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№ 15
Tomisuiken Dayori(Newsletter of Toyama Pref. Fish Res. Ins.)
ISSN 1883 ­3047
平成27年7月
富山県農林水産総合技術センター
水産研究所 発行
〒936­8536
富山県滑川市高塚364
TEL076(475)0036
FAX076(475)8116
15
航行中の漁業調査船立山丸(左上段)、海洋観測のようす(右)、
ハンマー〆されたアオリイカ(左下段)
目 次
印象に残る調査・研究・
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・ 副所長・海洋資源課長 内山 勇 2
−沿岸海洋観測調査、
ホタルイカ分布調査−
秋の使者「アオリイカ」の漁況予測の可能性と利用について・
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・ 海洋資源課 小塚 晃 4
【人事異動の挨拶】
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【写真の説明・編集後記】
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・8
(1)
№ 15
印象に残る調査・研究
−沿岸海洋観測調査、ホタルイカ分布調査−
副所長・海洋資源課長 内山 勇
過去、水産研究所(水産試験場)で勤務し
然と言えます。しかしそれは、海面に近い地
た間、主に海洋や資源関係の調査・研究に携
上の目と、高みから見おろす上空の目が、そ
わってきました。どの業務も地道な作業の連
れぞれの方法で、富山湾を正しく捉えていた
続でしたが、そんな中でも、印象に残る経験
と実感した瞬間でした。
が幾つかあります。「個人的」な話で恐縮で
すが、水産研究所の業務内容を違った切り口
からお伝えできればと思いご紹介します。
沿岸海洋観測調査
水産研究所の重要な業務の一つに、調査船
立山丸で毎月行う富山湾の沿岸海洋観測調査
があります。この調査は、その時々の水温分
布など富山湾の状態を定期的に把握し、他の
水産関係研究機関が観測したデータとも併
せ、様々な魚種の漁獲量予測に利用されるな
図1 「だいち」による富山湾画像
(宇宙航空研究開発機構ホームページから引用)
ど、富山県水産業にとって基礎的で重要な役
割を担っています。
調査は、能登半島先端と佐渡島を結ぶ線から
富山県沿岸にかけての海域に、約20km間隔
で配置した26の観測点を30時間ほどかけて周
回し、最大深さ950mまでの水温・塩分の測
定、プランクトンの採集などを行います。
この調査の担当から外れ相当経った頃、2006
年5月に陸域観測技術衛星「だいち」が撮影
した富山湾画像(図1)を初めて見た時のこ
とが、印象深く心に残っています。その画像
からは、海面の色の違いから、沖合の真っ青
な海水(写真では黒っぽい)が能登半島に沿
って富山湾内に流入する様子がうかがわれ、
それが海洋観測データに基づく計算で推定し
図2 5月の富山湾の平均的流動パターン
図中数値はダイナミックデプスアノマリー(海水密
度の指標)
(内山1993)
た流れのパターン(図2)とよく似ていたか
ホタルイカの分布調査
らです。計算で求めたパターンは30年間の平
ホタルイカに関する調査研究を担当した時
均であるのに対し、衛星画像は一瞬を捉えた
のことです。その中で、富山湾に来遊する前
もので、パターンが似ていたのは、むしろ偶
の未成体のホタルイカが富山湾以外のどこに
(2)
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分布しているか、立山丸を使って調べる調査
言うことです。本稿ではそれなりに「オチ」
を行いました。初めは、富山湾に近い海域に
