なかのライフサポートビジネス創造塾 第4回テーマ別セミナー 実施日 平成 27 年10月21日(水)19 時 00 分~21 時 00 分 実施場所 中野区産業振興センター 3階 会議室 テーマ 「子育て・教育支援ビジネス/ ビジネスモデルの再チェック」 講師名 高祖 常子 氏(株式会社ブライト・ウェイ こそだて・miku 編集長) 講師プロフィール 育児情報誌 miku 編集長などの活動を通して、子育て支援をビジネスモデル化している。 NPO 活動のほか、編著書多数。 内 容 子育て・教育サービスのビジネス化の可能性を探るとともに、自らのビジネスモデルの優位性などを再チ ェックする。 参加者数 18名 <第4回テーマ別セミナーの流れ> 18:30 受付開始 19:00 開会・事務連絡 19:05 なかのライフサポートビジネス創造塾 第4回 テーマ別セミナー「子育て・教育支援ビジネス/ ビジネスモデルの再チェック」 講師:高祖 常子 氏(株式会社ブライト・ウェイ こそだて・miku編集長) チューター:月原 弘 氏(月原経営研究所 代表) 講義 質疑応答 20:05 休憩(5分) 20:10 ワーク 21:00 セミナー終了 名刺交換・あいさつ 21:30 退出 1 第4回テーマ別セミナー 「子育て・教育支援ビジネス/ ビジネスモデルの再チェック」 【講 師】 高祖 常子 氏(株式会社ブライト・ウェイ こそだて・miku 編集長) 【添付資料】 資料 ① 第4回セミナー配布資料(アーカイブ用抜粋版) 資料 ② 創業計画書(様式) 【セミナーの流れ】 子育て・教育サービスのビジネス化の可能性を探るとともに、 自らのビジネスモデルの優位性を活かす手法について学ぶ。 創業計画書のうち、特に自分のビジネスモデルを書き出し、どのように利益創出するか・問題点等、ワークを交えて講義。 1.ブライト・ウェイについて 2.育児情報誌 miku のポイント 3.活動のコンセプト 4.子育て・教育支援・親支援の活動やビジネスのポイント 5.ワーク 「自分のビジネスモデルを書き出してみよう」 ○はじめに フリーペーパーの育児情報誌 miku の編集長のほか、NPO の活動も数多く行っている。NPO も持ち出しばかりでは、継 続が難しくなる。NPO でも、生活がまわるぐらいのお金は必要。そういう考え方で交渉をしていくことも大切。 国の動きとして、子育て支援に力を入れていこうとしている。新たなビジネスプランを考えていく時に、国の動き等のキャッチ アップをしっかりとしていく。待機児童の解消のために、保育施設を増やしたら、さらに待機児童が増えたという事実がある。潜 在的な需要があったということ。このような動きをしっかりと捉えていくことが必要。 □1.ブライト・ウェイとは? ○自己紹介(資料① 2 ページ) ・ 社員は夫と自分のみ。 固定の社員を雇用せずに、プロジェクト毎に専門分野に長けたスタッフを集めチームをつくり、取り 組むスタイルでやっている。 ・ 夫婦揃って、同じ大手情報系企業に勤めていた。 その当時は若い会社でもあったので、子育てしながら働いている女性が 非常に少なかった。その女性も、保育園お迎えのために時短勤務であった。自分自身は制限のある働き方をしたくなかっ たのでフリーになり、会社法の改正のタイミングで法人を設立した。 ○株式会社ブライト・ウェイのミッション(資料① 4 ページ) 「正しい情報」「心が軽くなる情報」を「誰にも」「無料で」お届けする事 ○株式会社ブライト・ウェイの歩み(資料① 5 ページ) 1991 年 4 月創業 2000 年 4 月 15 日(よいこの日)に【こそだて】という育児のポータルサイトを立ち上げ 【こそだて】 http://www.kosodate.co.jp/ 2005 年 5 月 <miku>の版元から、編集長の依頼を受け、同誌の責任編集を開始 2010 年 <miku>が別会社へ事業譲渡されたが、責任編集は継続 2012 年 <miku>版元が事業撤退する際にブライト・ウェイが事業譲渡を受ける ⇒大手ではないので、赤字になった際には撤退も覚悟してはじめた。 2015 年 7 月 とうきょう子育てスイッチ運用受諾 ( http://kosodateswitch.jp/ ) ○育児のポータルサイト【こそだて】について(資料① 6 ページ) ・【こそだて】がブライト・ウェイの中心事業。だれでもいつでも無料で会員の登録必要なしで利用できる。 2 ⇒ここで全ての情報を閲覧できるようにした。無料なので儲けは無いが、これが今まで業務の基盤となり、今の他の業務に も繋がっている。会員登録を義務化すると、結局顧客が離れていく。 □2.