The Accoya® Wood Information Guide

The Accoya® Wood Information Guide
目次 01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
Accoya®の特性
輸送と保管
木材の含水率
加工処理
接着
金属との接触
他の製品との接触
塗装
証明書とエコラベル
規格と規制
Accoya® ウッド・インフォメーション・ガイ
ドは、Accoya®の詳しい情報と取扱いおよび
使用に関する推奨事項をまとめています。
このガイドは、Accoya®を使って、信頼性のある耐久性に優れた
最終製品を作る業者の方向けのものです。さらに詳しい情報が必
要な場合や、このガイドに関するご意見がありましたら弊社まで
ご連絡ください。
本バージョンはver.3.1です。現状を確認したり他に役立つ情報が
ないか調べる場合、www.accoya.comのダウンロードのセクショ
ンをご覧ください。
01 Accoya®の特性
はじめに
Accoya®は、耐久性・寸法安定性・信頼性を兼ね備えた木材の
Accoya®の性能の信頼性は広範囲にわたり研究され、繰り返し実
安定供給を可能にする木材技術開発の飛躍的な発展の結果、
証されてきました。Accoya®には、世界の最良の木材を超える特
実現されました木材です。
性がありますが、適切に管理された持続可能な森林から産出した
木材を、有害物質を使用することなく、化学修飾することによっ
て生産されます。
特性
非常に優れた耐久性
塗装に最適
• 耐用年数は地上50年、地中および淡水中で25年
• チーク材をも超えるトップクラスの耐久性
• ほぼ完璧な耐腐朽菌性能
• 寸法安定性が向上したことから塗装は3~4倍長持ち
• 塗装が容易で、必要な下処理やサンディングが軽減される
寸法安定性
優れた木工加工性
• 膨張率および収縮率を75%以上低減
• 年間を通じてドアや窓のスムーズな開閉
• メンテナンスコストの削減
• 加工や処理がしやすい
• 特殊な工具は必要なし
虫害抵抗性
対紫外線耐久性能
• シロアリなどの害虫の食源にならない
• 害虫被害の半減
• 半透明の塗料の使用時も、紫外線に対して優れた耐久性
• 自然な風合いが持続
• 塗膜が長持ちする塗装に最適な下地
持続可能な木材調達
自然の断熱性
• FSC、PEFCおよび他の認証木材を使用
• 再生可能な資源
• 一般に使用されている樹種と比較して優れた断熱性を提供
• 省エネが重視される用途に最適
均一な品質
木本来の美しさ
• 表面から芯まで均一な品質
• 切断やプレーナー加工時に防腐処理は不要
• 加工により木材の自然の美しさは損なわれない
処理前の強度&硬度を保持
無害&リサイクル可能
• 化学処理で木材の強度は低下しない
• 硬度は向上
• 強度重量比が高いため条件の厳しい用途にも適する
• 一般的な防腐処理による有害な影響から環境を保護
• 安全な再利用およびリサイクルが可能
1
01 Accoya®の特性
技術データサマリー
製品の種類
以下の表はAccoya®の平均的な特性を示しており、公式な試験
Accoya®は、さまざまなサイズとグレードで、挽き材およびプ
報告書から抜粋したデータを編集したものです。全体のコピ
レーナー仕上げした製材品を取り揃えています。長尺材には
ーはご要望によりお求めになれます。
フィンガージョイントの集成材をご用意できます。
アセチル化&耐久性
1
Accoya®は表面だけでなく内部まで化学修飾しています。製造
密度
510 kg/m3
された各バッチの化学修飾の品質はAccsys Technologiesの研
平衡含水率
3~5 %
究所で一連の高度な実証済み試験を行って検証します。このた
(相対湿度65%、20℃)
め、定められた規格に従い均一な品質と性能が保証されていま
放射方向0.7%
す。Accoya®の木材は必ずEN 350-1およびEN 335-1に従う用途ク
接線方向1.5%
ラス1~4の耐久性クラス1の要件を満たしています。
耐久性クラス
膨潤率(全乾-湿潤)
曲げ強度
39N/mm 2
ヤング係数
8790N/mm2
Accoya®は耐塩性があり、マリーナのデッキなど、海水周辺でも
硬度(ジャンカ)
側面4100N
使用できます。アセチル化処理は、フナクイムシや他の海虫に対
熱伝導率
耐火等級
木口6600N
する抵抗性は保証されていないため、杭など常時海水中や汽水中
= 0.13 Wm K
EN 12667規格による
ASTM E-84*による
クラスC
-1
-1
での使用は推奨しません。
Accoya®は、複数の地域のさまざまな害虫種に対して試験を重
ね、性能が向上したことが証明されています。入手できる試験結
果の詳細についてはセクション10をご覧ください。
* 塗装と難燃処理により高い耐火等級を得ることが
できる。
腐朽菌に対する天然木材の耐久性の分類
耐久性クラス 説明 平均耐用年数
1
非常に耐久性あり 25年以上
2
耐久性あり
15~25年
3
適度に耐久性あり 10~15年
4
やや耐久性あり 5~10年
5
耐久性なし
5年未満
2
01 Accoya®の特性
用途クラス
使用条件
湿潤状態
木材の含水率 * 短期間-2日から1週間
1
接地せずに屋内にて乾燥状態
常時乾燥
常時乾燥<20%
2
接地せずに屋内で、
ときに湿気に暴露
ときに短期間の暴露*>20%
接地せずに全天候
定期的に湿気に暴露
定期的な短期間の暴露*>20%
地面または淡水に接触
常時水分に暴露
常時暴露>20%
塩水または汽水に接触
常時塩水に暴露
常時暴露>20%
3
濡れることはほとんどない
4
において屋外
5
アセチル化の詳しい情報
安全衛生面
Accoya®のパンフレットとウエブサイトwww.accoya.comで
複数の地域のさまざまな規格に対して安全衛生試験を実施し、
は、アセチル化プロセスとAccoya®の特性について詳しく説明
合格しています。実施した試験の詳細はセクション10に記載して
しています。さらに、公式な試験報告書もご要望によりお求
います。MSDSデータシートはご要望によりお求めになれます。
めになれます。
構造用途
Accoya®の処理は、木材の強度特性に影響を及ぼします。
技術データサマリーの表に記載された値は、目視等級材で
作るAccoya®の平均にすぎません。構造用グレードはこれ
よりかなり高い等級で、実際の構造用途にはこちらをお使
いください。
3
02 輸送と保管
Accoya®パッケージ
保管&輸送
Accoya®はすべて工場出荷前に検査を受けます。Accoya®は結
損傷を防ぐために、特に現場で塗装をする場合は、Accoya®から