の着いた話をご紹介しましたが、オチの着か
いるものと予想し調査計画を立案しました
ないことも多いのが現実です。
が、採集されるのは同じ科のホタルイカモド
しかし、それは水産業と自然の距離が近い
キばかりで、ホタルイカを採集できず、調査
と言うことであり、再生可能エネルギーの利
をどのように進めれば良いか悩みました。
用が注目されるなか、そのエネルギーを食料
そんな時、たまたま水産試験場を訪れたロ
として収穫する水産業の重要性は、今後益々
シアの研究者から、沿海州の沖に小さなホタ
大きくなると考えます。
ルイカがたくさんいるとの話を聞きました。
日本近海で生まれるホタルイカがそんな遠く
にいるはずが無いという常識と、研究論文で
もない単なる「話し」であることから、その
時は半信半疑でした。しかし、調査が行き詰
まっていたのも事実で、思い切って佐渡島西
から日本海中央のロシアとの200カイリ境界
線ぎりぎりまで、沖合に向かって調査をする
ことにしました。具体的には、約56km間隔
に8つの調査点を約390kmにわたり配置し、
夜に中層トロール網(口径約10mの大きな虫
取り網のような漁具)による採集調査を行い
図3 佐渡島北方における中層トロールによるホタ
ルイカ未成体採集数(太字)。等値線は日本海
漁場海況速報(日水研)による同時期の100
m深水温分布(富山水試他2001)
ました(図3)
。
その結果、胴体の長さが3∼4cmの未成
体のホタルイカが7月、9月とも沖合の調査
点で多く採集されました(図3、4)。それ
まで注目しなかった海域で夏に未成体のホタ
ルイカが分布しているらしいことが捉えら
れ、やがて、漁期1年前の山陰沖の水温を富
山湾のホタルイカの漁況予測に応用する発想
につながりました。この調査航海も印象深い
図4 日本海沖合で採集したホタルイカ未成体
経験です。
立山丸による中層トロール網による調査
<引用文献>
は、最近では、ホタルイカのほか、スルメイ
「だいち」による富山湾の画像. http://www.
カやマイワシを対象に行われ、成果を上げて
eorc.jaxa.jp/hatoyama/alos/image/2006052
います。
5_toyamawan.jpg
内山 勇 1993. 富山湾及び周辺海域の平均的
最後に
流動パターン. 富水試研報, 4:11-30.
水産業は他の産業よりもむき出しの自然を
富山県水産試験場・京都府立海洋センター・
相手にする度合いが高く、試験・研究にも、
水産庁日本海区水産研究所・水産庁漁場資
その性質が色濃く反映します。それは、一言
源課 2001. 漁場生産力モデル開発基礎調査
で言うと「なかなか思い通りにならない」と
【富山湾・若狭湾】総括報告書:65-71.
(3)
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秋の使者「アオリイカ」の漁況予測の
可能性と利用について
海洋資源課 研究員 小塚 晃
水産研究所に異動してはや1年。主担当業
温が高ければアオリイカの漁獲量が多くなる
務は、ブリ資源に関する研究と、水温や塩分
ことを明らかにしており、2014年までのデー
等の海洋観測です。昨年は、富山湾周辺の水
タを追加して示すと、図1のような関係にな
温を利用してブリ漁況予報を作成しました。
ります1)。経験的に知られていることが、海
今回は、水温から漁況予測ができる可能性
洋観測のデータからも裏付けられたことにな
のある魚種として、アオリイカについて報告
ります。夏の水温で漁獲量はある程度予測で
いたします。
きますが、一方で、81年、84年、92年、96年
のように関係性から大きく外れる大不漁年が
あることも分かります。
日本海のアオリイカの一生
大不漁年の謎解きの前に、日本海のアオリ
イカの一生を富山湾で漁獲のある8月から追
っていきましょう。春先に産まれたアオリイ
図1 私がエギで釣ったアオリイカ
カは、お盆過ぎから漁獲され始め、11月に最
アオリイカは温かい海が好き?
