第 1 回富里市まち・ひと・しごと創生有識者懇談会 議事録 〔 日時 〕2015 年 5 月 18 日(月)13:00~14:50 〔 場所 〕富里市役所本庁舎 3 階第 3 会議室 ■ 出席者(順不同、敬称略) 市長 相川 堅治 (座長) 富里市商工会 寒郡 茂樹 (委員) 富里市区長会 沖田 健二 富里市農業協同組合 根本 実 千葉県立富里高等学校 加藤 寿子 千葉銀行 長谷川 浩一 公益財団法人千葉県産業振興センター 島津 政男 富里市子ども・子育て会議 龍岡 達子 富里市体育協会 坂田 啓一 成田国際空港株式会社 行方 正幸 (事務局) 総務部長、企画課長、企画課事務局 (株)三菱総合研究所・森崎 樋口 ■配布資料 ・ 第 1 回富里市まち・ひと・しごと創生有識者懇談会次第 ・ 富里市まち・ひと・しごと創生有識者懇談会委員名簿 ・ 資料1:人口ビジョン・地方版総合戦略の全体像について ・ 資料2:富里市の人口動向と将来推計結果(国モデルケース) ・ 資料3:富里市人口ビジョン及び富里市まち・ひと・しごと創生総合戦略策定方針 ・ 資料4:富里市まち・ひと・しごと創生本部設置要綱 ・ 資料5:富里市まち・ひと・しごと創生有識者懇談会設置要綱 ・ 資料6:総合戦略 策定スケジュール(案) ・ 資料7:市民意識調査 調査票(案) 1. 開会 2. あいさつ ・ 市長より、あいさつがなされた。 3. 委嘱状交付 4. 自己紹介 1 5. 懇談会座長の選任 事務局 ・ 懇談会座長の選任について、「富里市まち・ひと・しごと創生有識者懇談会設置要 綱」第 3 条第 2 項の規定により委員の互選により定めるとある。互選により決定して 頂きたい。なお、座長決定後は、要綱第 3 条第 4 項の規定により、座長から職務代理 者 1 名の指名をお願いする。 ・ 互選により寒郡委員に決定 寒郡座長 ・ 職務代理者として、富里市農業協同組合 根本委員を指名する。 根本委員 ・ 承知した。 6. 議題 (1)人口ビジョン・地方版総合戦略の全体像について(資料 1) (2)富里市の人口動態及び地方創生の取り組みについて(資料 2~7) (3)その他 <資料 1 に基づき、人口ビジョン・地方版総合戦略の全体像について事務局より説明> <資料 2~7 に基づき、富里市の人口動態及び地方創生の取り組みについて事務局より説明> 行方委員: ・ 富里市の事業所数等を把握する調査は実施するか。各事業所の富里市在住の従業者数 は把握できるのか。市民意識調査では、事業者の状況は把握できない。 寒郡座長: ・ 富里市の事業者数は経済センサス調査結果で把握可能である。 事務局: ・ 経済センサス調査や各種統計調査で富里市の事業者数や従業者数は把握可能である。 ただし、従業者のうちの市内在住者数といった詳細までは把握できない。 寒郡座長: ・ 地方創生においては、2040 年に日本の総人口が 1 億人を切らないよう人口を維持す ることが非常に重要と考えられている。そのために雇用や子育て環境を整え、富里市 に住んでいただくことを検討することが求められている。 ・ 個人的には、やはり産業・経済面の検討が重要と考えている。富里市は成田空港が近 接しているという特色がある。 ・ 地域連絡協議会が成田空港の容量拡大に伴う経済波及効果を試算している。試算では、 成田空港の航空機の発着回数が 22 万回から 30 万回に増加すると、雇用効果が 5 万人 増加するとの結果が得られており、富里市だけでも約 2,000 人から約 3,500 人に増加 する。また、第三滑走路が建設された場合、航空機の発着回数は 40 万回程度に増加 2 し、それに伴い雇用創出も増加する。 ・ これらの点を踏まえ、富里市のライバルとなる成田市や印西市との差別化を図り、成 田空港に勤務している人等に富里市に住んでいただくことを考えることが重要である。 ・ あわせて、観光についても熱心に取り組んでいく必要がある。 行方委員: ・ 試算では雇用者数が 2 万人増加すれば、住民も 6 万人増加することになっているが、 必ずしもそうはならないであろう。