月刊 商工埼玉 抜粋版9月号

経営革新等支援機関
エコアクション21地域事務局
ものづくり支援事業埼玉県地域事務局
官公需総合相談センター
組合をサポートとし、企業を育てる
http://www.saikumi.or.jp
次世代育成支援対策推進センター
埼玉県多様な働き方実践企業
埼玉県防犯のまちづくり推進事業者
平成27年9月1日発行 (毎月1日発行)
第659号
商工埼玉
抜粋
版
s a i t a m a
s h o u k o u
9
2015
「めっき」
とともに50年
「日本の力 めっきの力」
創立から今年で50年を迎える「めっき」
などの表面処理企業による埼玉県鍍金工
業組合。その事業活動は経済環境の変化
とともに大きく変わろうとしています。
創立期からの環境保全活動は改正水質
汚濁防止法や暫定基準の見直し等、環境
基準等が加わり常に意識をしつつ労働環
境整備へ、それらを事業継承として確実
なものとすることが求められています。
このような状況の中、我々業界が存続・
発展していくためには、現状に甘んじる
ことなく、常に様々な最新の情報を入手し、
共有すること、そしてそれらを上手に活
用していくことが大切だと考えます。
○営業・広報活動
彩の国ビジネスアリーナには、毎年20社程の有志企業が集結し出展
いつの時代も足元を
○知識向上
講師をお招きしてタイムリー
な課題を全社で講習する
しっかり見つつ、次の時
代への足がかりを築いて
いく。
それぞれの良さを生か
○技術向上
めっき技術競技会を通じて技
術の安定・向上をめざす
○環境対策
し組合活動の意義を高め
組合独自で検査設備を持ち
各社排水を毎月分析している
埼玉県鍍金工業組合
TEL:048 - 666 - 2184
FAX:048 - 652 - 7631
てゆく、そのような企業
集団でありたい。
今年の
関東甲信越静ブロック会議は
埼玉が主幹として
業界を盛り上げるのじゃ
CONTENTS
【特集記事】
解説 中小企業白書2015年
中小企業や地域の
「稼ぐ力」
を高めるために~『中小企業白書
(2015年版)
』
を読んで~���������� 1~5
経済グラフ……………………………………………… 6
情報連絡員レポート……………………………… 6・7
中央会トピックス……………………………………… 7
解説 中小企業白書2015年
中小企業や地域の「稼ぐ力」を高めるために
~『中小企業白書(2015年版)』を読んで~
◉プロフィール
1990年慶應義塾大学大学院商学研究科博士課程修了。
常磐大学短期大
2003年より
学部専任講師を経て1994年桜美林大学経済学部専任講師。
現職。
日本中小企業学会理事。
日本経済政策学会理事。
著書に
『地域イン
キュベーションと産業集積・企業間連携』
(三井逸友編著:御茶の水書房)
『日本と東アジアの産業集積研究(
』渡辺幸男編著:同友館)
など。
桜美林大学経済・経営学系教授
堀
潔
これに伴って中小企業・小規模事業者の原材料・仕入
Ⅰ.はじめに
単価が上昇したため、この間、売上単価・客単価も緩
2015年版
『中小企業白書』
(以下、
『白書』
と略す)は本
やかに上昇していたものの、差し引きで利益が圧縮さ
年4月25日に閣議決定され、
公表された。いわゆる「ア
れることになった(『白書』第1-2-5図)。2014年秋
ベノミクス」の景気浮揚効果によって、わが国経済は
以降は、原油価格の下落に伴い国内石油製品価格も下
全体としては回復基調にあったが、2014年4月の消費
落の方向に転じたが、依然として中小企業・小規模事
税引き上げを契機にとくに個人消費が落ち込み、GDP
業者の採算は厳しい状況にあり、消費税増税分や仕入
成長率は同年4~6月期、7~9月期の2期連続でマ
単価の上昇を販売価格に転嫁できるかどうかが
「生き
イナスとなった。その後、輸出の伸びや個人消費の持
