すこやかに毎日をすごすために 健康づくりのカギは生活習慣

すこやか健保 2015 年 4 月号
今月の主張
すこやかに毎日をすごすために
健康づくりのカギは生活習慣
春分が過ぎ、春らしさが日ごとに増してきています。日差しの暖かさに、襟元だけで
なく、気持ちもゆるみがちですが、三寒四温といわれるほど、寒さと温かさが交互に入
れ替わる時期です。体調管理は十分に気を付けてください。
毎日の気候まではフォローできませんが、健康保険組合では加入者の健康を守るた
め、さまざまな事業をおこなっています。なかでも、40 歳以上の人に実施している特
定健康診査と人間ドックは、事業の基本といえます。というのは、からだの状態をチェ
ックすることが、健康を維持し、不健康な状態を改めるきっかけになるからです。
仕事や生活の足として広く普及している自動車は、法律で 12 カ月および 24 カ月ごと
の点検整備が義務付けられています。異常を早期にみつけ、良い状態を長く維持するた
めに、定期的なチェックとメンテナンスが必要なことは、仕事や家事で忙しい毎日を過
ごしているわたしたちのからだにも、同じことがいえます。
まずは、健診や特定健診をきちんと受けることが大事ですが、受けっぱなしではメン
テナンスがおろそかになってしまいます。不十分なままで終わらせないためには、結果
票に記されている「異常なし」、「要精密検査」などの判定だけでなく、検査項目ごと
に、数値が基準範囲に収まっているか確認してください。過去に受診した検査数値と比
較してどう推移しているかをみることも大切です。
また、数値が基準範囲に収まっていても、生活習慣病につながりかねない血糖(空腹
時血糖、ヘモグロビンA1c)、血圧、血中脂質(コレステロール、中性脂肪)などの
値がいずれも上限ギリギリの数値であれば注意が必要です。
検査結果によっては、酒、たばこ、食事などの生活習慣を見直す必要があるかもしれ
ません。とくに生活習慣病の発症リスクが高い人に対しては、健保組合が医師、保健師
などを派遣して生活習慣の見直しをサポートしています。多くの人の健康づくりに携わ
ってきた“専門家”が皆さんの健診結果をもとにアドバイスしますので、ぜひ生活のな
かに取り入れていただきたいところです。
健康づくりのなかでも生活習慣病予防は、日ごろからよい生活習慣を心掛けることが
必要ですが、そうした取り組みは近い将来の健康状態に好影響を及ぼすことはもちろ
ん、長く継続することで高齢期の健康にも響いてきます。
たとえば、2025年には 65 歳以上の高齢者のうち約 5 人に1人が発症すると推計さ
れている認知症は、高血圧、糖尿病、喫煙などが発症リスクを高める危険因子とされ、
反対に運動、食事、余暇活動などが発症リスクを低下させる防御因子とされています。
危険因子、防御因子のどちらに偏るかは、毎日の生活習慣にかかっているといえます。
また、筋肉、骨、関節などの運動器の障害のために移動機能の低下をきたすロコモテ
ィブシンドローム(運動器症候群)を予防するためにも正しい運動習慣や食生活習慣が
求められます。
季節の変わり目は、生活習慣を見直すことにもよい機会かもしれません。まずは、皆
さんでぜひ、年度ごとの健診やハイキング、スポーツなどに誘い合わせて、でかけてみ
てはいかがでしょうか。