経済波及効果はメジャーな経済指標試算の手法で あるが、試算当時と現在とでは状況が異なっており、見直す必要もあるであろう。例 えば、JAL が破たんし LCC が参入したため、成田市の雇用も以前とは異なってきて いる。 沖田委員: ・ 私自身は成田空港新設に伴い建設された団地に移り住んできた。当時は若い世代が一 定程度の割合で入ってきていたが、現在は 65 歳以上の年齢層が多い。子どもたちは 富里市内に働く場所がないため、市外に出て行く傾向がある。 ・ 一方で、高齢者の場合、歳を取って市外に出るより、今住んでいる場所に住み続ける 方が安心・安全であると考える人が多い。団地でも安心して住むことができる仕組み を構築できるよう 35 年間取り組んできた。このような取り組みを土台として人口ビ ジョンに従って進めていくことが良いのではないか。 根本委員: ・ 総合戦略の策定にあたっては人口減少について検討することが重要である。 ・ 富里市は畑作が中心であり、家族経営の農家が全体の 90%以上を占めている。また、 毎年 10 名程度が新規に就農している。これまでは、農家の跡取りなどで学校を卒業 してすぐに就農する形が主であったが、最近では一度サラリーマンになった後にリタ ーンする新規就農者が増加しているように思われる。 ・ また、人口増加においては「結婚」が大きな課題であると考えている。例えば、後継 者がいるが、50 歳になっても独り身の人もいる。出会いの場があれば結婚につながる ように考えている。昔は、青年団組織等での交流があり、そこで男女が出会い結婚す るという流れであったが、最近ではそのような交流はあまりない。スイカロードレー スでも「出会いまスイカ」というイベントを実施しているが、あまり結果には結びつ いていない。 ・ 収入が理由で、農家ではなく他産業で働かせたいという親の考えが後継者減少につな がっている面もある。これからは、後継者対策が必要である。 ・ 富里市の農業は全国的にも注目されており、モデル事例にもなっているが、現状では 後継者がいない点が課題である。 加藤委員: ・ 富里高校の特徴として富里市内の生徒が多いことが挙げられる。千葉県立高校である ため隣接市からの入学も可能であるが、富里市内の生徒が全体の 41%程度を占めてい る。千葉市内の高校では市内の生徒の割合が 20%程度であるため、他校と比較しても その割合は高い。その一方で、人口減少に伴う定員割れを懸念しており、富里市だけ 3 でなく近隣市からの入学も増えて欲しいと考えている。 ・ 他市からの入学者数を増やすためには、交通手段を改善する必要がある。現状では、 自転車通学が全体の約 80%でメインであり、残りは親の送迎やバス利用である。 ・ また、富里高校では地域に開かれた学校を目指している。スイカロードレースや地域 フェスタ、ボランティア等に生徒が参加することで、生徒の成長につなげていきたい。 ・ 東京に行きたい、市外に下宿したいという生徒は少なく、地元での就職を望む生徒が 多い。富里市農業協同組合、公務員、成田空港関連を希望する生徒が多いようである。 雇用が創出されれば、生徒の就職先になる ・ 富里市の発展が富里高校の発展につながると考えている。地域についてともに考えて いきたい。 長谷川委員: ・ 富里市は昼間の人口が少ないと感じていたが、資料 2 を見る限り、それほどではない。 住宅ローンの借り入れ状況を確認すると、富里市内のみではなく、成田空港周辺から 富里市に移動している人も多い。 ・ 成田空港関連、酒々井アウトレット、酒々井インターチェンジ新設の影響も大きいよ うに思われる。 ・ 雇用創出の拡大を図りたいところであるが、企業を新しく設立することは難しいため、 観光や農業を活かした検討が必要と思われる。富里市には観光拠点が少ないと思われ るため、岩崎邸の活用を検討すると良い。また、富里スイカ等の農産物を PR できる 場や免税店等の出店も含めながら民間の力を借りつつ進められれば良いのではないか。 ・ 交通の便について、電車の開通は難しいため、バスや道路事情の改善を図っていけれ ばよい。