【 平成 27 年度 事業計画 】 昨年の日本人海外旅行者数は、消費増税、円安、ISIL による邦人誘拐殺害事件を始めとするテロ、 近隣諸国との問題、自然災害等々により 1690 万人と前年比 3.3%減となり、二年連続低調であった。 今年に入ってからも前年割れが続き需要回復の兆しも見えず、引き続き苦戦が強いられると思われる。 一方、国内旅行や訪日旅行は北陸新幹線の開業や円安による旅行費用の割安感など明るい材料も 多く、今年度も好調が続くものと期待される。 このような環境のなか本会は平成 27 年度、次の施策を中心に各事業を推進する。 ・ 日本での大災害発生時や世界各地での事件・事故に対応すべく、会員の「安全対策」、「危機管 理体制」の整備・見直しの推進をはかる。 ・ 日本語ガイドを始めとする海外観光関連従事者に対する教育・研修などの支援を一層強化し、良 質なサービスの提供に努める。 ・ OTOA の「顔」ともいうべき「OTOA.COM」(ホームページ)については、時代のニーズ、コミュニケー ション手段の変化に即応し、役立つ情報の提供・発信に努める。 ・ 新規参入の訪日旅行(インバウンド)については会員の実態を把握し、関係各所への情報提供や 意見具申に努める。 平成 27 年度の各事業計画の概要は、次のとおり。 1. 公益目的支出計画の事業 (1) 安全対策事業 ① 都市別安全情報の充実、及び安全情報の提供 会員の協力を得て、調査対象都市の早期更新を目指す。また、自然災害、感染症、事件・事故、 テロや暴動など安全に関わる情報については、これまで同様にホームページやメールニュースを 通して消費者や業界に提供し、旅の安心・安全確保に努める。 なお、関係省庁や他団体等の発出する安全情報・注意喚起なども同様に提供する。 ② 「安全管理・法令順守」の徹底並びに「危機管理体制」の強化 引き続き海外事業所や提携先、サービス提供機関等に対する「安全管理・法令順守」について、 定期的に確認するよう周知徹底を図るとともに、日本での大災害発生に備えた危機管理体制の整 備を早急に図るよう指導する。 ③ 「安全対策セミナー」 安全関連のセミナーや講習会などを積極的に案内し、「安全管理」に対する意識の向上に努 める。 ④ 「事故処理対応マニュアル」の見直し OTOA 発刊の「事故処理対応マニュアル」について、他団体等の様々な安全ガイドラインやマニュ アルと比較し、より実態に則したものとすべく見直しに着手する。 (2) 研修事業 ① 海外観光関連事業従事者に対する教育・研修の実施 国際貢献事業として実施している「海外ガイド・ツアーコーディネーター研修」は、特に訪日旅行の 急増や日本企業の進出に伴い、海外での日本語ガイド不足や質の低下が懸念される国々に対し て教育や研修などの支援を優先的に行う。 また、その他の国々についても要請があれば積極的に応える。 ② 諸外国の政府観光行政官に対する研修への協力 (一社)海外運輸協力協会(JTCA)が実施する開発途上国の政府観光行政官に対する「観光振興 とマーケティング」研修に対しては、講師を派遣するなど引き続き協力し、日本人旅行者の受け入 れ態勢の充実や観光インフラ整備に側面から支援する。 ③ JATA 主催 「ニュー・デスティネーション・セミナー」への講師派遣協力 旅行会社の商品企画担当者を対象とした当該セミナーについては、デスティネーションの選定、 講師の派遣等に全面的に協力し、海外旅行の活性化に努める。 なお、今年度は計 11 回の開催を予定している。 ④ その他研修会(セミナー)、講演会などの実施・案内 一部会員からの要請もあり、新人教育の実施について検討する。 (ビジネスマナー、観光産業、ランドオペレーター、OTOA、旅行業法・約款・地上手配契約等々) 2. 自主事業 (1) 情報収集・広報事業 ① 「OTOA NEWS」の発行・配布 OTOA の活動報告の他、会員の業務に役立つ情報なども取り上げ、紙面の充実に努める。 今年度も年 6 回(原則奇数月の 15 日)の発行を予定。 ② 業界紙誌との連携・協力 * プレスとの連携を深め、アウトバウンド・インバウンドとも、より積極的な広報活動に努め、業界内 外へ OTOA 並びに会員に対する理解促進・認知度向上に努める。 * 支部が定期的に実施しているワークショップなどのイベントについても引き続きサポートし、地方 の需要喚起に努める。 ③ インバウンド事業についての広報活動強化 「インバウンド(訪日旅行)事業」の項、参照 (2) 調査・研究事業 ① グローバルスタンダード化の推進、事業者間取引の適正化に向けた活動 * 遅々として改善されない「代金支払いの早期化」や「手仕舞いの改善」等、いわゆる「グローバル スタンダード化」の問題については、粘り強く関係団体へ働きかけ、理解を求める。 * 「事業者間取引の適正化」については、公正取引委員会や中小企業庁、下請駆け込み寺への 相談を強く勧め、解決につなげるようアドバイスする。 ② 会員各社の福利厚生制度や各種規程の整備等についてのサポート 昨年導入した「OTOA 災害補償制度」同様、会員や社員にとって有益な制度の検討を継続して 行う。 また、各種規程の整備に関する情報提供やセミナーなどのサポートを、SPS 及び損害保険会社の 協力を得て、今年度も継続実施する。 ③ その他、各種課題の検討 「法律相談会」で頻繁に取り上げられる問題や多くの会員から問い合せのある問題については、 情報提供だけでなくセミナー・勉強会の開催を含め、適宜対応する。 (3) ホームページ事業 ① ビデオライブラリーページの充実 政府観光局や観光関連機関、また会員の現地支店や提携先等が配信する映像を積極的に収集 並びに OTOA サイトへ公開し、旅行需要の喚起につなげる。 ② SNS の活用 既に外務省の SNS サイトを OTOA サイト内に埋め込むなど一定の取り組みを実施しているが、 今年度は緊急時の情報伝達手段として効果を発揮する SNS の活用方法などについて検討を開 始する。 ③ インバウンド関連ページの設置 インバウンド委員会の要請に基づき、会員や海外の旅行会社に役立つページの設置に向けた検 討を継続し、早期オープンを目指す。 ④ 新コンテンツの設置、及び既存コンテンツの見直し/充実 OTOA サイトの活 発 化 、OTOA 及 び会 員 の認 知 度 アップなどにつながる取 り組 みについて、 新コンテンツの設置、新たなサービスの導入なども視野に入れ検討を継続する。 また、既存コンテンツの見直しや充実に向けた検討を継続する。 (4) インバウンド(訪日旅行)事業 ① インバウンド取り扱い会員の実情把握 年度初めに実施する現況調査を通じて会員の現状を把握し、今後の活動に役立てる。 ② ホームページ等を利用した積極的な広報活動の実施 会員紹介ページの設置や OTOA インバウンド事業についての記載内容等を早期に完成させ、 国内のサプライヤーや海外の旅行社に対し認知度向上を図る。 ③ インバウンド関連会議体への参画、及び関係団体との情報・意見交換 関連省庁・団体が実施するインバウンド関連会議体や会合への参画を要請するとともに、貸切 バスに関する様々な問題等に積極的に提言・提案する。 また、旅館、ホテル、貸切バス等の関係団体や企業(サプライヤー)などとも情報・意見交換を行い、 仕入や手配等に役立つ情報のフィードバックに努める。 ④ 災害発生時における訪日外国人旅行者の安全確保の研究 訪日外国人旅行者の安全確保のための研究を継続して実施する。 (5) 連絡協調事業 ① 観光庁・外務省等の関係省庁、駐日外国大使館、及び JATA、ANTOR 等、観光関連諸団体との 連携強化 アウトバウンド・インバウンド問わず、各種会議体への参画や各種要請には、これまで同様に積極 的に対応・協力する。 ② 地域分科会との連携 レインボー会(ヨーロッパ)、オセアニア連絡会、SATP(南アフリカ)、フィジー会等の地域分科会とは 引き続き緊密な連携を図り、各種問題の解決や需要喚起に向けた活動や要請に協働で取り 組む。 ③ 地方支部との連携・協力 各支部が実施するワークショップに対しては、これまで同様、資料の提供・来場者募集の告知など 側面からサポートする。 また、定例会への役員・講師派遣等の要請には、積極的に対応する。 ④ 法律相談会 「無料法律相談会」の利用方法等について改めて会員に案内するとともに、相談を通じて多くの 会員に共通する問題があれば、別途セミナーを実施するなどして対応する。 ⑤ 正会員、賛助会員の入会促進 今年度も会員などの協力を得て、新入会員の拡大に努める。
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