ブリッジレポート(3667) 2015 年 8 月 2 日 Bridge Report 安徳 孝平 社長 http://www.bridge-salon.jp/ enish(3667) 会社名 (株) enish 証券コード 3667 市場 東証 1 部 業種 情報・通信 社長 安徳 孝平 所在地 東京都港区六本木 6-10-1 六本木ヒルズ森タワー39F 事業内容 ソーシャルゲームの企画・開発・運営会社。ゲーム運営能力に優れ、主力の経営シミ ュレーションゲーム「ぼくのレストランⅡ」や「ガルショ☆」はロングランのヒット作品 決算月 12 月 HP http://www.enish.com/ - 株式情報 - 株価 発行済株式数(自己株式を控除) 1,355 円 DPS(予) 時価総額 6,941,800 株 配当利回り(予) - EPS(予) ROE(実) 9,406 百万円 PER(予) - 売買単位 0.8% BPS(実) - - 100 株 PBR(実) 261.63 円 5.2 倍 *株価は 7/31 終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPS は前期末実績。 - 非連結業績推移 - 決算期 (単位:百万円、円) 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS DPS 2011 年 12 月(実) 2,590 526 523 298 147.81 0.00 2012 年 12 月(実) 4,430 666 654 373 87.28 28.00 2013 年 12 月(実) 6,624 1,109 1,078 653 121.89 22.00 2014 年 12 月(実) 6,452 149 151 22 3.19 0.00 2015 年 12 月(予) 5,800 -1,050 -1,050 -1,600 - - *予想は会社予想。12 年 9 月、1 株を 20 株に分割。13 年 10 月、1 株を 2 株に分割。 *EPS は株式分割を考慮して遡及修正。 enishの 2015 年 12 月期上期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。 ―目次― 1.会社概要 2.2015 年 12 月期上期決算 3.2015 年 12 月期業績予想 4.今後の注目点 1 ブリッジレポート(3667) 2015 年 8 月 2 日 http://www.bridge-salon.jp/ 今回のポイント ・15/12 期上期は前年同期比 11.5%の減収、6 億 30 百万円の経常損失。売上の大半はブラウザアプリによるもので、漸減傾向な がら想定に沿った着地。一方、ネイティブアプリは、本年 5 月にリニューアルを実施した「千年の巨神」の売上が期初予想を 8 割程 度下回った事に加え、品質向上を目的に新規タイトルのリリースも延期したため、わずかな貢献にとどまった。新規タイトルにかか る外注加工費や人員増に伴う労務費の増加、更にはコスト構造の見直しに伴う一時的な費用の計上もあり、6 億 27 百万円の営業 損失。 ・上期決算と新規タイトルのリリース延期を踏まえて下方修正された通期業績予想は前期比 10.1%の減収、10 億 50 百万円の経常 損失。売上の大半を占めるブラウザアプリの減少傾向が続く中、2 タイトルの開発凍結もあり、ネイティブアプリも期初の想定を下 回る見込み。一方、営業費用は、新規タイトルの開発費や海外事業の縮小・撤退に伴う一時的な費用で増加する。 ・同社に限らず、数多くあるタイトルの中で収益に寄与するタイトルは一握りに過ぎない。このため、ゲームビジネスの予想は難し いが、同社にとって、新規ネイティブアプリのリリースが集中する 3Q(7-9 月)は、今期の業績を考える上でも、来期以降を展望する 上でも、重要な 3 か月間となる。開発計画を厳守して予定通りリリースする事は言うまでもないが、その上で、立ち上がりにどれだ けのユーザ数を集める事ができるか、がポイント。改めて収益基盤を強化する既存ブラウザアプリの動向と共に注目したい。 1.会社概要 レストラン経営シミュレーションゲーム「ぼくのレストランⅡ」やアパレルショップの経営シミュレーションゲーム「ガルショ☆」、カードバ トルゲーム「ドラゴンタクティクス」等の人気作品を有するソーシャルゲームの開発会社。14 年 3 月には実質的創業者である安徳孝平 (アントク コウヘイ)氏が代表取締役社長に就任。ブラウザアプリの収益性を維持しつつ、ネイティブアプリでヒットを創出し、国内とア ジアを中心にしたグローバル配信で業容拡大を図っていく考え。 尚、ネイティブアプリとは端末にダウンロードして楽しむアプリで、主にスマートフォン向けに提供されている。一方、ブラウザアプリは ダウンロードせず、GREE、mixi、Mobage 等のプラットフォームにアクセスしてブラウザ上で楽しむ。