束され、それぞれ固有番号の付いたラベル付き標準パッケー
作った製品は慎重に輸送しなければなりません。接合部の保護は
ジにします。Accsys TechnologiesはAccoya®を乾燥した状態(
特に重要です。輸送や保管中、および建設現場で吸水するのを防
含水率<8%)の粗挽き寸法で供給します。
ぐために、通気性/透湿性のあるビニールシートでAccoya®を覆う
よう強く推奨します。
輸送手段
他の樹種と同様に、建設現場ではコンクリート床材から最低10cm
Accsys Technologiesはインコタームズ2000の工場渡し条件
上、且つ地上30cmのところで保管しなければなりません。ビニー
で、またはお引き受けした注文に応じて別途合意した引渡し
ルシートで雨水から保護するよう強く推奨しますが、カビが生え
の取扱い条件で発送します。引渡し住所の受取人は、Accoya®
ないようにシートの下は十分な換気が必要です。
パッケージを慎重に、できればフォークリストトラックやパ
レットジャッキ装備の別の装置を使って荷降ろししなければ
トレーサビリティ
なりません。
Accoya®は、主に包装ラベルで識別しますが、ラベルにはAccoya®
保管
とAccsys Technologiesのロゴが入っています。疑わしい場合、弊
社が本物かどうか確認します。さらに、Accoya®は一般に包装番
後で加工、接着または塗装をする必要のあるAccoya®は慎重
号で追跡トレースできますので、必ず全ての関連文書を保持し、
に、できれば水/湿気を吸い込まないように、密閉された倉
各パッケージの製品の製造に至るまでの流れを記録してくださ
庫か、十分に換気した倉庫で保管してください。Accoya®が過
い。お客様が持続可能な木材の証明書の認定を受けた製品を提供
剰な水を吸収しているかどうか判断するための詳しい情報と
したい場合も、この追跡記録が必要です。お問い合わせ、苦情ま
乾燥時の考慮事項についてはセクション3をご覧ください。
たは保証請求の際にも包装番号が必要です。Accoya®はFSCまたは
加工部材の保管
PEFC認証など、持続可能な認証木材をご指定いただけます。
情報の伝達
Accoya®は組立までの時間が長くても、部材に製造しておけ
ます。多くの樹種と違って、寸法安定性の問題による部材の
お客様の製品にAccoya®が使われていることを、設置する本人や
サイズと形状の変化は最小限にとどまり、そのため加工から
関係者に知らせることが大切です。建設現場までの正しい保管方
組立まで過密スケジュールになることなく、組立に多くの日
法、最終的な設置で使用するのに適した締結金具や固定金具、関
数をかけられるように予め製造しておけます。それでも、水
連する注意事項などを記載している本ガイドの該当箇所をお伝え
分や天候の変化(温度と相対湿度)を直接受けないようにして
ください。
ください。
4
03 木材の含水率
はじめに
過剰な水分の測定
木材は乾燥した環境では水分を放出し、湿気のある環境では
Accoya®の含水率は通常非常に低く、一般的な水分計では測定で
水分を吸収します。木材内部の水分は次の2つの形態をとり
きません。それでも標準的な水分計を使って、Accoya®が過剰な
ます。1つは「自由水」で細胞腔(または細胞間隙)に含まれて
「自由水」を含有しているかを判断することはできます。ピン型(
おり、もう1つは「結合水」で細胞壁の内部に含まれていま
電気式)水分計では、Accoya®の設定はありません。参考までに測
す。Accoya®はどのような状態でも結合水の量は最小限に留
定する場合は、ラジアータパインまたは他種のパインどちらかの
まり、これが優れた特性を多く生み出す結果になっています
設定を使用してください。静電容量式水分計の場合、密度設定を
が、自由水も存在することができます。最終的な製品の品質
510kg/m3にしなければいけません。測定により8%以上の含水率
は過剰な自由水で損なわれる可能性があります。そのため、
を示す場合、「自由水」が存在することを示しており、加工、接
加工、接着および塗装をする前に、木材の含水率を計ること
着または塗装前に木材を乾燥させ自由水を除去してください。
が非常に重要です。
吸水特性
定義
Accoya®は概して木口からの吸水を別にすると、他の樹種よりも
本ガイドに記載する木材の含水率は、全乾木材の質量の割合
水分をゆっくり吸収します。しかし水分は深部まで吸収され、完
で表した木材に含まれる水の質量です。
全に乾燥するまでに他の樹種より長い時間がかかります。このた
め保管には十分な注意が必要で、板の中心部に過剰な水があるか
木材の含水率
測定する理由でもあります。
Accoya®は乾燥した状態(含水率<8%)で供給します。そのた
め、Accoya®はお引渡し後すぐに内外装用の製品に加工してい
ただけます。
5
04 加工処理
概要
修飾された木材の特性
Accoya®は木材内部まで完全に化学修飾しており、Accoya®
アセチル化プロセスにより、Accoya®の適切な加工にとって重要
を色々な形状に加工しても、耐久性や寸法安定性などの固
な多くの木材の特性が変わっています。
有の特性には影響しません。Accoya®は加工が容易で、一般
に硬めの針葉樹の樹種に相応しますが、相違点を次にあげ
XX
ジャンカ硬度はAccoya®を製造するために使用する元の木材
ます。例えば、横引き、縦引き、プレーナー加工、ルータ加
よりも向上しています。等級についてはセクション1をご覧
工、または穴あけに特殊工具は必要ありません。Accoya®は
ください。大まかな目安としては、Accoya®の加工性は、ハ
木工加工性が優れているため、仕上げ前のサンディングはほ
ードメイプル、アメリカンチェリーまたはブラックウォルナ
とんど不要です。
ットなどの樹種に相当します。
XX
Accoya®は加工中に、かすかに酢っぱい臭いがしてくるかもし
れません。これは適切に吸引と換気をすれば、最低限に抑え
られます。多くの地域でさまざまな安全衛生試験を行って合
比重が増しています(平均510kg/m3)。加工性は、比重の高い
針葉樹(例えば、サザンイエローパイン)の扱いと同じです。
XX
Accoya®の典型的な含水率は8%以下ですので、素材はややも
ろくなっています。
格しており、問題も指摘されていません。
集塵機
また、酸性レベルの高い他の樹種と同様に、金属腐食防止の
ために木工機械と排気システムを大鋸屑や削りくずに長時間
Accoya®の削りくずは、おおむね他の木材よりも細かいため、刃
さらさないように注意してください。
物から素材に削りくずが飛び散らないように集塵機は十分能力の
あるものを使用してください。削りくずが飛び散ると、木っ端の