残りのカギ」として注目されている。
ち直しから同年10~12月期にはプラスに転じた
(
『白
マスコミ報道からは、「アベノミクス」の経済的恩恵
書』
第1-1-1図)
。
はもっぱら大企業が受けており、多くの中小企業はそ
しかし、中小企業に関して言えば、状況は必ずしも
の恩恵を受けられていないという評をしばしば見聞き
良好とは言い難い。中小企業の景況は2013年1-3月
する。しかし、
『白書』第1部第3章「中小企業・小規模
期以降、着実に改善を続けてきたが、消費税引き上げ
事業者を取り巻く環境」では、大企業と中小企業との
を契機に2014年4-6月期に悪化。その後は横ばいが
間の企業規模別業績格差だけでなく、同一規模の企業
続いている(『白書』第1-2-1図)
。
「アベノミクス」
間にも業績格差があることを紹介している。とくに企
の影響はわが国中小企業にとって必ずしもよい影響ば
業規模が同じ中小企業・小規模事業者の間で、高収益
かりではない。2013年以降、円安方向への動きを背景
の企業と低収益の企業の収益力の差が開いていること
に国内での石油製品価格やエネルギー価格が上昇し、
を示した上で(『白書』第1-3-8図図表1参照)
、両
図表1 年代別に見た売上高経常利益率上位および下位25%の売上高経
常利益率の平均
(%)
出所:
『白書』
第1-3-8図(p.59)
1
図表2 企業の取引構造の変容
出所:
『白書』
第2-1-1図
(p.113)
者の違いを検証し、高収益の企業は低収益の企業に比
大企業との相互依存関係のなかで共存共栄を図ってき
べて、技術開発や人材の確保・育成に対する意識が強
た。しかしながら、グローバル化の進展等を背景に大
いことを明らかにしているところは、非常に興味深い
企業と中小企業・小規模事業者との間の相互依存関係
(『白書』
第1-3-10図)
。
は希薄化し、こうした中小企業も自らの市場を自ら獲
得する必要にますます迫られている
(図表2)
。
基本的には景気回復の動きがみられながらも、国内
このような状況への企業の対応は一様でない。企業
外に先行き不透明な要素が多く存在するなかで、昨年
規模別にみた1社あたり平均の実質付加価値額の推移
6月に発表された
「日本再興戦略」
にも触れられている
をみると、1980年代には大企業と中小企業はともに成
ように、わが国企業は自らの
「稼ぐ力」
を高めていくこ
長していたが、1990年代のいわゆる「バブル崩壊」
以降、
とが求められている。今回の
『白書』
は、個別の中小企
大企業は底堅く推移しているのに対して中小企業は大
業や地域が自らの
「稼ぐ力」
を高めていくために何をな
きくマイナス成長となった(『白書』第2-1-3図)
。
すべきか、どのような政策的支援が可能かについて考
2000年代に入り、再び大企業と中小企業はともに成
えている。第2部では
「企業」
の収益力向上に関連する
長してきているが、1980年代の状況と比べると、大企
テーマとして「イノベーション」
「販路拡大」
「人材の育
業どうし、または中小企業どうしで、売上高経常利益
成」
をとりあげ、第3部では、中小企業が存立する「地
率のばらつきが大きくなっていて、状況はかなり異
域」に着目し、経済・社会構造の変化に直面するなか
なっている。大企業と中小企業との相互依存関係が希
での、地域活性化の取組みについて取り上げている。
薄化するなか、自ら市場と向き合い需要を獲得するこ
以下、それぞれの内容について概観した後、若干のコ
とに成功した企業とそうでない企業とが生まれ、それ
メントを申し述べたい。
が同規模企業間での収益率格差拡大という形で表れて
いるのである(『白書』第2-1-4図)。何が高収益企
Ⅱ.中小企業飛躍の鍵は、
「イノベーショ
ン」
「販路拡大」
「人材育成」
(第2部)
業とそうでない企業を分けるのか。
1.大企業と中小企業との取引構造の変容
2.