いずれも、アプリは無料だが、アプ リを進める上で有効なアイテム等を購入した場合、課金が発生する。ブラウザアプリでは、ユーザへの課金及び料金回収は SNS を 運営するプラットフォーム事業者に委託し、同社はその対価としてシステム利用料等を支払っている。 【経営方針 - 付加価値の高いサービスの創出と新たな喜びの提供 -】 「Link with Fun」というスローガンの下、「世界中に enish ファンを作り出す」ことをミッションとして掲げ、ゲームデザイナー、エンジニア 及びアートデザイナーが付加価値の高いサービスを生み出す会社である事。そして、「グローバルマーケットに立てるクリエーター、 スペシャリストを生み出す会社でもあり続けたい」という経営の基本方針のもと、ソーシャルアプリを通じて、世界中のユーザに新た な喜びを提供していく事。この 2 つを経営方針としている。 【沿革】 組織化 SAP 事業者(Social Application Provider:ソーシャル アプリの開発や運営を手掛ける企業)の参入障壁の低 さから、新規参入が急増。既存のゲームソフトメーカー も進出し、競争が激化するなか、2011 年 6 月、杉山全 功、松本浩介が合流し、経営及び管理体制を強化 ソーシャルアプリ事業参入 創業まもなく始まった「SNS プラットフォームオープン化」 (2009 年 8 月)を背景に、実質的創業者である安徳孝 平、公文善之が「世の中にまだ存在しない、作り手もユー ザもワクワクできるサービスを創り出す」という考えのも と、2009 年 10 月、ソーシャルアプリの提供をスタート ネイティブ化と海外展開 ・ネイティブアプリの展開開始(2013 年 10 月) ・韓国子会社設立(2013 年 11 月) ・中国子会社設立(2014 年 4 月) ・タイ子会社設立(2014 年 7 月) 上場 ・創業から 4 年で、東証マザーズに上場(2012 年 12 月) ・東証一部に市場変更(2013 年 12 月) 2 ブリッジレポート(3667) 2015 年 8 月 2 日 http://www.bridge-salon.jp/ 【事業内容】 事業はソーシャルアプリ事業の単一セグメント(ゲームはアプリのカテゴリーの一つ)。ブラウザアプリを収益基盤にネイティブアプリ を強化している。ゲームは無料だが、ゲームを展開する上で有効なアイテム等を購入すると課金が発生する。ブラウザアプリの場合、 ユーザへの課金及び料金回収は SNS を運営するプラットフォーム事業者に委託し、同社はその対価としてシステム利用料等を支払 っている。また、ゲーム内で提携企業の広告を展開する O2O(Online to Offline)事業を育成中である(提携先企業は販売促進の一環 として同社のゲームを活用)。 【主要タイトル】 「ぼくのレストランⅡ」、「ガルショ☆」等の経営シミュレーションゲームは女性に人気があり、いずれもロングセラー。特に「ガルショ☆」 は、リリースから 4 年が経過した今も売上が増加している。ブラウザゲームベースの男女比率は、女性 60.9%、男性 39.1%。 現在、ブラウザゲームからネイティブゲームへのシフトを進めており、14/12 期は「千年の巨神」、「バハムートクライシス」、「ぼくのレ ストラン3」のネイティブゲーム 3 タイトルをリリースした。 ブラウザアプリ (同社資料より) ネイティブアプリ (同社資料より) 3 ブリッジレポート(3667) 2015 年 8 月 2 日 http://www.bridge-salon.jp/ 2.2015 年 12 月期上期決算 (1)上期非連結業績 (単位:百万円) 14/12 期 上期 構成比 15/12 期 上期 構成比 前年同期比 期初予想 予想比 売上高 3,254 100.0% 2,880 100.0% -11.5% 3,000 -4.0% 売上原価 2,433 74.8% 2,882 100.1% +18.5% - - 販管費 590 18.1% 625 21.7% +5.8% - - 営業利益 230 7.1% -627 - - -500 - 経常利益 223 6.9% -630 - - -500 - 四半期純利益 129 4.0% -1,050 - - -500 - ※数値には(株)インベストメントブリッジが参考値として算出した数値が含まれており、実際の数値と誤差が生じている場合があります(以下同じ)。 前年同期比 11.5%の減収、6 億 30 百万円の経常損失 売上高は前年同期比 11.5%減の 28 億 80 百万円。売上の大半はブラウザアプリによるもので、漸減傾向ながら想定に沿った着地。 一方、ネイティブアプリは、本年 5 月にリニューアルを実施した「千年の巨神」の売上が期初予想を 8 割程度下回った事に加え、品質 向上を目的に新規タイトルのリリースも延期したため、わずかな貢献にとどまった。 営業損益は 6 億 27 百万円の損失。