主要閣僚の全人代記者会見内容抜粋

2015 年 3 月 18 日 第 68 期
BBTMU(China)経済週報臨時号
第 12 期全人代第 3 回会議 特集
2015 年 3 月 18 日 第 68 期
主要閣僚の全人代記者会見内容抜粋
~各分野で新常態に対応~
トランザクションバンキング部
中国調査室
3 月 5 日~12 日、第 12 期全国人民代表大会(全人代、日本の国会に相当)第 3 回会議の記者会見で、中国
発展改革委員会の徐紹史主任、商務部の高虎城部長、環境保護部の陳吉寧部長、人的資源社会保障部の
尹蔚民部長、科学技術部の万綱部長、人民銀行の周小川総裁などがそれぞれ記者会見を行った。特集の
第 2 回では、記者会見の内容要旨を纏めてみた。
【要旨】
1. 発展改革委員会の徐紹史主任
徐紹史主任は、最も重要な任務は発展であり、構造調整と経済発展のバランスを維持し、合理的な範
囲内での経済成長を確保しなければならないと、経済成長を維持することの重要性を説いた。新たな成
長分野として、新興産業、新型業態、新モデルと新製品のほか、12 の総合改革試験区、自貿試験区、自
主創新モデル区等新たな成長拠点、「一帯一路」、京津翼協同発展、長江経済帯等新たな成長地域を
発展させることを表明した。さらに、行政簡素化改革、投融資体制改革など発展改革委員会の自己革命
にも言及した。
2. 財務部の楼継偉財政部長
楼継偉財政部長は、地方政府の債務問題や地方税収優遇政策の整理整頓に関する見方を示した。地
方政府の債務リスクが全体としてコントロール可能であり、債務問題の解決に向けて、すでに様々な措置
をとっている。地方の税収優遇策に対する管理の規範化が「三中全会で決めた改革任務であり、整理し
なければならない。他方で、いつ始めるか、具体的なタイミングはまだ正式に決めていない。経済減速を
背景に、整理の段取りは経済情勢に従い考慮する。
3. 人民銀行の周小川総裁
周小川総裁は、中立的な金融政策基調に変化はないこと、預金保険制度を早ければ上半期に発表する
こと、金利の市場化を年内に実現する公算が大きいこと、正常な投資・貿易活動に伴う資金の流出入に
比べてホットマネーの量は大きいものではないこと、外貨保有マインドの高まりは正常な資産負債表の改
善行為であることなど、足元の注目されている金融話題について、金融当局の見方を明らかにした。
4. 商務部の高虎城部長
高虎城部長は、2015 年輸出入目標である 6%成長の達成に自信を示した。また、年内に中国-アセアン
自貿区の交渉のほか、地域全面経済パートナー関係協定(RCEP)の交渉を完了する計画を明らかにし
た。
5. 環境保護部の陳吉寧部長
陳吉寧部長は、2015 年にスモッグの解消、環境保護法の徹底に注力することを強調し、PX やごみ焼却
施設の建設を支持するが、法により行わなければならないと政府のスタンスを表明した。
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6. 人力と社会保障部の尹蔚民部長、胡暁義副部長
尹蔚民部長は、雇用対策、養老金とその投資運営、定年年齢の延長について回答した。余剰養老金の
投資運営に関して、資金の安全を確保するという大前提の下で市場化原則に従い、専門的投資機関に
運用を委託することなど、金融市場への投資可能性を示唆した。
7. 科学技術部の万綱部長
万綱部長は、研究開発分野における中国の新たな成果を紹介し、科学技術の第 13 次 5 ヵ年計画の重点
内容を明らかにし、「大衆創業、万衆創新」の効果に強い期待感を寄せた。
Ⅰ.発展改革委員会の徐紹史主任(3 月 5 日)
徐紹史発展改革委主任は、マクロコントロール、経済体制改革、投資拡大について、以下通りの方針を示
した。
「新常態」下のマクロコントロールのポイント
9 【中央政府、国務院への提案】経済トレンドの予測、モニタリングと政策措置等の予備研究を強化し、中
央政府、国務院へ経済政策の提案を行う。
9 【マクロコントロール体制の改善】需要サイドと供給サイドの共同管理、産業政策と競争政策の結合を重
視する。マクロコントロールにおける財政政策と金融政策の基礎的役割を発揮しながら、企画、計画、消
費、投資、産業、価格、地域政策等の手段も柔軟に活用する。これらのコントロール手段の協調と連動を
強化し、経済の安定した成長を促進する。
9 【「新常態」に向けた「三つの調整」】①理念の調整。発展が最も重要な任務であり、構造調整と経済発展
のバランスを維持し、合理的な経済成長ゾーンを確保しなければならない。②政策の調整。「ツール・
ボックス」を用意し、経済安定成長期、経済変動期、経済衰退期を識別し、それぞれに相応する政策を
適用させる。また、ビッグ・データ、クラウド計算などの新しい手法を利用して、データ間の非整合性を改
善する。③行動の調整。経済減速の圧力が増大する中、新たな成長分野を発展させる。新興産業、新
