過重労働解消のための スキルマップ活動 (例) 日光労働基準監督署・日光労働基準協会 1 (平成27年1月 提案) 目次 1 定義・目的 2 概念 3 作成の流れ (イメージ) 4 作成例 (イメージ) 5 様式例 2 1 定義・目的 「スキルマップ」とは 従業員一人ひとりの現在の業務内容に関するスキルレベルを一覧 表にしたものです。必要能力・技能は、それぞれの業務内容と職責レ ベルによって設定します。 ((独)中小企業基盤整備機構HPより) 「過重労働解消のためのスキルマップ」とは 繁忙職場などにおいて、職場各自の業務内容と職責レベルなどの スキルレベルを一覧表にして、これを掲示、PDCAサイクル化するこ とにより、業務が特定のスタッフに集中することがないよう平準化が 図れるか、「見える化」によって推進するもの。 「スキルマップ」自体は、能力向上、品質管理など製造現場では良く 知られた手法であるが、これを過重労働解消の観点で検討すること により、職場の主体的能力の客観的把握、突発的要因への対応策、 多能工化、及び技能の伝承などが推進され、最終的には過重労働の 解消及び予防に導くことを期待するもの。 (日光労働基準監督署提案) 3 2 概念 全体像のイメージ ワーク・ライフ・バランス推進 労働条件の確保・改善 働 き 職場意識改善の促進 方 改 革 特に配慮を必要とする労働者に対 する休暇等制度の促進など 働き方などにかかる問題点 納期に求められ る絶対的な対応 人的措置 の抑制 スキル 職場の各自のスキルを マップ 見える化とPDCA化で改善 《洗練化》 働 き 方 改 革 雇用問題など 指導的立場など特定 の部門に業務集中 突発的業務への対 応・・・その他 時間外労働の削減 など過重労働解消 その他 新規学卒者の 雇用促進 離職率低下対策 (社員定着促進) コンプライアンス やCSR 多様な正社員等 勤務形態拡大 キャリアパスの 形成・継続 育児・介護休業 次世代法など 4 3 作成の流れ (イメージ) 「洗い出し」作業 繁忙職場などを対象業務に 「オペレーションが特定のスタッフに集中しないよう、平準化にあたって必要 となるスキルは何か?」の観点 ・ 誰の作業をどのように標準化するのか 各自、10項目程度を 留 出してもらうこと ・ 誰にどのような能力があるのか 意 ・ 誰がその役割を担い、どのように育成するのか 点 ・ 応援が必要な場合は何か、その場合どうやって頼むのか など 「洗い出し」事項 「スキルマップ」化作業 ・・」スキルの整理 ⇒ 体系化・見える化・標準化・ マニュアル化など ⇒ スキル平準化へ ・・ ・・・ 12 34 12 34 12 34 12 34 12 34 ・・・ 12 34 12 34 12 34 12 34 12 34 「スキルマップ」 の構成に当たり、 横軸(行)と縦軸 (列)、レベルの 設定をどうする か?話し合いで 決める。 【例】行:個人別、列: 担当業務別・習熟度 など 5 3 掲示 出来上がった「スキルマップ」を職場の見易い箇所 に掲示することにより、「見える化」を図り、平準化 にかかる改善点の共有化、及びやる気の向上に努 めましょう。 「PDCA」化 半期に一度など、定期的に「スキルマップ」の目標 達成状況を確認し、より多くのスタッフが業務平準 化に対応できるよう、対象業務についてPDCAサ イクルによって継続的に改善しましょう。 P(Plan D(Do C(Check A(Action :計画)スキルマップによる目標達成到達点 :実行)同目標達成のため技能習熟の教育・訓練 :点検評価)同目標達成状況の確認 :改善)目標に到達していない部分を調査し対処 Plan Action Do Check 6 3 狙い ⇒ 業務平準化 【業務平準化にあたり必要なスキルとのマッチング】 突発的業務等に対し、特定の者に業務が集中することの無いよう、必要 なスキルの確保(部署内で複数で対応するための人材育成、又は、他の 部署の応援対応など)、また、その前提となる不足するスキルの見える化。 