総合理工学研究科 フォトニクス分析の新たなブレークスルー 機械・航空宇宙コース フォトニクス分析の新たなブレークスルー 研究テーマ： 有機薄膜の機械特性向上 サブタイトル： ナノオーダーの膜厚を有する薄膜の機械特性 キーワード ： スパッタリング、真空蒸着、スピンコーティング、有機薄膜 主研究担当者 ：岩森 暁 教授 どのような研究課題に取り組むのか Background and Motivation 高周波スパッタリング法、真空蒸着法、スピンコ ーティング法などを用いて数十～百 nm 程度の ごく薄い膜厚の有機薄膜を、金属やセラミック ス、高分子材料の基材上に形成し、薄膜の機械特 性、基材との密着性、摩擦特性、摩耗耐久性など の特性を向上させることを目的とした研究を行 なっている。 どのような点が新しいか Originality 有機薄膜は金属や無機薄膜にはない特性、たと えば繰り返し曲げ試験に対する疲労耐久性（耐 当研究室で試作・設計したプラズマ支援蒸着重合装置 屈曲性）などを有しており、無機などの硬質薄 膜とは異なる分野での応用展開が可能である。 また、高周波スパッタリングや真空蒸着などに よるフッ素系高分子薄膜の成膜のメカニズムに ついても検討し、明らかにしている。 研究展望とインパクト Impact and Perspective 本研究室では、機能性薄膜を成膜するための新た な装置設計を行うと共に、数十ナノメートル程度 の膜厚の薄膜において、微小領域での力学特性を 評価する新たな手法についても検討を行なって いる。 研究グループからの論文 ・上村彰宏，田部智也，岩森暁、 「ポリイミドをターゲットとした高周波ス パッタ膜の成膜条件が薄膜に与える影響」 電気学会論文誌 A （基礎･材料･ 共通部門誌） Vol.130. No.2, pp.147-154,（2010.02） ・S.Iwamori, N.Hasegawa, A.Uemura, T.Tanabe, I.Nishiyama, “Friction and adhesion properties of fluorocarbon polymer thin films prepared by magnetron sputtering”, Vacuum, 84, pp.592-596, (2009.12). ・A.Uemura, K. Kezuka, S.Iwamori, I.Nishiyama, “Effects of substrate temperature on the surface of polymer thin films prepared by R.F. sputtering with a polyimide target”, Vacuum, 84, pp.607-611, (2009.12) ・S.Iwamori, M. Mizoguchi, I. Nishiyama， “Adhesion and mechanical properties of poly(tetrafluoroethylene) －poly(vinyl alcohol) composite thin films prepared by spin coating method”，Polyimides and Other High Temperature Polymers，Vol.5, pp.285-292，(2009.05) ・S.Iwamori，“ Adhesion and friction properties of fluorocarbon polymer thin films coated onto metal substrates ” , Key Engineering Materials, Vol.384, pp.311-320, (2008.09) ・岩森暁，毛塚和哉，上村彰宏， 「スパッタフッ素樹脂薄膜の分子構造と摩 擦・摩耗特性」、材料、Vol.57. No.6，pp.611-616，(2008.06) ・岩森暁，北拓也， 「ゴム基板上に形成したポリテトラフルオロエチレン真 空蒸着膜の摩擦特性と密着性」，日本機械学会誌論文集 C 編、74 巻 739 号， pp.717-723，（2008.03） など ◆電子メール：iwamori※tokai-u.jp（※印は＠へ変更してください） 総合理工学研究科 フォトニクス分析の新たなブレークスルー 機械・航空宇宙コース フォトニクス分析の新たなブレークスルー 研究テーマ： 有機高分子薄膜による微量ガス検知システム開発 サブタイトル： 揮発性有機溶剤（VOC）、および原子状酸素センサーの開発 キーワード ： QCM (Quartz crystal microbalance )、 VOC センサー、 原子状酸素センサー 主研究担当者 ：岩森 暁 教授 どのような研究課題に取り組むのか Background and Motivation 近年、揮発性有機化合物（VOC）による環境汚染 や健康への悪影響が問題となっている。また、活 性酸素を利用した工業プロセスにおいては、その 高感度検出技術が求められている。これらを簡便 かつ高感度で計測可能な技術開発を目指し、小 型、軽量、高精度で簡易的なセンサーを開発し、 検知する手法について研究を行なっている。 どのような点が新しいか Originality 開発した活性酸素検出モニター用の水晶素子 高周波スパッタリングなどの物理気相蒸着 (PVD)法やスピンコーティング法により有機 薄膜を水晶振動子上に形成し、微量濃度のガ ス分子の吸着性や原子状酸素などとの反応性 を調べ、有機薄膜へのガス吸着現象やガス分 子との反応メカニズムを解明している。 研究展望とインパクト Impact and Perspective PVD 法で形成した有機薄膜は、バルク材とは異 なる分子構造をもつことが分かっており、ゆえに バルク材とは異なる特性をもつ。このよう有機薄 膜は今までに知られていない特性を発現する可 能性が期待される。 