型業態、新モデルと新製品のほか、12 の総合改革試験区、自貿試験区、自主創新モデル区等新たな成
長拠点、「一帯一路」、京津翼協同発展、長江経済帯等新たな成長地域を着実に発展させる。
9 【生産能力と生産設備の「海外進出」を促進】中国は数多くの優位性を持った生産能力を有しているが、
現在、国内での利用率は高くない。今後は域外の需要に応じて、生産能力と生産設備の海外進出に力
を入れ、生産能力と需要のバランスを取る。
経済体制改革推進と発展改革委員会自身の革命
9 【審査制改革】これまでの取り組みにより、行政手続簡素化、プロセスの改善、オンライン処理の推進、処
理時間の明確化などの要求に基づき、13 項目の批准事項は行政カウンターで取り扱うこととなり、また、
発改委への批准申請はいずれもオンライン処理が可能となるなど、手続きの公開性と透明性が高まっ
た。
9 【核準制改革】2014 年政府核準投資目録を改正し、15 項目の認可事項を取り消し、23 項目の認可権限
を地方に委譲した。これは 2013 年の取消・委譲項目と合わせると、全体の 76%を削減したこととなる。ま
た、外商投資法を修正し、外商投資(対内投資)は備案制(届出制)を基本とし必要なものだけを核準制
(審査許認可制)とする管理方針を全面的に普及させるとした。改革により、核準が必要な案件数は全体
の 5%以下となるなど大幅に減少した。このほか、対外投資は一部の敏感国・地域・業界を除き、ほとんど
をオンラインによる備案制とすることとし、核準が必要な域外投資は全体の 2%以下となる。
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9 【投融資体制改革と創新】2014 年初めに、発改委は民間資本の参入を目的に、80 件のモデルプロジェ
クトを指定し、49 件について民間投資が参与した。また、創新重点領域における投融資体制改革の指導
意見を制定し公布した。従来の投資方式を変更し、財政部と連携して、新興産業創新指導基金と製造
業支持基金を設立した。更に、大きな変更点として、発改委は、自ら掌握する予算内資金を梃子にして、
社会投資を動かし、政策性金融機関、基金、信用、保険等各種投資公司と協働し、投資規模の拡大を
図ることとした。
9 【価格改革】2014 年医療保険目録にある 700 種の安価医薬品のほか、非公立病院のサービス価格等、
合計 56 項目の商品とサービスの価格を自由化した。また、鉄道運賃を調整し、鉄道と道路の運賃比率を
1:3 の適正水準にした。他にも備蓄している天然ガスとこれから輸入する天然ガスの価格を一本化し、居
民用水、天然ガスの段階価格改革を推進した。今後、薬品価格改革、電力価格改革等も検討段階に入
り、これらの改革完成後、社会民衆からのモニタリングを受けるため、発改委は政府定価目録を公布する
予定である。このほか、4G ネットによる価格クレームシステムを確立し、処理プロセスと結果をすべて公開
する。
投資拡大で経済刺激するか
発改委が許認可した各分野における一連の投資プロジェクトが 7 兆元を超えたと言われているが、この数字
は的確なのか、強い景気刺激策が再開したことを意味しているかとの質問に対して、徐主任は、中国の経済
発展に投資が肝心な役割が果たしており、強い景気刺激策ではないとの見方を示した。このほか、何に投資
するのか、誰が投資するのか、どのように投資するのかという 3 つの視点から投資効率を高める必要があると
強調した。
9 【何に投資するのか】2014 年発改委は、7 大投資プロジェクトと 6 大消費プロジェクトを打ち出した。7 大投
資プロジェクトは、①情報ネット、②電力網、③石油・ガスパイプライン(現在は 11 万km、米国は 50 万k
m)、④クリーンエネルギー、⑤中西部鉄道、⑥重大水利プロジェクト(172 件、2015 年 27 件実施)、⑦バ
ラック改造である。6 大消費プロジェクトは、養老・家政・健康、旅行・レジャー、教育・文化・体育等が含ま
れる。
9 【誰が投資するのか】政府は自らの資金を効率良く利用した上、民間投資を呼び込む。今年の中央予算
の内、発改委が所管する金額は 4,776 億元(2014 年の 4,576 億元から 200 億元増加)であるが、一方、
社会全体の固定資産投資はすでに 51 兆元に達しており、全体の 1%未満の資金を如何に有効に利用
するかが重要である。民間投資を呼び込むには、市場参入ハードルを引き下げ、投融資体制を創新しな
ければならない。
9 【どのように投資するのか】官民連携が重要である。2014 年発改委は各地方に PPP の実施ガイドラインを
公布した。今後、政府はキャッシュフローがよく、且つ安定した収益性が見込めるプロジェクトを民間資本
に一層開放しなければならない。また、政府は投融資体制改革を深化し、政策性金融機関、基金、社会
保険、担保など各種の投資基金と投資会社との連携を強化し、共同で投資規模を拡大させていく必要
がある。
