平成26年度 事業報告書 自 平成 26 年 4月 1日 至 平成 27 年 3月31日 東京都千代田区丸の内一丁目6番1号 公益財団法人 日立国際奨学財団 平成26年度事業報告書 平成26年4月1日から平成27年3月31日まで Ⅰ.事業の概要 当財団は 1984 年の設立以来、奨学生並びに研究者招聘事業を通じてこれまでに各々175 名、 212 名の大学教員を日本に受け入れてきた。帰国した奨学生は後進の指導や各専門分野における 我が国の大学や研究機関との共同研究等を通して、母校の教育・研究水準の向上や地域社会の 発展に貢献、175 名の内 19 名が各々の大学で教授に昇格し活躍している。平成 26 年度に 30 周 年をむかえた当財団が、設立当初の目的である「アジアの国々との教育・学術・文化交流の促 進」に少なからず寄与しているのは関係各位のご指導・ご協力の賜物と感謝している。 1. 招聘者の募集及び選考 平成26 年度招聘者の選考については 26 年5 月 14 日に行われた最終選考委員会で決定した。 平成 27 年度招聘者については、6 月の募集、10 月末募集〆切にひきつづき、11 月に財団事務 局による書類審査、 11 月から 1 月にかけて 6 カ国 15 大学の現地面接を財団事務局が実施した。 また、応募者面接と同時に行なう大学幹部との面談を通して各大学の教育・研究現場の状況や 財団事業に対する要望などのヒアリングも行った。尚、当該面接及び面談の準備、各大学での 応募者の事前審査などは帰国した奨学生が中心となって実施している。27 年度の招聘者は 5 月 13 日に開催の選考委員会にて正式決定を行う。 2.留学生招聘事業(事業費総額 91,788,875 円) (1)平成 26 年度奨学生の選抜と受入れ タイ・インドネシア・マレーシア・フィリピン・ベトナムの 12 大学から 26 名の応募者が 推薦され下記 5 名を決定した。新奨学生は 9 月末に来日し、10 月から各大学での研究生活に 入った(内 1 名は 12 月から)。尚、現在 21 名の奨学生が各大学で学んでいる。 ・ガジャマダ大学(インドネシア)講師 Mr.Muhammad Prima Putra 東京大学細胞機能工学 博士課程 ・ガジャマダ大学(インドネシア)講師 Mr.Johan Syafri Mahathir Ahmad 筑波大学持続環境学 博士課程 ・スラバヤ工科大学(インドネシア)講師 Mr.Arif Fadlan 奈良先端科学技術大学院大学反応制御科学 博士課程 ・コンケン大学(タイ)講師 Mr.Warayut Kampeerawat 東京大学電気系工学 博士課程 ・ホーチミン工科大学(ベトナム)講師 Mr.Duy Phuoc Tran 東京大学分子細胞生物学 博士課程 1 (2)奨学給付金等支給内容 ・来日時/帰国時旅費:エコノミークラス航空運賃実費、国内交通費・宿泊代 ・来日時/帰国時手当:各\50,000 ・奨学金: \180,000/月 ・入学金、授業料等:実費 ・住居費補助(月額上限) 東京近郊 その他地域 単身者 \60,000 \40,000 家族同伴者 \90,000 \55,000 ・研修旅費(研修旅行、研究調査、国内外学会参加費等):実費 (3)奨学支援事業 ・新奨学生には来日後、財団及び日立の事業紹介、生活・研究の立ち上げに関する指導・ 助言等を実施した。 ・在日中の奨学生には日本の文化・歴史・産業等の理解を深める為の視察旅行を行った。 ・新奨学生には、来日時に財団スタッフが各々の大学院に同行し指導教員と面談を行い、 生活の立ち上げや卒業までの指導をお願いした。また、先輩奨学生については研究室訪 問を実施し研究の進捗状況や卒業見通し等のヒアリングを行った。 ・日立グループ社員の交流ボランティアにより奨学生の生活面での支援や相談対応、家族 ぐるみの交流などを行った。 No 行 事 名 称 日 時 ・ 場 所 平成 26 年 8 月 24 日(日)~ 1 夏季研修旅行 8 月 26 日(火) 島根(松江・安来・出雲) 参 加 者 奨学生 (15 名)、 財団スタッフ 平成 26 年 9 月 29 日(月)~ 2 30 日(火) 新奨学生歓迎会及び オリエンテーション 新人奨学生 (4 名)、 先輩奨学生 (5 名)、 於 財団事務所、 財団スタッフ 3 4 奨学生卒業式 日立グループ事業所 見学会 平成 27 年 3 月 11 日(水) 於 東京ガーデンパレス 平成 27 年 3 月 12 日(木) 日立製作所中央研究所・鳩山及び 日立金属熊谷工場 2 奨学生、大学・大使館関 係者、財団役員・選考委 員、日立関係者他 奨学生(20 名) 財団スタッフ 3.