Accoya®の加工を行う前に、含水率をチェックしてください(
痕が最終製品に残ることがあります。Accoya®の繊維が低密度で
セクション2を参照)。含水率の値が8%未満であれば、加工に
柔軟性があるため、この痕は湿らしても消えません。
適しています。
目視による品質
Accoya®は高性能の無垢材で、それ自体が元の樹種の美しさ魅
力や多用性を備えています。Accoya®には、さまざまなグレー
ドの材をご用意しております。お求めになるグレードによっ
て、反りや内部割れ、樹皮、脂壷など、加工後に一定の外観
上の欠陥を示すことがあります。
人工乾燥および弊社の製造工程の結果、生産したてのAccoya®
は変色(茶色)や桟木痕など、表面がいくらか不ぞろいになるこ
とがあります。外観を均一にするためには、ご希望の目視品
質に数ミリプレーナー加工するか切り取る必要があるかもし
れません。
6
04 加工処理
加工についての一般的なアドバイス
プレーナー加工&断面加工
最良の結果を得るために
Accoya®はプレーナー加工で簡単に表面がとても滑らかな仕上
XX
XX
Accoya®はきちんとプレーナー加工すれば加工後にとても
がりになります。特殊工具は必要ありませんが、加工中に機
滑らかになりますので、刃物は必ず正しく調整し切れ味
械の痕が残らないようにすることと、特に半透明な塗料を塗
をよくしてください。
る場合には、オイルやさびなど表面を変色させる製品と接触
刃物に傷や欠けがあると木材に永久に痕が残ります。そ
させないことが重要です。
のため、複数の樹種を扱い、すぐに切れ味の悪くなる刃
XX
XX
物を使う場合、他の樹種の前にまずAccoya®を機械にかけ
Accoya®は木材の含水率が低いため、削りくずが細かく、ルー
るようお勧めします。これで最良の結果が得られます。
タ刃との摩擦により静電気を帯びることがあります。このた
表面が滑らかなため、表面についた刃物の痕は塗装仕上
め、吸塵システムの能力が小さすぎたり、断面の大きな木材
げされた製品にも残ります。特に注意が必要です。
を一回で加工すると、削りくずの痕が仕上げ面に付くことが
モルダー仕上げをする場合、粗挽きのAccoya®を機械に
あります。解決策としては、刃の回転速度(rpm)を上げるか、
通す時の送りは、針葉樹よりも広葉樹を送るときのよ
減摩潤滑剤を使用します(静電エネルギーを低下させるため)。
うに行ってください。最適な品質を得るために、典型
的な例では、送り速度を毎時500m、主軸の回転速度を
曲げ加工
12000rpmにすると非常に滑らかな仕上がりとなります。
XX
XX
典型的な生産環境では、送り速度1000m/h、回転数
Accoya®の生産工程は一般に元の樹種を弱めたり、曲げ特性を
6000rpmを使用できます。
減じたりするものではありません。
初めてAccoya®を機械に通す場合、最適な設定値を把握
するために何度かテストランをするとよいでしょう。送
Accoya®は、スチーム方法など従来のほとんどの技術を使って
りローラはアルミニウムでも構いませんが、表面が傷つ
よく曲がります。曲げ加工については、他の一般的な針葉樹
かないように、装置の送り出しローラはできればゴム製
と同じような特性をもっています。ただし、アンモニア含浸
にしてください。作業台全体をきれいにして、整列させ
方法による曲げ加工は行わないでください。
なければならず、Accoya®に適した精密加工を施すため
に機械の摩耗劣化等が無いよう細心の注意を払ってくだ
穴あけ
さい。
Accoya®は、ほとんどの針葉樹と同じ様な方法および仕上げで
鋸引き
穴あけ加工が出来ます。深く穴を掘る場合、Accoya®から細か
い削りくずが生じるため都度切り屑を取り除く配慮が必要で
Accoya®はどの方向にも簡単に切断できます。上手に鋸引きす
す。ダボ継ぎの場合、材割れを防ぐために、ドリルの径はダ
れば、ほとんど傷もつかず滑らかな仕上がりになります。さ
ボの径よりも小さくならないようにすることが重要です。
らに美しい仕上がりにしたい場合には、当て木を使うなど標
準的な方法が利用できます。他の樹種と同じく、Accoya®の板
材を縦引きすると、乾燥・処理中に生じた応力が現れること
があります。板のゆがみ(反り)と表面割れに関しての品質保証
は、加工される前の受け取った時の状態に適用されます。
7
04 加工処理
締結金具&固定金具
Accoya®は一般的に使用される他の針葉樹と同じように固定で
Accoya®は寸法安定性が極めて優れていますが、まったく動きを
き、下穴、座ぐり、および材の端から十分な距離をとること
起こさないというわけではありません。湿度変化によりAccoya®
に関しても同じように留意することが大事です。耐久性のあ
の体積はわずかに変化することを、製品の設計と設置の際に留意
るほとんどの木材と同じく、Accoya®は少量の酸を含んでいま
してください。極端な条件では(またAccoya®の保証のために)、
す。そのため、高品質のステンレスなどの耐食性の高い金具
以下に記載する許容差を設けてください。普通の木材製品の寸法
を使用するよう強く推奨します。詳しくは、セクション06の
安定性に適用される設置の目安は、Accoya®には過剰です。寸法
「金属との接触」をご覧ください。
安定性の値の具体的な情報については、弊社にご連絡ください。
寸法安定性の比較
樹種 放射方向平均 接線方向平均
保証値3
ダグラスファー1 4.8% 7.6% -
チーク 2.5% 5.8% -
メランチ1 3.0% 6.6% -
メルバウ1 2.7% 4.6% -
サペリ1
4.6% 7.4% -
3.4% 7.9% -
Accoya®ラジアータパイン2 0.7% 1.5% 2.5%
2
ラジアータパイン 1
Wood Handbook, USDA Forest Products Laboratory。生材から全乾までの測定
2
さまざまな水分条件によるAccoya®の寸法安定性、SHR Report 6.322
3
Accoya®-保証書
典型的なデッキ材または外装材の膨張・収縮
(実際の幅130mmまたは5 1/8インチ)
樹種 平均柾目(インチ/mm)
平均板目(インチ/mm)
保証値(インチ/mm)
ダグラスファー 0.26 / 6.7 0.42 / 10.6 -
チーク 0.14 / 3.5 0.32 / 8.1 -
メランチ 0.17 / 4.2 0.36 / 9.2 -
メルバウ 0.15 / 3.8 0.25 / 6.4 -
サペリ
0.25 / 6.4 0.41 / 10.4 -
ラジアータパイン
0.18 / 4.8 0.43 / 11.1 -
Accoya®ラジアータパイン
0.04 / 1.0 0.08 / 2.1
0.14 / 3.5