も多く漁獲されます。これらは富山湾近辺で
富山湾では、8月、お盆を過ぎたころにな
成長したものだけでなく、北海道以南の海域
ると、秋の使者、小判ほどの大きさのアオリ
から避寒回遊で南下してきたものが含まれて
イカが市場に水揚げされます。透明感があり
いると思われます2)。過去に行われた標識放
エメラルドグリーンのアイシャドーをした姿
流の結果では、四方や氷見沖から石川県七尾
は宝石のようです。
市や能都町沖への移動、逆に能都町沖から魚
猛暑の年には漁獲が多いということを経験
津や岩瀬沖への移動が確認されており、湾外
的に知っている方もいると思います。林
に出た個体はいませんでした3)。秋から冬に
(2003)は、8、9月の10m富山湾内平均水
かけて、富山湾内は湾外に比べ若干温かくな
ることが多いので、居心地の良い湾内から抜
け出せなくなってしまうのかもしれません。
アオリイカは水温15℃を下回ると活力がな
くなることが報告されており4)、15℃を下回
る1月には獲れなくなっていきます。また12
℃以下で衰弱死するとも報告されており4)、
最低水温期の3月には約10℃となるので、湾
図1 湾内水温とアオリイカ漁獲量の関係
吹き出しは年、点線は予測される関係を表す
内に取り残されると衰弱死すると考えられま
す。対馬暖流の影響の強い九州西岸や東シナ
(4)
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海の温かい海域まで南下できたアオリイカた
があり、8,9月の水温の高さで漁獲量の予
ちはそこで冬を越します
測ができるということが分かりました。ちな
。
2)
春になると産卵のため日本海沿岸を北上し
みに2015年は、5月の対馬東水道の水温が16
ながら、水温16℃以上の沿岸藻場などに産卵
℃を超えているので、ひとまず大不漁にはな
し、初夏にはその短い一生を終えます
らないと思われます。
5)
。産
卵海域の北限は能登半島西岸あたりのようで
すが、富山湾内でも初夏にごくわずかですが
富山県民だけが楽しむ味!?
大きなイカを見ることができます。卵は約1
アオリイカの漁獲量は、富山県内で290ト
か月で孵化し
、稚イカはさらに北上し
ン(10年平均値)
、石川県(主に富山湾側で漁
て、夏のおわりには北海道南部以南の日本海
獲)と合計すると470トン程度となります7)。
側で広く分布し2)、富山湾でも見られるよう
アオリイカについて、全国的な漁獲統計は
になります。
存在しませんが、ブランド化を進めている徳
2)4)
島県では50∼200トン程度、三重県では100ト
大不漁の原因は?
ン未満だそうです(春の大型イカを含む。徳
このような決死の大回遊を繰り返している
島水研 上田氏、三重水研 久野氏私信)
。量と
アオリイカですが、時々見られる大不漁の原
いう点においては、富山湾は全国でも屈指の
因として産卵場の水温の影響を考えました。
産地と言えるのではないでしょうか。
春の水温の指標として、5月の対馬東水道の
アオリイカの刺身はねっとりと甘く、イカ
10m水温を調べました(図2) 。5月の水
の中でも最上級品として知られています。県
温上昇は著しく、年による観測日の違いが影
内では旬の秋だけでなく、夏時期の刺身商材
響するため、4月のデータも用いて、5月1
「アオリイカ(解凍)」として、親しまれて
日の推定値に補正しています。
いますが、全国的な知名度はどれくらいある
湾内水温とアオリイカ漁獲量の関係から得
のでしょうか。東京都中央卸売市場における
られた相関式から大きく外れてしまった84
取扱量と平均単価を調べました(図3)8)。
6)
年、96年は15.5℃を下回っており、81年も16
℃を下回っています。92年は低水温ではあり
ませんでした。
漁獲量が150トンを下回る不漁だった80、
81、82、84、91、92、93、96年のうち、92
年、93年以外は16℃を下回っています。
まとめますと、産卵時期(5月)の日本海
西方海域の水温が低いと大不漁となる可能性
図3 東京都中央卸売市場の秋(9∼12月)におけ
る主な出荷地別取扱量と単価(2010∼
2014年の平均値)
1シーズンで富山産はわずか3,000kg。単
価は平均以下の水準でした。たくさん漁獲さ
れていますが、首都圏にはあまり出荷されて
いないようです。
漁業者さんからは、秋には定置網にさまざ
図2 対馬東水道の5月1日の10m推定水温
まな魚介類が入網し、アオリイカのみを上手
(5)
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<参考文献>
1)林 清志 2003. 富山湾におけるアオリイ
カの漁獲実態. 富山県水産試験場研究報告.
