−恒久グラウトを用いた変位抑制型の薬液浸透注入工法−

◆工業所有権
・本工法は強化土エンジニヤリング株式会社および日本基礎技術株式会社による
工業所有権(特許ならびに商標)が成立済みです。
◆実施体制
・「多点同時注入工法」の専門工事は、地盤注入開発機構 恒久グラウト・本設
注入協会(液状化防止注入協会)に加盟する協会員が担当します。
◆港湾関連民間技術の確認審査・評価(第14002号)
・「多点同時注入工法ー恒久グラウトを用いた変位抑制型の薬液浸透注入工法ー」
−恒久グラウトを用いた変位抑制型の薬液浸透注入工法−
は、若築建設株式会社、りんかい日産建設株式会社、強化土エンジニヤリング
株式会社による共同申請技術です。
●本工法の詳細につきましては、下記資料をご参照ください。
・液状化防止注入協会:急速浸透注入工法超多点注入工法技術マニュアル
(平成24年2月版)
・一般財団法人 沿岸技術研究センター:港湾関連民間技術の確認審査・評価報
告書(第14002号)多点同時注入工法(平成26年11月)
http://www.wakachiku.co.jp/
事業所
わっくん
■ 本 店 〒808 0024 福岡県北九州市若松区浜町1 4 7
TEL 093 761 1331
■ 東 京 本 社 〒153 0064 東京都目黒区下目黒2 23 18
TEL 03 3492 0271
■ 東 北 支 店 〒980 0014 宮城県仙台市青葉区本町2 10 28
TEL 022 221 4325
■ 千 葉 支 店 〒260 0027 千葉県千葉市中央区新田町4 22
TEL 043 242 2245
■ 東 京 支 店 〒153 0064 東京都目黒区下目黒2 23 18
TEL 03 3492 0811
■ 横 浜 支 店 〒231 0015 神奈川県横浜市中区尾上町1 6
TEL 045 662 0814
■ 北 陸 支 店 〒950 0087 新潟県新潟市中央区東大通1 2 23
TEL 025 241 1242
■ 名古屋支店 〒460 0003 愛知県名古屋市中区錦1 11 20
TEL 052 201 5321
■ 大 阪 支 店 〒541 0056 大阪府大阪市中央区久太郎町2 2 8
TEL 06 6261 6736
■ 中 国 支 店 〒730 0031 広島県広島市中区紙屋町1 3 2
TEL 082 248 1810
■ 四 国 支 店 〒760 0071 香川県高松市藤塚町1 2 1
TEL 087 833 7347
■ 九 州 支 店 〒808 0024 福岡県北九州市若松区浜町1 4 7
TEL 093 752 3510
■ 福 岡 支 店 〒812 0013 福岡県福岡市博多区博多駅東1 13 9 TEL 092 483 5307
(地盤注入開発機構 液状化防止注入協会 正会員)
2015.05 1,000 EX
多点同時注入工法の概要
最先端の要素技術を集積した注入工法
「多点同時注入工法Ⓡ」は、既設構造物直下や近傍の地盤改
「多点同時注入工法Ⓡ」は、
(一財)沿岸技術研究センターが
良として適用可能な変位抑制型の薬液浸透注入工法です。
実施する港湾関連民間技術の確認審査・評価事業におい
本工法は、従来の薬液注入工法と比べて1箇所あたりの吐
て、評価証(第14002号)
を取得しております。
出量(注入速度)が少ないため理想的な浸透注入を実現し、
注入負荷が極めて小さいことから、地盤や周辺構造物の変
位を抑制できます。多数の注入箇所(32箇所/1ユニット)
を同時に施工することによって、工期短縮と経済性を向上
させた画期的な薬液注入工法です。
改良対象の地盤は砂質土や砂礫土であり、港湾・海岸・空港
等における各種構造物基礎地盤の液状化対策、岸壁・護岸
一括集中管理システム(マルチ多連システムⓇ)
多点同時注入工法Ⓡでは、多数の箇所を同時に注入することから、一括集中管理システム(マルチ多連システムⓇ)を
用いて注入管理を行います。注入圧力の大きさに応じて、吐出量の増減を機械的に自動制御するため、注入圧力が管
理値を超過することを未然に防止し、良好な浸透注入を実現しています。
とが可能です。
チップは、芯材を中心に束ねられ、削孔時に注入箇所
に建て込まれます。結束された注入管は軽量であるた
め扱いやすく、ダブルパッカー工法のように注入毎に