研究グループからの論文 ・ S.Iwamori, R.Sugimoto, K.Osada, M.Kurata, H.Matsumoto, K.Noda, “Gas adsorption performance of organic thin films prepared by plasma-assisted vacuum evaporation with polyimide precursors”, Sensors & Materials, Vol.22, No.7, pp.347-356, (2010.10) ・S.Iwamori, T.Tanabe, S.Yano, K.Noda, “Adsorption properties of fluorocarbon thin films prepared by physical vapor deposition methods” Surface & Coatings Technology, Vol.204, pp.2803-2807, (2010.05) ・S.Iwamori, S.Yano, R.Sugimoto, A.Uemura, H.Matsumoto, K.Noda, “Adsorption properties of thin films prepared by r.f. sputtering with a BPDA-PDA polyimide target”, Japanese Journal of Applied Physics, Vol.49, 04, DK-18-1～5, (2010.04) ・ H.Matsumoto, M.Matsuoka, K.Yoshino, T.Iwasaki, S.Kinoshita, K.Noda, S.Iwamori,” Monitoring of Surface Treatment Effects on Sputter-Coated Organic Film under Atomic Oxygen and Ultraviolet Irradiation”, Chemistry Letters, Vol.39, No.2, pp.102-103, (2009.12) など ◆電子メール：iwamori※tokai-u.jp（※印は＠へ変更してください） 総合理工学研究科 フォトニクス分析の新たなブレークスルー 機械・航空宇宙コース 研究テーマ: プラスチックフィルム上に形成した金属・無機・有機薄膜 サブタイトル： 物理気相蒸着（PVD）法によりプラスチックフィルム上に形成した機能性薄膜 キーワード ： プラスチックフィルム、スパッタリング、真空蒸着、ウェブコーティング 主研究担当者 ： 岩森 暁 教授 どのような研究課題に取り組むのか Background and Motivation プラスチックフィルム上に物理気相蒸着（PVD） 法により形成した薄膜は、ベースとなるプラスチ ックフィルムの特性を大きく向上させる。プラス チックフィルム上に金属薄膜、無機薄膜、有機薄 膜を形成し、種々の機能・特性を向上させる研究 を行っている。 どのような点が新しいか Originality 展延性を有する金属蒸着フィルム たとえば、ポリエステルなどのプラスチックフ ィルム上にある種の金属薄膜を、物理気相蒸着 （上段はスズ（Sn）蒸着フィルム、下段は、Sn と亜鉛 法を用いて形成することにより、割れや剥離な （Zn）の合金の蒸着フィルムで、 （A）は真空成型前、 （B） どが起こり難く、成形加工性に優れた金属蒸着 フィルムの開発を行なっている。 は真空成型後の光学顕微鏡写真。下段の Sn+Zn 合金薄 膜は、真空成型後も大きなクラックは認められない。 ） Iwamori, et al., Vacuum, 84 (2009) 581. 研究グループからの論文 研究展望とインパクト Impact and Perspective ポリエステル（PET）フィルム上に形成した薄膜 により以下のような特性が改善され、その特性向 上に関する研究を行っている。 ・金属薄膜：展延性に優れた金属蒸着フィルム ・無機薄膜：ガスバリアー性の向上 ・S. Iwamori, Y. Nagai, S. Seino, M. Kobayashi, K. Noda, “Optical properties of fluorocarbon thin films deposited onto transparent film substrate by r.f. sputtering”, ISSP2011 Proceedings (2011.07) • S.Iwamori, T.Kita, S.Saitoh, S.Yano, K.Kaminoda, S.Ohnishi,K.Suzuki ， ” Adhesion and vacuum forming properties of tin–zinc thin films deposited on polyester film substrate”, Vacuum, Vol.84, pp.581-586, (2009.12) •北拓也，斉藤翔，岩森暁，「ポリエステルフィルム上に成膜した金属蒸着 膜の引張特性と密着性」 ，真空，Vol.51, No.3，pp.205-207, (2008.03) ・S.Iwamori, Y.Gotoh K.Moorthi, “Characterization of silicon oxynitride gas barrier films”, Vacuum, Vol.68, pp.113-117, (2003.10) ・S.Iwamori, Y.Gotoh, K.Moorthi, “Silicon oxide gas barrier films deposited by reactive sputtering”, Surface and Coatings Technology Vol.166, pp.24-30, (2003.03) など ・有機薄膜：反射防止膜 ◆電子メール：iwamori※tokai-u.jp（※印は＠へ変更してください）
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