ネイティブアプリの苦戦で売上が想定を下回ったため、新規タイトルにかかる外注加工費や人員 増に伴う労務費の増加を吸収できず売上総損益が 2 百万円の損失(同社は次期以降のリリース分も含めてゲームの開発費を発生期 に費用計上している)。一方、販管費はコスト構造の見直しに伴う一時的な費用の計上等で 6 億 25 百万円と同 5.8%増加した。 下期以降の損益改善に向けた海外拠点の整理・縮小等に伴う特別損失 1 億 59 百万円の計上や税効果会計の影響(通期業績を赤字 予想とした事による繰延税金資産の取崩し 3 億 03 百万円)で四半期純損益は 10 億 50 百万円の損失となった。 特別損失の内訳 enish Thailand 撤退に伴う整理損 56 百万円 enish china 縮小に伴う整理損 84 百万円 事業整理損 1 億 41 百万円 enish Korea 資本金の評価損 9 百万円 enish Asia 資本金の評価損 0 百万円 関係会社株式評価損 10 百万円 サテライトオフィスの閉鎖に伴う固定資産除却 8 百万円 減損損失 8 百万円 特別損失計 1 億 59 百万円 (2)第 2 四半期(4-6 月)非連結業績 14/12-1Q (単位:百万円) 2Q 3Q 4Q 15/12-1Q 2Q 前年同期比 前四半期比 売上高 1,763 1,491 1,569 1,628 1,520 1,360 -8.8% -10.5% 売上原価 1,250 1,182 1,272 1,386 1,387 1,495 +26.5% +7.8% 販管費 292 298 233 387 283 341 +14.6% +20.5% 営業利益 220 10 63 -145 -150 -476 - - 経常利益 219 3 66 -138 -152 -477 - - 四半期純利益 131 -2 38 -145 -107 -942 - - 前年同期比及び前四半期比での売上の減少はブラウザアプリの減少によるもの。一方、費用面では、人員増による労務費や新規タ イトルの開発に係る外注費を中心に売上原価が増加し、人員増による人件費の増加や海外拠点の縮小・縮小に伴う一時的な費用 (支払手数料、海外子会社社員の退職金)の発生で販管費が増加した。 4 ブリッジレポート(3667) 2015 年 8 月 2 日 http://www.bridge-salon.jp/ 営業費用と主な科目の推移 (単位:百万円) 14/12-1Q 売上原価 2Q 3Q 4Q 15/12-1Q 2Q 前年同期比 前四半期比 1,250 1,182 1,272 1,386 1,387 1,495 +26.5% +7.8% 支払手数料 633 504 570 591 558 479 -4.8% -14.0% 労務費 214 254 262 305 287 334 +31.4% +16.2% 外注費 264 284 283 321 353 501 +76.0% +41.5% 292 298 233 387 283 341 +14.6% +20.5% 広告宣伝費 29 10 15 122 0 11 +16.5% - 人件費 71 73 73 79 67 75 +3.1% +11.9% 採用費 51 41 15 10 26 34 -16.8% +30.6% 支払手数料 44 91 61 107 120 155 +70.2% +29.4% 1,543 1,480 1,506 1,773 1,671 1,836 +24.1% +9.9% 販管費 営業費用合計 営業費用は前年同期比 24.1%増、前四半期比 9.9%増の 18 億 36 百万円。コスト構造の見直しに伴う一時費用として 96 百万円(ネイ ティブアプリ「Valiant Soul」の開発中止に伴うギャランティ 50 百万円及び子会社の退職金 46 百万円)を計上した。 売上原価は前年同期比 26.5%増、前四半期比 7.8%増の 14 億 95 百万円。売上の減少に伴い課金手数料が減少したものの、人員増 による労務費や新規タイトルの開発に係る外注費が増加した。 販管費は前年同期比 14.6%増、前四半期比 20.5%増の 3 億 41 百万円。「千年の巨神」で広告宣伝費が発生した他、海外拠点の縮 小・縮小に伴い支払手数料が増加した。一方、採用の絞り込みで採用費が前年同期比で減少した他、人件費も落ち着いてきた。 (3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF) 要約貸借対照表 (単位:百万円) 14 年 12 月 現預金 15 年 6 月 14 年 12 月 15 年 6 月 1,328 1,191 仕入債務 109 180 売上債権 770 624 その他 414 197 その他 625 156 流動負債 524 677 資産除去債務 64 65 固定負債 64 65 純資産 2,866 1,817 3,455 2,560 - 300 流動資産 2,724 1,972 有形固定資産 237 214 無形固定資産 24 24 投資その他 468 348 負債・純資産合計 固定資産 730 587 有利子負債合計 上期末の総資産は前期末に比べて 8 億 95 百万円減の 25 億 60 百万円。