4年 マット運動

第4学年 体育科学習指導案
男子16名,女子16名,計32名
指導者
1
単元名
「マット運動」
2
単元について
(1)運動の特性
○基本的な回転技や倒立技に取り組み,それぞれの自己の能力に適した技ができるようにするこ
とが楽しい運動である。
○中学年の児童は,倒立技などのスリルのある技に憧れる傾向がある。しかし,逆さ感覚や腕支
持力に不安のある児童にとっては,恐怖心をもちやすい運動でもある。
(2)児童生徒の実態
①体育の学習は好きですか?
はい29名
いいえ3名
②すきな運動に○をつけましょう。
短距離走19名 小型ハードル走11名
水泳18名
鉄棒20名
ポートボール19名
幅跳び12名
マット14名
サッカー15名
リレー17名
跳び箱23名
ベースボール型24名
③苦手な運動に○をつけましょう。
短距離走9名
水泳9名
小型ハードル走9名
鉄棒6名
ポートボール4名
幅跳び7名
マット10名
サッカー9名
④マット運動は好きですか?
リレー10名
跳び箱2名
ベースボール型8名
はい23名
いいえ9名
⑤マット運動が嫌いな理由(主なもの)
前転や後転が苦手である。 技が上手くできないから。等
(3)教師の指導観
本学級は,体育科の学習に対して「楽しい」というイメージをもっている児童が多く「好き」と
答えた児童は29名である。好きと答えた29名の中には,運動全般が得意なわけではなく,苦手
意識をもっている運動があっても,体育科の学習全体としては「好き」と解答している児童もおり,
体を動かすことを好む傾向があるように感じられる。
アンケートの結果よりマット運動に関する部分を見てみると,マット運動が好きな児童は,14
名であるが,同じ器械運動領域である鉄棒運動と跳び箱運動では,20名と23名である。苦手な
運動についても,マット運動10名に対して,鉄棒運動と跳び箱運動がそれぞれ6名と2名であっ
た。児童の立場からすると,マット運動は他の器械運動領域に比べて,あまりよいイメージをもっ
ていないようだ。鉄棒は,校庭に設置されており,休み時間に自由に触れることができる。また,
跳び箱運動に関しては類似した動きとして,馬跳びやタイヤ跳びがあり,これも外遊びの中で経験
できる運動である。それに対してマット運動は,前転を「でんぐり返し」として自宅の布団の上な
1
どで経験したことは考えられるが,友だち遊ぶ中では経験しにくい運動である。
「マット運動はすきですか?」の問いに対して「いいえ」と回答している9名のうち7名は,体
育は「好き」と答えていながら,マット運動は「嫌い」と答えている児童である。その具体的な理
由を見ていくと「マット運動になれていない」や「後転が苦手だから」というように,慣れや得て
不得手の問題を記述している児童が多かった。9名のうちの残り2名は,体育が嫌いでマット運動
も嫌いであるという児童だが,興味深いことに体育が嫌いと答えた3名のうちの残り1名は,マッ
ト運動が「好き」と回答しており,その理由として「後転ができるようになったから」と記述して
いる点である。また,マット運動が好きと答えている児童の多くも,「○○が得意だから」や「い
ろいろな技ができるから」などと記述している。技ができることの喜びが,マット運動好きにつな
がっていることが読み取れる。
上記のアンケートの数値や記述から,児童のマット運動に対する経験不足とそれに伴う苦手意識
が,マット運動が「嫌い」という意識に結びつく可能性が考えられる。そこで本単元では,以下の
2つの点に注意して学習を進めていきたい。
1つ目は,マット運動に必要な基礎感覚を,楽しみながら養うこと。マット運動には,回転感覚,
逆さ感覚,腕支持感覚等の感覚が必要となる。これらの感覚を1つ1つ身に付けようとすれば,ト
レーニングのようなものになってしまい,マット嫌いな子どもたちにはますますつまらないものに
なるだろう。そこで,今回は,サーキットトレーニングの中に,楽しみながら基礎感覚を身に付け
られる運動を取り入れたい。
2つ目は,子どもが自らの成長を自覚できるようにするとともに仲間とともに励まし合えるよう
にすることである。アンケートの結果にもあったが,技ができれば「楽しい」と感じ,技ができな
ければ「つまらない」と感じるということがわかった。ただ,1つの技ができるようになるのは,
苦手な児童にとってはとても大変なことである。そこで,技ができるようになるまでのポイントを
細分化し,相互評価のもと練習を行う。技のポイントを細分化することで,自分が気をつけなけれ
ばならないことを意識しやすくなる。また,1回1回の評価を,ワークシートに記録していくこと
で,1つの技ができるようになるまでの小さな成長を自覚できるようになり,達成感を味わうこと
