SIZMEK MOBILE INDE X 2015 モバイル広告への適応と浪費 目次 チ ャート モバイルマーケティングの現状3 米国のモバイルインターネットユーザー数と普及率 (2013-2016年)3 現在のモバイル広告在庫3 米国のモバイル広告費 (2013-2016年)3 適応への遅れ4 モバイルでのデフォルト表示4 不適切なフォーマットによる浪費5 デフォルト表示率からみる広告主数4 モバイルフレンドリーな広告へ6 しきい値10%での広告主数4 今度の展開6 モバイル端末におけるパフォーマンス5 データからみるモバイル広告7 フォーマット別モバイル端末のビューアビリティ率5 調査方法11 総ディスプレイインプレッション数におけるモバイルシェア7 デバイス別ディスプレイ広告のシェア8 モバイル広告のパフォーマンス9 業種別モバイル広告10 2 モバイルマーケティングの現状 「モバイルの時代」であるとはここ何年も言われてきたことで、デジタルマーケティングを専門にしている人か らすれば、そのことがパワーポイントに出てくるたびにウンザリとすることでしょう。では、私たちは既に「モバイ ルの時代」ということを十分理解しているはずなのになぜ、デジタル広告市場はこの流れについて来てい ないのでしょうか。 現在のモバイル広告在庫 モバイル広告のベンチマークを集計して分析したところ、Sizmek Researchはモバイル端末に配信され る広告のうちの多くが無駄で非効率になっていることを判明しました。 米国のモバイルインターネットユーザー数と普及率 (2013-2016 年) 250 ユーザー数 (百万) 人口比率 今後、市場に出回るモバイル広告の在庫が増え続けていくのは誰もが予測していることでしょう。 2015年は世界人口全体のうち60%もの人(約20 億人)がモバイルを使用してインターネットへとアクセス することが予想されています。 もっとも目にあまる現実として、不適切なフォーマットになっていることで、数知れないFlash ベースのリッチ メディア広告がモバイル端末に出ており、そもそも適切なブラウジング環境下になくインタラクションが極端 に低くなっています。なぜこのような事態が起きているかというと、モバイルでもデスクトップでも表示可能な HTML5形式の広告へと移行するのが非常に遅いからです。Sizmek Researchは、HTML5のクリ エイティブはモバイルキャンペーンにおいて、デフォルト表示になってしまったFlashクリエイティブよりも高いク リック率、インタラクション率、ビューアビリティ率と、良いパフォーマンスになることが分かりました。しかしなが ら、HTML5フォーマットでモバイルに配信された広告は、全体のうちたったの45%でした。 200 174.3 150 149.9 100 46.3% 53.6% 100% 193.8 59.3% 210.5 80% 63.9% 60% 40% 50 今後「モバイルの時代」というトピックがミーティングであがったら、ぜひ2015年はモバイルフレンドリーな キャンペーン広告にすると改めて心に決める機会とし、無駄となるような広告を減らしましょう。 20% 0 2013 参照: eMarketer.com 2014 2015 0% 2016 モバイルユーザーが増えると同時にそこに広告機会が増えるのは言うまでもありません。 仮に2015年中にアメリカ国内で287億ドル(約3兆円)がモバイル広告に費やされるとするならば、2014年 度と比較して50%増しの成長率が見込まれます。 米国のモバイル広告費 (2013-2016 年) 50 支出金額 (10億ドル) 40 2015 年の第1四半期だけで、約 53 億もの $40.5 30 モバイル端末に配信されたリッチメディアのイ $28.7 20 ンプレッションが無駄になっています 10 0 $19.2 $10.7 2013 参照: eMarketer.com 3 2014 2015 2016 Flash広告がデフォルト表示になってしまうのは少数の広告主らにとってだけの問題ではありません。第1四半 期に少なくとも100万インプレッションが計測されたキャンペーンのうち、平均のデフォルト表示率は35.2%でし た。多くの広告主はさらに高いデフォルト表示率で、全体の36%の広告主が平均以下のパフォーマンス率であ り、12%の広告主は一度もモバイル端末にリッチメディア広告を載せることに成功していないことが分かりま した。デスクトップ広告在庫におけるリッチメディアの非表示率はモバイル端末と比較すると極めて低く、60%の 広告主が 3%以下と低いデフォルト表示率でした。 適応への遅れ モバイル在庫が増えていくと同時に、特にリッチメディア領域においては変化に適応していく必要があります。 モバイル端末でFlashのサポートがある在庫にはもう限りがあります。iOSは一切フラッシュのサポートはしていな く、Android端末では6つのバージョンでFlashのサポートをしています。