Accoya®は寸法安定性が向上しているため従来よりも大きなサイズに加工できますが(例えば、極度なカッピングを心配せずに、
外装羽目板のの幅を大きくとれる)、それでも許容差の量はサイズに比例して調整してください。
8
04 加工処理
端材&使用後の配慮
Accoya®の端材は未処理材と同じように取り扱えす。Accoya®
Accoya®の性能を製品全体の設計戦略に組み込み、意図する用途
は、無害で破棄に関して特別な配慮は要りません。長い耐用
と要求される使用期間に合わせてAccoya®を使用した製品を適切
年数、多用途で無害であることから、Accoya®は、リサイクル
な間隔でメンテナンスするよう推奨します。また、おそらくは
や他の用途へそのまま利用することに適しています。
Accoya®の耐用年数の方が製品寿命よりも長いため、製品または
材料の再利用が促進されるような設計を推奨します。
使用後の段階では、「廃棄物管理の優先順」というモデルの採
用を推奨します。このモデルは、William McDonoughとMichael
再利用ができない場合、焼却によりエネルギー生産に利用する
Braungartが、自己完結する循環する生物学的サイクル或は技
ことを推奨します。有名なドイツの木材研究機関であるWilhelm-
術的サイクルの中で、出来るだけ材料を再利用するために開発
Klauditz-Istitut(WKI)*で、Accoya®は未処理材と同じようにエネル
した有名な「ゆりかごからゆりかごへSM」のガイドラインに沿
ギー生産のために焼却できることが確認されています。最終手段
っています。このモデルは、ゴミが生まれることを防ぐことが
はコンポストにすることで、Accoya®は未処理材と同じように扱
最優先されるべき選択肢であり、廃棄が最も避けられるべき選
うことができます。ただし、Accoya®は非常に高い耐朽性能があ
択肢という廃棄物管理を前提にしています。
るため、堆肥化するのに時間がかかります。
XX
廃棄物を出さない
XX
使用後に廃棄物を出さず再利用が予め考慮された製品設計
XX
製品の再利用
XX
材料の再利用
XX
エネルギ生産に利用(焼却)
XX
単純焼却
XX
廃棄
Accoya®の削りくずを家畜床敷に利用することはお勧めしません。
9
05 接着
概要
接着プロセスの最適化
どの樹種についても、接着剤の正しい選択は、用途と必要と
Accoya®の接着で最良の結果を得るために、接着剤の供給者にお
される接着性能によって決まります。Accoya®は多くの用途
問い合わせいただくよう強く推奨します。考慮すべきポイントに
に関してさまざまな種類の接着剤で試験しています。Accoya®
は次のようなものがあります。
は、一般的に使用されるほとんどの木材用接着剤を使用して
接着できます。ポリウレタン(PU)、水性高分子イソシアネー
XX
ムアルデヒド(PRF)系の接着剤とは、優れた結果が得られま
XX
Accoya®が接着剤の水分を吸収する時間を長くとれるように
するために、できれば開放・閉鎖推積時間を長くとる。
す。ポリ酢酸ビニル樹脂(PVAc)およびメラミン・ユリア・ホ
ルムアルデヒド樹脂(MUF)を使った接着性には、ばらつきが
塗布する接着剤の量は、接着剤の製造者の指示に従い、でき
れば両面に均一になるようにする。
ト(EPI)、エポキシおよびフェノール・レゾルシノール・ホル
XX
熱を加える場合に温度を考慮するのと同じく、圧締中にかけ
る圧力はAccoya®の強度に合わせる。この場合のAccoya®は
あります。
やや硬い針葉樹と同じように扱う。
Accoya®を接着する場合、まず試してみて、必要なら、接着工
XX
硬化時間と最適な硬化条件
程とその接着性を詳しく把握している接着剤供給者に問い合
わせるよう強く推奨します。
接合部
修飾された特性
露出する木口は供給者が推奨する適切な製品を使ってエンドシー
ルするよう強く推奨します。長持ちさせるには、適切なフレーム
総合的な試験から、Accoya®は優れた接着特性を持つことが
コーナーの接合の重要性を強調しておきます。Accoya®は耐久性
証明されています。しかし、製品の化学修飾木材としての特
と寸法安定性が向上しているとはいえ、塗膜剥離や変色など問題
性は必ず考慮しなければなりません。一般的な木材用接着剤
を防ぐためにフレームコーナーの接続部を防水処理にすることが
(PVAC、EPI、PU、PRF)は、水分と接触して硬化するか、また
重要です。
は接着剤中の水分を木材が吸収しなければならないため、特
に重要です。
Accoya®製でないダボ、ビスケット、或は同様な細工を使用する
場合、Accoya®よりかなり膨張する可能性を考慮してください。
アセチル化処理で、木材の膨潤性は大幅に低下します。この
ダボを利用する場合、ドリルの径はダボとまったく同じにするこ
ため接合時に自然に締まる性質などに影響します。他の影響
とが重要です。これは材割れを防ぐためです。
として、Accoya®の平衡含水率は、同じ気候条件の未処理材よ
りも大幅に低下しています。このため、Accoya®の寸法安定性
は非常に優れていますが、最初の数分間は木材表面の疎水性
により木材の吸着特性が異なります。触媒として水が必要な
タイプの接着剤や、2液タイプの接着剤の場合それぞれの成
分が異なる浸透性を現す場合があり、接着性能が弱くなるこ
とがあります。
Accoya®の含水率について、詳しくはセクション03「木材の含
水率」をご覧ください。Accoya®を効果的に接着するために特
に注意が必要な事項を以下に説明します。
耐久性のある他の多くの木材と同じく、Accoya®には少量の酢酸
が含まれており、それが特に酸触媒タイプの接着剤や大量のア
ルカリ性添加物を含有する接着剤に影響することがあります。
10
05 接着
フィンガージョイント
EPI、PRFおよびMUFを使用して優れた結果が得られています。
フィンガーを作るには特別な注意が必要です。良いフィンガーを
作るには、損傷のない切れ味のよい刃物を使わなければなりませ
ん。切れ味の悪い刃物を使うと不ぞろいのフィンガーになりま
す。Accoya®の高められた疎水性ため、圧締時間と硬化時間を長
くする必要があるでしょう。圧締の圧力は他の針葉樹の場合と同
じようにします。
積層
PU(1液型、2液型とも)とPRFを使用すると良好な結果が得られ
ます。平らな面で作業することが重要で、Accoya®は非常に滑ら
かで接着面から接着剤が押出されるおそれがあるため、あまり圧
力をかけてはいけません。構造用部材の製作の場合、適用される
地域の規制に従ってください。Accoya®は寸法安定性が優れてい
るため、年輪の向きや積層数はさほど重要ではありません。例え