研究者助成事業 (1)日立リサーチフェローシップ(事業費総額 13,035,618 円) 本年度は 13 大学から 29 名の応募があり 12 名を招聘した。 ・キングモンク工科大学(トンブリ校) 講師 Dr. Amornrat Kaewpradap 招 聘 期 間:2014 年 8 月 18 日~2014 年 10 月 2 日 招 聘 先:長岡技術科学大学燃焼学 研 究 テ ー マ:石油やバイオマス燃料を燃やした際の火炎の不安定性に及ぼす 輻射の効果 ・キングモンク工科大学(ラクラバン校) 講師 Dr. Piyanart Sommani 招 聘 期 間:2014 年 10 月 16 日~2014 年 12 月 6 日 招 聘 先:京都大学エネルギーエコシステム学 研 究 テ ー マ:桐油を原料とするバイオディーゼル製造のFS ・コンケン大学 講師 Dr. Orawan Monthakantirat 招 聘 期 間:2015 年 3 月 1 日~2015 年 5 月 2 日 招 聘 先:静岡県立大学 生薬学・生物分子科学(有機化学) 研 究 テ ー マ:タイ薬用植物の特長的化合物の探索とその女性ホルモン作用 ・チェンマイ大学 講師 Dr. Saengrawee Sriwichai 招 聘 期 間:2014 年 12 月 7 日~2015 年 3 月 6 日 招 聘 先:新潟大学 有機・分子エレクトロニクス 研 究 テ ー マ:導電性ポリマーによるデュアルモード(光・電気)有機電解 トランジスタの開発 ・チュラロンコン大学 講師 Dr. Kunlaya Somboonwiwat 招 聘 期 間:2014 年 12 月 18 日~2015 年 2 月 15 日 招 聘 先:東京海洋大学 海洋科学技術 研 究 テ ー マ:エビの病原体感染を保護するためのエビ抗菌ペプチドの開発 ・チュラロンコン大学 講師 Dr. Bodin Tuesuwan 招 聘 期 間:2014 年 7 月 22 日~2014 年 9 月 6 日 招 聘 先:京都大学 ケミカルバイオロジー 研 究 テ ー マ:遺伝子構造・細胞生物学における 4 本連鎖 DNA の形成研究 ・チュラロンコン大学 講師 Dr. Nutthita Chuankrerkkul 招 聘 期 間:2014 年 7 月 15 日~2014 年 8 月 16 日 招 聘 先:同志社大学無機工業材料 研 究 テ ー マ:粉末射出成型を用いた機械的特性を有する複合セラミック開発 ・バンドン工科大学 講師 Dr. Hasbullah Nawir 招 聘 期 間:2014 年 11 月 1 日~2014 年 12 月 5 日 招 聘 先:東京大学土質工学・基礎工学 研 究 テ ー マ:不均質な砂の液状化挙動計測への画像解析 ・スラバヤ工科大学 講師 Dr. Adi Setyo Purnomo 招 聘 期 間:2014 年 8 月 18 日~10 月 2 日 3 招 聘 先:九州大学林学・林産学 研 究 テ ー マ:ひら茸を用いた土壌汚染物質の生物浄化 ・ホーチミン工科大学 講師 Dr. Y Quoc Nguyen 招 聘 期 間:2014 年 9 月 25 日~10 月 25 日 招 聘 先:慶応大学エネルギー環境システム 研 究 テ ー マ:自然エネルギーを用いた冷房システム ・ハノイ工科大学 講師 Dr. Do Van Truong 招 聘 期 間:2014 年 10 月 6 日~2014 年 11 月 18 日 招 聘 先:東京大学計算材料力学物性 研 究 テ ー マ:破壊エネルギー開放率を第一原理を用いて求める ・ハノイ工科大学 講師 Dr. Quang Thuong Tran 招 聘 期 間:2014 年 10 月 1 日~11 月 1 日 招 聘 先:上智大学 天然物化学・有機化学 研 究 テ ー マ:イオン液体を使った薬用天然物の抽出に関する研究 (2)駒井フェローシップ(事業費総額 1,305,622 円) 本年度は3大学から3名の応募があり下記の1名を招聘した。 ・コンケン大学 講師 Dr. Narumon Changsri 招 聘 期 間:2015 年 3 月 22 日~5 月 31 日 招 聘 先:筑波大学 数学教育学 研 究 テ ー マ:日本の小学校算数教科の指導書のタイ語版作成 4.卒業生・帰国研究者支援事業(事業費総額 3,832,979 円) 本事業は日本とアジアの大学間の学術交流促進を目的として、前記事業で 招聘した奨学生及び研究者の帰国後の研究を支援する為に実施している。 1)指導教員との共同研究打合せ等のための来日費用等支援:3 件 2)学会年会費:1 件 3)国際学会参加支援:22 件 5.平成 27 年度奨学生・研究者の募集と応募状況 来年度奨学生及び研究者の募集案内を 6 月に下記 15 大学に対し行った。 タ イ:チュラロンコン大学、チェンマイ大学、コンケン大学 キングモンク工科大学(トンブリ) キングモンク工科大学(ラクラバン) イ ン ド ネ シ ア:インドネシア大学、ガジャマダ大学、バンドン工科大学 スラバヤ工科大学 マ レ ー シ ア:マラヤ大学、マレーシア工科大学 シ ン ガ ポ ー ル:シンガポール大学 フ ィ リ ピ ン:フィリピン大学 4 ベ ト ナ ム:ハノイ工科大学、ホーチミン工科大学 上記募集に対し下記応募があった。書類審査、現地での応募者面接、国内の 指導予定教授面談並びに選考委員会を経て招聘者の最終決定を行い各大学に 通知する。 ・奨学生 ・日立リサーチフェロー ・駒井フェロー 8 大学 11 名(前年度比 -15 名) 12 大学 25 名(前年度比 -4 名) 5 大学 13 名(前年度比 +10 名) 5 Ⅱ.処務の概要 平成 27 年 3 月末日現在 1.役員・評議員に関する事項 名 〈敬称略、順不同〉 No 役 氏 名 1 理事長 谷 垣 勝 秀 2 常務理事 宮 永 和 幸 3 理 事 井 上 正 幸 4 理 事 丸 山 瑛 一 理化学研究所名誉研究員 元(株)日立製作所 理事 非常勤 5 理 事 清 水 紀 彦 一橋大学大学院 客員教授 非常勤 6 理 事 田 島 優 子 さわやか法律事務所 弁護士 非常勤 7 理 事 篠 田 有 子 元 日本女子大学 講師 非常勤 8 監 事 内 田 晴 康 9 監 事 鈴 木 10 評議員 藤 森 三 男 慶應義塾大学 名誉教授 非常勤 11 評議員 白 井 克 彦 放送大学学園 理事長 非常勤 12 評議員 佐藤ギン子 元 証券取引等監視委員会 委員長 非常勤 13 評議員 右 谷 亮 次 東京医療保健大学 客員教授 非常勤 14 評議員 中 川 英 彦 元 京都大学 教授 非常勤 15 評議員 葛 岡 利 明 (株)日立製作所代表執行役 執行役専務 非常勤 敦 職 名 (株)日立製作所 代表執行役 執行役専務 (公財)日立国際奨学財団 常務理事 (公財)日本国際教育支援協会 理事長 森・濱田松本法律事務所 弁護士 (株)朝日ラバー 常勤監査役 元日本コロムビア(株)取締役 6 区 分 非常勤 常勤 非常勤 非常勤 非常勤 2.選考委員会に関する事項 No 役 名 氏 名 村 孟 職 名 1 選考委員長 木 文部科学省 顧問 2 選 考 委 員 中 村 道 治 (独)科学技術振興機構 理事長 3 選 考 委 員 井 上 正 幸 (公財)日本国際教育支援協会 理事長 4 選 考 委 員 嶋 本 薫 早稲田大学 教授 5 選 考 委 員 溝 口 勝 東京大学 教授 任期:平成 25 年 4 月 1 日~平成 27 年 3 月 31 日 3.職員に関する事項 No 役 名 1 常務理事 2 氏 名 手当 職務内容 宮 永 和 幸 有給 管理・事業全般 事務局長 川 本 正 昭 有給 管理・事業全般 3 コーディネーター 小 野 珠 実 有給 事業担当 4 - 岡 本 義 樹 無給 経理担当 4.