これら一連の投資が強い景気刺激策であるとの見方は誤っている。巨大な国で、且つ工業化、都市化の途
上にあり、投資分野が広く、投資の潜在力も大きいことから、投資が必要な分野で投資を強化することは当た
り前のことであり、強い景気刺激策ではない。ただし、投資効率の向上が課題である。
Ⅱ.財務部の楼継偉財政部長(3 月 6 日)
楼継偉財政部長は、地方政府の債務問題や地方の税収優遇政策の整理について、以下通りの方針を示し
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た。
地方政府の債務問題
地方政府の債務リスクは全体としてコントロール可能な範囲内であり、債務比率が高い一部地域についても
動向を注視している。債務問題の解決に向けて、以下の措置をとっている。
9
第一に、収益のある、あるいは費用徴収ができるプロジェクトは、「PPP 方式」に変更し、既存債務は企
業債に転換する。費用徴収で賄えない部分は政府が適切に補助する。完全な公共的プロジェクトに
関し、融資プラットフォームより借り入れた、政府が返済責任をもつ債務については、地方債を発行し、
既存債務と置き替え、利息返済負担を軽減する。これらの対策はすでに全人代常務委員会において
認可されている。
9
第二に、銀行から借りた債務について、契約に基づき返済しなければならない。融資プラットフォーム
の変更により、債務の再編が必要な場合、双方が交渉を通じ、過渡措置をとりながら、順を追って解決
していく。
このように既存債務の解消に向けて対策を打ちながら、新「予算法」に従い、地方が適切な債券を発行す
ることを認める。今年の地方債発行規模は 6000 億元と計画されている。
地方の税収優遇策の整理
外資企業が最も注目している地方の税収優遇政策の整理について、以下の見方が示された。
9
2013 年の「三中全会」で税収優遇政策管理の強化、特に地方の税収優遇策に対する管理の規範化
が求められ、改革課題となっている。各地における優遇政策の制定には恣意性があり、混乱が生じて
いる。企業との引き合いで土地を含む優遇策を決めるなどの行為は許されないことであり、整理しなけ
ればならない。
9
既存政策について逐次、統一的に整理し、新たな優遇政策を創り出してはならない。今後、公平かつ
統一的な市場を維持するため、地方政府間の競争を禁止しなければならない。中央は同時期に整理
する予定である。そうしなければ、先に優遇策を廃止した地方が競争の優位性を失う。いつ始めるか、
具体的なタイミングはまだ正式に決まっていない。経済減速を背景に、整理の段取りは経済情勢に従
い、考慮していく。
Ⅲ.人民銀行の周小川総裁(3 月 12 日)
周小川人民銀行総裁は、金融政策、預金保険制度、民営銀行、シルクロード基金、ホットマネーの撤退など
について、以下通りの方針を示した。
金融政策
9 金融政策の基調は、①緩和、②適切緩和、③中立、④適切引き締め、⑤引き締めに分類することができ
る。それぞれの分類の対象範囲は広く、同一分類の中での調整は随時行うことができるが、ほかの分類
に転換することは大きな変動が伴う。
9 2014 年、人民銀行は量的緩和など、各種の金融管理ツールを実施したが、全体で見ると、中立政策の
範囲を越えず、金融政策の基調に変わりはない。
9 中国の金融政策には構造転換を加速する役割もある。預金準備率の差別化や特定分野への資金サ
ポートはこのためである。ただし金融政策による構造転換の加速は一時的なものであり、一定の時間が
経てば、この部分の流動性は経済全体に吸収され、構造転換への役割も終わってしまう。すなわち、流
動性管理は構造転換を加速する役割がある一方、過剰に期待してはならない。
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9 その他、流動性が株式市場に流入したとしても、実体経済に効果が無いとはいえないと個人的に考えて
いる。特に新規株式発行の点から、各業界の数多くの企業は株式市場から資金を調達している。一部の
資金が金融市場で空回りしているとはいえ、流動性が株式市場へ流入することを一概に悪いと見てはな
らない。
9 中国は世界どの国よりも金融による実体経済へのサポートを重視しており、現段階では、中国金融政策
と金融市場の大部分の活動は実体経済とかかわっており、金融システムにシステミックリスクをもたらすこ
とはない。
預金保険制度
9 預金保険制度は金融改革の重要な一環であり、2014 年末からすでに意見募集が始まっている。プラス
の意見が多いことから、預金保険制度を実施する外部条件はすでに整っていると考え、早ければ上半期
にも発表する。
預金金利
9 近年では、金利の市場化が着実に進められている。2014 年、人民元預金金利の上乗せ幅を 10%から
20%へ、更に 20%から 30%まで拡大した。金利上乗分を 1.3 倍に拡大した後、各銀行の預金金利にも差
