平成26年度体力テストの結果と体力向上に向けた取組

平 成 27 年 (2015 年 )1 月 26 日
子ども文教委員会資料
教育委員会事務局指導室長
平成26年度体力テストの結果と体力向上に向けた取組
1 平成26年度体力テストについて
(1)趣旨
○ 中野区立小・中学校において、体力テストの結果から個人及び集団の体力水準や傾
向を把握することで、児童・生徒の実態に合った体力向上プログラムの策定・実施を
行う。
○ 体力テストの結果を基に、児童・生徒が自分自身の体力の現状や課題を把握し、自
分にあった運動や運動遊びを楽しみながら継続して行えるよう実践力を育てる。
○ 児童・生徒の体力の現状及び体力向上プログラムの成果と課題を明らかにし、教育
委員会の施策及び事業に生かす。
(2)調査の実施概要
①対象学年
中野区立小・中学校に在籍する全児童・生徒
②実施種目(小学校8種目、中学校9種目)
【小・中学校共通種目】
・握力(筋力)
・上体起こし(筋力・筋持久力)
・長座体前屈(柔軟性)
・反復横跳び(敏捷性)
・20mシャトルラン(全身持久力) ・50m走(スピード)
・立ち幅跳び(筋パワー<瞬発力>)
・ボール投げ(巧緻性・筋パワー<瞬発力>)
【中学校種目】
・持久走〔男子 1500m、女子 1000m〕(全身持久力)
③実施時期
平成26年5月~6月
(3)調査結果の分析・活用
○ 各小・中学校は、児童・生徒の体力水準や傾向を把握し、体力向上プログラムの改
善に役立てる。
○
教育委員会事務局では、調査結果を基に、児童・生徒に身に付けさせたい体力、運
動能力の到達目標(中野スタンダード)の達成状況を把握し、体力向上のための施策
に生かす。
※本調査では、「中野スタンダード」を越える児童・生徒の割合が 70%であると、
おおむね満足できる状態であるとし、全ての項目で 70%を超えることを目指して
いる。
1
2 平成26年度児童・生徒の体力テストの結果
(1)区平均と都平均の比較
■平成25年度
男
中
学
校
長
座
体
シ
ャ
ト
反
復
横
立
ち
幅
走
ボ
ー
ル
持
久
走
握
力
上
体
お
長
座
体
子
シ
ャ
ト
反
復
横
50m
小
学
校
上
体
お
女
50m
握
力
子
走
立
ち
幅
ボ
ー
ル
持
久
走
1
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5
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6
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1
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△
■平成26年度
男
中
学
校
長
座
体
反
復
横
シ
ャ
ト
立
ち
幅
走
ボ
ー
ル
持
久
走
握
力
上
体
お
長
座
体
反
復
横
子
シ
ャ
ト
50m
小
学
校
上
体
お
女
50m
握
力
子
走
立
ち
幅
ボ
ー
ル
持
久
走
1
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2
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3
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東京都平均と比較して中野区平均が
△都平均以上
▼都平均未満
※都平均は今年度の東京都が実施した体力調査の数値
150 項目中
都平均以上の項目数
平成 25 年度 73(49%) 平成 26 年度 44(29%)
2
(2)中野スタンダード通過率
■平成25年度(網掛けは中野スタンダードに達した児童・生徒の割合が 70%を超えた項目)
男子
女子
ボ
ー
ル
84.9
68.5
82.7
75.4
70.4
75.9
69.7
79.3
66.3
67.4
77.4
73.7
63.1
74.4
70.9
83.8
5年
61.4
70.7
71.0
6年
54.7
71.5
1年
56.9
2年
3年
長
座
1年
61.2
63.0
65.8
2年
53.7
66.8
3年
64.6
4年
シ
ャ
ト
m
走
幅立
ち
ボ
ー
ル
80.8
65.9
68.7
71.5
44.3
75.0
73.7
71.6
82.3
70.7
56.2
68.5
69.3
80.6
73.2
78.3
71.5
47.7
51.7
78.2
70.1
81.0
78.4
83.2
66.5
47.9
59.0
67.1
72.5
69.2
81.7
75.2
79.2
65.9
43.2
68.7
60.3
62.2
77.2
71.8
86.4
80.1
77.4
72.7
59.7
78.6
64.2
56.0
77.3
72.4
76.5
68.6
88.8
81.7
77.0
66.2
39.8
79.1
55.2
78.2
67.8
53.5
84.5
64.7
80.3
69.4
84.0
65.9
81.4
70.0
48.7
71.6
71.2
84.9
63.6
55.3
81.9
70.3
79.1
64.6
74.8
66.7
77.7
68.3
48.5
77.5
シ
ャ
ト
m
走
幅立
ち
ボ
ー
ル
握
力
上
お体
体
51.5
67.8
59.9
62.2
65.4
53.4
62.2
65.0
85.0
70.0
57.0
66.3
76.9
78.0
68.5
55.8
77.7
74.2
76.6
65.2
66.4
84.3
73.1
82.4
77.4
57.5
85.2
92.3