ば、不均一な2枚の板を(2:3の構成)、100x150mmまでの積層が
できることが証明されています。
詳細情報
さらに詳しい情報は接着剤の供給者から直接入手してください。
必要なら、弊社から連絡先をご提供いたします。
11
06 金属との接触
概要
樹種によって量にはばらつきがありますが、どの木材にも有
スが利用できない場合、金属とAccoya®の一方または両方を塗装
機酸が含まれています。この有機酸が木材を使用される金属
するか、あるいは直接接触しないように隔ててください。換気
製の金具の腐食の主な原因です。Accoya®の酸性レベルは、オ
されていない場所では結露による金属の腐食が起こる可能性があ
ークやベイスギなどの耐久性のある他の樹種に同等です。
り、間接的な接触でも問題が生じることがあります(例えば、ドア
の錠前)。
酸を含有する木材に直接または間接的に接触する卑金属や亜
鉛メッキ金属は、湿気のある気候条件で腐食することが試験
取り付けに関しては、ヒンジ、錠、および他の金具で使用される
で証明されています。そのため、可能な箇所には高品質のス
金属に合った締結金具を使用して、点食や異種金属接触腐食も予
テンレスを使用するよう強く推奨します。ステンレ
防しなければなりません。問題が起こらないように、固定金具の
供給者にご相談ください。
ステンレス
EN 10088-1に適合する耐食性金属製の金具を使用することを推奨します。例えば、A2またはA4、またはAISIタイプ304または316
の品質のステンレスです。取付け金具以外にも、可能な場合は、金属部材はステンレス製品を使用してください。グレード仕様の
国際比較を以下に掲載します。
USA
UNS No
旧英国規格
BS
En
欧州規格
No
名称
ISO 3506
スウェーデン
SS
日本
JIS
304
S30400
304S31
58E
14.301
X5CrNi18-10
A2
2332
SUS 304
304L
S30403
304S11
-
14.306
X2CrNi19-11
-
2352
SUS 304L
304H
S30409
304S51
-
14.948
X6CrNi18-11
-
-
-
316
S31600
316S31
58H, 58J
14.401
X5CrNiMo17-12-2
A4
2347
SUS 316
316L
S31603
316S11
-
14.404
X2CrNiMo17-12-2
-
2348
SUS 316L
316H
S31609
316S51
-
-
-
-
-
-
注:上記はおおよその比較です。このリストは、Accoya®と相性のいいことが分かっている一般的に入手できる高耐食性のステンレス製締結金具の
例としてあげています。他にも多くのステンレスのグレードがあり、そのうち多くが高耐食性ですが、そうした他のグレードとAccoya®との適合性
を把握するために供給者と相談するのが一番いいでしょう。
塗装済みスチール
他の金属
ステンレス製金具が利用できず、塗装された金具(エポキシや
亜鉛メッキ金属はAccoya®と使用すると、耐腐食性に欠けます。
ポリウレタンを使用したものなど)を使用しなければならない
アルミニウム、銅、鉛および他の金属の表面も酸化するおそれが
場合は、屋外用に作られたものを使用してください。塗膜の
あります。現在までの試験と経験から、無垢の真鍮は使用しても
損傷を防ぐために、下穴をあけることをお勧めします。
よく、船舶用真鍮は高い耐食性があることが分かっています。試
験では飛行機用アルミニウム合金(6061または6063)およびクロム
メッキスチールの性能が非常に優れていますが、しかし一旦表面
の保護層が破損すると、これらの製品の腐食は速く進行します。
12
06 金属との接触
腐食防止
結露対策
金属とAccoya®とを直接接触させなければ、金属腐食は大幅に
Accoya®と接触する金属面が結露して腐食の問題が起こらないよ
減らせます。以下のように行うことができます。
うに、施工現場を換気するとよいでしょう。
XX
木材に適切なシーラントを塗る。金属に耐酸性の塗料、
適切な保管&輸送
シーラー、または他の保護層を塗る。
XX
>プラスチック(またはステンレス)製のスペーサーを使う
セクション02をご覧ください。
などして、金具が直接接触しないよう物理的に離す。
XX
>直接金属が接触しなくても、通気性あるいは換気の無
より詳しい情報
い場所、たとえば錠前周辺などはシールするのが望まし
い(例えば、エポキシを使って)。このような箇所をシール
詳細情報は、締結金具、ヒンジおよび錠の供給者から直接入手で
しないと、この閉鎖空間に酢酸の放出ガスが蓄積し、結
きます。弊社でもAccoya®の取扱いに慣れている供給者のリスト
露による速い腐食のリスクが高まる。
をご用意しております。
補助的な一時的保護として、組立/取付前に金属製品の金具
の全面に、撥水スプレー(PTFEまたはシリコン系スプレー)ま
たは防錆被膜スプレーをするよう推奨します。この様な保護
方法は、取付中に塗装済み金属製品に傷がついた場合も有用
です。しかしこれらのスプレーは塗料の接着と金属製金具の
メンテナンスに影響する場合もあるので注意してください。
ねじや他の大径の金具はできれば下穴をあけてください。割
れのリスクを最小限に抑えるために、窓の桟など、Accoya®か
ら作られた小さな部材を取付ける場合は、18ゲージのA2ステ
ンレス製などのステープルを使用することを推奨します(詳し
くは、セクション04を参照)。
13
07 他の製品との接触
はじめに
補修剤
Accoya®は、色々な用途や地域で使用される可能性のある多
造膜型の塗料で仕上げをするAccoya®製品の場合、仕上げをする
様な製品との適合性について試験が行われています。以下の
前に物理的な損傷(例えば、割れや死節)をすべて補修するよう推
情報はその結果をまとめたものです。弊社の研究によるもの
奨します。これは吸水を防ぐためで、塗料の寿命に影響します。
と、供給パートナーとの共同で行った広範な試験によるもの
もあります。それぞれの項目について詳しい情報がご入り用
供給者の指示に従い、補修システムと他の部材とで起こりうる相
の場合、弊社にご連絡ください。
互作用を点検することが重要です。塗料の接着性、収縮挙動、実
際の作業性、耐水性、耐紫外線光性および耐熱性について試験済
シーラント、ガスケット&関連部品
みの補修剤を使用することを強く推奨します。2液型の製品(例え
ば、エポキシまたはポリウレタン)を強く推奨します。乾燥後に収
Accoya®に含まれる少量の酢酸が、シーラントの硬化過程や長
縮して毛細管現象を生じやすい1液型の製品は使用しないでくだ
期的な性能に影響を及ぼす場合がほんの数例ですが確認され