「イノベーション」への取組み
1億2,000万人超の人口を背景とする大きな国内市
総じていえば、小規模企業よりも中規模企業、同一
場の恩恵を受け、わが国の圧倒的多数の中小企業は国
市内または同一都道府県内の顧客需要を重視する
「地
内市場や国内の特定地域の需要に対応することでこれ
域需要志向型」企業よりも全国または海外市場をター
まで存続を図ってくることができた。また、少なから
ゲットとする「広域需要志向型」のほうが、イノベー
ぬ数の中小企業が大企業との下請的取引関係によって、
ション活動により積極的である
(
『白書』第2-1-6
2
『白書』第2部では、その分かれ目を「イノベーショ
ン」
「販路拡大」
「人材育成」の3点で分析している。
図および第2-1-7図)
。ただし、地域需要志向型
目標を達成できるとは限らない。とくに新規市場開拓
であっても、イノベーションの実現に向けた活動に取
においては、既存市場における販路開拓と比較して総
り組んでいる企業は取り組んでいない企業に比べて利
じて売上目標の達成状況は低く、中小企業・小規模事
益を伸ばしている傾向にある
(
『白書』
第2-1-17図)。
業者における新規市場開拓の難しさをうかがわせる
とくに小売業・サービス業には地域需要志向型の企業
(『白書』第2-1-33図)。売上目標を達成することが
が多いが、こうした非製造業においては、多くの企業
できなかった企業が抱える新規市場開拓時の課題を見
がイノベーション活動に消極的である分、イノベー
ると、「人材」に関する課題が最も多く、次いで、情報
ションによる伸び代が大きく、収益力を高める余地が
収集・分析等の「マーケティング」に関する課題が多い
ある、と
『白書』
は述べている
(
『白書』
p.154)
。
イノベーションに取り組む際の課題を見てみると、
(『白書』第2-1-31図)。
経営資源の少ない中小企業では外部機関との連携が
「取組の必要性の見極めが難しい」
「事業化の時期の見
、
販路開拓においても非常に重要な役割を果たすが、人
極めが難しい」など、必要性やタイミングの見極めを
材が不足している企業の半数以上では外部人材の獲得
課題としている者が多いが、規模別に見てみると、中
が実現できていない。実現できていない理由として、
規模企業は「人材」に関する課題、小規模事業者は「資
「コストに見合う効果が期待できない」を挙げる企業が
金」
に関する課題を挙げる企業が多い
(
『白書』
第2-1
多い(『白書』第2-1-36図)。この点で、外部の若手
-21図および第2-1-22図)
。いずれにせよ、中小
デザイナーとの協力を得て250年続く刃物産地を世界
企業にとっては経営資源の不足がイノベーションの阻
に通用するブランドへと進化させた小野金物卸商業組
害要因になることは明らかだが、企業間の連携によっ
合
(兵庫県小野市)の事例は参考になる
(
『白書』事例2
てイノベーションに取り組んでいる事例を紹介し、阻
-1-17)
。その他、販路開拓に成功した企業の事例
害要因克服の道がありうることを示している
(
『白書』
が『白書』には数多く掲載されており、興味深い。
事例2-1-5)
。
4.
「人材の育成」への取組み
3.