しかしAndroid端末のうち、フラッシュを サポートしているのはたったの11%にしか満たなく、これらのソフトウェアはかなり時代遅れでもあります。 (参照:Android Developer Dashboard: Platform Version) Flashをサポートしているモバイル在庫はもうほとんどないため、Flashに頼るリッチメディア広告フォーマットはなく なるか、100%静止画として表示されます。これは2015年第1四半期中に計測された53億以上ものリッチ モバイル端末でもサポートされているHTML5フォーマットにおいて、デフォルト表示になった広告は全体の8.3% のみでしたが、HTML5フォーマットでモバイルに配信された広告の数は全体の半数以下でした。 2015 年 第 1 四半 期 に お ける モ バイルでのリ ッ チメディアの インプ レ ッション 数 デフォルト表示数 Flash フォーマット 5,427,964,025 5,350,663,778 98.6% HTML5 フォーマット 4,520,739,013 374,025,285 8.3% 95%+ 130 46%-95% 254 25%-45% 140 1%-24% 261 0% 294 24% 24 % 13% インプレッション数 広告主数 12 % デフォルト表示率 27% デ フォルト 表 示 率か らみ る広告主 数 メディアのインプレッションが本来の広告効果を発揮せず無駄になっていたことを意味します。 デフォルト表示率 モバイルでのデフォルト表示率 6,000,000,000 5,000,000,000 FLASH 54億インプレッション 53.5億 デフォルト表示 (98.6%) しきい 値 10 %での広告主 数 HTML5 45億インプレッション 4,000,000,000 10%以上 656 60.8% 10%未満 423 39.2% 3,000,000,000 2,000,000,000 % .2 39 % .8 60 1,000,000,000 3.7億 デフォルト表示 (8.3%) 0 4 不適切なフォーマットによる浪費 HTML5の利点はインタラクティブであることに留まりません。モバイル端末で正確に表現されるので、ビューアビリ ティ率も高い傾向にあります。デスクトップやノートPCにおけるFlashとHTML5のビューアビリティ率は51%と59 %とほぼ同じ数字を示しています。しかしモバイル端末においてはフラッシュ広告が約30%に対し、HTML5広 告は約70%のビューアビリティ率を示しています。 Flash広告はモバイル端末においては静止画として表示されるので、唯一のインタラクションは広告のクリックと なります。モバイル端末に表示される静止画のクリックスルー率は平均で0.28%と非常に低くなっています。 しかしながら、HTML5広告は広告をエクスパンドさせたり、動画コンテンツやスライドショーを盛り込んだりと 様々なインタラクションを設けることができます。それゆえにフラッシュ広告と比べてHTML5広告は400%増し フォーマット別モバイル端末のビューアビリティ率 広告のデフォルト表示とは最終手段の対応策が設けられているようなもので、少なくともユーザーは広告を全く 見ないということはなく、たとえ静止画であっても何かしらを目にしています。しかしながら、リッチメディア広告と静止 画におけるパフォーマンスの差は大きく、決してベストな策であるとも言えません。さらに、広告主にとってはリッチメデ ィア広告にお金を費やしているはずなのにそれだけの効果が得られていないことになります。 80.0% 60.0% モバイル端末におけるパフォーマンス - クリック率とインタラクション率 スタンダードFLASH 50.0% 59.1% 50.9% 30.0% 1.53% 29.4% 20.0% 1.20% 10.0% 1.00% 0.0% 0.80% 0.60% デスクトップ 0.53% 0.40% 0.00% 68.1% 40.0% HTML5 1.40% 0.20% HTML5 70.0% のパフォーマンス効果があります。 1.60% FLASH 0.28% 0.34% クリック率 0.31% 0.38% インタラクション率 HTML5 広告は Flash 広告よりも 400% 高いパフォーマンス効果があります 5 モバイル モバイルフレンドリーな広告へ モバイル広告がこれから進むべき道は明確です。リッチメディアキャンペーン広告をHTML5化することでインタラク ティブなキャンペーンとなり、モバイル上でも高いインタラクティブが期待できます。HTML5広告はモバイル特有の サイズとインタラクションのタイプを最大限活用し、ユーザーの目に留まりやすい広告へと導きます。 例えば、SizmekのMobile Full Page Flex はモバイル・タブレット端末のスクリーンにフルサ イズでエクス パ ンド する広告フォーマ ットで す。 4 種 類の クリエイティブサイズを用意することで 様々なスクリーンに 適 宜 適 応します。