さい。
ています。そのため、使用するシーラント試験されてない場
合は、シーラントの供給者がAccoya®との適合性チェックする
木口シーラー
よう強く勧めます。ガラス用シーラント(シリコン、ポリウレ
タン、MSポリマー)や、二重窓ガラス(例えば、多硫化物、シ
造膜型塗料で仕上げをするAccoya®製品の場合、組み立てられた
リコン、ポリビニルブチラール)で使用されるシーラントも適
製品の露出する木口はすべてシールするよう強く推奨します。木
性の検証をお勧めします。仕上げ処理をしていないAccoya®に
材による吸水の予防性、木材との接着性、耐紫外線性、および塗
シーラントを使用する場合、シーラントの前にプライマーを
料接着性について試験済みの製品を使用するのがよいでしょう。
塗ることにより接着性の向上が可能です。
洗浄剤
洗浄剤の化学組成と使用方法は多種多様です。一般に、洗浄
剤は慎重な取扱いを要する強い薬品です。洗浄剤を使用した
後は、きれいな水で十分に洗い流すよう強く推奨します。こ
れらの製品の中にはAccoya®の耐久性能と美観に影響するもの
があることに注意してください。また、アルカリ性(pH値>9)
にさらすのは避けてください。これを守らないと、Accoya®の
耐久性能の保証は無効になります。塩素やシュウ酸などの他
の製品は、一般にAccoya®の表面を漂白する効果があります。
14
07 他の製品との接触
耐火処理
漂白処理
他の木材と同じく、Accoya®にも地域の規制に従う適用条件を
Accoya®は、過酸化物を薄めた溶液を使用して漂白することがで
満たすために耐火処理が必要な場合があります。Accoya®の構
きます。手順の詳細は弊社にご連絡ください。この種の薬品は
造は化学修飾されているため、難燃剤の性能は普通の木材と
Accoya®の性能に影響することがあるため、塗布後に薬品を十分
異なる可能性があります。そのため、できれば独立した認定
な量の水で洗い流すことを強く推奨します(このセクションの洗
機関により、耐火性能が証明されていることが重要です。
浄剤もご覧ください)。
ほとんどの木材の耐火処理方法は、その親水性と水分の木材
薬剤注入防腐処理木材
の強度に対する影響により、木材の強度を大幅に低下させま
す。Accoya®の場合、同様な強度低下は起こらず、他の耐火処
CCA、ACQおよびMCQなどの金属塩を含有する典型的な防腐処理
理木材と比べ小さい断面寸法で強度要求を満たすことが出来
木材からは銅が外部へ浸出することがあります。これらの木材
るという試験結果が出ています。所定の構造用途の条件は慎
とAccoya®が接するような使用がされたとき、Accoya®が緑色に
重に計画し試験しなければなりません。詳しくは弊社にご連
染まった事例がいくつかありました。防腐処理木材からしみ出
絡ください。
る銅がAccoya®を汚染するリスクを防ぐために、プラスチック(
またはステンレス)製のスペーサーや塗料を使い隔離手段を施す
か、防腐処理木材が常に乾燥状態であるような設計にするなど
の対策を推奨します。
15
08 塗装
概要
色あせ
Accoya®とさまざまな塗料との適合性は、他の一般的な木材と
Accoya®を含め、屋外で使用する木材は、木材内部とその表面で
同等で、通常よく使用されている塗料で仕上げることができ
起こる以下の2つの生物学的な過程により、やがては「色あせ」
ます。塗料の成分は供給者によって異なり、使用する塗布具
します。
と最終製品の仕様によって、当然プロセスも異なることに注
意してください。一部の供給者の塗料の成分は販売地域によ
XX
紫外線光がAccoya®の構造に含まれるある主の物質を部分的
って異なることも確認しています。Accoya®は優れた塗装性を
に劣化させ、表面の色が明るくなります(天然木材は典型的
示していますが、製品、用途、そして仕上げ製品の性能を判
には暗褐色を帯びる)。この物質は水溶性で、水に濡れると
断する方法については塗料の供給者にぜひご相談ください。
木材表面の色が薄くなるのです。
塗装 VS 無塗装
XX
>紫外線で劣化した木材はより浸透性のある構造になり、そ
のため表面にカビ、変色菌、コケ、藻が入り込んで成長しま
す。しかし、Accoya®では腐朽は起こりません。一般的な表
技術的な性能の観点からいえば、耐久性や寸法安定性などの
面汚染の菌類のほとんどがブルーステインで、実際は黒いの
性質に対して、Accoya®を塗装仕上げする必要はありません。
ですが木材の明るい色と重なって表面は灰色を呈します。
しかし他の木材と同じく、Accoya®も屋外環境においては美観
は変化します。一連の化学的、生物学的および物理的な過程
Accoya®は、天然木で毒性がないため、未塗装のままですとブル
により木材は劣化します。未処理のままですと、ブルーステ
ーステインが成長する可能性があります。高品質の耐UV塗料を
イン、カビ、紫外線による色あせなど、さまざまなタイプの
使用することにより防ぐことができ、こぼした食べ物など、偶発
変色をおこすことがあります。強い洗浄剤の使用、食べ物、
的なシミからも木材を保護します。
木材に意図せず残った他の物質がシミをつくることもありま
す。また、金属製の金具の周辺が変色することもあります。
修飾された特性
表面の変色だけでなく、未処理のAccoya®は屋外で使用する場
合、経年変化で地肌が粗くなります。
Accoya®は、水分と接して最初の数分は木材の表面が疎水性の
ため、濡れ方が異なります。長期的には水を吸収します。こ
変色のリスクを下げながら「自然な風合い」を得るために
の特徴により、水性ステインがAccoya®に深く浸透したり厚く
は、半透明(造膜型)の塗料、非造膜型の塗料、油性ステインま
形成されることはありません。
たは他の種類の疎水剤を推奨します。吸水が問題とならない
場合は、非造膜型の塗料を施すことができます。油性ステイ
Accoya®は少量の酢酸を含みます。このため、フローコーティ
ンと疎水剤は撥水性はありますが、多くの場合、水平面から
ング処理がうまくいかないことがあります。塗料に緩衝剤を
の吸水を防ぐことはできません。
添加すれば、めくれになどの問題を予防できます。塗料の供
給者にご相談ください。
16
08 塗装
塗装するにあたり
XX
XX
XX
XX
非造膜型および半造膜型塗料
仕上げ処理するAccoya®の含水率は乾燥状態にしてくださ
Accoya®は、ステインやオイルなどの半造膜型および非造膜型の
い(8%mc以下)。
塗料で仕上げることもできます。Accoya®には水性塗料と油性塗
できれば、取付または組立前に全辺の木部の仕上げ処理
料のどちらも使えますが、現在まで試験した製品では、油性塗料