「販路拡大」
への取組み
中小企業・小規模事業者の従業員の不足感は、全国
中小企業・小規模事業者の販路開拓の取組み状況を、
的に高まっている(『白書』第2-2-6図)。アンケー
「既存市場」
と
「新規市場」
に分けて見ると、製造業と卸
ト調査でも、人材が「十分確保できている」や「十分で
売業では新規市場の販路開拓に取り組んでいる企業の
はないが確保できている」と回答した企業の割合は5
割合が他業種に比べて高い。他方で、
「販路開拓の取組
割に満たず、中小企業・小規模事業者は人材を十分確
なし」
という企業も2割~4割超存在する
(図表3)
。
保できていないことがわかる。人材が「確保できてい
販路拡大のためには
「市場規模」
「商圏」
「顧客のニー
ない」理由を見ると、
「人材の応募がないため」が6割弱
ズ」などを把握する必要があるが、市場の状況を把握
を占める一方で、
「人材の応募はあるが、よい人材がい
しているからといって必ずしも販路開拓に成功し売上
ないため」という回答も4割存在し、質・量両面での
「人
図表3 業種別・市場別にみた販路開拓の取組状況
出所:
『白書』
第2-1-27図
(p.161)
3
材不足」
に直面していることがわかる
(
『白書』
第2-2
は、製造業の従業者数の減少やサービス業・医療福祉
-18図)
。
の増加等、地域ごとに異なる社会構造変化により、地
部門別にみると、上述の販路開拓のための人材にと
域の雇用を支える産業の多様化が進行している
(
『白
どまらず、研究開発・製造、IT関連、経営等、多岐
書』第3-1-1図)。
にわたる中核人材の不足感も強い。また中小企業・小
地域活性化の一つの方向性として、特定の産業によ
規模事業者における就業者の離職率
(3年目)
は、中途
る地域経済の牽引力が低下するなか、他地域との比較
採用においては約3割、新卒採用においては約4割と
優位を生む可能性を秘めた地域固有の資源(地域資源)
なっている。とくに小規模事業者においては、新卒採
に注目し活用していくことが挙げられる。地域資源を
用の過半数が3年以内に離職しており、会社の将来を
活用し、高付加価値の商品・サービスに磨き上げたり、
担う人材の育成の前提として、採用した社員の定着率
販路開拓を図ったりしていくことは地域の中小企業に
を高める必要がある
(
『白書』
第2-2-27図)
。
とって解決困難な課題でもあるが、他方で、そうした
かねてから、中小企業にとっては学卒者の新規採用
課題を乗り越え、地域資源の活用による地域活性化に
は非常に難しく、
中途採用でさえハローワークや知人・
成功している地域も存在する。国内で数少ないエトピ
友人、取引先や銀行からの紹介によるものが多い。中
リカの繁殖地であることを観光資源に、漁船による野
小企業・小規模事業者における人材の採用、定着や育
鳥クルーズ観光事業を展開する落石ネイチャークルー
成に関しては、限られた経営資源の中で行う個別企業
ズ協議会
(北海道根室市)の事例
(
『白書』事例3-1-
単位の取組みには限界がある。こうした中で、外部機
9)や、リンゴの台湾への輸出をきっかけに地域産品
関との協力や地域を挙げた人材の定着・育成を行う取
の輸出支援を目的に農家向けに輸出用の選果、箱のデ
組事例も見られる。例えば、
NPO法人ETIC.が長年行っ
ザイン、輸出向けの梱包等の指導(支援)を実施する
てきた
「長期実践型インターンシップ」
と、岐阜県を中
(株)ファーストインターナショナル(青森県八戸市)
の
心とした東海地方に主に焦点を当てて活動を展開して
事例(『白書』事例3-1-7)は典型的である。
きたNPO 法人G-net の活動では、企業と学生とのマッ
地域活性化をけん引する主体として、地域課題の解
チングや丁寧なフォローアップ活動などを通じて、企
決をめざし地域に根差した事業活動を行う中小企業・
業側は具体的な経営課題解決や販路拡大への手掛かり
小規模事業者への期待は大きい。地域では、人口減少
をつかむことができ、同時に若者の中小企業への理解
や少子高齢化といった地域課題が多様化・深刻化して