注入管を引き上げる操作の必要がなく、施工性に優れ
背面砂地盤の吸い出し防止対策、土圧軽減対策、長期的な
止水対策、地盤強化・支持力増強等に、本工法を適用するこ
結束注入細管 Ⓡ
一つの注入孔にセットされる複数の注入管とノズル
ています。
多点同時注入のイメージ
多点同時注入工法の特長
管理室
注入孔口(地上)
標準的な吐出量は1.0ℓ/分∼6.0ℓ/分の低吐出であるため、注入圧力が小さく理想的な浸
注入孔口に突き出た注入管と注入ポンプを連結し、同
透注入を実現します。
じ注入孔で複数の箇所を同時に注入することができま
す。
流量計
1ユニットで32箇所を同時に注入するマルチ多連ポンプを採用し、低吐出でありながら施工
能力が従来工法よりも高く、経済性に優れた薬液浸透注入工法です。
ミキサー
施工機械(削孔機)は小型であり、各種注入機材はユニット化されているため、狭隘な施工条
施工機
ポンプ
液状化層
(埋立地、沖積砂層)
件に対応しています。
注入管は内径6mmの細いフレキシブル管(結束注入細管Ⓡ)を採用し、注入管の長さを任意
注入管は内径6mmの細いフレキシブル
非液状化層
(粘性土)
に調整可能であるため、適切な位置に注入吐出口を配置できます。
注入吐出口(気中での吐出状況)
注入管の先端部(注入吐出口:ノズルチップ)は、薬液
の逆流を防止する逆支弁を備え、薬液が地盤中に均質
各注入箇所の注入圧力・吐出量を監視し、このデータをリアルタイムに表示・記録・制御す
に拡散するようにネット構造になっています。
る一括集中管理システム(マルチ多連システム Ⓡ)を採用し、緻密な注入施工管理が行え
ます。
自動追尾式トータルステーションなどの変位計測装置と連動して、吐出量をリアルタイムで
制御するDCIシステム
制御するDCIシステ (NETIS:KT-100019-A)を導入することで、近接する重要構造物
や地盤の変位量を許容値内に抑えながら施工を行うことができます。
液状化対策や吸い出し防止対策等では、耐久性に関する理論と現場実証がなされた活性シリ
カ系の専用注入 (恒久グラウト:パーマロックⓇASFシリーズ)を使用します。
カ系の専用注入材
1
全自動ミキサー
注入ポンプ(32連)
流量圧力検出ユニット
多点同時注入工法Ⓡでは、恒久グラウト専用の全自動ミ
注入ポンプは、ユニット化された32連のマルチ多連ポ
注入圧力、吐出量(注入速度)、積算流量を検出する流
キサー(3液2槽混合型)を採用。作液能力は7.2m3/h
ンプを採用。個々のポンプはダイヤフラム式の小型低
量圧力検出ユニットは、LANケーブルを介して注入管
と大容量であり、流量計の計量誤差は1%以下であるた
騒音タイプで、インバータ制御により、0.1∼10.0ℓ/
理装置に検出値が送信されます。
め、高品質の作液が可能です。
分の範囲で0.1ℓ/分刻みに吐出量の制御が可能です。
2
−恒久グラウトを用いた変位抑制型の薬液浸透注入工法−
施工方法
固化改良土の特性
削 孔
シール材充填
注入管建込み
ケーシング引抜
クラッキング
● 強度特性
薬液注入
1.4
恒久グラウトⓇにより固化した改良土は、一軸圧縮
1.2
強さ
(qu)
や液状化強度比(RL20)
が増加すること、こ
のquとRL20の関係には正の相関性があることが、こ
充填用ホース→
ます。
結束注入細管→
「多点同時注入工法Ⓡ」では、右図のような関係を用
同一孔で同時注入が可能
←ケーシング
←芯材
いて、液状化防止に必要な液状化強度比(一般的に
は0.3∼0.5程度)
から一軸圧縮強さ
(設計基準強度)
1.0
液状化強度比 RL20
れまで蓄積した多くの試験結果より分かってい
0.8
0.6
0.4
を算定することによって、注入材のシリカ濃度を事
前配合試験により決定します。
砂質土 ( 細砂 )
中砂以上、礫混じり砂、礫質土
0.2
● 長期耐久性
0.0
0
50
100
「多点同時注入工法Ⓡ」で使用する注入材(恒久グラ
150
200
250
300
350
一軸圧縮強さ qu(kN/m2)
ウトⓇ)は、水ガラスに含まれるナトリウムイオンを
イオン交換法により除去して増粒した純粋なコロイ
300
ダルシリカからなる活性シリカがベースとなってい
予め製作しておいた注
入管(結束注入細管)を
ケーシング内に挿入。