現在は成田市から富里市まで 1 時間に 1 便程度バスが出ているのみであるた め、バス通勤できるような改善を検討することも重要である。 ・ 富里中学校の生徒がヘルメットを装着し自転車で通学しているが、車道を走行するた め自動車やバス等と接触の可能性があり、危険だと感じている。富里市に住んでいた だくためには、子どもの安全確保も必要ではないか。 島津委員: ・ 富里市と成田空港は密接な関係がある。 ・ 雇用創出のために既存事業及び新規事業の拡大を図ることになるであろう。 ・ 期間が 5 年間と限定されているため、雇用、子育て、医療等、全ての項目に取り組む ことは難しい。全般的な取り組みは後期基本計画で検討することとし、総合戦略では、 テーマを絞り成田空港を活用した地域づくりを検討していくことはいかがか。 ・ 観光資源として農業体験も可能である。成田空港に近い立地を活かし、連携して取り 組んではどうか。 龍岡委員: ・ 雇用機会を確保するとともに、転入したいと思う環境が必要である。例えば、子育て がしやすい環境の整備として、待機児童をゼロにすることや、いすみ市のようにワク チンを無料にするといった取組みも参考になる。 ・ 総合戦略では、特定のテーマに特化して富里市の環境をアピールし、若い人に移り住 4 んでいただける環境づくりに取り組んでいくべきではないか。 ・ 富里市子ども・子育て会議においても、様々なプランニングを行っている。同会議で の方向性を踏まえ、環境づくりに取り組んでいくべきではないか。 坂田委員: ・ 期限があるため、様々な検討を行うことは難しい。焦点を 1~2 点に絞り込んで対応 していくことが良いであろう。 ・ 富里市は比較的、雇用機会がある。ただし、正社員ではなく派遣社員やパート・アル バイトである。安定した職につかなければ、結婚等の将来を考えられないという若者 の気持ちもあるであろう。 ・ スポーツの視点では、最近ではスポーツ人口が減少している。外でスポーツを行うよ りも家でパソコンやゲームを行う方が流行しているように思われる。このようにスポ ーツを通した取り組みだけでなく、飲み会のようなコミュニケーションを取る場が減 少している。多少なりとも、このような機会が必要ではないか。 ・ 観光も含めて、人との交流に関する取り組みを推し進め、富里市に足を運んでいただ く機会を作るとともに、UIJターンできるようなまちづくりをしてほしい。 寒郡座長: ・ 各委員の意見を踏まえ、期間が 5 年間と限られているためテーマを絞り込んで取り組 んでいくべきと思われる。事務局の意見はいかがか。 事務局: ・ あるテーマに特化し検討する方が良いと考えている。後期基本計画では総合バランス を考慮し全体的な検討を進めるが、総合戦略ではテーマに特化し、具体的な数値目標 を持って取り組んでいくことが重要であると考えている。 寒郡座長: ・ 1~2 個程度のキーワードを挙げて検討していく方針が良い。「子育て」もキーワード の一つと思われるが、いかがか。 龍岡委員: ・ いすみ市ではワクチンを無料とする取組みにより、他自治体からの転入が増えたと聞 いたことがある。 ・ 成田市や八街市と差別化を図り、富里市の強みを示していく必要がある。例えば、若 者が負担なく子育てができ、子どもの健康を守っていくことができるという点も、強 みの一つになるのではないか。 ・ 待機児童に関しては、富里市子ども・子育て会議でも取り組んでいるため、ここでは 特別に取り上げなくて良いかもしれない。 ・ 就労意欲はあるが、実際働こうとすると保育等の課題があり難しいことが現状である。 事務局: ・ 待機児童は 5 月上旬で 49 名である。 ・ 待機児童ゼロを目指した取り組みの一つとして、平成 28 年度~平成 29 年度を目途に 5 葉山保育園の定員増加、向台幼稚園の認定こども園化等を行っている。 根本委員: ・ 富里市農業協同組合では、現在 4 名の職員が産休を取得している。制度が整備され、 1 年半以上の休暇を取得することが可能になった。