も深まっている
(
『白書』
事例2-2-11)
。また、地域
いるが、こうした中小企業・小規模事業者の事業活動
の人材を地域で育成するためのコンソーシアムである
は地域住民の生活環境等の向上のみならず、新たな雇
あきたかたコンソ
(広島県安芸高田市)では
「経営者・
用や人材育成等、地域経済の活性化にも好影響を与え
人事担当者の情報交換会&交流会」
「 合同研修会の開
ている
(
『白書』第3-1-28図)
。企業のみならず、
催」
「企業間ローテーション」などの人材交流活動を通
NPO 法人や地域金融機関といった多様な主体が、こ
じて、地域の人材定着と活性化を図っている。このし
うした地域課題解決の新たな担い手として地域での活
くみのなかで、川根柚子協同組合
(広島県安芸高田市)
躍の場を広げ、経済面(雇用等)でも地域に好影響を与
が収穫期の極端な人手不足を解消し、事業者間のコ
えている例もある
(『白書』事例3-1-15および事例
ミュニケーションを深めることなどに成功した事例が
3-1-16)。
「地域創生」は現政権の重要政策課題であ
紹介されている
(
『白書』
事例2-2-12)
。
り、昨年11月21日に成立した「まち・ひと・しごと創
生法」に基づき、日本全国の都道府県及び市町村では、
Ⅲ.自らの変化と特性に向き合い、地域
の活性化を
(第3部)
「地方版総合戦略」を策定中である。総合戦略作成のた
上記事例は、地域の特性を生かした中小企業の人材
てきており、2015年4月から供用を開始した。
「地域経
育成の好事例とも言える。この
「地域の特性」
が多様化
済分析システム」は、①産業マップ、②人口マップ、
してきている現在、地域の実情に応じた多様な主体に
③観光マップ、④自治体比較マップの4つのマップか
よる地域活性化の取組みが必要であるとして、
『白書』
ら構成されている。これらのデータを組み合わせて見
では、多数の地域活性化への取組み事例を紹介すると
ていくことで、今後産業政策にとどまらず、都道府県
ともに、地域活性化への取組みに求められる中小企業
及び市町村による「地方版総合戦略」の策定の場面での
の役割について論じている。
活用も期待される。
1986年時点では、北海道を除く全国の多くの市町村
において、雇用を担う中心産業
(各市町村で最も従業
者数が多い業種)は製造業であったが、2012年時点で
4
めに必要な地域構造分析のツールとして、経済産業省
では、2015年度「地域経済分析システム」の開発を進め
Ⅳ.危機意識をもって、将来展望を切り
拓こう~まとめにかえて~
おける人材の確保・育成」において、地域の人材育成
以上の内容以外にも、
『白書』
には中小企業の国際化、
等の幅広い連携についての解説と分析があった。例年
IT の利活用、有望な人材としての女性や高齢者、外
の中小企業白書のなかで、人材に関する記述は断片的
国人の活用などという興味深い内容が掲載されている。
にしか取り扱われないことが多いが、前年の起業人材
残念ながら、紙幅の都合で内容の紹介は省略したが、
の育成に関する記述に続き、今回も相当程度の紙幅が
個々の読者の関心に合わせて適宜読んでいただきたい
割かれたことは評価したい。
と思う。
中小企業の人材確保や育成を支援する政策的支援措
本稿の最後に、
『白書』
を通読しての筆者の感想や若
置としては、全国中小企業団体中央会の補助事業であ
干のコメントを述べて、本稿のまとめに代えたい。
る「地域中小企業の人材確保・定着支援事業」のような
1.危機意識をもって
ものがあり、この種の人材関連の事業に関しては近年
今回も
『白書』
には多数の事例が掲載されている。掲
充実が図られてきている。しかしながら人材の育成と
載されている事例を読んでいると、イノベーションや
か教育とかいうものは効果が出るまでに相当の時間を
販路拡大、人材の獲得・育成に成功する企業には必ず
必要とするため、今後とも継続的に取り扱われること
と言っていいほど強い
「危機意識」
があることを感じさ
を期待したい。
せられる。例えば、
(株)
TOP
(福井県越前市)
のケース
3.
