経済的な心配なしに誰もが安心して受けられる医療・介護の実現を求める意見書 第189回通常国会では、「持続可能な医療保険制度等を構築するための国民健康保険 等の一部を改正する法律案」など9本の関連法案が一括提案、成立が予定されている。同 法案には①紹介状なしの大病院受診時の定額自己負担の導入②入院時食事療養費の段階 的引き上げ(1か月1万8千円の負担増)③患者申し出療養の新設などが盛り込まれ、さ らなる患者負担増が計画されている。 また、昨年成立した「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係 法律の整備に関する法律」によって、介護の分野では、自己負担を1割から2割へ引き上 げることや、特別養護老人ホームの入所を原則要介護3以上に限定すること、要支援者へ の訪問介護・通所介護事業を市町村へ移行することなどが予定されている。 このように、医療・介護の給付の削減だけでなく、利用者・患者にさらなる負担を押し 付ける内容となっており、国民が安心して医療・介護にかかる機会が奪われ、憲法25条 で保障されている健康で人間らしく生きる権利が奪われることが危惧される。 2015年1月に大阪府保険医協会が行った「医療・介護現場から見える貧困調査(中 間報告)」では、「治療中断があった」と6割以上の医療機関が答えており、「医療費負担 が理由で検査や治療、投薬を断られた」が44.8%という結果から見ても、経済的理由 で医療を受けられない府民の貧困の実態が浮き彫りになっている。 これ以上の負担増・給付減は、「早期発見・早期治療」という医療の原則が崩れ、患者 の重症化を招き、結果、医療費の増大につながる。また、国民健康保険財政の悪化も招き、 地方自治体を疲弊させることは明白である。 よって、本町議会は国に対し、以下のことを強く要望する。 記 1.介護保険における要支援者への給付外し等、利用者へのサービス利用の制限強化を行 わず、国の責任で事業をすすめること。 2.患者負担をこれ以上増やさず、窓口負担の大幅軽減を行うこと。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 平成27年3月26日 大阪府泉南郡熊取町議会
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