をする方がよいでしょう。
を使用したときの方が、最初の層を速く吸収することがわかって
アドバイスや処理に関する指示については、塗料の供給
います。いずれにしても、重ね塗りを推奨します。最適な塗布方
者にお問い合わせください。
法については、塗料の供給者にお問い合わせください。
Accoya®の性能は向上していますが、プライマーを使用す
るときには、ヤニ止め剤と防カビ剤を含む高品質の製品
浸透性オイル
を推奨します。
桐油、亜麻仁油およびクルミ油などの浸透性オイルは、純粋なも
サンディング
のでも、オイルとワニスとの混合物でも、美しく優れた仕上がり
になります。オイルは菌類の栄養源になることがあるため、外観
Accoya®のサンディングは難しくありません。Accoya®は繊維
を重視するなら防カビ剤を含むオイルを推奨します。
の水分吸収後に表面が毛羽立ったり粗くなったりすることは
ほとんどないため、水性塗料のコートとコートの間にサンデ
Accoya®は大量のオイルを吸収します。吸収を最小限に抑えたい
ィングをする必要はほとんどありません。
なら、最初のオイルの被膜を乾燥させてから、二度目のオイルを
塗るよう推奨します。
不透明&半透明な塗料(造膜型)
詳細情報
造膜型塗料を塗装をする前に、物理的な損傷(割れ、死節)は
すべて仕上げ処理を施す前に適切な製品で補修するよう推奨
より詳しい情報は塗料の供給者から直接入手してください。必要
します。最終製品の条件や塗料供給者の指示に従い、不透明
なら弊社から連絡先をご提供します。
か、半透明の塗料の塗布は材の全面に最小限の厚さで塗って
ください。木口は、吸水に対する保護がすべての仕上げ面で
ほぼ均等になるように、適切な製品で塗装前にシールしてく
ださい。詳しいアドバイスについては塗料の供給者にお問い
合わせください。
17
09 認証とエコラベル
適切に管理された森林から産出した木材
RAL(ドイツ)
持続可能な木材を責任もって調達することが、環境に配慮
Accoya®はRAL認証の建具材の適性についてVFF Merkblatt
した製品としてのAccoya®の商品価値を高める基本となりま
H0.06-4に従い評価を受けました。暫定合格期間の後、2010年
す。Accoya®はすべて、FSC、PEFC、他の管理された森林な
4月にAccoya®の最終合格が認められ、VFF(Joinery and Facades
ど、適切に管理された持続可能な森林から生産しています。
Association)の「承認」木材種のリストに追加されました。
Accoya®は、FSCまたはPEFC(www.fsc.org/www.pefc.org)認証
KOMO(オランダ)
を指定できます。Accoya®の生産は、毎年独立認証機関により
査定されて、FSCおよびPEFCのChain of Custodyのガイドライ
Accsys Technologiesの化学修飾プロセスとその最終製品である
ンを満たしていることが保証されています。
Accoya®は、毎年数回、登録認証機関であるSKH(オランダ)により
アセスメント指令BRL 0605に従い、化学修飾木材のKOMO®ガイ
ドラインに適合しているか検査されます。Accsys Technologiesの
生産は以下のように評価されます。
PEFC/30-31-040
www.pefc.org
XX
生産プロセスの均一性と再現性
XX
品質システム
Accoya®はSKH刊行物97-04に従い、耐久性、寸法安定性、機
械的特性、作業性、接着性および仕上げについて試験されてお
り、KOMO®認証の建具材および外装材で使用するための木材種の
要求事項を満たしていることが証明されています。
ゆりかごから
ゆりかごへSMの
ゴールド認定
Window and Door Manufactures Assc.
Hallmark®(北米)
Accsys Technologiesは、Window and Door Manufacturers’
MBDC ゆりかごからゆ
Association(WDMA)から、2009年10月のWDMA I.S.4「造作材の防
りかごへ(C2C)認証によ
腐処理に関する工業仕様」の要求事項を満たした上で、Hallmark
り、Accoya®の最終製品
認証製造者向けの承認材料として認定されました。この等級はエ
と、木材の調達、エネルギ
クステリア用造作材の品質を認証し、WDMAの最高水準に従って
ー、水および廃棄物管理を
生産される窓およびドアを識別する方法を政府機関および民間機
含めた生産工程全体が評価され、名誉あるゴールド認定を獲
関に提供するものです。WDMA Hallmark®は建築家、建築業者お
得しています。この認定の報告書は弊社ウエブサイト
よびその他建築に関わる方々の中で最高のマークです。Hallmark
www.accoya.com/accoya_downloads.aspのダウンロードのセ
認証に適格な製品は、要求事項への適合を保証するために厳格な
クションから入手できます。
検証プロセスを受けます。
その他のエコ認証
シンガポールグリーンラベル
18
10 規格と規制による試験
はじめに
Accoya®が試験され定められた基準に合格した、あるいはそれ
よりよい結果を出したさまざまな規格とガイドラインを以下
にまとめました。この結果に関する詳しい情報は弊社にお問
い合わせください。
ヨーロッパ
EN 113
EN 717-1
EN 927-6
ISO 16000-9
木材防腐剤-木材腐朽菌に対
木質パネル-ホルムアルデヒ
塗料およびワニス-外面木
室内空気-第9部:建造物の
する防腐効力値を決定するた
ド放散量の測定-第1部:チ
材の被膜材料及び被膜シス
製品および備品からの揮発性
めの試験方法-毒性値の測定
ャンバー法によるホルムアル
テム-第6部:蛍光UVラン
有機化合物の放出の測定-放
デヒドの放散
プと水を用いた人工風化への
出試験室法
木材被膜の暴露
EN 320
ファイバーボード-ねじの軸
ENV 807
方向引抜強度の測定
木材防腐剤-腐敗糸状菌およ
EN 12667
室内空気-第11部:建造物の
びその他土壌に棲む微生物に
建築用材料および製品の断熱
製品および備品からの揮発性
対する効力評価
性能-保護熱板法および熱流
有機化合物の放出の測定-サ
計法による断熱性の測定-高
ンプリング、サンプルの保管
および中程度の断熱性の製品
および試験試料の作成
EN 350-1
木材および木質材料の耐
ISO 16000-11
久性-無垢材の自然の耐
EN 927-3
久性-第1部:木材の自然の
塗料およびワニス-外面木
耐久性の試験および分類の原
材の被膜材料及び被膜シス
ISO 16000-6
則に関する指針
テム-第3部:耐候試験.