『小規模企業白書』にも注目を
ではグローバル競争の激化のなかで同社に100%出資
昨年の「小規模企業振興基本法」の成立を受け、今回
する親会社の業績が悪化し、子会社である同社の清算
から『中小企業白書』と併せて『小規模企業白書』も発表
を決断する、という土壇場の局面から起死回生の復活
されることとなった。今回の
『白書』でも、文中に
「中
を遂げているし(
『白書』事例2-1-1)
、日伸工業
小企業・小規模事業者」という表現が意識して使われ
(株)
(滋賀県大津市)
のケースでは、かつての主力事業
ているように、小規模事業者の「事業の持続的な発展」
だったブラウン管用部品の生産がブラウン管テレビの
は中小企業政策の重要課題の一つでもある。併せて注
生産縮小とともに消失し、そのことが現実的になった
目されたい。
のために、個別中小企業の取組み、複数の中小企業の
連携した取組み、国や自治体などの公的機関、NPO
時点で新事業分野への開発に着手し始めている(『白
書』
事例2-1-2)
。現実として、わが国はグローバ
最後に、昨年に続いて、『白書』に東日本大震災発生
ル化や少子高齢化が相当程度まで進展しており、財政
後の復旧・復興状況に関する記述がなくなったことは
状況も先進国中最悪の状態であるが、にもかかわらず、
残念である、と述べておきたい。調査結果や統計的な
上述したとおり、例えば販路開拓に関して、
「販路開拓
分析はおろか、『白書』に掲載された事例のなかでも、
の取組なし」という企業が2割~4割超存在する
(
『白
いわゆる被災地に立地する企業の事例は一般社団法人
書』
第2-1-27図)
というのは、いかに危機意識の乏
イトナブ(宮城県石巻市)
(『白書』事例3-1-17)
の1
しい企業が多いかということの表れでもある。
『白書』
件しかない。震災発生から4年、その爪痕がいまだ色
の事例を
「対岸の火事」
と感じず、危機意識を持って読
濃く残る被災地の現状を思えば、被災地の中小企業が
まれることを勧めたい。違う業種や異なる地域の事例
置かれた深刻な状況、互いに助け合いながら地域の雇
でも、参考になることは多いと思われる。
用と所得を守りさらに発展させていこうとする中小企
2.地域人材の確保・定着について
業・小規模事業者の姿をもっと記述するべきではな
危機意識を持つも持たないも、イノベーションや販
かったか。
「4年経過したから、もういいのでは」とい
路開拓、地域活性化に取り組むも取り組まないも、つ
う考えがあったとしたら、それは大きな間違いだと思
まるところは「人材」の問題なのではないか。
『白書』で
う。
は、今回、第2部第2章
「中小企業・小規模事業者に
以上のとおり
『中小企業白書を読んで』
を掲載しましたが、中小企業庁ホームページでは「全文」と、様々な地域
において創意を凝らした取組を紹介している
「地域活性化100」
「地域課題を解決する中小企業・NPO100の取組」
も公開されていますので、是非ご覧いただき今後の経営にご活用願います。
「http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/」
お詫びと
訂正
商工埼玉7月号の表紙に掲載しましたポスターの中で、表示に誤りがありましたので、訂正するとともに関係者の
方々に深くお詫び申し上げます。
誤 Ⓒうらわの調ちゃん製作委員会 正 Ⓒ浦和の調ちゃん製作委員会
5
経済グラフ
埼玉県内各経済DIの推移
(前年同月比)
(平成26年8月~平成27年7月)
10
0
DI値
-10
-20
-30
-40
-12
-16
-20
-22
-28 -28
-30
-32
-14
-20
-28
-30
-50
-60
2015・7
情報連絡員レポート
2015・7
6
-10
-20
-28
-16
-18
-20
-38
-22
-30
-24
-4
-12 -10
-14
-12
-18
-26
景況
収益
資金繰り
-8
-18
-22
-30
-36
売上
-28
-12
-18
-24
-14
-16
-24
-26
-40
-50
2014年
8月
9月
