半導体放射線検出器の基礎Ⅰ

半導体放射線検出器の基礎Ⅰ
F研 中村
2015年4月30日
実験1
• 次のものは電気を通すか?
1)シャープの芯
2)ガラス棒
3)炎
その2
• 100V100Wのフィラメント電
球の抵抗は何オームか?
P=IVならびにV=IRより、
R=V2/P=10000/100=100Ω
では計ってみよ。
その3
• 次のものの抵抗は、温度
を上げると増えるか減る
か?
1)シャープの芯
2)ガラス
その4
• シャープの芯に通電すると??
バンド構造
伝導帯
価電子帯
金属
絶縁体
半導体
半導体
伝導帯
電子
禁止帯
バンドギャップ
充満帯
光、電離
ホール(正孔)
結晶のエネルギー帯図
エネルギー
レベル
孤立原子
接近
対称性が破
れる
エネルギー
準位の縮退
が解ける
帯構造
結晶原子
原子間距離
孤立原子
金属
もう一つの説明
自由電子
+∞
+∞
箱型ポテンシャ
ル
E:最初から連続分布
E:飛び飛びの準位
結晶原子のつくる周
期的ポテンシャル
電子の波と周期的
ポテンシャルの共鳴
エネルギー
ギャップ
そのほかの解釈
• 不確定性原理
• ΔtΔE~h
ΔE~h/Δt
Δtとは?
孤立原子
電子の滞在時間∞
ΔtΔE~h より ΔE~0
結晶原子
電子の滞在時間有限
ΔtΔE~h より ΔE~有限
半導体
伝導帯
電子
禁止帯
バンドギャップ
充満帯
光、電離
ホール(正孔)
結晶のエネルギー帯図
P+
N
空乏層
N+
光の吸収
バンドギャップエネルギーよ
り大きなエネルギーを持つ光
子:原理的に吸収される。
λ(波長)=1240[nm]/Eg[eV]
一般にバンドギャップエネル
ギー近傍でシャープな立ち上
がり(直接遷移型)。
シリコン、GaP:
光を吸収する際にフォノン
が必要。なだらかな立ち上が
り。(間接遷移型)
放射線が作る
キャリヤー
•1e-h対生成に必要な平均電離エネ
ルギー
W=(14/5)Eg+rhω
0.5-1.0eV
格子振動などへのエネルギーロスが
起こる。
シリコンの場合 : 3.62 eV / e-h対
ダイアモンド :16
AgBr
:8
信号量の例
• 200ミクロンのシリコンデバイスを最小電離粒
子が通過した場合。
エネルギー損出
検出器の物質量
=1.66MeV/(g/cm2)×2.32g/cm3×200/10000cm
=77.0keV
生成するキャリヤーの数=77.0keV÷3.62eV=2.13×104個
電荷量=3.4×10-15クーロン=3.4 fc
→1pFのコンデンサーに充電しても3.4mVにしかならない。