【スキルアップ(人材育成)の方針】 ・ 人材育成方針(技能向上教育) ・ 人材育成に必要なカリキュラム ・ ノウハウの蓄積と活用(人材育成の素として“秘伝の タレ化”) 【サポート(応援対応)体制整備の方針】 突発的業務を担当する部署の主体的能力を鑑み、他部署の 応援が必要な事態は想定できるか。以下、想定できる場合。 ・ 応援が必要な場合の基準の指標化 ・ 人員、スキル等を補うための応援方法の策定 ・ 協力業者に委託など、外部資源の活用 過 重 労 働 解 消 な ど 7 4 作成例 (イメージ) 過重労働解消のためのスキルマップ「洗い出し」作業 職場の業務平準化のため、身に着けておくべきスキル・知識・改善点などを 各自洗い出しすること。(10項目程度) 例 業務平準化・洗い出しシート 氏名: 日光 基夫 № (所属:組立2課) 必要なスキル(具体的に) 作成日:H27.4.1 社員番号:0904185 所属日:H25.4.1 身に着ける期限 備考 1 シート送給のためのEフィーダー機操作(作業 H27.4.30 OJT等による 2 シート送給のために使用するフォークリフト運転 H27.6.30 H 27.6.15建荷協受講 予定 3 フィーダー機(CKLIメカトロニクス製)メンテナン H27.8.31 H27.8.6CKLIメカトロニ クス受講予定 4 SX-FISアッセンブリー(STO社製)メンテナンス、 H27.9.30 H27.9.10STO社受講予 定 5 レーザー溶射機(←組立1課)の特別教育 H27.11.30 H27.10.21日光労基協 会受講予定 標準書の作成が必要) 技能講習修了 ス、トラブル対応のための取扱能力向上教育 トラブル対応のための取扱能力向上教育 … …………… … … 8 4 「スキルマップ化」作業 《基本》 以下、各社の事情に応じて内容を変更してください ・ 職場で話し合うなど、スキルマップの「列」項目内容を決める。(行項目は 「個人別」であれば) ・ 職場スタッフ各自の洗い出しシート各項目について協議し、マップへの落 とし込み作業を行う。 ・ 各自のスキルレベルを評価し、当てはめていく。 この場合のスキルレベ ルは、次の表を基本とする。 1:1人でできないが作業は理解している スキル レベル 1 2 3 4 2:手順書を見れば1人で作業できる(有資格) 3:作業を理解しており1人で実施できる(標準的) 4:作業を熟知し職長レベルである。 出来るレベルは塗りつぶすこと。 ・ 今回は、出来るだけ「簡易な取り組み」として上の表を示しましたが、事 情に応じてスキルレベルを判断する「スキル遂行基準」等を決めておくの も有用と思われます。 9 4 業務平準化・スキルマップ 例 氏名 日光基夫 清滝 準 吉原 藍 ・・・ 所属 H25.4.1 製造部 組立2課 H24.10.1 製造部 組立3課 ・・・ 充填 所属日 製造部 組立2課 顔写真 作成日 H27.4.1 アッセンブリー 検査 E CKLI STO V 1課助勤 1 2 1 2 1 2 1 2 1 2 1 2 3 4 3 4 3 4 3 3 3 1 2 1 2 1 2 1 2 1 2 1 2 3 3 4 3 4 3 3 3 ・・・ 4 4 4 ・・・ 4 4 4 4 ・・・ H26.4.1 ・・・ … 1 2 1 2 1 2 1 2 1 2 1 2 3 3 3 3 3 3 4 ・・・ 掲 示 ・・・ 4 4 ・・・ ・・・ 4 ・・・ 4 4 ・・・ PDCAサイクル ・・・ 10 4 様式例 洗い出しシート(例) 業務平準化・洗い出しシート 氏名 (所属: ) 社員番号 № 必要なスキル(具体的に) 身に着ける期限 1 年 月 日 作成日 年 月 日 所属日 年 月 日 備考 2 3 スキルマップ(例) 業務平準化・スキルマップ 氏名 所属 所属日 作成日 年 月 日 職 域 備考 作業 単位 ○△■ 顔写真 年 月 日 1 3 2 4 上記様式例については、EXCELによる別途添付があります。 11 日光労働基準監督署・日光労働基準協会 12
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