10月
11月
12月
2015年
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
景況
-22
-20
-20
-28
-18
-30
-24
-14
-12
-22
-24
-26
売上
-30
-32
-30
-38
-10
-36
-40
-18
-10
-28
-18
-24
収益
-28
-28
-28
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-20
-30
-30
-26
-4
-18
-24
-16
資金繰り
-12
-16
-14
-20
-16
-22
-24
-12
-12
-8
-12
-14
酒造製造業
(全県地区)
平成27年6月は、昨年比113%と、出荷が増加した。
全国の上位県と比べ若干ではあるが、3位新潟県に近づ
いた。輸出に関しては、各国への輸出量は増加、また、
埼玉県との関係が深いオーストラリアバイヤーとの商談
もあった。なお、埼玉県及び物産観光協会による埼玉の
酒めぐり推進協議会では、モニターツアー・地酒まつり
等を企画・実施予定である。
醤油製造業
(全県地区)
平成27年7月分の埼玉県内醤油メーカー12社の醤油
出荷数量は、288.99㎘であり、前年7月の312.5㎘と
比べ、23.51㎘の減少となった。
麺類製造業
(全県地区)
①学校給食用めんの取り扱い工場、契約期間途中であ
るが、7月末をもって1社が辞退した。②猛暑が続き、
乾麺等中元商品が伸長。一方ゆで麺等は激減した。
肉加工品製造業
(全県地区)
相場としては600円前後での推移となった。学校給食
が休みに入ると相場が下がる傾向にあったが、一部の輸
入物の入荷が遅れたことと、この猛暑の関係で豚の発育
が悪く、出荷頭数が減ったことが影響したと思われる。
また、猛暑が続いているので、8月は7月以上に出荷へ
の影響が考えられる。
木材・木製品製造業
(飯能地区)
人手不足が原因で、着工遅れが多くなった。
木材・木製品製造業
(秩父地区)
原木の値段は低く推移しているものの、伐採最適期で
はないため、仕入も難しい状況である。また、販売にお
いても明るい兆しは見えていない。
木材・木製品製造業
(秩父地区)
特別な変化はないが、毎年この時期は原木の入荷量が
少なくなる。太陽光パネル設置のために、雑木林伐採の
話が何件かきている。
印刷業
(全県地区)
9月27日親睦ウオーキング大会を武蔵丘陵森林公園で
開催予定。組合員の参加も増えないのが悩みである。イ
ベントに参加することもメリットの一つではないかと考
える。
銑鉄鋳物製造業
(全県地区)
鋳物生産量は対前年比88%、製品単価103%であっ
た。用途別では、産業機械器具用が67%と、2月連続で
大幅に減少し、
自動車用でも83%と減少した。金属工作・
加工機械用は136%と依然として用途別でのバラツキが
大きい。
複合業種製造業
(上尾地区)
昨年同月と比較しても変化はなく、依然として収益性
は厳しい状況である。
一般機械機器製造業
(川口地区)
取引先によりバラツキがあるものの、全体的に景況は
あまり良くない。
一般機械機器製造業
(鷲宮地区)
販売価格が取引先からの要請があり、若干であるが低
下している。全般的には前年と同水準で推移している。
電気機器製造業
(全県地区)
省エネ補助事業(空調関係)平成26年度補正予算が実
行されず、省エネ経費削減のため、27年度補正に期待
したい。
ガス製造業
(全県地区)
①昨年の同時期は原料価格が高騰していたのが、今年
に入り低下。原料価格低下に伴う販売価格の低下により
売上は減少。ただし、仕入価格と販売価格のタイムラグ
により収益は増加。②今年も親子クッキングコンテスト
地区大会が8月22日から9月6日にかけて県内6地区で開
催される。
花卉卸売業
(全県地区)
今年は例年になく暑さが厳しいようで、暑さの影響ば
かりではないと思うが、生花の生育が前進傾向、バラン
スの悪い供給で市場価格は低調。売上は大きく前年比を
下回る。
中 央 会 トピックス
組合事務局のスキルアップを支援!
