松谷化学工業 平成 27 年度日本栄養・食糧学会技術賞を受賞 「希少糖

ニュースリリース
2015 年 5 月 12 日
松谷化学工業
平成 27 年度日本栄養・食糧学会技術賞を受賞
「希少糖の機能解明と実用化」
第 69 回日本栄養・食糧学会大会/第 12 回アジア栄養学会議
- 希少糖の最新研究に関するランチョンセミナーとポスター発表を実施 でん粉加工と機能性食品素材の総合メーカー 松谷化学工業株式会社(本社:兵庫県伊丹市 代表取締役社長:
松谷晴世 以下、松谷)は、この度「希少糖の機能解明と実用化」に関し、平成 27 年度日本栄養・食糧学会技術
賞を受賞しました。同賞は、栄養学、食糧学の発展に寄与する産業上の技術開発等を行った個人もしくはグループに
対し公益社団法人 日本栄養・食糧学会から授与されるものです。授賞式および受賞講演は、第 69 回日本栄養・
食糧学会大会(第 12 回アジア栄養学会議 との合同開催)初日の 5 月 14 日に行われます。
なお、松谷では 5 月 16 日「新甘味料プシコースによる肥満や糖尿病など生活習慣病予防効果」(英題 "Allulose" a
new sweetener, beneficial for the prevention of life-style related diseases such as obesity and diabetes
mellitus ” *プシコースの英語名は Allulose(アルロース)) と題したランチョンセミナーを第 69 回日本栄養・食糧学会大会と
共催します。本ランチョンセミナーの会場はパシフィコ横浜 418 会議室、開催時間は、12 時 30 分から 13 時 30 分まで
を予定しています。座長は、長崎大学産学官連携戦略本部教授、長崎県立大学シーボルト校客員教授である永
田保夫教授、講演は、香川大学医学部教授、希少糖研究センター長の徳田雅明教授が行います。
また、下記の松谷と香川大学による希少糖に関する共同研究のポスター発表が行われます。
------------------------------------------------------------------------------------------日時:5 月 15 日(金) 9 時-11 時 50 分
場所:パシフィコ横浜 展示ホール A
発表演題番号:PS-01-a-037
演題: 「Low GI sweetener rare sugar syrup and its reducing effect on the glycemic index of sugar」(邦題:低
GI 甘味料「希少糖含有シロップ」と砂糖の併用による GI 値の低減効果)
*GI: Glycemic Index(グリセミック・インデックス)の略で、食後血糖値の上昇度を示す指標。
日時:5 月 16 日(土) 14 時 10 分-15 時 30 分
場所:パシフィコ横浜 展示ホール A
発表演題番号:PS-02-p-131
演題:
「Effects of newly developed sweeteners containing D-allulose and other rare sugars
on body fat accumulation in rats」
(邦題:希少糖含有シロップおよび高プシコースシロップのラット体脂肪蓄積に対する影響)
*セミナーおよびポスター発表は英語で行われます。
------------------------------------------------------------------------------------------第 69 回日本栄養・食糧学会大会およびについての詳細は、
ホームページ: http://nodaiweb.university.jp/69th-eishoku/index.html を参照ください。
また、合同開催の第 12 回アジア栄養学会議 については、
ホームページ: http://www.acn2015.org/ を参照ください。
下記は、5 月 14 日に行われる松谷化学工業による「平成 27 年度日本栄養・食糧学会技術賞」の受賞講演の要旨
です。
------------------------------------------------------------------------------------------平成 27 年度日本栄養・食糧学会技術賞 松谷化学工業 受賞講演要旨
-----------------------------------------------------------------------------------------「希少糖の機能解明と実用化」
「自然界にその存在量が少ない単糖およびその誘導体」と国際希少糖学会に定義されている希少糖は、その存在
量に反して種類は非常に多く、50 種類以上あるとされている。安定的な生産技術の確立により希少糖研究は大きく
進展し、これまでに様々な生理活性が報告されてきている。中でも D-フラクトースの異性体の 1 つである D-プシコース
は、正常ラットおよび糖尿病ラットを用いた動物実験や、健常者および糖尿病患者に対する臨床試験等により食後血
糖値上昇抑制作用を有することが確認された。現在、この効果を利用して D-プシコースを特定保健用食品に申請し
ている。また、炭水化物源として食事に 5%程度 D-プシコースを添加すると内臓脂肪蓄積を抑制するなどの抗肥満作
用が明らかにされており、すでに臨床試験のフェーズに移っている。これらには、D-プシコースのエネルギー価がゼロである
ことや、α-グルコシダーゼ阻害作用、脂肪酸合成酵素阻害作用、エネルギー代謝促進作用などのメカニズムが関与
していることが示唆されている。自然な味質で砂糖の7割程度の甘味度を持つ D-プシコースは、メタボリックシンドローム
を予防する機能性甘味料としての上市が待たれるところである。
一方、異性化糖や砂糖等は飲料など様々な食品に利用されており、我々の食生活に深く浸透している甘味料で
ある。しかし、昨今ではこれらのカロリー性甘味料の過剰摂取によってもたらされる肥満や糖尿病などの増加が危惧され
ている。そこで我々は、異性化糖をさらに異性化することにより、D-プシコースを 5%程度含有する新しい甘味料「希少
糖含有シロップ」を開発した。異性化糖に D-プシコースを約 5%添加すると内臓脂肪蓄積抑制作用が認められること
が既に明らかとなっており、この希少糖含有シロップにおいても同様の効果が期待された。そこで、ラットの長期投与試験
を実施したところ内臓脂肪の蓄積抑制が確認された。さらに、12 週間長期摂取試験(プラセボ対照の二重盲検並行
群間比較試験)において、軽度の肥満(BMI25 以上、30 未満)を含む健常成人 34 名を対象にした検証を行った。
試験食として希少糖含有シロップ 30g(固形分)を含むゼリー飲料を、また対照食として同カロリーとなるように調整した
異性化糖 28g(固形分)を含むゼリー飲料を、それぞれ1日1回、朝食前に摂取させた。その結果、希少糖含有シロッ
プ摂取群では、体重、BMI、体脂肪率およびウエスト周囲径が有意に減少し、ヒトにおける体脂肪低減効果が明らか
となった。非臨床・臨床試験における安全性も評価された希少糖含有シロップの開発により、機能性を持った新しい異
性化糖として希少糖の実用化が実現した。2013 年には本格的な全国販売が始まり、既に 600 品を超える様々な食
品に利用されている。
健康な人々の食生活に浸透しつつある希少糖含有シロップに加えて、D-プシコースが特定保健用食品に許可され
れば糖尿病境界型の方も摂取対象となり得る。そして、さらに医療分野にも貢献できる可能性を秘めた次なる希少糖
の開発も順次進めており、様々な人々の健康増進に寄与する糖質として、希少糖はさらなる実用化を視野に入れた
研究開発が進められている。
以上
本ニュースリリースに関するお問い合わせは:
松谷化学工業株式会社/株式会社レアスウィート 広報東京事務局
東京都中央区日本橋本町 4 丁目 4-2
TEL:03-6804-1012 E メール:[email protected]