14:11-28
2)上田幸男、海野徹也 2013. アオリイカの
秘密にせまる. 成山堂書店
3)富山県水産試験場編 2005. 富山湾を科
写真2 ハンマー〆;ハンマーで頭部を叩くと透明
になる。(写真、徳島県立農林水産総合技
術支援センター提供)
学する. 北日本新聞社
4)福井県水産試験場研究報告. アオリイカ
の養殖に関する基礎研究.平成19年∼平成23
に獲り上げるのは難しく、透明感がなくなっ
年度
てしまうと聞いています。忙しい船上でも透
5)和田洋蔵、西岡純、田中雅幸 1995. 京都
明感を残す方法はないのでしょうか。ブラン
府沿岸域に来遊するアオリイカの産卵生態
ド化を進める徳島県の定置網では、さまざま
について. 日本水産学会誌. 61(6)
:838-842
な〆方を試し、簡易なハンマー〆が採用され
6)福岡県水産海洋技術センター海洋観測デ
ています2)。県内の一部の定置網漁業者さん
ータ
も、取り組み始めているようです。
7)石川県水産総合センター漁獲統計情報
ケンサキイカと言えば九州、スルメイカと
http://www.pref.ishikawa.jp/suisan/center
言えば函館のように、アオリイカと言えば富
/shigenbu.files/opendata/top.html
山湾となることを期待して、今後は資源生態
8)東京都中央卸売市場月報
に加えて高品質化についても研究していきた
http://www.shijou.metro.tokyo.jp/torihiki/
いと思います。
人事異動の挨拶
退 職
漁業調査船「立山丸」 船長 石浦 光英
この度3月31日付けで、水産研究所を定年
退職いたしました。在職中は皆様には公私共
に大変お世話になり、ありがとうございまし
た。私は昭和63年4月に旧水産試験場立山丸
に異動になり、それ以来、立山丸一筋に27年
間勤務しました。平成17年から10年間船長職
に就きましたが、大過なく職務を全うできた
のは、立山丸乗組員はじめ研究員・職員のご
指導、ご協力のおかげです。厚く御礼申し上
げます。なお、4月1日から主任専門員とし
て、立山丸に再任用することになりました。
今後ともよろしくお願いいたします。
漁業調査船「立山丸」 機関長 広瀬 成人
このたび、3月31日をもちまして水産研究
所を定年退職いたしました。思えば就職の始
まりが第二次オイル・ショックの時代でした。
その後14年を経て、平成元年から県立高等
(6)
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学校実習船及び漁業調査船に勤務させていた
だきました。皆様の温かいご指導とお力添え
に支えられ、今日を迎えることができ厚くお
礼申し上げます。
これからは、多くの皆様方の思い出を大切
にして、今まで以上に健康に留意しながら有意
義な人生を歩んでまいりたいと考えています。
海洋資源課 副主幹研究員 林 清志
平成27年3月末日をもって定年退職いたし
ました。昭和53年に採用されて以来、退職を
迎えるまで、無事勤められましたのも、漁業
関係の皆様、職員の皆様、OBの皆様など、
多くの方々のご指導ご鞭撻のお陰と深く感謝
しております。特に、平成17年9月に大病を
患い、翌年の復帰後から退職までの10年間、
水産研究所の皆様には大変ご迷惑をお掛けし
ましたこと、お詫び申し上げると共に、色々
とご協力いただきましたことに深くお礼申し
上げます。
最後に、この36年間に皆様より賜ったご厚
誼に厚くお礼申し上げます。
着 任
漁業調査船「立山丸」 船長 浜住 洋一
4月1日付けで、水産漁港課漁政係「つる
ぎ」から水産研究所海洋資源課「立山丸」に
異動となりました。水産漁港課在職中は皆様
方に大変お世話になりました。この場をお借
りしてお礼申し上げます。
水産研究所での勤務は、平成13年度に転出
して以来、14年ぶりとなりました。久しぶり
の業務内容であり、不慣れな面や、わからな
いことばかりですが、1日でも早く戦力とな
り、富山県水産業の発展の為、少しでも皆様
方のお役にたてるように努力します。今後と
も、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いい
たします。
海洋資源課 主任 山田 誠
このたび、企業局電気課から異動となり、
主に庶務や会計を担当することとなりまし
た。折りしも、「世界の美しい湾クラブ」へ