産休中の職員の代わりが必要であ り、新規で職員を採用している。保育が可能であれば、1 年半より早く戻りたいとい う声もあるが、実際には保育可能な場所がなく、職場復帰まで時間を要しているのが 現状である。 加藤委員: ・ 安心して働けるまちづくりとして、幼少期の子どもだけでなく、小学生等の少し大き くなってからの支援があると良い。 ・ 先ほど指摘のあった生徒の通学事情に関しては、危険であるとの苦情が学校にも入っ ている。通学が危険なため他校を選ぶといった意見も聞いたことがあり、安全・安心 は重要である。 坂田委員: ・ 岩崎邸に隣接予定の農産物直売所について伺いたい。富里市農業協同組合と連携して 進めているのか。 事務局: ・ これまで庁内の研究会で検討を進めてきた。今後は富里市農業協同組合と共に取り組 んでいくことが必要と考えているが、具体的な対応まではできていない。 寒郡座長: ・ 富里市の特産として馬もある。乗馬クラブが多い市であり、これまで以上にプロモー ションに力を入れていく必要がある。 ・ ジョイフル本田等の集客力がある店舗の活用も検討できないか。富里市の観光を考え 実践的な取り組みが重要ではないか。 島津委員: ・ 富里スイカロードレースは有名であるが、その他に目立った観光資源がない。牧場の 町として PR していくことも可能ではないか。 ・ 成田空港に近い立地を活かし、インバウンドをターゲットとすることも良い。 長谷川委員: ・ 観光について、富里市周辺では観光バスが多く運行しているが、富里市は経由地点に なってしまっている。岩崎邸は立地が良く、見どころになるのではないか。例えば、 成田空港から酒々井アウトレットの中間地点という立地を活かし、宿泊施設の建設等 に取り組んでいけないか。インバウンドの消費額は大きいため、ターゲットとしても 良い。 坂田委員: ・ 酒々井町で懇談会を構成し、アウトレットやその周辺について活用を検討していると 6 聞いているが、情報はあるか。 事務局: ・ 情報はない。 根本委員: ・ 震災前は、はとバスによる産直センター日帰りツアーがあったが、その当時の富里市 は通過点になっていた。これからの観光を検討する際には、岩崎邸等、富里市に来て いただいたお客様にどの程度滞在していただけるかについて考えることが重要である。 また、現状では団体客が食事できる場所がないため、そのような場を作っていくこと も必要である。 ・ 道の駅や産直センターは、地元住民あるいは観光客のどちらを対象にしているかによ り対応が異なる。実際のところ、季節による来客数の差が激しく、赤字が生じている 道の駅もあると聞いているため、二の足を踏んでいる面もある。 ・ 岩崎邸は観光施設としての活用を考えていきたい。 沖田委員: ・ 道の駅等に関する議論は以前からある。岩崎邸の活用も検討していかなければならな い。これまで議論してきたことを活かしていけばよいのではないか。 ・ 富里市は、現在は通過地点になっているが、成田市が近く立地条件として良い。 坂田委員: ・ 酒々井アウトレットとの連携を含めて検討すると良い。富里市は酒々井アウトレット の近隣に 15 町歩の土地を所有しているため、用途の制約はあると思われるが、活用 を検討してはいかがか。 寒郡座長: ・ 各委員のご意見を踏まえると子育てや観光、成田空港の活用が焦点になるであろう。 ・ 成田空港以外にも、酒々井インターチェンジ、酒々井アウトレットも含めて検討を進 めていければ良い。 ・ 市民意識調査について意見があれば事務局に連絡して頂ければ良いが、時間的な制約 もあるため、最後は座長一任とさせて頂くことで良いか。 全委員: ・ 座長一任で良い。 7. その他 事務局 ・ 次回懇談会では、市民意識調査の途中経過についてご報告するとともに、UIJ ターン 調査や総合戦略の具体的な施策等についてご意見を頂くことを予定している。 ・ 次回懇談会は 6 月 29 日(月)の 13 時から開催とする。 8. 閉会 以上 7
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