が開くようになっており、このような差別化した価格付けは銀行にとっても顧客にとってもプラスである。外
資銀行で、預金金利を上乗せする銀行は少なく、36%の銀行は基準金利を採用し、40%は 10%以内の
上乗せにとどまっている。
9 目下、SHIBOR など中国の基準金利システムが成熟しつつあり、金利市場化の条件がすでに整ってい
るとの見方も多い。預金金利上限の撤廃は、きっかけがあれば今年中にも実施する公算が大きい。
企業融資難
9 企業融資難の原因は様々であるが、よく取上げられるのは低効率の企業が大量に資金を借り占め、中
小企業が資金を獲得できないことである。
9 中小企業向けの金融サービスを充実し、競争性のある金融サービスを導入することや、民営銀行を発展
させることがポイントとなるだろう。
9 この問題は金利市場化ともかかわっており、価格が合理的に設定できなければ、需給の均衡は必ず影
響を受ける。
9 金融面、財政面にも注力する余地がある。2014 年は、「十項目措置」、イノベーション型企業向け措置な
どを行っており、これらの措置は即時に効果が出るとは限らないが、徐々に融資問題の改善に寄与する
だろう。
民営銀行
9 金融サービスには競争が必要であるが、顧客の資金の安全を確保するため、銀行業の参入に若干高い
ハードルを設けている。民営銀行がこれらのハードルをクリアできれば、ほかの銀行と公平・平等原則に
基づく競争を許可し、推奨する。
9 今後の課題として、①基準と条件を明確にし、特にリスクヘッジ・リスクテイク能力、コンプライアンス面に
対する基準を若干高めに設定する必要があること、②支払い、清算、取引といった金融インフラの整備
が必要であること、③中小型銀行に対し制度上でのサポートを強化すること、などがある。既存の規則・
条例を細部まで完備し、民営金融機関の健全な発展を促すという方針で民営銀行の成長を促していく。
シルクロード基金
9 シルクロード基金は 2014 年末に工商局で登録され、上層部の人事配置が完了した。これからは会社の
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ガバナンスシステムを完備しつつ、実質の業務を展開していく。
9 シルクロード基金の目標は沿線各国の協力と、資金融通である。目標を達成するには以下 4 つの原則が
ある。①投資先を限定せず、各国の発展戦略と計画に基づき投資プロジェクトを選定する。具体的にエ
クイティ投資を中心に、インフラ、エネルギー、産業・金融協力を重点投資分野とし、中国ハイテク製造業
と過剰生産分野の海外移転を支援する。②無償援助ではなく、運用において市場メカニズムに従い、投
資収益を重視し株主の権益を守る。③国内外の金融機関とは代替関係ではなく、お互いに協力し、エク
イティ、債券、貸出といった多元的な投資方式を通じ、中長期的に利益を挙げる見込みのあるプロジェク
トに融資サービスを行う。④シルクロード基金は開放的で、我々と同じ目標を持つ投資家が直接、あるい
は子会社へ直接的に参加することを期待している。ほかにもアジアインフラ投資銀行や中国-アフリカ基
金といった多国間金融機関との協力を強化し、互いの強みを発揮し、地域の発展に貢献する。
ホットマネーの撤退と資本の流出
(周小川総裁)
9
中国の国際収支において絶対多数の資金の流出入は正常な貿易と投資の実需がある。金融市場で短
期の投機的収益を求める流動性を、ホットマネーと定義すれば、その量を正確にモニタリングすることは
容易ではないが、間違いなく(ホットマネーは)存在している。現在、中国の状況からみれば深刻な状態
ではない。世界の一部の国家で資本流出が発生したのは、その国の環境に自信を喪失し、財産が保護
されない恐れがあるからである。中国にもこの現象があるが、正常な投資や貿易と比べれば、その量は
大きなものではない。だから、(正常な貿易投資に伴う資金の流出入とホットマネーを)区別することが重
要だと考える。
9
年内に米国が利上げするなら、マーケットは当面米ドルを買い入れ、或いは米ドルを域外に預け入れる
ことを選択するかもしれない。これは合理的である。但し、米国が伝えたメッセージからみれば、利上げ
には慎重で、市場を見極めた上で決定する。(米国が利上げすれば)金融資産運用の機会が確かにあ
るが、巨大な格差や巨大な投資機会がもたらされるわけでもない。我々の現時点でのレビューによれば、
非常に大きな脅威にはならないとみている。一方、米国が利上げをすれば、米国経済がようやく実質的
な回復に入ったことが示され、世界にとってもいいシグナルとなる。
(易綱副総裁)
9
2014 年、中国域内における企業と個人の渉外収入は 3 兆 3,000 億米ドル、渉外支出は 3 兆 2,000 億米
ドル、240 日営業日で計算すれば、中国の銀行業が毎日(顧客のために)取扱った渉外収入と支出はい
ずれも 100 億米ドルを超えた。これは、中国の改革と開放がここまで進められた現在において、経済が
