1.7 スキルインベントリーツール

1.7 スキルインベントリーツール

インベントリーツールの位置づけ
前々項で示したとおり、キャリアアセスメントは、ある時点におけるスキル・
知識の状況を記録し、それを継続して繰り返す(積み重ねる)仕組みと言い換
えることができる。「ある時点におけるスキル・知識の状況」を確認すること
は、しばしば、インベントリ(inventory、棚卸し)にたとえられ、これを継続的
に行うためには、確認の結果を何らかの具体的な形で表すとよい。それは、自
身が履歴を振り返るのに都合がよいという意味が第一であるが、その記録形は
そのままその人の業務経歴に等しい価値を持つわけであるから、自分のスキ
ル・知識レベルをアピールするなど、他者との関係をスムースに築く上でも役
立つ。
さらに、この継続的記録をコンピュータシステムの上で行ってデータベース
化し、自分自身による振り返りや、業務経歴の作成などのアプリケーションが
あれば、きわめて効率的なキャリアアセスメントを実現できることになる。本
事業では、このような目的と機能を持ったアプリケーションのことを、スキル
インベントリーツールと呼ぶことにした。

スキルインベントリーツールの試作
本事業では、1.2 節で述べたスキル・知識体系の構築を待って、また、学習ユ
ニットの検討やキャリアアセスメントの考え方の整理にメドが付いた時点で、
スキルインベントリーツール 10の一部試作を行った。以下、このシステムの利用
者側から見たインタフェース(簡単な利用者マニュアル)を示す。
10
このシステムは、beauty-skill.net というドメインの上に構築している。以下の
ページに示す説明は、試作したアプリケーションのすべてを実装した場合のも
のである。試作品であるため、説明にある記述でも実装されていないものがあ
ることをことわっておく。
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スキルインベントリーツール試作品の説明
①
ログイン・ログアウト
システムを起動するとログイン画面が表示されるので、ユーザ名・パスワー
ドを入力してログインする。
システムを終了するときには、上部メニューの「ログアウト」をクリックす
る。
②
ステージ表示
ログインが成功すると、ヘア・メイク・ネイル・エステ・まつ毛エクステの
各領域の自己評価、およびアセッサー評価が、現在、どの段階であるかを示す
「ステージ」を表示する。また、この画面は、上部メニューの「ステージ表示」
をクリックしたときにも表示される。
③
現在レベルの表示
ステージ表示されたヘア・メイク・ネイル・エステ・まつ毛エクステの右の
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「詳細」をクリックすると、次図のように、最新の自己評価、およびアセッサ
ー評価が表示される。
また、日付を指定すると、その時点でのレベル・ステージを表示する。
④
自己評価レベルの登録
上部メニューの「ヘアレベル登録」~「まつ毛エクステレベル登録」の各ボ
タンをクリックして、それぞれのスキル・知識の自己評価レベルを登録する。
まず、メイクレベル登録~まつ毛エクステレベル登録の各ボタンをクリック
すると、階層上位の項目(能力ユニットと知識ユニット)が表示される。(図
はメイクの例)
表示された階層上位の項目をクリックすると、下位の項目が表示されるので、
該当するレベル 0~3 のどれかを選ぶ。下部フッタの「0~3 について」をクリ
ックするとレベル 0~3 の説明が表示される。
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下位の項目に説明や図があるときは、プラス(+)のマークが表示されるので、
それをクリックすると下図のように説明や図が表示される。
下位項目の画面の下の「前へ」「次へ」のボタンで、階層上位の項目が移動
して、該当する下位項目が表示される。
すべての項目のレベルを選んだら、下部フッタにある「登録」をクリックす
ると、レベル登録され、そのレベルでのステージが自動判定される。
⑤
キャリア編集
上部メニューの「キャリア編集」をクリックすると、登録されたキャリアが
表示される。
「削除」ボタンをクリックすると、該当行を削除できる。
「変更」ボタンをクリックすると、該当行の変更画面が表示される。内容変
更後、「変更」ボタンをクリックすることで、情報を変更できる。
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「登録」ボタンをクリックすると、下図の登録画面が表示される。内容入力
後、「登録」ボタンをクリックすることで、情報を登録できる。
⑥
利用者情報編集
上部メニューの「利用者情報編集」をクリックすると、登録された利用者の
基本情報が表示される。内容変更後、「変更」ボタンをクリックすることで、
情報を変更できる。
⑦
知識問題からのレベル登録
知識問題に回答することで、該当する知識項目のレベルを登録できる。
⑧
アセッサーによる評価
アセッサーは管理者が登録する。利用者とアセッサーは、所属で関連付ける。
つまり、アセッサーは同じ所属の利用者のレベルを評価する。
アセッサーによる各利用者のレベル登録の流れは、以下のとおりである。
・アセッサー機能を起動して、ログインする。
・同じ所属の利用者の一覧が表示されるので、1 人を選び、評価レベルを登録
する。これを繰り返す。
・評価が終了したら、ログアウトする。
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⑨
管理機能
管理者が使用できる管理機能は、以下のとおりである。
・ログイン機能
管理者は管理機能を起動して、ログインする。
・利用者登録機能
インベントリシステムを使用する利用者の利用者情報を登録する。
・アセッサー登録機能
アセッサー機能を使用するアセッサーのアセッサー情報を登録する。
・評価レベルのダウンロード機能
利用者の自己評価レベルを CSV 形式でダウンロードする。ダウンロードの単
位は、個人のみ、所属ごと、全員、など。
・キャリアのダウンロード機能
利用者のキャリア情報を CSV 形式でダウンロードする。ダウンロードの単位
は、個人のみ、所属ごと、全員、など。
・ログアウト機能…作業が終了したら、ログアウトする。
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