資金調達に係る取組 ~山口県萩市の事例~ 2015年9月30日 萩市総務部財政課 ■萩市の紹介① H27.7.5 世界文化遺産登録決定!! 九州・山口を中心に8県11市に23の構成資産 萩市には以下の5つの資産があります。 松下村塾 恵美須ヶ鼻造船所跡 大板山たたら製鉄遺跡 萩反射炉 萩城下町 1 ■萩市の紹介② 平成27年大河ドラマは、萩市が舞台で、吉田松陰の妹・文(ふみ) の生涯を描く「花燃ゆ」です。 大河ドラマ館が来年1月10日ま で開館しています。 ■萩市の紹介③ 平成30年(2018年)に「明治維新150年」の節目の年を迎えます。 様々な事業が今後展開予定です。 ぜひ萩市においでください! 2 ■萩市の紹介④ ○人口 51,087人(H27.4.1) ○世帯数 23,990世帯(H27.4.1) ○高齢化率 38.4% ○面積 698.31k㎡ ○人口密度73.16人/k㎡ ○産業別就業人口 第一次産業 14.4% 第二次産業 19.2% 第三次産業 66.4% 平成17年3月6日1市2町4村で合併 「萩の街並み」 「松下村塾」 3 ■萩市の財政状況(H26年度決算:普通会計) 1. 歳入決算額 375億8,236万1千円 2. 歳出決算額 366億 842万9千円 3. 地方債残高 309億4,498万7千円 ※人口1人当たり 萩市 60万5,731円(※H26) 類似団体 39万9,485円(※H25) 【参考】平成18年度 萩市 79万1,963円 類似団体 50万979円(122位/127位) 4. 基金残高 124億7,121万4千円(定額運用基金除く) 5. 標準財政規模 199億7,800万7千円 6. 財政力指数 0.32 7. 経常収支比率 90.4% 4 合併構成団体の状況 市町村名 萩 平成15年度 平成16年度 人口 税収 普通会計 地方債残高 普通会計 地方債残高 (人) (百万円) (百万円) (百万円) 普通会計及 び特別会計 地方債残高 (百万円) 市 45,106 4,604 21,535 23,576 34,985 川 上 村 1,200 163 2,534 2,451 2,818 田万川町 3,612 250 4,094 4,138 5,088 むつみ村 2,202 161 4,044 4,079 7,408 須 佐 町 3,722 196 5,176 5,142 6,527 旭 村 2,169 165 3,545 3,475 4,537 福 栄 村 2,608 201 4,036 3,824 5,400 60,619 5,740 44,964 46,685 66,763 合 計 ※地方債残高については、合併にともない解散した一部事務組合分 (H15:約15億円、H16:約13億円)を除く 5 ■資金調達に係る取組に至った背景① 億円 100 (普通会計ベース) 億円 合併ライン 500 市債残高(右軸) 90 450 歳入総額(右軸) 80 400 歳出総額(右軸) 70 350 60 300 50 250 市債発行額(左軸) 40 200 公債元金(左軸) 30 150 20 100 税収(右軸) 10 0 50 元 2 年度 3 4 5 6 市債発行額 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 公債元金 市債残高 歳入総額 歳出総額 0 市税 6 ■資金調達に係る取組に至った背景② 小さな まち・むら の合併 ○乏しい自主財源 自主財源比率 26.6% 財政課として ○公債利子の削減 ○膨大な公債費残高 できること ○資金運用による 財源確保 7 ■資金調達に係る取組に至った背景③ (普通会計ベース) (単位:百万円) H16 地方債残高(萩市) H17 47,847 増減率(対H16) うち民間等引受(萩市) 3,173 増減率(対H16) H16 公債利子(萩市) 945 40 増減率(対H16) 公債利子(全国市町村計) 増減率(対H16) 47,513 45,926 △1% △4% 3,572 3,597 +13% +13% H17 増減率(対H16) うち民間等引受(萩市) H18 1,467,345 H18 895 838 △5% △11% 45 52 +12% +32% 1,327,540 1,224,761 △10% △17% 8 ■資金調達に係る取組に至った背景④ ◆民間等引受債の残高が増える傾向 •萩市の地方債残高総額は減少傾向でした。ただし、合併特例債や臨 時財政対策債の発行により、地方債残高に占める割合としてはまだ 少ないものの、民間等引受債の残高は増加傾向でした。 ◆民間等引受債の公債利子が残高より増える傾向 •萩市の公債利子総額は、全国市町村の公債利子削減ペースよりもや や悪く、特に民間等引受債は、金額としてまだ少額でしたが、地方 債残高よりも早いペースで増加していました。 ◆利子の削減、特に民間等引受債が合併後の課題 9 【合併初期の公債利子削減に向けた取組】 合併前の民間等引受債の借入 ・ほぼ全額を指定金融機関から借入 (H16末の民間等引受債残高のうち94%が指定金融機関からの借入) ・金融機関の提示どおりに借入 ・複数の金融機関からさまざまな条件提示 (低利かつ最適な条件を選択できるようになった) ・慣例的な借入条件の見直し (金利見直しや据置期間の短縮により利子を削減) 10 【公債利子削減の取組の中で】 金融機関との交渉の本格化 見えないコストが利率に含まれている? 11 【ファイナンス知識を活用した 財政運営への転換】 ①組織的に「金融」への接触、「金融感覚」の醸成 ◆新聞・テレビ等で金融情報を意識 識 •金融情報を課内で回覧 ◆金融レポートの作成 •担当者がデータを集計して、週に1度報告書を作成し、財政課内、 総務部長、副市長、市長まで報告 ◆金融情報の課内掲示 •新規発行10年国債利回り、日経平均株価、外国為替相場の前日の終 値を記載し、毎日課内に掲示 12 ②より安定的かつ低利な資金調達手法の構築 ◆借入スプレッドの分析 ・提示利率のスプレッド分析等を行い、金融機関の融資姿勢を確認 ◆金融知識を活用した主体的な借入条件の設定 •複数の償還年数に応じた利率の提示 •利率を決定した日の明示 •超長期の借入の際には、利率見直し交渉時の基準を明記 ◆資金調達・資金運用の「地産地消」 ・地方都市の経済状況及び市内金融機関の現状から「金融」にも「地産地消」 の概念を導入 ⇒ 地元の金融機関からの資金調達・運用を重視 13 ■公債利子の削減の状況 (普通会計ベース) (単位:百万円) H16 地方債残高(萩市) H25 47,847 増減率(対H16) うち民間等引受(萩市) 3,173 増減率(対H16) H16 公債利子(萩市) 945 40 増減率(対H16) 公債利子(全国市町村計) 増減率(対H16) 31,520 30,945 △34% △35% 7,276 8,383 +129% +164% H25 増減率(対H16) うち民間等引受(萩市) H26 1,467,345 H26 453 393 △52% △58% 71 70 +79% +75% 796,443 △46% ・民間等引受債の利子の増加率は、残高の増加率の半分以下。 ・利子を58%削減。削減ペースも全国より早い。 14 ■まとめ まずは出来ることから •金融知識の必要性を認識して職員の能力向上 金融機関と対等な立場で交渉 •金融知識を活用して適切な条件で借入 金融機関に訴え続けること •市民への説明責任という点から適切な条件で の借入が自治体としての責務 「吉田松陰誕生地:松陰と金子重輔(松陰の最初の弟子)の銅像」 萩市ゆるキャラ「萩にゃん。」 「文にゃん」 15 ■おわりに 1.地域経済と地方財政(萩市財政) 2.中山間、過疎・高齢化都市の地域活性化 3.財政課長と総務部長 16
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