ができる。グループで活動を行うので,互いの成長を認め合い,喜び合えるように指導していきた
い。
3
単元で身に付けさせる学習内容(単元の目標)
技能
技①
以下の基本的な回転技や倒立技をすることができる。
・後転 ・腕立て横跳び越し
態度
態①
自分の力にあった課題をもって進んで取り組んでいる。
態②
友だちと励まし会って運動したり協力して器械,器具の準備,片付けをしたりし
ている。
思考・判断
態③
約束を守って安全に運動している。
思①
自分の力に合った技を選んでいる。
思②
技のポイントについて考え自分のめあてがもてている。
2
4
指導と評価計画(6時間扱い)
1
2
3(本時)
4
5
6
0
・集合整列挨拶 学習の場作り 準備運動
・基礎学習 サーキット(基礎感覚作り)
「前転」「ゆりかご」「かえるの足打ち」「よじ登り倒立」「犬走り」
「うさぎ跳び」「手押し車」
オリエン
・発表会に
・めあて1
・めあて2
テーション
向けての
後転や腕立て横跳び越しのポイ
できる技を組み合わせて
ントを知り,できるようになろう。
・学習の進
練習をす
連続技に挑戦しよう
め方を知
る。
る。
・発表会を
・基本学習
する。
・基本学習
・基本学習①
の場を作り
後転,腕立て横跳び越
後転の習得学習を行
実際に運動
しの習得学習を行う。 ・学習の振
う。
しながら技
り返りを
のイメージ
する。
やポイント
を知る。
・発展学習
10
20
30
後転,腕立て横跳び越し,サー
・基本学習②
キットの中から技を3つ選択
腕立て横跳び越し し,連続して行う。
の習得学習を行う。
40
整理運動 用具の片付け 集合・整列・挨拶
指
導
と
評
価
の
機
会
技
能
態
度
思
考
①
② ③
①
①
①
②
①
3
①
5
本時の指導(3/6)
(1)目標
<技
能>○基本的な回転技や倒立技である後転と腕立て横跳び越しをすることができる。
<態
度>○自分の力にあった課題をもって進んで取り組もうとしている。
<思考・判断>○技のポイントについて考え,自分のめあてがもてている。
(2)展開(3/6)
過程
時間
は
6
学
1
習 内 容 と 活 動
じ
学習の場作りをする。
・役割分担に従って準備をする。
○指導 ◇支援 ☆評価
用具・資料
○あいさつ健康観察をし,服装の確認を
マット
させる。
め
○役割分担に従って,安全に準備してい
ロング
るかを観察し,必要に応じて指導する。 マット
5
2
準備運動・サーキット運動(基礎感覚
作り)をする。
○腕支持感覚や回転感覚,逆さ感覚をつ
・
「前転」
「ゆりかご」
「かえるの足打ち」
「よじ登り倒立」
「犬走り」
かませる。
○「ゆりかご」では,後転の感覚をつか
「うさぎ跳び」
「川跳び」
ませるため,後に倒れたときに手のひ
「手押し車」
らをマットにつけるようにさせる。
○よじ登り倒立では,視線をマットにむ
かせるようにする。
な
3
3
か
本時のめあてを確認する
後転や腕立て横跳び越しのポイントを知り,できるようになろう。
掲示資
料
20
4
各自のめあてにそって練習をする。
・4人組で学習を行う。演技者以外の3
○めあての持ち方,練習方法や場や用具
人は,下記の①~③から1つずつ担当
の使い方が適切か観察し,必要に応じ
をして○と△で評価をする。
て指導,助言する。
○基本学習① 後転の習得
○1回終わるたびに学習カードに自分へ
①おしりを遠くについていきおいを
の評価を記入させる。
つける。
○1回毎に,特に気を付けたい項目を宣
②両手を耳の後ろでマットについて
言させる。
回転する。
◇後転が回れない児童に対しては回転の
③足の裏で着地する。
補助を行う。
○基本学習② 腕立て横跳び越しの習得
☆基本的な回転技や倒立技である後転と
①正面をむいて立った姿勢で始める。
腕立て横跳び越しをすることができた
②顔がマットの方を向く
か。(技能)
4
学習カ
ード
③頭→腰→足と高くなっている。
☆自分の力にあった課題をもって進んで
取り組もうとしていたか。
(態度)
☆技のポイントについて考え自分のめあ
てがもてていたか。
(思考・判断)
○カードに自己評価を記入させる。
ま
5
5
と
学習をふり返る。
・学習カードに反省を書く
○ふり返りの欄に記入させる。
学習カ
め
ード
6
6
片付け・整理運動をする。
○役割分担に応じて,協力して片づけさ
・分担に従って協力して片づける。
せる。
・整理運動をする。
6
○健康観察をする。
場の設定
ろくぼく
ロングマット
マ
ッ
ト
マ
ッ
ト
マ
ッ
ト
マ
ッ
ト
ス
テ
ー
マ
ッ
ト
マ
ッ
ト
マ
ッ
ト
5
マ
ッ
ト
ジ