充分に開放され、世界経済に充分に溶けこんだことが説明される。
9
もう一つの視点からは、最近の中国からの流出があるかどうかをみることができる。2014 年の企業と個人
の中国国内における外貨預金は 1,000 億米ドル余り増加し、15 年 1 月に更に 400 億米ドル増加した。
これは目下の経済環境下で、中国の企業、個人、金融機関がそれぞれのバランスシートを改善している
ことを示している。各経済主体がリスク防止、通貨マッチングやヘッジのため、バランスシートを最適化し
たことにより、中国国内で相対的に安定したメカニズムができている。過去には国家外貨準備としてすべ
て中央銀行に流れたが、現在では企業・個人・金融機関がある程度の米ドルを保有するマインドが高
まっている。この調整は正常で合理である。一方で、我々は正常でないクロスボーダー資金流動にも警
戒態勢を崩すことはない。
物価
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9 物価を表す指標の中では、CPI、PPI、GDP デフレーターなどがあり、そのうち、PPI は投資活動と深くか
かわっている。経済が新常態に入り、PPI の変化はほかより大きい。また最近の国際市場の大口商品価
格の変化も PPI を押し下げた一因である。
9 我々は物価動向を注意深く見守り、積極的な財政政策と穏健な金融政策で対応していく。
Ⅳ.商務部の高虎城部長(3 月 7 日)
高虎城商務部長は、輸出入目標、中豪・中韓自貿区、外資三法などについて、以下通りの方針を示した。
2015 年 6%の輸出入目標は達成可能
9 比較できない要素を除いた 2014 年の中国の輸出入総額は前年比+6.1%となり、このうち輸出は+8.7%と
なり、これは 2008 年以来数年連続で 9%前後伸び続けてきた上で実現したもので、満足できる実績であ
る。2014 年、7.5%前後の輸出入伸び率目標を達成できなかったのは、輸入商品価格の大幅な下落によ
るものである。2015 年において国際資源、エネルギーと大口農産品の価格は短期間には大幅な上昇が
ないとみられ、海外需要は引き続き微増する見通し。かかる中、6.1%の目標達成に自信を持っている。
9 2015 年の 6%の輸出入伸び率目標を達成するには、①輸出入安定成長のための政策措置の徹底、②
モデル転換と構造調整企業への支援強化、輸出製品の付加価値向上、③国際電子商取引、買付、総
合的な貿易サービス会社など新たな輸出マーケティングモデルの発展と奨励、④中国企業の輸出入の
安定成長により有利な国際競争環境の創出。
9 2014 年、中国は依然として世界貨物貿易のトップの座を占め、2013 年の世界貿易シェア 11.7%から 0.5
ポイント上昇の 12.2%に達した。
中豪・中韓自貿区
9 中韓自由貿易協定は高水準、良質、利益均衡の貿易協定であり、貨物・サービス貿易、投資分野の開
放から、金融、通信、自然人流動、環境などを含む「21 世紀の新議題」である。中国と韓国はグローバル
貨物貿易でそれぞれ 1 位と 14 位を占め、両国間の貿易額はほぼ 3,000 億ドルで、中国の 2001 年 WTO
加盟時の対外貿易額の 60%に相当する。
9 中国はオーストラリアの重要な貿易相手国であり、その市場参入規則、投資・貿易規則と基準、すべての
管理体系、枠組みの構築は先進国と全く同様である。中国がオーストラリアと高水準な自由貿易協定を
締結できたことは、世界すべての国・地域と自由貿易協定交渉ができることを示している。
9 2015 年、中国-アセアン自貿区の交渉のほか、地域全面経済パートナー関係協定の交渉(RCEP、所謂
10+6、アセアン、中日韓、インド、オーストラリアとニュージランドの五つの自由貿易協定が含まれる)は非
常に重要であり、いずれも年末までに交渉を完了する予定である。
域外消費
9 2014 年、中国の出国者数は 1 億人を超え、海外での消費額が 1 兆元を超えた。内外価格のギャップが
一大要因であるほか、①高税率、とりわけ一部製品の消費税、②国内の流通コストの高さ、③海外メー
カーの中国に対する価格決定政策、が挙げられる。
9 国内の消費が個性化、多様化が進む一方で、海外では単一化、模倣式な消費の傾向がある。中国国民
の消費意識の変化により、理性と正常な消費状態に復帰することを信じる。
一帯一路
9 「一帯一路」は開放・寛容を原則として、参与意欲のある国・地域・地域組織は共に商談・建設・享受の原
則で参与できる。
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2015 年 3 月 18 日 第 68 期
9 中国の主導でアジアインフラ投資銀行を設立し、400 億ドルのシルクロード基金を設立し、中国の商業銀
行、保険機関および沿線各国の商業金融機関と基金が「一帯一路」の建設に金融サービスを提供する。