借方では現預金や繰延税金資産が減少し、貸方では未払 金や純資産が減少。短期の借り入れで 3 億円の資金を調達した。流動比率 291.1%(前期末 519.6%)、固定比率 32.3%(同 25.5%)、 自己資本比率 70.9%(同 82.9%)。 要約キャッシュ・フロー計算書 (単位:百万円) 14/12 期 上期 15/12 期 上期 営業キャッシュ・フロー(A) -271 投資キャッシュ・フロー(B) フリー・キャッシュ・フロー(A+B) 前年同期比 -426 -155 - -322 -12 +309 - -593 -439 +154 - 財務キャッシュ・フロー -124 301 +425 - 現金及び現金同等物期末残高 1,740 1,191 -548 -31.5% 損益の悪化で営業 CF のマイナス幅が拡大した。設備投資の抑制等で投資 CF のマイナス幅が大幅に縮小したものの、フリーCF は 4 億 39 百万円のマイナス。財務 CF が黒字となったのは、短期借り入れで 3 億円を調達したため。 5 ブリッジレポート(3667) 2015 年 8 月 2 日 http://www.bridge-salon.jp/ 3.2015 年 12 月期業績予想 (1)通期非連結業績 (単位:百万円) 14/12 期 実績 売上高 構成比 15/12 期 予想 構成比 前期比 期初予想 予想比 6,452 100.0% 5,800 100.0% -10.1% 8,500 -31.8% 営業利益 149 2.3% -1,050 - - 300 - 経常利益 151 2.3% -1,050 - - 300 - 22 0.3% -1,600 - - 180 - 当期純利益 上期決算とネイティブアプリの開発動向を踏まえて通期業績予想を修正 売上高は前期比 10.1%減の 58 億円。ブラウザアプリの減少傾向が続く中、「千年の巨神」の不振や、一部開発中タイトルの凍結及び 新規タイトルの開発遅延でネイティブアプリの寄与も限定的なものにとどまる見込み。一方、営業費用は新規タイトルの開発費や事 業の縮小・撤退に伴う一時的な費用の発生で 68 億 50 百万円と同 8.7%増加して売上高を上回る。コスト削減の一環として実施した海 外拠点の整理・縮小に伴う特別損失や繰延税金資産の取崩しで四半期純損益は 16 億円の損失が見込まれる。 尚、下期はネイティブアプリ 4 タイトルのリリースを予定しており、各タイトル 30 百万円の広告宣伝費を織り込んだ。 業績予想の修正要因 既存タイトルについては、ブラウザプリで想定に沿った着地を見込んでいるものの、ネイティブアプリでは「千年の巨神」の見通しを大 幅に下方修正した。一方、上期中にバージョンアップと Android 版のリリースを行った「ぼくのレストラン 3 DX」については、現在、KPI を分析中のため期初予想を据え置いた。ブラウザアプリは、全体では減収を見込んでいるものの、一部のタイトルには回復傾向が見 られると言う。 一方、今期リリースを予定していた新規 6 タイトルについては、品質向上が困難と判断した「Valiant Soul」と開発が遅れ先行きも不透 明な「くにおくん」の 2 タイトルの開発を凍結した他、残る 4 タイトルのリリースを延期した。「くにおくん」は、韓国メーカーの作品に同社 が企画参画し、日本でおなじみのキャラクター「くにおくん」を用いてローカライズする計画だった。また、リリースを延期した 4 タイトル は、いずれも開発が最終段階にあるものの、更なる品質の向上を図る考え。 役員報酬の減額 今期業績についての経営責任を明確にするため、2015 年 7 月から当面の間、以下のとおり役員報酬の減額を実施する考えだ。 役員報酬減額の内容 ・代表取締役社長 役員報酬月額の 50%を減給 ・取締役(社外取締役を除く) 役員報酬月額の 50%から 20%を減額 業績予想の達成に向けた取り組み トップラインを伸ばすべく、機能追加及び運営品質の改善を実施し、改めて既存ブラウザアプリの収益基盤を強化する。一方、ネイテ ィブアプリについては、開発速度を上げると共に開発計画厳守を徹底する。 管理面では、進捗管理強化の一環として、マイルストーン管理の徹底と進捗モニタリングを社内委員会主導で推進する他、プロトタイ ピングによる早い段階での品質確認を徹底する。コストについては、人員数の最適化や役員報酬減額等、全ての科目においてコスト 圧縮を実施する他、管理体制を強化し、引き続きコスト削減を推進する。 上記に加え、海外事業にもメスを入れた。海外配信については、自社配信から撤退し、現地パートナーとの連携に専念する事とし、こ れに伴い、中国・韓国等の海外拠点を縮小した。