消化管出血の画像診断について

消化管出血の画像診断
放射線科
村田 繁利
消化管出血を来す疾患
●上部消化管(75%)
(Treitz靱帯より口側)
・潰瘍
・急性胃粘膜病変
・食道静脈瘤
・Mallory-Weiss症候群
・胃癌
●小児の場合
・腸重積
・メッケル憩室
・細菌性大腸炎
●下部消化管(25%)
(Treitz靱帯より肛門側)
・憩室炎
・大腸癌、ポリープ
・虚血性腸炎
・薬剤起因性大腸炎
・潰瘍性大腸炎、クローン病
・痔核
読影のポイント
●丁寧に腸管を追っかけて、形態的変化をチェックする
●腫瘍性病変のCT所見
充実性、腫瘤性
比較的よく造影される
周囲リンパ節腫大や脂肪濃度混濁
蠕動による偽腫瘤影に注意→ 多相で所見が恒常的
●炎症性病変のCT所見
腸管の長軸方向に長く拡がる病変
腸管壁の浮腫性肥厚が多い(慢性炎症は浮腫像が減少)
周囲脂肪濃度の混濁や反応性リンパ節腫大
出血以外の症状を伴う
●憩室
特徴的な形態
多発傾向