中米・中欧投資協定交渉
9 中米投資協定交渉(BIT 交渉)は 9 回の実質的交渉を経て、今年早期に両国元首の共同認識に従いネ
ガティブリストを交換する。
9 中欧投資協定交渉が 4 回を行われたが、2014 年下期の欧州選挙により、足元双方は未だ各自の文書を
紹介する段階にある。
外資三法
9 改革開放初期において外資三法(中外合資企業経営法、外資企業法、中外合作経営企業法)と呼ばれ
る 3 つの法律は外資導入と開放拡大に重要な役割を果たしたものの、一部の項目は新しい情勢の需要
に適応しなくなった。国務院の委託により商務部は外資三法の改訂に着手し、外国投資法(案)を策定し
た。
9 2015 年 1 月に案についてパブリックコメントを募集したが、EU、米国、日本、カナダ、オーストラリア、シン
ガポールなどの国・地域の政府主管部門、大使館、商工協会組織および企業投資者から大きな注目を
集め、国内の企業界、学術界と法律界も熱烈な討議を行った。各方面の合理的な提案を吸収して改正
を行い、早急に立法段階に入るよう努力する。
Ⅴ.環境保護部の陳吉寧部長(3 月 7 日)
陳吉寧環境保護部長は、環境保護と経済発展、新「環境保護法」、PX プロジェクトに対する政府の見方に
ついて、以下通りの方針を示した。
2014 年の回顧
9 環境状況:全国 300 余りの都市のうち、80%の都市の大気が国家基準以下であった。長江デルタ、珠江
デルタ、特に京津冀地区では、大規模なスモッグが頻発している。
9 措置と効果:電力や鉄鋼業では脱硫装置の設置、環境基準非対応の老朽自動車の淘汰、小型ボイラの
廃止などの措置を実施し、効果が現れ始めている。上述した汚染問題の厳しい三大地域では、PM2.5
の低下が見られた。
2015 年の展望
法律法規
9 『大気汚染防治行動計画』『大気汚染防治法』によりスモッグを解消する。
9 『環境保護法』を徹底し、地方政府の責任を明確化する。環境保護状況を幹部の実績評価の指標に組
み入れ、情報公開制度を強化するなど、法律の施行に注力する。
改革
9 環境保護法に違反する企業を徹底的に調査し、場合によって法的処罰を与える。
9 環境保護部所属の八つの環境評価機構を独立させる。地方政府の関連組織も時間をかけて独立させ
なければならない。
環境保護と経済発展
良い経済政策は環境保護を促進できるはずである。一方、環境保護関連の投資需要は非常に大きく、8-10
兆元以上にも達した。このような投資は持続可能であり、長期間にわたって利益を上げることができ、経済成
長に非常に有益である。しかし、環境保護関連投資における政府投資の割合は 30%‐40%と高く、この市場
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2015 年 3 月 18 日 第 68 期
を更に開放する必要がある。環境保護の分野において社会資本を活性化させることが大きな課題である。具
体的な措置は以下の通り。
9 価格改革:合理的なペイオフシステムを整える。
9 市場の更なる開放: PPP を強化し、排出権取引など環境取引のマーケットを促進する。
9 環境保護金融の推進:環境保護産業の多数は、利益を上げるまでに時間がかかる。現段階では、環境
産業分野の資金コストが高い。社会責任のある資本を導入するために、より良い資金調達システムを構
築する必要がある。
9 企業に対する管理の強化。
新「環境保護法」の実施
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6 つの方面で「環境保護法」を徹底する。①実施細則の策定。『環境保護法』は地方政府の責任強化、
違反企業に対する罰金などのコストを引き上げ、国民参加において大きな進展を遂げた。2015 年は一
部の地級市では環境保護を幹部業績評価に組入れる。②徹底的な執行。今年を環境法の実施年とし、
6 月 4 日の「環境デー」に「微信」(ウィーチャット)による摘発を実施する。③地方政府責任の明確化と実
行、④情報公開の強化。⑤公安、検察、裁判所と共同で環境法の司法監督を強化、⑥環境管理当局
自身の法律執行水準のアップ。
PXプロジェクトやごみ焼却に対する政府の対応と見方
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PX は非常に重要な工業技術産業であり、ごみ焼却等の施設が重要な都市インフラであることから、環
境保護部としてこれらの施設の建設を支持する。ただし、法に基づいて建設しなければならない。先進
技術の利用、環境保護措置の具備、場所選定の要件をクリアしなければならない。環境保護部門はプ
ロジェクトの審査において、情報を公開し、透明化し、住民の環境権益を保護する。運営開始後も監督
管理を強化し、住民の安心を確保しなければならない。一方、地方政府も建設企業も、場所選定、情報
公開、住民とのコミュニケーションに相応の責任を果たさなければならない。