の加盟や「全国豊かな海づくり大会」の開催
など、水産分野への関心が高まっているな
か、この職場で仕事ができることに喜びを感
じています。初めての仕事も多々あります
が、早く業務に慣れて、職員の皆さんのお力
になれるように努めたいと思いますので、ど
うぞよろしくお願いします。
海洋資源課 主任研究員 北川 慎介
4月1日付の人事異動により、水産漁港課
から水産研究所海洋資源課へ転任いたしまし
た。水産漁港課では、微力ながら本県の漁業
調整や水産業の振興に携わり、この間、関係
者の皆様には大変お世話になりました。この
場を借りて深くお礼申しあげます。
水産研究所では、クロマグロ、スルメイ
カ、バイ類及びサワラの資源調査の担当とな
りました。これまで積み上げてきた研究成果
をさらに発展させられるよう努力し、関係者
の皆様に少しでもお役に立ちたいと思ってい
ます。今後ともご指導、ご鞭撻のほど、よろ
しくお願い申し上げます。
内水面課 研究員 勘坂 弘治
平成27年4月7日付で水産研究所、内水面
課に配属になりました、新規採用職員の勘坂
弘治と申します。魚病を担当することになり
ました。大学で学んだことを活かしつつ、地
元に帰りたいという希望通りに、この職に就
くことが出来て大変うれしく思っています。
社会人1年目でわからないことの方が多く
ありますが、一つ一つ懸命に業務に取り組み
ますので、皆様のご指導ご鞭撻を賜りますよ
う、よろしくお願い申し上げます。
(7)
№ 15
漁業調査船「立山丸」 嘱託 長倉 諒
めてきたと感じています。まだ船舶乗組員と
しての経験が浅く、未熟な部分も多くありま
すが、皆様のご指導の下、富山県漁業のお役
に立つことができるように、一日でも早く仕
事に慣れ、多くのことを吸収していきたいと
考えています。
4月から立山丸の船舶乗組員(甲板員)と
してお世話になっております。私は岐阜県可
児市の出身で、現在は滑川市内にアパートで
一人暮らしをしています。富山県を訪れたこ
と自体初めての経験で、最初は、土地感もな
く右も左も分からない状態でしたが、三月を
経過して、ようやく滑川市での生活に慣れ始
転 出
富山県教育委員会 滑川高等学校 主任 大島 典子
研究員や船員の方がそれぞれ自然や生物を相
手に精力的に仕事をされ、活気に満ちた職場
で、私も皆さんからエネルギーをもらいなが
ら4年間を勤務することができました。本当
にありがとうございました。
この4月に水産研究所から滑川高等学校に
異動しました。
水産研究所では、主に庶務・会計の仕事に
従事し、水産研究の現場に裏方として関わっ
てきました。
ある時は海や川で、ある時は飼育施設で、
平成27年4月1日付けで、水産研究所内水
面課から水産漁港課漁港係へ異動となりまし
た。5年間の水研在籍中は、内水面漁業協同
組合、内水面漁業者および養殖業者の方々を
中心として、関係する多くの方々に大変お世
話になりました。この場を借りて厚くお礼申
水産漁港課 主任 村木 誠一
し上げます。水産漁港課では、これまでと全
く畑の違う漁港管理に関する仕事となります
が、少しでも早く皆様のお役に立てるよう努
力いたしますので、今後ともご指導ご鞭撻賜
りますようよろしくお願い申し上げます。
水産漁港課 取締船「つるぎ」 主任 水林 伸夫
平成27年4月1日付けで調査船「立山丸」
から、取締船「つるぎ」へ異動となりました。
平成13年4月に採用されてから「立山丸」
で10年間、「はやつき」で4年間、合計14年
間勤務し、船員として一から育てて頂いた研
究所職員・船員の方々に深く感謝いたします。
4月からは今までの経験を活かし、新しい
職務を遂行できるよう、努力していきますの
で、皆様のご指導、ご鞭撻を賜わりますよ
う、よろしくお願い申し上げます。
写真の説明
左上および右の写真は、漁業調査船「立山丸」により毎月実施している海洋観測の1コマ
です。CTDを使用して、水深数100mまでの水温や塩分を連続測定します。左下の写真は県
内市場に水揚げされたアオリイカで、ハンマー〆が施されています(本文記事参照)
編集後記
富水研だより第15号をお届けします。今回は海洋観測、ホタルイカならびにアオリイカの話
題をお届けしました。北陸新幹線開業から4カ月。わが県の水産業にも本格的な変化の波がや
ってくるかもしれません。私たちも視点を柔軟にして、新たな研究のニーズをいろいろと見つ
け出していきたいと思います。本年度もよろしくお願いいたします。
(8)