(江戸岡小) 得能 光司先生(愛宕中) 高橋 祐貴先生(松山市小野中) 菊池真智子先生(宇和特別支援学校) 松蔭・川上・江戸岡・神山小学校教職員一同 神山おやじ隊隊員一同 養護老人ホーム「湯島の里」入所者・職員一同 五反田郵便局長 ◇ 昨日3月 16 日(月)、 「式練習」や「3年生を送る会」など、すべての活動が終了したあと、 3年生を新校舎に案内しました。3年学級担任からのたっての願いを、現場責任者の方に快く 聞き入れていただきました。なお、本日、体育館で一部展示しました卒業記念品の姿見(鏡) は、幅 1219 ㎜・高さ 1829 ㎜が2面と、幅 914 ㎜・高さ 1829 ㎜が1面の計3面です。取付け は4月以降になります。ありがとうございました。 (文責 井上 靖)
© Copyright 2024 ExpyDoc