育児情報誌 miku のポイント ○<miku>の概要(資料① 7,8 ページ) ・現在 13 万 3 千部発行 ・配布場所:小児科・産婦人科、保育園、子育てひろば、コンビニなど ・全国 47 都道府県 2600 カ所以上で配布(配布場所は WEB サイトで公開) ・発行サイクル:季刊(3.6.9.12 月発行) ・2012 年に譲渡を受けたときは、発行 3 万部、一都三県のみの配布であったが、ブライト・ウェイになり全国に拡大。 ⇒拡大の理由:自社からの配布箇所の拡販活動はしていない。広告収入でまかなうビジネスモデルのため、譲渡前 の会社はコストの 問題から配布の希望があ っても断っていた。ブライト・ウェイになってから、依頼があれば断らずに受け付 けるようにした結果、全国誌となった。他に海外 2 拠点( 上海は現地へ赴任した日本人医師からの依頼、 クライスト チャーチ(ニュージーランド)は日本人コミュニティ(現地ママ)からの依頼)、育児サークルにも希望あれば送付して いる。 ○<miku>のポイント(資料① 9,10 ページ) ・無料 ⇒誰でも手に取れる ・配布場所を、小児科・産婦人科、保育園、子育てひろばなど」、ベビーカーで立ち寄れる場所に絞る ⇒駅などに置いてはどうかという提案もあるが、乳幼児の子育て中の方に届けることを目的としているため設置していない。 ・設置希望箇所に配布 ⇒競合他紙の中にはダイレクトメールのように勝手に医療機関に送りつけられ、結局読まれずに処分されるケースが多い。 <miku>の場合は、希望があったところに設置(配布)しているためそのようなことがない。設置箇所の医師と の 信頼関係も強くなり、他の医師にご紹介していただけるケースもあった。 ○<miku>の編集方針(資料① 11 ページ) ・子育ての情報提供を広く、ニュートラルに ⇒雑誌編集となると、煽り立てるような内容にしたほうが興味を引きやすいのも事実。しかし、できるだけ偏りなくニュートラル に分かりやすく、をモットーにしている。 ・監修を立てている ⇒偏りのない、安心できる情報 ・妊娠中から、子育てのヒントや気づきを与える妊娠中から就学前までの子どもを持つ親向け ⇒子育ての先が見通せる情報提供。過去、自分も育児雑誌の編集に携わった経験から、今まで発信されていた情報は 妊娠中、出産、子育てとカテゴライズされ、ぶつ切り状態であった。しかし、そこだけではなく妊娠中から子育てまで 通じ て情報提供できるようにした。 ・主体は親。親を尊重する情報提供 ⇒「すべき」または「今、しないと大変」等、押しつけやあおりはしない。ノウハウの押し付けでなく、読者本人に考え方やヒント を選択できるようにした。子育てママが目を通すので、シンプルにまとめ、拾い読みできるようにしている。 ○広告スタイル(資料① 12~14 ページ) ・ 純広告(=商品の販売に絞ってだすスタイル)にはしない ・編集が企画提案するタイアップ広告にすることにより、クライアントにも、読者層にも商品理解やブランド認知に繋がるメリッ 3 トがある。 ⇒<miku>のおすすめする広告は、編集部がクライアント毎に提案するタイアップ式。読者が<miku>を手にするタイミン グと その時の心理状態やニーズを把握して企画提案。 ・タイアップ広告をWEBサイトに無料掲載。現在ママにあわせて、当然スマホ対応。 ・サンプリングなども実施している ※自社、読者、クライアントが皆喜べる環境を整えるように心がけている ○<miku>の強み(資料① 15 ページ) ・読者の応援(アンケートは 1300~2000 の回答、読者コメントがぎっしり) ・小児科医や設置施設の応援(外来小児科学会での配布。小児科医からの紹介連絡等) ・クライアントの応援(miku 掲載の場合、誌面トーンを考慮していただける) ○様々な媒体による情報発信、情報収集(資料① 16,17 ページ) ・ソーシャルメディアでの情報発信 ・メルマガを通した情報提供 ・子育て関連の様々なアンケート調査実施 □3.活動のコンセプト(方向性) ○「子供を虐待から守りたい」という思いが根底にある。(資料① 18 ページ) 虐待防止には、親子がそれぞれ尊重しあう子育て、家族が楽しく生活すること。 ⇒パパが子育て、体罰によらない子育て、ママがストレスフルにならない子育ての推進。 ⇒<miku>で情報をフラットに提供できるようにする。最低限の情報は必ず届くようにする。 ○マザーリングプロジェクト(資料① 19 ページ) ・ 現在全国400名のメンバーのファザーリングジャパン(笑っているお父さんを増やそうという活動)で、一緒にかかわった ママ達と3年前にマザーリングプロジェクトを立ち上げ、リーダーをしている。 ・プロジェクトのミッションは、子どもの年齢や仕事、家庭など状況はさまざまだが、それぞれの時間にいるママ達が笑顔に、元 気になれるようにということ。 ※ファザーリングジャパンでは、イクボス(育児や介護など家族の状況を理解し、働きやすさを配慮し、個人の力を発揮でき るよう伸ばしてくれる会社の上司)を増やす活動を行っている。 当人の家族背景を理解し、 パパが育休を取ったり、子育てしたい気持ちに配慮してくれる上司が、いれば、部下も更に 頑張ろうと思う。 ○ロールモデルカフェの開催(資料① 20 ページ) ・子育て広場等ではママ同士があまりフラットに語り合えない。いろいろな立場のママが いるということを理解しあい、フラットに 語り合い、大人として集う場があればよいという想いで開催。ロールモデルのママに経験を語ってもらうことで、話しやすくな る。 ○ママの働きたい!をパパと叶えるフォーラム実施(資料① 21 ページ) ・ママが働きたいと思ったときに、小さいスタートでもよいから、フルタイムでなくとも小さい働きができるように、パパと一緒に考え るフォーラム ○その他(資料① 22 ページ) □4.子育て・教育支援・親支援の活動やビジネスのポイント 4 ○ママの不安が強くなる時期(資料① 23,24 ページ) ・出産時、産後すぐ(産後うつも関係)、産後1カ月、子どもが2~3歳になったころ、育休後の仕事復帰時、 働くママが短時間勤務を返上したとき、子どもが病気だけど、ママパパが働いていて休めない、下の子が生まれるとき、 ママのリフレッシュ、ママ自身の病気など ⇒妊娠から小学校に上がるまでに多岐に渡り、不安な時期がある。 ○ママのイライラや不満の原因(資料① 25 ページ) ・子どもが泣き止まない、子どもが言うことを聞かない、夫が育児・家事を手伝わない、寝られない・疲れている、 リフレッシュしたい、時間が足りない・自分の時間がない、気を遣って疲れる(ママ友・祖父母…) ○ママの不安が強い時期=ママが困っている時期(資料① 26,27 ページ) ・ビジネスのチャンスもここにあると思う。 ・サポート(ビジネス)によって、子育て不安、子育て負担を軽減できる。 例: 産褥シッター、産後ドゥーラ/家事代行/子育て講座・悩み相談/グループ作りサポート/情報提供(紙媒体、 WEB)など。 ・きちんとサポートすることができれば、虐待防止につながる。つまり、安定した親子関係&子育てこそが虐待防止につなが る。 ・国の支援も妊娠中から切れ目ない支援に力もいれている。サポートする仕掛けや仕組みをつくることがビジネスのチャンスに つながるかもしれない。それにより、ママ達も元気になれる ならば、双方 win-win につながるのではないか? << 質疑応答 >> ブライト・ウェイ、<miku>収益モデルや事業モデルについて、NPO 活動と収益についてなど、活発な質疑応答が行われた。 □5.ワーク 「自分の“強み”を整理しよう」 ○ワークテーマに関する説明(チューター 月原氏) ・第3回の振り返り 講 義:ライフイベントと両立した事業継続手法、また、自身のキャリアを振り返り、ビジネスに活かす手法について ワーク :起業に向けて、自分の”強み”をどう活かせるのか 特に想い、どれだけの情熱を持っているのか?何故これをやりたいのか?を書き出し、発表しあう ・本日のワーク ①自分の考えるビジネスモデルを具体的に書き出してみる ②どのように利益創出するか?また、その場合の問題点や競合は?書き出してみる ○ 事例に沿って、自分のビジネスモデル書き出してみよう(講師 高祖氏)(資料① 28~30 ページ) ワークシートの記入方法を講師の事例で説明。 <ワーク内容> ・課題①自分のビジネスモデルを各個人書き出す(10分) ・課題②4 名1グループで、それぞれが全員に対して発表をする(20分) ・各グループの発表・講師からの講評(20 分) <まとめ>(チューター 月原氏) ・第 1 回目~第 4 回目までを復習し、内容を詰めてから、次回(第 5 回)の講座「資金調達、収支計画策定、起業・ 開業手続き」を受講すると、創業計画書作成が現実的になる。 5 講師からのメッセージ 「皆さんのお話をいろいろ伺い、とても楽しい時間でした。 子育て・教育支援ビジネスについて、現在、妊娠中から子育てまで、 切れ目ない支援に国も力をいれています。そのサポートをする仕掛け・仕組みができれば、 ビジネスにつながるかもしれません。常に情報収集して下さい。ビジネスのヒントは皆さんが、 困っていることを改善したい、こういう社会にしたいという想いから始まっています。 ぜひ頑張ってください。」 <セミナー風景> 6
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