それぞ れ のサイズにはセーフエリアとバックグランドエリアが あります。セーフエリアはスクリーンサイズに関わら ず切られてしまうことはありません。バックグラン ドエリアはスクリーンの 縦横幅によって切られて しまう場合もあります。 HTML5 Swipe Galleryフォーマットは左や右にスワイプさせたり、ナビゲーション矢印をタップするこ とでユーザーに違う画像や動画を見せたりすることができます。それぞれの画像は別々のキャプション や別のクリックスルー URLを含むことができます。ギャラリーの最後に辿り着いたとしても、同じ方向に スワイプすることで最初の画像に戻ります。 今度の展開 2016 年度は少なくとも330 億インプレッションがデフォルトで表示され、そのうち 4億インプレッションにおいて インタラクションが失われることが予測されます。広告主はこの状況をそのまま見届けるわけにはいきません。 明らかにHTML5が標準のフォーマットとなっていくと考えられます。しかしながら、イノベーションだけで今問題 となっているモバイル広告配信のデフォルト率を減らすことは難しいでしょう。モバイル広告において成功できる 広告主になるためにはこの変化を早急に受け入れ、デフォルトの数を減らし、新たな方法を取り入れてモバイル ユーザーへリーチする必要があります。 6 データからみるモバイル広告 総ディスプレイインプレッション数におけるモバイルシェア 2014 年度第1四半期と2015 年度第1四半期の比較 2 014 2 015 % 15 % 85 モバイル デスクトップ 28% 72% 2015年第1四半期のモバイル広告は全体のディスプレイ広告のうち約30%で、前年度と比べると2倍近くなっています。 7 デバイス別ディスプレイ広告のシェア 2014 年度第1四半期と2015 年度第1四半期の比較 2 014 2 015 26% 74% スマートフォン タブレット % 36 % 64 8 デスクトップ広告と比べたモバイル広告のパフォーマンス 2014 年度第1四半期と2015 年度第1四半期の比較 8.00% モバイル デスクトップ 7.14% 7.00% 6.00% 5.00% 4.00% 3.00% 2.00% 2.08% 1.44% 1.00% 0.74% 0.00% 0.96% 0.88% 0.50% クリック率 0.49% インタラクション率 2014 年度 クリック率 インタラクション率 2015 年度 モバイル広告はデスクトップ広告よりも高いクリック率でしたが、インタラクション率に関してはデスクトップの方が断然高いパフォーマンスを示しています。 9 4% 3% 2 014 2 015 6% 2% 4% 8% 業種別モバイル広告トップ10 2014 年度第1四半期と2015 年度第1四半期の比較 3% 8% 8% 9% 15% 消費財メーカー 健康/美容 その他 自動車 金融 飲食 娯楽 電子機器 ゲーム 電気通信 18% 22% 14% 14 % 9% 13% 9% % 16 15% 消費財メーカーが 2015年は未だモバイル広告において大きなシェアを誇っていますが、その他の業種もモバイル広告に力を入れることで今後この差 は狭くなることでしょう。 10 調査方法 SIZMEK について データはSizmek MDX Platformを通して配信された広告をもとに集められており、70 ヶ国以上で3,400以 上の代理店、17,000の広告主、22,000のウェブ媒体において扱われたキャンペーンを対象としています。他の 資料を参考としたデータに関してはそれぞれインデックスを用いてインラインで表示しています。 SizmekはMDXと呼ばれるデジタル広告の管理・配信プラットフォームで広告キャンペーンを一括管理するソリュ ーションを提供しています。当社のプラットフォーム活用により、ディスプレイ広告(バナー広告)、検索連動型広 告(リスティング広告)、リッチメディア広告、ビデオ広告、ダイナミッククリエイティブ広告、または、モバイルやその他の 次世代型メディアを統合的に管理でき、複数チャネルで展開するキャンペーンのクロス分析や次回キャンペーン の戦略立案が可能となります。 このレポートにある「モバイルインプレッション」とは、モバイル端末に配信されたあらゆるディスプレイ広告のことを 意味し、「デスクトップインプレッション」とはデスクトップやノートPCに配信されたあらゆるディスプレイ広告のことを 意味します。スマートTVなどその他の端末のインプレッションや端末の特定ができなかったものは計測から省か れます。 より詳しい情報やこの資料に関するコメント、HTML5広告については[email protected]までお 問い合わせください。 sizmek.com 11 sizmek.com [email protected] © 2015 Sizmek, Inc. All rights reserved.
© Copyright 2024 ExpyDoc