本会は、平成27年7月21日(火)大宮ソニックシティ会
議室において、組合事務局の課題解決や事務局職員の資質
向上、事務局間の交流促進等を図ることを目的に、第1回
組合事務局代表者等研修会を開催した。当日は、組合役職
員等36人が参加。講師に株式会社ボイスクリエーション
シュクル代表取締役 佐藤 恵さんを招き、第1部では「~
『声』はコミュニケーションの懸け橋~コミュニケーション
スキル・対話力アップの声磨き・話し方講座」をテーマに
研修した。
第2部の「演習」では、出席者が実際に声を出し、腹式呼
吸による安定した発声法を体験するとともに、話し方にま うまく伝えるには①強調②間③スピード
つわる様々なケースの解決法を実践形式で習得した。
の変化が重要と訴える佐藤講師
なお、本研修会はテーマ等を変えて年3回開催するので、
今回参加できなかった方も次回以降是非ご参加ください。
情報連絡員レポート
大学入試を来春に控えた生徒を預かる塾としては、この
夏の成果が入試の合否を占うため、各塾の講師陣は緻密
なカリキュラムのもとで最大限の働きを強いられること
になる。授業料は、通常の2~3倍の時間を消化するので、
各塾ではそれに見合った講習費が加算されることになる。
電気工事業
(全県地区)
① 東 電 引 込 線 委 託 工 事6月 分 は 前 月 分 と 比 較 し て
1.44%減の1,367件、金額は9.38%減の10,557,580
円②共同購買部工事材料
(電線類)
の単価は前月分と比較
して、変動なし。
板金工事業
(全県地区)
7月中頃からの猛暑で、炎天下の中での屋根工事は厳
しいものがあり、安全面や熱中症予防対策について、よ
り一層の強化を図った。
鉄骨工事業
(全県地区)
先だって不正免震材料を用いた建築物が発覚し、建築
の信頼を揺るがす問題が起きた。一方、当組合員は国土
交通大臣の認定を受けた工場によって建築鉄骨を製作し
ている。これは、指定された性能評価機関により5年ご
とに第3者(学識経験者)が工場に出向き、製品の製作プ
ロセスや鉄骨製品の現物審査を行った上で、適切な品質、
構造性能が確保されている製品を作れる工場に対して大
臣が認定する制度である。そのため、当組合員において
は信頼に伴う仕事量の減少は現状見られない。
塗装工事業
(全県地区)
月初めの10日間に及ぶ雨天により仕事の遅れが生じ、
後半の猛暑の影響により、更に大幅な業務残の状況に
なった。
管工事業
(川越地区)
売上が下がっている。組合員も2社脱退した。39社か
ら37社となり組合運営が厳しくなってくる。
貨物運送業
(入間地区)
トラック業界にとっては軽油価格がやや下がったので、
収益性はわずかではあるが好転した。ただし、売上高に
変化は見られず。
2015・7
複合業種(卸売団地)
(川越地区)
空き施設の賃貸借契約があと一歩のところまできて破
談となってしまった。銀行や仲介業者からの照会はある
ものの、具体的な動きにはならない。
人形小売業
(さいたま地区)
6月の見本市が終わり、節句の人形を製造している組
合員は、受注に基づき計画的な生産に入る。干支の木目
込人形を製造している組合員は、来年の干支である申の
製造に忙しい。小売をしている会員は、見本市で発注し
た人形が入荷するまでには日程的に余裕があり、店頭に
は贈答用のケース人形等を中心としたディスプレイに
なっている。夏休みの自由研究お助け講座として、地元
のNPO法人が鍾馗をテーマにした講座を3回行った。街
歩きをしながらの学習や、鍾馗の製作等が行われ、組合
員が講演の講師を務めた。
石油小売業
(全県地区)
7月に入り、製品価格が下落するとともに、梅雨明け
の猛暑で販売量が伸びた。
各種商品小売業
(さいたま地区)
ファッション衣料ゾーンの空き店舗が、家賃等出店者
の希望に合わないのか、なかなか埋まらない状況である。
電機小売業
(全県地区)
7月に入り暑くなり、夏物商品、エアコンが売れ出した。
廃棄物処理業
(行田地区)
景気回復の要因はアベノミクスの影響、オリンピック
を控えての内需拡大、株高を支える海外投資家、中国旅
行者の爆買い様様である。国内企業のかつてのゼロエ
ミッション、埋立や焼却廃棄物の削減への取り組みは廃
棄物を極力有価物にとする取り組みで、企業の収益増に
は少なからず加担したようであるが、廃棄物処理業界に
とっては如何なものか?
学習塾
(全県地区)
夏期講習受講生の外部募集が始まり、受付がスタート
する。2学期の入塾につながるため、各塾は新たな受講
生の学力アップが絶対使命となる。また、中学・高校・
7