室内空気-第6部:MS/FIDを用
いたTenax TA吸収剤、熱脱
EN 408
EN 927-5
離およびガスクロマトグラフ
木造構造物-構造用木材およ
塗料およびワニス-外面木材
ィでの能動的サンプリングに
び集成木材-物理特性および
の被膜材料及び被膜システ
よる室内空気および試験室空
機械特性の測定
ム-第5部:液状水分透過性
気の揮発性有機化合物の定量
19
10 規格と規制による試験
ドイツ
オランダ
DIN 52184
DIN 52617
IFT Richtlinie HO-10/1
BRL 0605
Prüfung von Holz;
Bestimmung des
Massive, keilgezinkte und
KOMO®製品認証の修飾材に関す
Bestimmung der Quellung und
Wasseraufnahmekoeffi-
lamellierte Profile für
る国内評価指令
Schwindung. (木材の試験;
zienten von Baustoffen.
Holzfenster. Anforderung und
膨張率および収縮率の測定)
(建材の吸水係数の測定)
Prüfung. (木製窓の無垢材、
BRL 1704-1
フィンガージョイントおよ
耐力用途のフィンガージョイン
ト材
DIN 5218
IFT Richtlinie DI-01/1
び積層部材。要求事項およ
5 Prüfung von Holz;
Verwendbarkeit von
び試験)
Bestimmung der
Dichtstoffen. Teil 1 - Prüfung
Druckfestigkeit parallel zur
von Materialien in Kontakt
IFT Richtlinie 7/86
非耐力用途のフィンガージョイ
Faser. (木材の試験;木目に
mit dem Isolierglas-
Verträglichkeit von
ント材
平行な圧縮試験)
Randverbund. (シーラントの
Dichtprofilen mit Anstrichen
BRL 1704-2
塗布。第1部-二重ガラスで
auf Holz. (木材部材の塗装
BRL 2338
DIN 52186
使用するシーラントに接触す
塗膜の耐久性能)
耐力木構造用の接着剤
Prüfung von Holz;
る製品の試験)
RAL-GZ 695
BRL 2339
IFT Richtlinie FE-08/1
Fenster, Haustüren,
耐力木構造用の接着剤
Rahmeneckverbindungen für
Fassaden und Wintergärten
DIN 52192
Holzfenster. Anforderungen,
– Gütesicherung (よびパテ
BRL 2902
Prüfung von Holz;
Prüfung und Bewertung
ィオ-品質保証)
非耐力用途の接着剤
Druckversuch quer zur
(木製窓の角継手。要求事
Faserrichtung. (木材の試験;
項、試験および評価)
VFF Merkblatt HO.06-4
SKH刊行物97-04
Holzarten für den Fensterbau
KOMO®認証建具で使用する木材
Teil 4: Modifizierte Hölzer (建
種の評価基準;要求事項および
具に適した木材種)
試験方法
Biegeversuch.
(木材の試験:曲げ試験)
木目に垂直な圧縮試験)
AgBB:2008
建造物の製品からの揮発性有
機化合物の放出(VOCおよび
WVS_SHR_049
SVOC)の健康関連評価手順
無垢材の膨張率および収縮率
の測定
20
10 規格と規制による試験
北米
その他一般的な規格
ASTM B117-0 7A
WDMA I.S. 4
AWPA E20
EN 335-1
塩水噴霧装置操作の標準実
造作材の防腐処理に関する工
接地した木材防腐剤の浸出性
木材および木工製品の耐
施要領
業仕様
を測定する標準方法
久性-用途クラスの定義-第1
部:一般事項
ASTM D143- 94
AWPA E1-06
AWPA E22-07
材木の無欠点小試験片の標準
地下棲息性シロアリに対する
圧縮強さを使用した木材腐朽
EN 460
試験方法
研究室耐性評価の標準方法
菌に対する防腐剤の効力を試
木材および木質製品の耐久性-
験するための標準実験室加
無垢材の自然耐久性-ハザード
速方法
クラスで使用する木材の耐久性
ASTM E84
AWPA E10-01
建築用材料の表面燃焼特性の
実験室土壌ブロック培養によ
標準試験方法
る木材防腐剤の試験方法
ASTM G154-06
AWPA E12-94
非金属材料のUV暴露用の蛍
処理木材と接触する金属の腐
光灯器具操作の標準実施要領
食を測定する標準方法
の要求事項に関する指針
AWPA E23-07
土壌接触する木材防腐剤を評
EN 10088
価する加速方法
ステンレス鋼-第2部:汎用耐食
ステンレス鋼の薄板/厚板およ
AWPA E24-06
び帯鋼の技術的出荷条件
カビの成長に対する木工製品
WDMA T.M. 1-06
AWPA E18
表面の抵抗性を評価する標
土壌ブロック試験、防腐剤の
用途カテゴリBBでの使用を
準方法
木材腐朽防止の効力測定試
意図する木材防腐剤の評価の
験方法
ための標準フィールドテスト
暴露、接地なし、未塗装で地
WDMA T.M. 2-06
面近くの用途の腐朽方法
スエロメーター試験、処理剤
の短期膨潤防止効力測定試
験方法
21
10 規格と規制による試験
略語
EN & ENV
VFF & IFT
ENは「欧州規格」を意味し、欧州分類システムで使用される
VFFは「Verband der Fenster-und Fassaden-hersteller」を意味す
略語である。ENVは欧州暫定規格を意味する。
る。「Gütegemeinschaft Fenster und Haustüren」はRAL認証の
監視団体である(www.window.de)。IFT Rosenheimはドイツの試
験認証機関である(www.ift_rosenheim.de)。
BRL & SKH
SKHは木材、木材製品、木質構造および木材関連製品を
KOMO®認証することを認められたオランダの登録認証機関で
ISO
ある。BRLは国内アセスメント指令を表す。BRLおよびSKH刊
ISO(国際標準化機構)は、162カ国の国内標準機関のネットワー
行物の情報については、Stichting Keuringsbureau Hout, SKH(
クで、スイスのジュネーブに組織の調整を図る本部を置く。ISO
電話番号+31(0)317 453425)に連絡するか、ウエブサイト
の加盟国は自国の経済に重要と判断する規格の策定に参加する権
www.skh.orgを参照。
利を有する。ISO規格は任意である。非政府組織であるISOは、
規制または法制化はしない。しかし、多くの国がISO規格を規制
AWPA
として採択したり、法制化で参考にすることがある。詳しい情報
米国木材保存協会規格は頭文字のAWPAで表す。詳しい情報は
は、www.iso.orgに掲載されている。
www.awpa.comで入手できる。
ASTM
ASTMは米国材料試験協会を意味する。詳しい情報は
www.astm.orgで入手できる。
www.accsysplc.com
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www.tricoya.com
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Other Europe enquiries
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and guidelines of Accsys Technologies PLC and/or its agents
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