評議員会・役員会に関する事項 会議種別・開催日 出席者数/定員 理事 監事 第 15 回理事会 平成 26 年 6 月 2 日 7/7 名 2/2 名 議 事 内 容 ・平成 25 年度事業報告・収支決算承 認の件 ・日立の 5 財団合併の検討をする ことへの承認を求める件 ・評議員会(定時)招集の件 ・代表理事、業務執行理事の職務 執行状況の報告 7 結 果 原案承認 書面決議 第 7 回評議員会 平成 26 年 6 月 17 日 書面決議 第 16 回理事会 平成 26 年 10 月 27 日 理事 7/7 名 評議員 5/6 名 監事 2/2 名 第 17 回理事会 第 8 回評議員会 平成 26 年 11 月 27 日 ・平成 25 年度事業報告・収支決算承 認の件 ・日立の 5 財団合併の検討をする ことへの承認を求める件 ・日立の 5 財団合併承認の件及び 平成 27 年度事業計画・収支決算 の件を議題とする評議員会を 召集する件 ・日立 5 財団合併承認の件 ・平成27年度事業計画及び収支予算 の件 ・議事録署名人選任の件 ・代表理事、業務執行理事の職務 執行状況の報告 ・評議員会(書面決議による決議の 省略)招集の件 原案承認 原案承認 第 18 回理事会 平成 27 年 1 月 21 日 書面決議 第 9 回評議員会 平成 27 年 1 月 28 日 書面決議 ・合併契約書承認の件 第 19 回理事会 第 10 回評議員会 平成 27 年 2 月 24 日 理事 7/7 名 評議員 5/6 名 監事 2/2 名 ・議事録署名人選任の件 ・代表理事、業務執行理事の職務 執行状況の報告 原案承認 原案承認 原案承認 5.寄附金に関する事項 日立製作所関連会社36社から総額 5,350,000 円の寄附金を受け入れた。 平成 25 年度寄附金内訳 (単位:円) No 寄附の目的 寄 附 1 運用財産 日立キャピタル(株) 2 運用財産 3 者 額 備考 1,000,000 現金 日立金属(株) 600,000 現金 運用財産 日立建機(株) 1,000,000 現金 4 運用財産 (株)日立国際電気 250,000 現金 5 運用財産 (株)日立ハイテクノロジーズ 400,000 現金 6 運用財産 (株)日立物流 200,000 現金 7 運用財産 クラリオン(株) 30,000 現金 8 運用財産 日立アプライアンス(株) 40,000 現金 9 運用財産 (株)日立オムロンターミナルソリューションズ 50,000 現金 10 運用財産 日立コンシューマ・マーケティング(株) 8 金 20,000 現金 11 運用財産 (株)日立産機システム 40,000 現金 12 運用財産 (株)日立システムズ 50,000 現金 13 運用財産 日立 GE ニュークリアエナジー(株) 80,000 現金 14 運用財産 (株)日立産業制御ソリューションズ 20,000 現金 15 運用財産 日立情報通信エンジニアリング(株) 20,000 現金 16 運用財産 (株)日立ソリューションズ 200,000 現金 17 運用財産 (株)日立パワーソリューションズ 20,000 現金 18 運用財産 (株)日立ビルシステム 500,000 現金 19 運用財産 (株)日立保険サービス 50,000 現金 20 運用財産 日立マクセル (株) 100,000 現金 21 運用財産 日立 INS ソフトウェア(株) 10,000 現金 22 運用財産 (株)日立ドキュメントソリューションズ 160,000 現金 23 運用財産 (株)日立インフォメーションアカデミー 10,000 現金 24 運用財産 (株)日立建設設計 20,000 現金 25 運用財産 (株)日立公共システム 10,000 現金 26 運用財産 (株)日立コンサルティング 20,000 現金 27 運用財産 (株)日立総合計画研究所 100,000 現金 28 運用財産 (株)日立ハイシステム 21 10,000 現金 29 運用財産 日立プロキュアメントサービス(株) 20,000 現金 30 運用財産 (株)日立マネジメントパートナー 50,000 現金 31 運用財産 (株)日立ケーイーシステムズ 10,000 現金 32 運用財産 (株)日立トラベルビューロー 100,000 現金 33 運用資産 (株)日京クリエイト 100,000 現金 34 運用財産 (株)ナカヨ 20,000 現金 35 運用財産 (株)日立ソリューションズ西日本 20,000 現金 36 運用財産 (株)日立ソリューションズ東日本 20,000 現金 日立製作所関連会社 合計 5,350,000 以 9 上
© Copyright 2024 ExpyDoc