ケーシングを引抜き、
シール材を硬化させ
(養生)
、注入管の位置
を固定。
手押しポンプで送水し、
シール材に水みちを作
り注入作業に備える。
注入管と注入ポンプを
連結し、低吐出・低圧力
で注入を開始。
ます。
まないため、固化改良土からのシリカの溶脱はほと
んどなく、体積収縮も極めて小さいため、右図のよ
うに長期耐久性に優れています。
専用注入材
分 類
本設・恒久
溶液型
無機系
( コロイダルシリカを
有効成分として含む )
恒久グラウト
パーマロック ASF シリーズ
主な用途
ゲルタイム
液状化対策
吸い出し防止対策
地盤強化、土圧低減
緩結
(十数時間)
浸透注入の改良原理と改良効果
多点同時注入工法により砂粒子間の間 水を
薬液(シリカゲル)
で置換
注入
・粘着力が付与されることでせん断強度が増加
・粘着力効果で地震時土圧が低減
3
間隙水
100
シリカ濃度 6%
シリカ濃度 4%
50
劇物などの有害な物質を含みません。
0
・注入材は、酸性反応材を用いていますが少量であ
0
1000
2000
3000
4000
5000
経過日数 ( 日 )
るため、右図に示すように周辺水域への環境負荷
はありません。また、固化改良土は殆ど中性を示
※注入材の詳細は、各パンフレットをご参照ください。
砂粒子
150
・注入材の構成成分は全て無機物であり、重金属や
名 称
特殊シリカ系
200
● 環境への影響
「多点同時注入工法Ⓡ」
では、浸透性、固結性、長期的な耐久性、
環境性に優れた恒久グラウトⓇ
(パーマロックⓇシリーズ)
を用います。
目 的
250
シリカゲルは劣化要因となるナトリウムイオンを含
qu(kN/m2)
シール材として、速硬
性低アルカリ懸濁グラ
ウトをケーシング内に
充填。
シリカゲル
・地盤が難透水化されるため地震時の過剰間 水圧の上昇を
抑制する
すため、環境性に優れています。
10
性試験においても、安全であることが確認されて
います。
測定事例 No.1
測定事例 No.2
9
・注入材を使用した淡水生物、海水生物に対する毒
水素イオン濃度 (pH)
結束注入細管の太さに
適した径のケーシング
で所定深度まで削孔。
8
排水基準
( 海域以外 )
7
6
5
0
7
14
21
28
経過日数 ( 日 )
4
−恒久グラウトを用いた変位抑制型の薬液浸透注入工法−
適用例
オプション技術
◆変位制御システム NETIS:KT-100019-A
自動追尾式トータルステーションなどの変位計測装置と連動
し て 、吐 出 量 をリア ル タ イム で 制 御 す るD C Iシ ス テ ム
(NETIS:KT-100019-A)を導入することで、近接する重
要構造物や地盤の変位量を許容値内に抑えながら施工を行
うことができます。
DCI システム
既設岸壁・護岸の液状化対策
既設岸壁・護岸の吸い出し防止
既設タンクの液状化対策
杭基礎の液状化対策
直接基礎の液状化対策
滑走路・道路の液状化対策
マルチ多連システム
動作確認実験状況
6
test1
test2
test3
test4
ターゲットプリズム
自動追尾式トータルステーション
変位(mm)
5
4
3
2
1
0
0
5
10
15
20
25
30
35
40
時間 ( 分 )
3.5
5
2
4
1.5
3
1
2
0.5
1
0
改良断面図
変位(mm)
吐出量(L/ 分)
2.5
16:26:24
施工事例
7
吐出量
6
変位(test2)
3
0
16:33:36
16:40:48 16:48:00
時間
16:55:12
17:02:24
test2 の動作確認実験の結果例
【出典:Project Report vol.2 歴史的建造物の液状化対策工事∼旧神戸生糸検査所∼】
◆生分解性注入管
(バイオチューブⓇ)
既設岸壁背後地盤の土圧軽減・液状化対策(八代港)
既設護岸直下地盤の液状化対策(舞鶴港)
ケーソン目地部の吸い出し防止対策(金沢港)
東日本大震災により被災した護岸直下地盤の補強
注入管の残置が困難な施工条件や注入後に地盤を掘削する必要がある場合などでは、
土中で生分解する性質を持つ特殊注入管
(バイオチューブⓇ)
を採用することもできます。
施工時
1年埋設後
側面
側面
切断面
荷姿(運搬状況)
5
切断面
回収状況
6