Ⅵ.人力と社会保障部の尹蔚民部長、胡暁義副部長(3 月 10 日)
尹蔚明人力資源社会保障部長は、雇用、養老保険、余剰養老金の投資運用、定年年齢の先延ばしについ
て、以下通りの方針を示した。
雇用
9 2014 年、都市部新規雇用は 1,322 万人で前年比 12 万人多く、目標である 1,000 万人を大幅に上回った
ほか、都市部登録失業率も 4.09%の低い水準に抑えられている。雇用を維持できた理由として、①2014
年の中国経済が健全で、安定した成長を遂げたこと、②第 3 次産業の成長など産業構造の転換が進め
られたこと、③政府機能の転換、行政審査の簡素化など改革が加速されたこと、④積極的な雇用促進政
策を実施したことなどが挙げられる。
9 都市部の新規増加労働力は約 1,500 万人で、そのうち大学卒業生は 749 万人である。新規規模が大き
いほか、雇用の構造問題も重要である。雇用を有効に創出するには、①大学卒業生の雇用を重点とし、
「大学生創業誘導計画」と「大学生就業促進計画」を引き続き実施していくなど、大学生の雇用安定を保
つ、②産業の構造転換、過剰生産能力の削減により生じた失業を正しく受け止め、失業保険給付を徹
底し失業者の再就業に力を入れる、③創業訓練、創業関連サービスや資金サポートなどを強化し、創業
を推進することで雇用を牽引する、④失業者・農民工に対し、新たな職業に適応できるように職業訓練を
強化するなどの分野に注力する。
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2015 年 3 月 18 日 第 68 期
9 2015 年は経済の下ぶれ圧力が大きく、1~2 月の新規雇用は前年同期より若干減少している。通年目標
を達成するには、より多くの努力を重ねていくことが必要である。
養老保険
9 2014 年企業従業員養老保険(厚生年金)収入は 2 兆 3,300 億元、支出は 1 兆 9,800 億元で、通年余剰
は 3,458 億元、累計余剰は 3 兆 600 億元である。また 2014 年の都市部住民養老保険(国民年金)収入
は 2,315 億元、支出は 1,572 億元、通年余剰は 743 億元、累計余剰は 3,843 億元となった。
9 現段階の養老保険収支は健全ではあるが、長期的に、保険加入人数の増加、高齢化、都市化などによ
り、収支均衡は大きな圧力に直面している。そのうち高齢化による影響が特に大きい。試算によれば、中
国の 60 歳以上の高齢者人口は 2020 年に全人口の 19.3%、2050 年に 38.6%に達する見通しである。
9 これに対応するため、①「全国民保険計画」を実施し、社会保険の加入人数を現在の 8.4 億人から 10 億
人強へ拡大する、②企業従業員の養老保険の全国統一システムを構築し、全国範囲で過不足を調節し
リスクを分散する。また、漸進的に定年年齢を先延ばしする、④財政支出を拡大すると同時に支出構造
を調整する、⑤余剰養老保険基金の投資、運用を強化するなどの方策を講じ、中国養老保険制度の持
続可能な成長を目指す。
余剰養老金の投資運用について
9 余剰養老金の投資については、三中全会で、その方向性とポイントはすでに示されている。この方針に
基づき投資方案の制定を進めており、早ければ下半期にも発表する。
9 具体的に、資金の安全性を確保するという大前提の下で、①市場化原則に従い、専門的投資機関に運
用を委託する、②多元的に投資しリスクを分散する、③大型投資政策において資金の集中管理を実施
する、④当局が投資運用に対し、監督・管理を強化する、の 4 点である。
定年年齢の先延ばし
9 定年年齢の先延ばしに対し、意見は分かれている。しかし、定年年齢の先延ばしは養老保険制度の持
続可能な発展に不可欠である。今後、①高齢化、労働力状況に基づき、適切な調整のタイミングを選ぶ、
②1 回の調整で数ヶ月単位の先延ばしなど進み具合を小幅にし、定年年齢の先延ばしを着実に推進す
る、③方案の発表から実施まで 5 年以上の期間を置き、国民にこれらを受け入れる時間を与えることなど
を考慮し、方案を制定していく。
9 また定年年齢は国民生活に密接にかかわるものであるため、方策の制定において事前にパブリックコメ
ントを募集する。意見を収集、分析することで、定年年齢延長方案をより国民生活に合致するものにす
る。
9 スケジュールについては、今年中に方案を仕上げ、2016 年に国務院にて審議後、パブリックコメントを募
集し、意見に基づき方案を修正・改善し、正式な発表は 2017 年になるであろう。ただ上記のように、実際
に実施するまでまだ相当長いプロセスをたどることとなるだろう。
Ⅶ.科学技術部の万綱部長(3 月 11 日)
万綱科学技術部長は、以下の通り、研究開発成果と今後の計画を示した。
技術革新の重要度が高まる
9 科学技術に関する国務院常務会議が、2014 年 1 年間で 15 回も開かれ、中央が重視している姿勢と社