また、タイ子会社を整理し、CS 拠点を国内に移管し固定費の変動費化を図った。 6 ブリッジレポート(3667) 2015 年 8 月 2 日 http://www.bridge-salon.jp/ (2)成長に向けた取り組み 新規ネイティブタイトルの投入、グローバル展開、及び安定した収益基盤の維持、の 3 点をメインテーマとして事業を展開していく。 新規ネイティブタイトルの投入では、男性向け、女性向けを問わず、多様なゲームジャンルへの展開を図ると共に、開発計画遵守を 徹底する。また、グローバル展開は、既に説明した通り、リスク軽減を図るべく現地パートナーとの連携に専念する方針に転換してお り、日本でのリリース後の結果を見て展開を判断する。一方、安定した収益基盤の維持では、運営力を活かし、既存ブラウザタイトル の収益維持を図る考えで、新機能の追加やコンテンツの投入に継続的に取り組んでいく。 (3)現在開発中のタイトル 現在、下記 4 本(男性向け 2 本、女性向け 2 本)のタイトルを開発中で、いずれも今期中のリリースを予定している。 オリジナルタイトル 共同開発タイトル パブリッシングタイトル 男性向け 12 オーディンズ ゆるかみ! - 女性向け クルトン ミラミラ パブリッシングタイトルの「ミラミラ」は、2015 年 8 月のリリースを予定しているシミュレーションゲーム。7 月3 日に開始した事前登録は 事前登録数が 10 万人を突破している。 (同社資料より) オリジナルタイトル「12 オーディンズ」は、みんなで×つながる”をコンセプトにした王道ロールプレイングゲーム(RPG)。リアルタイム 共闘や自由度の高いキャラメイク等、ヤリ込み要素が満載(課金率も高い)。2015 年 9 月のリリースを予定している。 (同社資料より) 「ゆるかみ!」は、日本各地の名産・名所を由来とした「ゆるかみ」を探して育てる「全国!神さま育成 RPG」。スクウェア・エニックス社 開発のゲームを同社が拡張した上で配信するもので、スクウェア・エニックス社のファンの取り込みを図る考え。2015 年 9 月のリリー スを予定しており、7 月 29 日に事前登録を開始した。 7 ブリッジレポート(3667) 2015 年 8 月 2 日 http://www.bridge-salon.jp/ (同社資料より) オリジナルタイトル「クルトン」は、ボトルの中の小さな世界で、ちょっと不思議で、とっても可愛い「クルトン」と菜園ライフを楽しむシミ ュレーションゲーム。2015 年秋のリリースを予定している。 (同社資料より) 4.今後の注目点 数多くあるタイトルの中で収益に寄与するタイトルは一握りに過ぎず、ゲームビジネスの予想は難しい。しかし、同社にとって、新規ネ イティブアプリのリリースが集中する第 3 四半期(7-9 月)は、今期の業績を考える上でも、来期以降を展望する上でも、重要な 3 か月 間となる。開発計画を厳守して予定通りリリースする事は言うまでもないが、その上で、立ち上がりにどれだけのユーザ数を集める事 ができるか、がポイント。順調に立ち上がり、ユーザがユーザを呼ぶ好循環を作り出す事ができれば、来期、再来期の展望が開けて くる。また、成功体験が更なる成功を呼ぶ好循環も生まれてくるだろう。改めて収益基盤を強化する既存ブラウザアプリの動向と共に 注目したい enishの適時開示情報の他、レポート発行時にメールでお知 らせいたします。 既にご登録済みの方で、登録内容に変更がある場合や 登録解除の方は、こちらよりご変更ください。 (株)インベストメントブリッジの発行するブリッジレポートや投 資家向け会社説明会の映像情報をつぶやいています。 8 ブリッジレポート(3667) 2015 年 8 月 2 日 http://www.bridge-salon.jp/ 本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。また、本レポートに記載されている情報及び見解は当社 が公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、 その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。当該情報や見解の正確性、完全性もしくは妥当性についても保証するものではなく、 また責任を負うものではありません。本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあり、本レポートの内容等につきましては今 後予告無く変更される場合があります。投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。 Copyright(C) 2015 Investment Bridge Co.,Ltd. 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