61.2
75.9
59.0
81.7
60.1
73.8
64.2
75.5
横
反
復
50
幅立
ち
体
50
中
学
生
m
走
上
お体
50
小
学
生
シ
ャ
ト
握
力
走
持
久
長
座
横
反
復
走
持
久
■平成26年度(網掛けは中野スタンダードに達した児童・生徒の割合が 70%を超えた項目)
男子
女子
中
学
生
m
走
幅立
ち
ボ
ー
ル
82.5
72.2
77.7
67.0
70.2
81.0
67.6
81.9
67.6
61.7
78.2
74.4
61.0
79.0
69.4
81.0
5年
64.1
73.2
74.1
6年
53.3
71.5
1年
59.8
2年
3年
上
お体
体
長
座
握
力
上
お体
体
1年
56.7
63.9
67.5
42.9
62.1
56.8
65.1
81.5
66.2
69.6
66.0
39.7
2年
54.5
69.5
65.5
53.7
58.5
67.5
69.3
74.4
73.3
80.7
69.9
55.2
3年
61.8
4年
79.3
67.9
58.2
67.2
74.6
69.5
81.1
75.4
73.8
66.2
51.6
75.8
84.7
60.3
55.4
50.4
77.2
72.7
81.1
79.2
83.5
64.0
43.3
81.9
69.8
76.8
63.3
57.4
64.8
76.1
71.4
86.2
76.4
79.8
71.6
45.6
68.6
84.5
73.9
80.3
66.8
60.4
61.0
77.2
68.6
81.8
78.6
75.7
68.0
50.2
72.7
61.5
86.0
69.7
81.3
68.4
54.9
76.4
76.3
76.1
71.9
86.4
83.1
73.4
74.5
41.1
81.4
61.7
76.7
61.8
82.6
58.3
79.8
66.9
53.6
84.9
72.2
84.2
70.9
88.0
60.9
81.4
75.5
45.7
82.0
60.3
72.7
62.9
81.3
73.0
83.2
66.8
57.9
86.1
71.1
78.2
71.4
82.5
61.9
78.9
72.2
45.8
73.3
※150 項目中
3
横
反
復
50
小
学
生
シ
ャ
ト
握
力
走
通過率が目標値に達した項目数
持
久
長
座
平成 25 年度 80(53%)
横
反
復
走
持
久
平成 26 年度 79(52.7%)
平成26年度の体力テスト結果の考察と今後の方策
(1)児童・生徒の体力の現状
○体力の平均値を見ると、東京都を上回る項目数の割合は、昨年度が 49%、今年度が 29%と
大きく下降している。
○中野スタンダードの通過率が目標値に達した項目数の割合は、昨年度が 53%、今年度が
52.7%と横ばいである。
○上記のことから、東京都全体の体力が向上する中、中野区としては変化はなく、東京都と
の差が大きくなっている。
○中野スタンダードの通過率が目標値に達した項目数を男女別、校種別に見ると、小学校男
子が 24 項目から 21 項目、小学校女子が 26 項目から 23 項目と下降、中学校男子が 14 項目
から 13 項目と横ばい、中学校女子が 16 項目から 22 項目と大きく向上している。このこと
から、小学校段階での体力が下降し、特に男子に留意する必要があることが分かる。
3
○反復横跳び、50m 走、持久走は中野スタンダードの通過率が目標値に達した学年が多く、
フラッグフットボールの導入により敏捷性や全身持久力が向上していると言える。
○上体おこしは小学校4年生以上の全ての学年で中野スタンダードの通過率が目標値に達し
ているとともに、長座体前屈は女子の通過率が向上していることから、柔軟性は向上して
いると言える。
○20m シャトルランはやや下降しており、男子全般及び中学校女子で持久力の低下につながらないよ
う留意する必要がある。
○「握力」や「ボール投げ」は、中野スタンダードを通過する学年が少なく、継続課題であ
る。
(2)今後の方策
○各学校は、児童・生徒の個々の体力の状況に留意したうえで、体力向上プログラムを改訂
し、個に応じたきめ細やかな指導を行うとともに、休み時間や放課後の遊びの充実や、休
日の過ごし方の指導など、
「運動の日常化」を図るための効果的な働きかけを行う必要があ
る。
○各学校は、特に体力テストの結果の下位層の児童・生徒について、
「体つくり運動」等の授
業改善を中心とした体力向上のための具体的方策を講じる。その際、単にトレーニング的
な内容を繰り返し行って、児童・生徒の運動への興味や関心を損なうことがないよう配慮す
る必要がある。
〇教育委員会は、体力向上検討委員会を設けて、児童・生徒の体力の課題及び改善策を分析
し、それを基に修会の実施、保護者・地域を対象とした体力向上に向けたキャンペーンの
開催など、実効性の高い方策を検討する。また、
「体力向上月間」を設け、業間体育を学校
全体で行うなど、体力向上について重点的に取り組む。
4
体力向上プログラム改訂のポイント
(1)フラッグフットボールを系統的に年間計画に取り入れる。
〇小学校においては、各教科の中で、中学校においては教育活動の中で適切に位置づけ実施
する。
○発達段階に応じてパスを取り入れるなど、ルールを工夫して指導する。
(2)握力の向上のために
〇学校生活の中で、幼児・児童・生徒が、
「ほうきを持って掃く」、
「雑巾を絞る」、
「物をもって
運ぶ」などの場面を意図的に取り入れる。(清掃活動等)
(3)投力の向上のために
〇特に、幼児期や小学校低学年において、紙鉄砲やメンコなど、投げる動作につながる動き
をもつ伝承遊びを取り入れる。
4