会全体の関心度が反映されている。
研究開発成果
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2015 年 3 月 18 日 第 68 期
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【研究開発への資金投入】社会全体の研究開発投入額(1 兆 3312 億元)の対 GDP 比は 2%、内、企業
による投入は 76%を占める。
9
【基礎研究】生命科学、遺伝子工学、ナノ技術は重大な突破口である。2014 年の有用な特許技術は 66
万件になる見込み、前年比で大幅に増加する。
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【戦略的ハイテク研究】「天河 2 号」スーパー計算機、宇宙や月の探査、深海探測、遺伝子組換え米、ク
ラウド開発において大きな進展を遂げており、世界にも寄与している。
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【産業のハイテク化】高速鉄道は 10 件の技術的難題を解決し、運行速度を時速 250km から 380km に
向上させることができた。新エネルギー自動車の保有台数は 14 年末に 12 万台になるなど、研究成果の
産業化が進んでいる。特高圧送変電、原発、水力発電等の重大設備が世界にも輸出され、インターネッ
ト、E-ビジネス、ソーシャル・ネットワーキング、O2O の発展が著しい。
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【国家重大専門プロジェクト】2006 年より中長期計画を実施。国産 CPU、アプリケーションシステムが小
規模ではあるが生産開始。エッチング等のハイエンド総合設備が輸出できるようになった。デジタル制御
工作機械の売上は年間 170 億元。第 4 世代移動通信ネットワークがキャリア2社にライセンス発行され、
世界最大となる。第 4 世代ガス冷却炉の建設も順調に進行中。
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【集積回路産業】2008 年から、集積回路の設計、製造、関連工程等のコア技術を集中的に支持した。
「申威」を代表とするスーパーコンピューター、CPU は自主的な発展を遂げており、デジタル制御工作
機械や工業重大設備に応用されている。自主開発の携帯電話チップの関連技術も商用化され、一定の
市場シェアを有する。但し、ハイエンドのチップは、世界有数のメーカーでしか製造できない。中国では
スタートが遅く、資金投入不足も一因である。
今後の計画
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【新しい科学技術計画】①自然科学基金、②国家重大専門プロジェクト(国務院決定)、③国家重点研
究開発計画、④技術創新引導専門基金、⑤人材基地サポート計画の 5 大分類。
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【科学技術革新の第 13 次 5 ヵ年計画】①国家の長期的発展に向けて成長エンジンの一つとなる革新の
トッププラン策定の強化。2006 年以来の計画と重大プロジェクトの実施状況の評価が終わり、向こう 5 年
の技術趨勢の予測を行っている。②科学技術体制改革の推進、③未来に向けた重点分野で重大技術
プロジェクトを発展。④革新に有利な環境づくり、の4方面が科学技術革新の第 13 次 5 ヵ年計画の重点
である。
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【大衆創業、万衆創新】2014 年、北京の中関村において毎日 49 社の科学系中小企業が誕生した。万
人の革新が全国的な創業ブームを引き起こした。国務院は 3 月 11 日に関連指導意見を発表した。創業
の主体が少人数のエリート層から大衆へ転換されつつある。現在、全国ではインキュベーターが
1,600 ヶ所、大学のサイエンス・パークは 115 ヶ所、育成中の企業は 8 万社余り。雇用者数は 170 万人。
活躍しているエンジェル・ファンド、ベンチャーキャピタルは 1000 社超、合計資本は 3500 億元超。2014
年の全国技術取引成約額は 8,577 億元、ここ数年の年間伸び率は 15%前後維持した。
三菱東京 UFJ 銀行(中国)トランザクションバンキング部中国調査室
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2015 年 3 月 18 日 第 68 期
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