石並川ゴルジュ(沢登り) 【報 告 者】O 原 【日 時】2015 年 7 月 28 日(火) 【参 加 者】N 本、O 原(CL) ≪コースタイム≫ 【天 候】晴れ 0650 入渓(新毛谷橋)∼1020 核心1∼丸木谷出会(小休止)∼1140 核心 2∼1420 美 松橋∼下山∼1450 入渓ポイント∼1520N 本ピックアップ∼温泉・帰福 ≪ 報 告 ≫ 遂にこの日が来た。 ピナクルに入会し、先輩に勧められ吉川満氏著「九州の沢と源流」を手に 取り、その異様な遡行図を見て以来・・・いつかは遡行してみたいと考えて いた、石並川ゴルジュ。本書の紹介では上級者向けの沢で、グレードを6級 とし、国内でも屈指の沢と激賞されている。 今日はそのゴルジュを突破するためにフル装備(水中メガネ、シュノーケ ル、足ヒレ、ライフジャケット、浮き袋)で臨む。 当日はもとより入渓前4∼5日の天気の天気も勘案し「今日は行ける!」 と踏んで入渓ポイントへ・・・果たして水量はやや減水気味か?汀線上部に しっとりと水中苔が生えている。いつもより減水している証だ。 6 時 50 分 毛谷橋(入渓ポイント) 遡行終了ポイント(美松橋)に折り畳み自転車 をデポして入渓。入渓と同時に泳ぎスタート。い きなり 40m以上の泳ぎを強要される。泳ぎはじめ てすぐに足ヒレでの泳ぎに疲れ、早々に足ヒレを 外しカエル&ラッコ泳ぎで 50m泳いでは歩き、 20 m泳いでは歩き、40m泳いでは歩き、60m泳いで は歩きを繰り返し・・・ひたすら泳ぐ。大半の淵 は流れが緩やかなので難なく泳げるが・・時折、 狭い淵に出会うと流れがやや強く、柱状節理のカ ンテに捕まり休み休み泳ぎすすむ。N 本氏も力強 い泳力で淵を泳ぎ切る。泳ぐ淵の突破にいちいちロープを出すことをしない。 時間が足りないからだ。やはりこの沢は泳げないと突破は無理であろう。 半ば飽き飽きしながらひたすら泳ぐも見事な柱状節理と清浄な流域に感 1 動。二人とも写真を撮影しながら、泳ぎながらの遡行。まだ余裕がある証拠 かな? 10 時 20 分 核心 1 3mの釜付き。滝そのものは左岸より簡単に巻ける。しかし巻いた後に行 き詰るため、滝頭奥を泳ぎ渡渉して右 岸に渡る(因みに沢源では滝頭ギリギ リを歩いていた・・・恐ろしい!)の だが、万一滝に落ちたら・・ミルクソ ーダのように泡立つ丸い釜の底に捕ま り抜け出せなくなる可能性がある。こ こは、お助けロープで確保した上、空 荷で泳ぎ渡渉。思ったよりは簡単に抜 けきれた。取りこし苦労だったか? 抜けた後もひたすら泳いでは歩き、泳いでは歩きを繰り返す。 11 時 00 分 丸木谷出会い 増水していたら転進するつもりであ った丸木谷との出会い。何度も見て頭に こびりついていた過去の遡行記録写真 と比較しても、大して違わない。水量と してはそんなに減水しているわけでも ないようだ。これから出会うであろう核 心 2 の状況を気にかけつつ小休止。 11 時 40 分 核心 2 こちらも 3mの釜付き。核心 1 と違いここは巻けない。見るに釜を泳いで 滝左側(右岸)に取り付き直登するほかないようだ。事前情報では残置スリ ングが消失しているというが・・・果たして。 先ずは N 本氏がトライ。50mロープで確保して岩壁に取り付くも頼りな いホールド、水中メガネでも見つからないスタンスに苦戦して敗退。戻って きた彼に聞いたところ、やはり残置スリング見当たらないと言う。次は私が 挑戦。スカイフック&スリングアブミで一歩出るもその後のホールドが取れ ず敗退。N 本氏二度目の挑戦も弾かれ「ハーケン打つか?」 「林道で巻くか?」 2 など作戦変更を思案する も・・・「もう一度行かせて ください」と N 本氏。さす が若いだけあって強い。N 本、 渾身の3トライ目は思い切 って流芯スレスレまで寄っ てからの直登。ここの釜もク リームソーダ状である。囚わ れたらどうなるか想像に難 くない。万一流れに引き込ま れたら即座に引き揚げられ るよう、肩絡みをしっかり構えての確保。直瀑スレスレに右足スタンスを見 つけたようである。少しずつ登りあがり・・・N 本氏、乾いた岩をつかん で good!のサイン「Wow!やったね∼!」二人で歓喜の勝鬨!フォローの私 は N 本氏の確保で同じルートを。こんなスレスレのルート・・・よく突っ 込んだなぁ・・・・。突っ込んでみると確かに適当なスタンス&ホールドあ るが、トップだと・・・ねぇ(汗 核心突破後もひたすら泳いでは歩きを繰り返す。 「柱状節理も見飽きたね」 と、雑談しながらの遡行。核心 2 を突破してからは正直・・ダラダラ遡行 (しかし泳ぎはしっかりある)。 14 時 20 分 美松橋(遡行終了ポイント) 最後の最後まで泳がされ 7 時間で遡行終了。 トポでは約 8 時間と記されていたので、まぁま ぁのタイムかな? デポした自転車で入渓ポイントまで 30 分。 車で N 本氏を迎えに行き下山して温泉。 単発日帰りの山行ではあったが最近の遡行 では一番充実した沢登りとなった。万全で臨んだ装備であったが、やや過剰 だったかもしれない。ライフジャケット・水中メガネは役に立ったが、足ヒ レ・シュノーケル・浮き袋はあまり役に立たなかった。今後の泳ぎ沢の参考 としておこう。また、今回は核心部を含むもっとも面白い部分だけ遡行した が、次回石並川に来る時は沢中一泊とし、ピークまで詰めようかと思う。 3
© Copyright 2024 ExpyDoc